【ラグビー】ボーナスポイント奪取の完勝/関東大学Jr選手権 早大戦

今秋、対抗戦出場も果たしたPR長尾

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連勝で進出に弾みをつけたい関東大学Jr選手権第2戦。今節の相手は宿敵・早大であった。試合は、慶大が前半だけで5トライ5ゴールを奪い試合を決定づける。後半は早大に苦しめられる場面もあったが、49-17の完勝。疲れの出た後半にミスが増えたものの、SO古田のキックをはじめ、各選手が持ち味を発揮した素晴らしいゲームであった。これで慶大は2連勝。ボーナスポイントも加え、関東大Jr選手権A首位に立った。

 

関東大学Jr.選手権A vs 早大

2015/10/3(日)13:00K.O.@慶大日吉グラウン

 

 

得点

慶大

 

早大

前半

後半

 

前半

後半

PG

DG

35

14

小計

17

49

合計

17

 

得点者(慶大のみ)

 

T=松岡3、長尾1、宮本1、江嵜1、今泉1

 

G=古田6、今泉1

 

慶大出場メンバー

ポジション

 

 

1.PR

長尾昴(環3・茗渓学園)

→17 加藤宏(経4・慶應義塾)

2.HO

松岡大介(環3・小倉)

→16 末永晃二(商4・慶應義塾)

3.PR

角田匠輝(法3・慶應義塾)

 

4.LO

吉田雄大(総2・秋田高)

 

5.LO

辻雄康(文1・慶應義塾)

→18 太田周造(政3・慶應義塾)

6.FL

永末千加良(法2・慶應義塾)

 

7.FL

高家章徳(商4・慶應志木)

 

8.No8

岩本龍人(政4・国学院久我山)

 

9.SH

中鉢敦(経3・慶應義塾)

→21 江嵜真悟(商1・小倉)

10.SO

古田京(医1・慶應義塾)

→22 今泉宏健(総2・清真学園)

11.WTB

小原錫満(総1・東海大仰星)

 

12.CTB

染原健人(理3・修猷館)

 

13.CTB

古橋純(理4・千種)

 

14.WTB

宮本瑛介(経1・慶應義塾)

 

15.FB

楠本遼(経3・慶應義塾)

 

 

 

先制トライを決めたWTB宮本

先制トライを決めたWTB宮本

先手をとったのは慶大だった。7分、FB楠本がハイパントを上げ自らキャッチし、大きくゲイン。それを素早くフォローしたSO古田が拾い前に出てラックに。SH中鉢から、潰れる古田の代わりにSOの位置に入っていたCTB染原が完璧なキックパスで右に展開すると、待っていたWTB宮本が右隅にトライ。難しい角度からの古田のキックも成功し慶大が7点を先制する。すると11分には、対抗戦デビューも果たしたLO辻のラインブレイクで敵陣深くに侵入すると早大がペナルティー。これをラインアウトからのモールでHO松岡がグラウンディング。リードを14点に広げた。24分には松岡がゴール前に一人で抜け出しこの日2つ目のトライを奪う。しかし、ここから流れは一時早大へ。自陣ゴール前まで攻め込まれ耐える時間が続いた。だが、この日の慶大は攻守に渡り冴えていた。迎えた34分、低いタックルで相手のノックオンを誘い、自陣深くでターンオーバーすると、素早く左に展開。ここから楠本がスペースにキックをし、古田・楠本の二人が早いチェイスをすると、孤立した早大SOのミスを誘った。そのまま奪った慶大が右へとつないでフォローしたPR長尾が走りきりトライ。自陣でのディフェンスからの切り替えからの気持ちの良いトライだった。この時点で慶大はボーナスポイント獲得。しかし、まだまだこのままでは終わらない。39分、早大のペナルティーから敵陣22mライン付近でマイボールラインアウトを獲得。これをしっかりと辻に合わせると、そのままモールで押し込み松岡がトライ。松岡はこれで2戦6トライという大車輪の活躍だ。古田のキックも成功し、35-0という完璧な試合展開で前半を終えた。

 

 

東海大仰星出身のWTB小原

東海大仰星出身のWTB小原

前半の流れを維持したい後半であったが、序盤は修正してきた早大の流れとなる。6分に自陣での相手ラインアウトから左に大きく展開されトライを許すと、14分には自陣でのマイボールのラインアウトがオーバー。そのまま奪われ連続トライを許した。後半開始から慶大のキックオフ3本連続で最初のラックの場面でノットロールアウェイを取られ、キックで自陣まで攻め込まれるというパターンで早大に流れを渡してしまった印象だ。ここは次戦への課題であろう。そんな嫌な流れを断ち切ったのはFL永末だった。22分、前半から攻守に渡り貢献していた永末がラインブレイク。このプレーは味方のフォローが間に合わず得点にこそつながらなかったが、慶大に流れを引き戻すきっかけとなった。慶大は24分、29分に2人ずつのフレッシュな選手をピッチに送り込んだ。すると32分、敵陣ゴール前までFWで攻め込むと、最後はSH江嵜が自ら持ち込みトライ奪った。34分に早大にトライを奪われたものの、LO太田がハンドオフから大きくゲインをするなど途中出場の選手も見せ場を作り、40分には途中出場のSO今泉がトライを奪い、ここでノーサイド。7本のトライを奪い、コンバージョンもすべて成功させた慶大が完勝した。

 

 

 

 

快心の勝利をあげた慶大。この試合ではそれぞれの選手が持ち味をアピールした。しかし後半、セットプレーでのミスやハンドリングエラーが目立つ場面もあった。彼らの計り知れないポテンシャルをさらに発揮するためにも、そのような細かいところの技術の向上は必須であろう。対抗戦も18日の帝京大戦から強豪校との対戦が続いていく。強豪校に勝利するためにはJr選手権に出場している選手が活躍し、選手層の底上げをしていくことが不可欠である。まずは、今日素晴らしいプレーを見せた選手たちから来週の対抗戦・立教大戦のピッチに立つ選手が現れるのか。注目したい。

 

 

【ケイスポ的MOM】チームに流れを引き寄せるビッグゲイン FL永末

積極的なプレーが持ち味

積極的なプレーが持ち味

先週の日体大戦で対抗戦デビューも果たした期待の2年生・永末がこの試合のMOMだ。永末自身のトライこそなかったものの、前半からアタックでポイントになり続け、慶大の勝利に貢献した。まさにFLたるプレーを髄所に見せた。特筆すべきは後半22分のラインブレイク。「偶発的だった」プレーながらも、あのプレーが再び慶大に流れを引き寄せ勝利を確実なものとさせたことは間違いない。今日のプレーは「65点」と語る永末の100点満点のプレーが対抗戦のピッチで見られるのもそう遠くないだろう。

(記事・太田悠貴)

 

 

 

【選手コメント】

 

松岡大介

(試合を振り返って)早大は早いアタックをしてくるので、それを止めようと、タッチアップといって二枚目のタックラーが叩こうと決めていました。前半それがすごくよかったです。しかし後半は逆にペナルティにつながってしまって、テンポが悪くなったところで交代になってしまったことが少し心残りです。(トライシーンを振り返って)一本目はモールのトライなのでみんなのおかげです。二本目は自分の良さを出すことができたのかなと思います。(モールからトライを奪えているが)そうですね。前回の東海大戦で結構取れて、今日の試合でも出せてよかったです。(ラインアウトについて)前回の東海大戦よりも崩れてしまったところがあったので、もう一度練習をやり直して頑張ります。(次戦に向けて)立教戦はまたリザーブスタートだと思うので出場できたら自分の良さをラインアウト等で見せていけたらなと思います。

 

角田匠輝

(試合を振り返って)早くセットすることと、ブレイクダウンにフォーカスしていました。しっかりセットして前に出れたので、僕たちのペースで試合を進められました。(ご自身については)セットプレーを安定させることを意識していたので、その点は上手くいったと思います。(重点的に練習してきたこと)スクラムで前に出て押すことを繰り返し行いました。(後半少し失速してしまったが)前半は僕たちのプランどおり、スローなペースで試合を進めることができました。しかし後半、相手が戦術を変えたり、SHを入れ替えたり、変化をつけてきました。それについていけず、ディフェンスのセットが遅れてしまったことが、崩れた原因だと思っています。(今後に向けて)僕の仕事はスクラムを押すことだと思っています。どんな相手でも十分に押せるように練習していきます。

 

染原健人

(試合を振り返って)前半は中盤から(ボールを)持っていけて自分たちのペースで持っていけて良かったです。後半は外へ出た分ちょっと崩れ始めたかなという感じです。(自身の出来は如何でしたか)アタックは、僕がチェイスの要だったのでチェイスをしたのですが、上手く取れず悔いが残ってます。ディフェンスはあまり抜かれず出来たと思います。(キックパスが完璧に決まりました)いきなりだったので成功するかわからなかったのですが、成功して良かったです。(SOの位置でプレーする場面もありましたが)セットプレーはスクラムからすぐ僕が貰って当たるというサインだったので、オフェンスでは僕が外からチェイスに行くという感じでした。(次の試合に向けて)まずはチェックとキャッチから僕が流れを作らなければならないと思っています。

 

永末千加良

(試合を振り返って)前半は慶應としても自分としてもやりたいことができました。(ラインブレイクが流れを変えたのでは)あれは偶発的だったのですが、苦しい中で流れを変えられたのはよかったと思います。(自身のプレーは何点ですか)65点くらいですかね。チームとしては、セットピースの100%キャッチアップを掲げていて、そこに貢献できなかったと思います。(次戦に向けて)まだシーズンは続いていくので上のチームを目指して頑張っていきたいです。

 

古田京

(試合を振り返って)前回の試合ではキックの精度が良くなかったので、自分としてはそこをテーマとしてやってきました。準備したものが出せて良かったです。(試合に向けて取り組んだことは)このレベルの試合は東海大と今回で2回目なので、やはり早慶戦ということもあって緊張しました。また、相手にも自分の知っている強い人がたくさんいたので、そういう意味での緊張もしましたが、良い準備をして出来たので良かったです。(キックの出来は)まずまずでした。完璧ではなかったですけど、それなりに魅せれたかなと思います。(本日のゲームプランは)早大のカウンターが良いという話を聞いていたので、簡単にカウンターをさせないキックをすることを考えていました。また、ディフェンスが慶大の持ち味なので、絶対に負けないようにと意識しました。(次戦に向けて)Jr選手権をこれからも勝ち続けることも大事ですが、対抗戦に出たいという思いがあるので、そこを目指して頑張っていきたいと思います。

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