【テニス】新体制始動企画『奪還』/♯11井上智文主将

井上 写真

DSC_5321今季、男子の主将に就任したのは井上智文(商3・慶應義塾高)だ。井上は昨季、春関から着実に成長を続け、リーグ戦、王座それぞれで初出場を果たした。兄も慶大庭球部出身、弟も現在慶應高庭球部に所属する、知る人ぞ知る「井上3兄弟」の次男だ。高校時代からのチームメイト・大橋主務には「コート内でバカになってほしい」と期待される、そんな井上主将の今季に懸ける思いを一読してもらいたい。

「今までよりも自分に厳しく、追い込んでいかなくてはいけない」

――主務の二人はどんな人ですか

すごく頼りになります。自分のできないことをカバーしてくれる大切な存在です。日本一になるためにはどうするべきかというのを考えてくれて、前に立っていってくれることもあるし、裏でいろいろやってくれることもあるし、彼らなしでは日本一は取れないと思います。

DSC_0076――主将就任にあたって前任の谷本さんなどから何か言われたことはありますか

とにかく自分が決めたことを信じぬくことですね。信じぬくことが必要で、いろいろ問題は起きるとは思うんだけど、前に進むしかないし、主将だからそういう姿勢でいなくてはいけないし、孤独だと思うけど人生においても大きな経験になると思うので、自信と誇りを持ってやってほしいと言われました。

――監督やコーチからは何か言われましたか

直接何か言われたわけじゃないんで、自分で言うのもなんですけど、自分がコート上でファイトする姿勢だったり、ひたむきに練習する姿を見せることが必要なんじゃないかなと思います。とにかく自分の良いところを出して、それがチームがいい方向に行くことにつながると信じてやるだけです。

――現状足りないと感じているところとどのようなチームを作り上げたいかを教えてください

選手層の薄さが課題ですね。谷本さん、髙田さん、渡邉さんが抜けてしまって、その3人が4年間軸として活躍してきていたので、その事実はあるんですけど、上杉がもちろんエースとしているんですけど、そこに頼るだけではなくて、一人一人の結果が欲しいです。そのためには今までと同じことをしていたのでは、成長はないと思うので今までよりも自分に厳しく、追い込んでいかなくてはと思います。

DSC_5317「昨季は本当に成長した1年だった」

――メンバーとして団体戦出場、インカレ本戦出場など様々な経験をした1年だったと思いますが、昨季を振り返っていかがですか

思えば1年前のこの時期は、2次finalでポンと負けるような選手で、関東学生ですらなくて、その半年後にはインカレ本戦に出ているという、なんか「ほー」という感じがあります。個人的にも本当に成長した1年であるという風に思っていますし、僕らの代の男子にはジュニア時代にも大学でも目立った成績を残した選手がいない中で、一人一人が成長して今まで勝ったことのなかった相手に挑戦していって倒すということが現実的になった、そういう自信にもつながる1年でした。

――プレースタイルと課題に感じていることを教えてください

自分の武器はサーブとフォアだと思っていて、ただ自分自身経験というものがまだまだ足りなくて、試合の勝ち方というか勝負のところが足りていないと思います。例えば、インカレ本戦、諱との試合でセットポイントまでいったところを最低ラインにできたときに、自分はさらに上に行けると思うし、自分の選手生活はラスト1年なので自分の長所を伸ばしていきたいです。

――大学に入ってから良い意味で印象に残っている試合と、負けたぶん印象に残っている試合を教えてください

インカレ本戦を決めた試合ですかね。あの試合は、自分の中で決めていたことが全部できた試合で、無理をしないし、チャンスが来たら前に出てボレーで決めるというのとが、自分の中ではほぼ完璧にできた試合であると感じているので印象に残っています。自分のテニスというものが見えた試合でした。悔しかった試合だとやっぱりインカレの諱との試合ですね。ファーストセット、いわゆる格上の相手に食い下がって、セットポイントまで来て、チャンスボールを作るところまでできて、それをミスってしまったので印象に残っています。そのシーンだけは、いつでも思い出せますね。セカンドセットも相手が先に足をつったのに、焦って自分も足をつってしまって、そこで結局負けちゃうというもったいことだらけの試合だったので覚えています。

「チームが日本一になるために毎日全力を尽くす」

DSC_0400――試合前に必ずすることは何ですか

試合前だとできるだけ思わないようにすることですね(笑) いつも通りの自分でいることを心掛けているので…… 強いていえばいつもより早く寝ることです(笑) あとは、トーナメントだと勝ったときと同じウェアでやることくらいですかね。

――内部生で慶應歴も長いですが、慶應庭球部の魅力は何ですか

一貫校と大学が近い場所でやれていることで、中学のときはわからなかったんですけど、高校のときは大学生と同じコートで、レベルの高い人たちと一緒にやれていると感じていて、いざ自分が大学生になったら、高校生は自分たちを見て応援してくれるし、高校生の見本でありたいと思っているので、それぞれに良いことだと思います。慶應庭球部はチームという意識が強くて、現役、OBOG、高校生とか関係なく、みんなが意識を高くチームのために尽くしてくれるところが慶應庭球部の魅力だと思います。

――最後にラストイヤーに懸ける思いと日本一への思いを聞かせてください

蝮谷生活7年間の集大成ということで自分が結果を出すことももちろんだし、チームが日本一になるために毎日全力を尽くします。

(企画・取材:太田悠貴)

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