対戦相手の棄権により2回戦からの登場となった慶大バレー部。今大会初戦となった富山大との一戦は苦しみながらもストレートで勝利を収めた。同日行われた3回戦の相手は早大。定期戦の借りを返したいところであったが、力及ばず、大会ベスト16で姿を消すことになった。
6月24日(金)第35回東日本大学バレーボール選手権大会第2日目 @日野市市民の森ふれあいホール
得点 |
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慶大 | セット | 富山大 |
25 | 1 | 18 |
26 | 2 | 24 |
27 | 3 | 25 |
・富山大戦
第1セット、サーブにうまく対応できず試合は中盤まで互いに点を取り合う展開となる。相手の連続ミスによって点差を作り試合運びを楽にした慶大は、佐藤康平(環3)のブロックなど4連続得点でこのセットを締め、25-18とする。
第2セットはサーブレシーブが安定しだし、黒田彪斗(環3)が2連続で得点するなどスタートから先行する展開に。相手のミスにも乗じ、20-15と試合を優位に進めていく。だが、徐々に点差を詰められていくなかで迎えた23-21の場面。慶大はこの試合目立ったスパイクミスを重ねてしまい、セットポイントを握られてしまう。相手のサーブミスによってデュースに持ち込み、ここから黒田が2連続でスパイクを決め、26-24と逆転。このセットを取り切った。
第3セットも序盤から拮抗する展開に。このセット奮闘を見せたのが1年生エース・富澤太凱(経1)。力強いジャンプサーブや難しいトスも打ち切る決定力でチームを支えていく。だが、第2セットからの流れを変えられず、またもやセットポイントを握られてしまう。この厳しい局面を救ったのも慶大が誇る黄金ルーキーの活躍だった。スパイクにより24-24とデュースに持ち込むと、富澤のサーブで相手を崩し、ダイレクトスパイクにつなげる理想的な形を見せ、27-25と苦しみながらもこの試合を勝ち切った。
・早大戦
得点 |
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慶大 | セット | 早大 |
26 | 1 | 28 |
21 | 2 | 25 |
18 | 3 | 25 |
この試合から、富山大戦の3セット目から出場していた増田拓人(環3)に加え、岩本龍之介(商2)、マルキナシム(環1)がスタメンとして出場した。
第1セット、富澤のジャンプサーブで相手に脅威を与えていくと、増田のブロック、Cクイックが立て続けに決まり、10-8としたところで早大ベンチはタイムアウトを要求。スタートダッシュに成功する。その後も早大に連続得点を許さず、尾木将(政3)が2連続でブロックに絡む動きを見せるなど試合に流れを作り、3点差をつけ20点台に突入していく。ここから相手の反撃にあい試合は一進一退の攻防に。緊迫した場面が続く中、26-27とスパイクで先行されると富澤のバックアタックがブロックにかかり、26-28とセットを取り切れなかった。
第2セットは序盤こそ先行されるも、攻撃をうまく組み立て、相手に食らいついていく。だが、13-12と1点リードした場面で自軍のサーブミスから相手に4連続を許し、ここから試合の流れは早大に傾く。マルキの2連続スパイクで意地を見せるが、態勢を立て直してきた相手には及ばず、21-25でセットを落とす。
第3セットは、岩本のスパイク、フェイントで得点を重ねるも、尻上がりに調子を上げてきた早大の前に防戦一方となる。その中でも富澤、岩本のサービスエースが飛び出し、息を吹き返したいところであったが、後が続かず、逆に相手両サイドからの攻撃に対しうまく対応できず点差を広げられていく。この流れを断ち切れず、18-25で試合終了。セットカウント0-3で敗れ、慶大バレー部の東日本インカレはベスト16の結果に終わった。
「ひどいものでした」と宗雲監督が振り返るように、富山大戦ではチーム状態がなかなか上がらず、思うような試合ができなかった。その中でもなんとかストレートで勝ち切り、先週ストレートで敗れている早大への挑戦権を獲得した。敗れはしたものの、スタメンに抜擢された増田のブロード攻撃、岩本の速いテンポのスパイクによって、攻撃の幅を広げることができた。今大会のようなトーナメント戦で一定の成果を得られたことは収穫だったと言える。
春季リーグ、東日本インカレと前半戦の戦いを終えた慶大バレー部。それぞれ思うような結果は得られなかったが、経験から学べたこと、次につながる要素はあったはずだ。夏にかけて、「基礎を徹底的に固める」(上野主将)練習を積み重ね、より高みを目指すチームへと成長を遂げる。
(記事 岩井邦夫)
選手・監督コメント
宗雲監督
(今日の2試合を振り返って)
富山大戦はひどいものでした。バタバタして、いままでの慶應と何にも変わっていない。ひどい試合でした。守備もつなぎもとっさのプレーも全然だめでした。
(その富山大戦では相手のサーブ、スパイクに苦戦していた)
確かに7番はいいスパイカーで、彼には決められてもいいよと、そのほかのプレーをしっかりしてくれと言っていたんですけれど、とにかくバタバタしてしまって。ただ、メンバーを少し変えた早稲田戦は思った以上に良かったです。
(代わって出場した岩本、増田選手の活躍が目立っていました)
増田は計算できる選手で、ブロード攻撃や細かいプレーもできるので。ただ、岩本の方は全然使ってあげられていないのですが、非常に良かったなと。持ち味を十分に発揮してくれたので、攻撃のバリエーションが増えて良かったです。
(先週行われた早慶定期戦と比較して)
今日は岩本と増田がいたので、攻撃のテンポが速く、相手のブロックが少しバタバタしてくれたので、その点は良かったですね。とにかく岩本が良かったです。増田にはあのくらいやってもらわなくては困るので、普段からそう言っているのですが、岩本は速いボールをしっかり打っていたので良かったと思います。
(後半戦に向けて)
今日のマルキも良かったので、私の中で守備をできる子を見直して、マルキは伸ばさなくてはいけないんですけれど、とにかく守備を見直すとともに、岩本みたいな選手をもっと評価してあげなきゃいけないと思うので、いろんな選手に出場機会チャンスを与えて、そこは工夫していきたいですね。
上野主将
(今日の2試合を通しての手応えは)
つい最近の早慶戦で、自分たちの力が低いことが分かりました。そこから気持ちを切り替えて、今までと異なる練習に取り組んできました。2週間でそう結果が出るとは思っていません。今回の結果もよくないですし、ただそれは当然のことと受け止めています。
(「今までと異なる練習」とは具体的には)
今までは総合的な練習を行って、さらに足りない部分を個人個人が考えて補う、という練習を積んできました。僕たちは個人個人できちんと取り組む、という意識でいたのですが、やはり限界がありました。結局、僕たちが「投げやり」になっていたと思うんです。そこで、今のだめな現状を受け止めて、4年生が責任を持って一から基礎的な練習を組み立てていこう、と変えました。レシーブやトスなど基礎から応用までです。今までは2時間半くらいの練習をぱっとやっていたのを、4時間、5時間やるように変えました。
(前回の早慶戦に比べて、うまくいった部分もあったのでは)
前回の早慶戦では、プレーに加えて気持でも負けていました。今日もプレーはだめでしたが、気持ちに関しては声もかなり出ていましたし、良くなっていたと思います。
(夏に重点的に取り組むことは)
基礎です。トスやサーブレシーブができていないので、ベタですけど死ぬ気で基礎的な猛練習を重ねていきたいです。基礎を徹底的に固めて、自信を持って秋季リーグに臨めるように頑張っていきたいです。