【水球】24年越しの悲願達成へ 早慶戦前特集③井上翔太選手

1年生からエースとして、誰もが名実ともに彼を認める。早慶戦前最後の特集は、昨年の関学リーグ新人王、今年観客投票MVPに輝いた井上翔太(いのうえしょうた)選手(商2=慶應義塾)。「プレッシャーは期待されているということ。だから自分の力になる」言葉の端々からエースとしての自覚と素質を感じさせる井上選手に、明日、東京都辰巳国際水泳場で開催される早慶戦への想いを聞いた。S__96346120

ご自身のポジションと役割を教えてください

 

僕のポジションは、ドライバー(DR)といって、最後にシュートを打つポジションなんですけれども、シュートを打って点が入らないとチームは勝てないので、そこは自分が1番シュートを打てるんだという自覚と自信を持って思い切り、迷わずプレーしています。

 

いつから水球を始めたのか

 

水球を始めたのは高校生からです。

 

始めたきっかけは

 

小学生の頃に水泳をやっていて、そのとき通っていたスイミングスクールで、年に1回水球を体験するイベントがあったんです。それでやってみて楽しかったというのが1つの理由です。またその当時の水泳のコーチが、もともと水球の日本代表でオリンピックに出ていた人で、その人に「水球の才能があるから、水球をやったほうがいい」と言われて、自分でも、もともと水泳と野球もやっていたので、水で行う球技という意味では、水球は水と球が融合しているスポーツで自分に合っているなと思ったので、中学生の時には水球をやろうと決めていました。でも中学生の時に水球部はなかったので、とりあえず水泳部に入って基礎作りをして、高校でやっと水球部に入りました。

 

ドライバー(DR)として自分のこういうところが向いているなという強みはどんなところですか

 

自分は他の選手に比べて、特別体格が恵まれているわけではないんですけど、体が大きくないからこそできるスピードや細かい動きの部分に意識を置いてプレーしているので、やはりスピードと技術、あと体の使い方の部分が自分の強みだと思います。

 

水球の魅力は、井上選手から見てどんなところですか

 

球技なので、点が目まぐるしく入ったりする試合もあれば、全然入らずロースコアになったりする試合もあって、本当に1試合1試合違った楽しみ方や味わい方ができるというのが水球の良さだと思います。あとはやはり水中の格闘技と言われているように迫力のある激しい競技なので、見ている人も熱くなれるスポーツだと思います。

 

慶大水球部はどのような雰囲気ですか

 

体育会という組織なので、一応上下関係はあるんですけど、でもみんな明るくて、オンとオフがしっかりしていて、練習はしっかりやるけどオフの時はみんなで賑やかに楽しむということができる部だと思います。明るい人たちが多く集まった部活なので、僕自身チームの人たちといると楽しいし、すごく盛り上がれます。

 

井上選手から見て、小沢主将はどんな人ですか

 

自分も高校の時に、神奈川県代表と慶應義塾高校で主将をやっていたんですけど、自分は何もできなくて、本当に不甲斐なかったんですけど、小沢さんは大学で初めて主将という立場に立っているのに、すごく堂々としていて、偉大な先輩だと思います。全部主将が決めるのではなくて、みんなの意見も取り入れて練習メニューを作ってくれることも本当にありがたいですし、主将として、素晴らしいと思います。みんな信頼を寄せているし、水球でも守備の要なので、小沢さんがいないとチームはまとまらないと思います。

 

昨シーズンは1年生ながらチームのエースとしてレギュラー出場。関東学生リーグでは1部残留、インカレでは5位入賞という20年ぶりの快挙も果たしたが

 

大学に入って最初の大きな大会が関東学生リーグだったんですけど、自分は何としても新人王のタイトルを取りたくて、無我夢中でやっていた記憶があります。結果として新人王のタイトルを取れて、それは自信につながりました。でも水球はあくまでチームプレーなので、試合中、自分自身の状況判断がまだうまくできなかったこともあって、1年生だから許されていた部分もあるんですけど、今はもう2年生になって、後輩も入ってきたので、先輩の立場として少しずつ周りを見れるようになってきているのかなと思います。インカレ5位入賞は、前の4年生の最後の試合でもあったので、いい結果で締めくくることができて、それが今年の良い結果にもつながっているのかなと思いますね。

 

チームとして昨年からの課題は

 

水球はみんなで守ってみんなで攻めるのが基本なんですけど、自分は監督からもコーチからも攻撃面でしか期待されていないので、とにかく攻撃で期待される選手っていうのは得点が求められるので、得点にこだわってやっていきたいと思っています。ディフェンスはゴールキーパーの熊谷さんの声を聞いて頑張るだけだと思っています。

 

今シーズンを振り返って。関東学生リーグ6位、これは2部構成になってからは初の快挙。また第3戦は早稲田に歴史的勝利もあげたが

 

日頃、厳しい練習を積んできて、みんなが今まで以上に高い意識を持って練習に取り組んで追い込んでいたので、そういった日頃の努力が実って、出た結果なのかなと思います。

 

ご自身も早慶戦ではチーム最多の4得点。勝因は

 

自分でも得点を挙げることでチームに貢献できたなという気持ちはありますし、流れが悪くなったところで、みんな落ち込まず切り替えられた部分が、勝てた1番大きなポイントだと思います。

 

早稲田に勝った瞬間の気持ちは

 

もう「今まで練習してきた成果が出た」という喜びが爆発して、自分でもその瞬間のことをあまり覚えていないんですけど、とりあえず最初に小沢主将と抱き合ったことは忘れられないです。

 

その後行われた早稲田との5位6位決定戦では10-14で敗戦。敗因はどこでしたか

 

基本エースというのは、左サイドのドライバーのポジションなんですけど、早稲田の主将で且つエースの人が自分と遠いところでマッチアップ(攻守の駆け引き)をして、やはり自分が相手に押し負けて、あまり点が取れなかったのも原因としてあると思います。あと早稲田と最初に戦った時は、相手が自分たちのことを軽く見ていた部分もあって、2回目の対戦の時はしっかり修正してきたので、そこでやはり負けてしまいました。だからこそ今度の早慶戦は本当に白熱した戦いになると思うし、たくさんの人に応援にきて欲しいと思っています。

 

 

個人としては1年生からレギュラーでエースとして活躍。昨年の関東学生リーグでは新人王を獲得し、今年の関東学生リーグでは観客投票MVP。エースとして期待されることにプレッシャーは感じないのか

 

プレッシャーは感じるんですけど、プレッシャーがかかるということは、みんなから期待されているということなので、自分自身すごくポジティブ思考なんですけど、期待されている分、いつも頑張ろうという気持ちになります。プレッシャーが逆にバネになって、自分の力になっていると思います。

 

 

井上選手にとって早慶戦とは

 

自分は慶應義塾という組織に小学校から入っていて、ずっとそれを背負ってきているので、やっぱり早慶戦っていう試合の重みは誰よりも分かっていると思うし、早慶戦で勝つことが自分にとってもチームにとっても1番の幸福だと思っています。それなのでこの伝統の一戦は絶対に勝ちたいし、今の監督が現役の時に勝ったのを最後に、早稲田には勝てていないので、自分たちが監督に勝利を捧げて、みんなで祝いたいと思います。

 

 

昨年の早慶戦は井上選手は4得点を挙げるも、8-12 で敗戦。今年勝つために必要なことは

 

何が必要というよりも、練習でやってきたことをしっかり試合で全部出す、ということが大切なので、早慶戦まで残り少ない練習の中で、1秒も集中力を切らさずに、基本に忠実に取り組んでいきたいと思います。

 

早慶戦を前にチームの雰囲気は

 

関東学生リーグで実際に早稲田に勝って、早慶戦勝利というのがチームの中で現実味を帯びてきているので、練習の量・質ともに上がってきていると感じています。疲労がたまっている部分もあるのですが、それを全く感じさせないぐらいみんなが早慶戦勝利のために頑張っているので、すごくいい雰囲気の中で練習できていると思います。

 

 

水球の観戦ポイントを教えてください

 

何より迫力がある競技だと思っています。水中では審判が見ていなければ何をしてもいいっていう解釈もできるルールなので、水中で攻守の切り替えが目まぐるしく変わる展開をぜひ見ていただきたいです。

 

 

最後に早慶戦に向けて意気込みを記事をご覧の皆様にお願いします

 

自分はエースとしての自覚を持って、チームの勝利に貢献するプレーをしたいと思うし、そのためには自分が得点をたくさん決めるという結果を残さないといけないと思うので、その責任と自覚を持って、頑張りたいと思います。

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———水泳部水球部門の皆さんお忙しい中取材を受けていただき、ありがとうございました!この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 

取材:長田ゆり

 

明日7/3(日)に東京都辰巳国際競技場にて第86回早慶対抗水上競技大会が開催されます!是非みなさんお越しください!

 

〜当日のタイムスケジュール〜

 

10:30 400mメドレーリレー(女子、男子)

10:45 400m自由形(女子、男子)

11:00 200m背泳ぎ(女子、男子)

11:11 200mバタフライ(女子、男子)

11:22 200m平泳ぎ(女子、男子)

11:34 100m自由形(高校、女子、男子)

12:00 日本泳法

12:15 飛込(高板飛込)

13:00 水球(高校)

13:30 水球(大学)

14:30 飛込(高飛込)

15:00 200m個人メドレー(高校、女子、男子)

15:13 200m自由形(高校、女子、男子)

15:25 100m背泳ぎ(高校、女子、男子)

15:35 100mバタフライ(高校、女子、男子)

15:45 100m平泳ぎ(高校、女子、男子)

15:55 50m自由形(女子、男子)

16:00 400mリレー(高校)

16:10 800mリレー(女子、男子)

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