【ソッカー男子】早慶戦企画第16弾! 男子部主将×女子部主将対談

慶大が誇る“2人の主将”。ソッカー部男子主将・宮地元貴選手(4・東京ヴェルディユース)と、ソッカー部女子主将・田中康子選手(総4・常盤木学園高)に、主将として迎える最後の早慶定期戦に向けて熱く語り合ってもらいました!プライベートでも仲の良いお二人が語る、慶大ソッカー部の主将の重みとは――。DSC_0546

 

 

――まずは自己紹介からお願いします!

宮地:宮地元貴です。ポジションはDFとMFをやっています。出身チームは東京ヴェルディユースで、得意なプレーは目の前の相手を潰すことです。

田中:田中康子です。出身チームは常盤木学園高校です。得意なプレーは体を張ってゴールを守ることです。

 

――お二人は普段から話すことがあるのですか?

宮地田中:結構話しますね。

 

――どんな内容の話をするのですか?

宮地:サッカーのことも話しますし、サッカー以外のことも話しますね。

 

――結構プライベートな話も?

田中:そうですね(笑)。

宮地:ご飯とか、結構仲良いグループがあるんで、行ったりしますね。

 

――男子部と女子部の関係はあまりよく知らない人が多いと思いますが、どのような関係ですか?

田中:私たちの学年は結構男子部女子部で仲が良いです。ご飯とか結構行ったりします。

宮地:最初自分と康子が1年生の時に下田学生寮(体育会の寮)でいっしょで、そこから康子とあと堀井美月(環4・常盤木学園高)ってやつがいるんですけど、そこら辺と仲良くて、あとは小坂慎太朗(総4・浦和レッズユース)っていう同期がいるんですけど、それが仲良くなるきっかけだったかなと思いますね。

 

DSC_0567――他の学年はどうですか?

宮地:3年生はあれだよね、野村(智美、総3・作陽高)が。

田中:そうだね。

宮地:野村が男子と仲良い感じはするけど。

田中:他の学年は結構個々で仲が良い感じなんですけど、私たちは結構学年で仲が良いっていう。結構全体的に喋ったりします。

 

――では、今季のチームの戦いぶりを男子部と女子部でそれぞれ振り返ってもらえますか?

宮地:男子は、開幕からちょっと負けが続いてなかなか結果が出ない状況だったんですけど、中盤から終盤にかけては徐々に自分たちのサッカーをすることができるようになって、結果もついてきて。ただ、目標にしていた前期4位以内という目標は達成できず、5位という優勝を目指すうえでは悔しく不甲斐ない結果で終わってしまったので、後期ではしっかり巻き返したいなと思っています。

田中:女子は、今年関東女子サッカー1部リーグという初めての舞台なんですけど、結果は1勝もできずに引き分け3回で勝ち点3という結果に終わって、レベルの高さを実感したとともに自分たちの実力も実感したなと思っています。

 

――男子部と女子部とでお互いの試合を見たりすることはあるんですか?

宮地:結構女子部は応援に来てくれたりとか、意見交換はあまりしないですけど、大きい試合は応援に来てくれるんですごく力になっていますね。

 

――男子はあまり女子の試合は見ないですか?

田中:たまに。

宮地:そうですね、全試合はもちろん見れないですけど、定期戦ではない早慶戦は見に行ったりしてるし、あとは下田でやる試合もあるんでそういう時は見たりしますね。

 

――見ていて「すごいな」とか思ったりするものですか?

宮地:普通に球際とかもガツガツいくし、男子とはスピード感は違うんですけど、すごく頭を使ってサッカーをしているなっていう印象です。

 

――逆に女子部から男子部を見て「すごいな」と思うことはありますか?

田中:男子部は人数が多い中で競争が激しいなと思っています。朝練で女子部の後に男子部が来る時があるんですけど、やっぱり試合への臨み方というのは自分たち女子部もお手本にしなきゃいけないし、熱さとか迫力という部分は「男子部すごいな」って感じています。

 

――お二人は今季主将になって、ここまでいかがですか?難しさとかはありますか?

宮地:そうですね、僕は日体大戦が終わって一回ゲームキャプテンを外れて。そこから井上(大、総4・國學院久我山高)がゲームキャプテンをやっているんですけど、周りには「気負ってる」とか「自分の本来のプレーができていない」とかすごく言ってもらった中で、確かに自分としても色々なことに手を伸ばそうとしすぎていて、本当にやらなければいけないグラウンドで自分が戦う姿というのを周りに見せられてなかったので、これが個人としてはすごく良い機会になっていて、自分の主将像というのを見つめ直す良いきっかけになったと思いますし、その結果チームも良い方向に向かったので、主将としては悔しい部分もありますけどチームの結果ということから考えるとよかったんじゃないかなと思っています。

田中:女子はレベルが高い環境になって、今まではサッカーとサッカー以外の部分で運営であったりとかチームの雰囲気であったりだとかそういうところが慶應の強みだったんですけど、レベルが上がってからは本当にサッカーを追求しなければいけないということを実感して、それを今までの自分が1,2,3年生で先輩たちから教わったことというのを踏まえながらどうやってチームを強くしていくかというのは今もまだはっきりとは見えていないんですけど、そこは今主将として難しいなと思っています。

 

――お互いのことはどんなキャプテンだなと思っていますか?

宮地:康子はみんなからすごく愛される人だと思っていて、自分含めて康子のことを嫌いな人はいないし。

田中:(笑)。

宮地:まずみんなに愛されているというところと、グラウンドでは体を張って慶應を象徴するようなプレイヤーだと思うので、ピッチ内外において明るく泥臭くチームを引っ張ることができるキャプテンだと思いますね。

 

――そう言われてみて田中さんいかがですか?

田中:そこまで思ってもらえると思ってなかったです(笑)。元貴は、“ザ・慶應”っていう感じだなと思っていて、本当に熱くて、結構男子も含めて同期はキャラ濃い人が多いんですけど、そのメンバーをまとめられるのは元貴しかいないなと思っています。ピッチでもその他でも元貴の熱さとか一生懸命さとかそういうのがチームを鼓舞しているなと思っていて、さっき元貴は「ゲームキャプテンを外れた」と言っていましたけど、助け合える同期がいるというのも良いことだなと感じますし、そういうところも元貴らしさだなって思います。

 

――宮地さん、いかがですか?

宮地:嬉しいですね(笑)。

 

DSC_0566――チームを束ねる難しさは感じていますか?

宮地:僕の同期は康子が言ったように個性が強い選手が多いし、能力がある選手も多いし、みんな強みが違うんで自分が束ねるというよりは自分もその中の一員という感覚で。その中で自分の個性を出していくという、そういう形のキャプテンというか。みんなで一緒に頑張っていく中でのただ僕がキャプテンとか主将という名前をもらってやっているだけだと思うので、そういう感覚でやっています。

田中:私も結構元貴に似ているんですけど、1年生のころから試合に出ている人たちが自分たちの学年は多くて、自分自身もあまり上に立ってぐいぐい引っ張るタイプではなくて一緒にまとめていくというタイプなので、そういう意味で同期は今までやってきたこととか信頼というのもあってすごく頼りにしていて。女子部は今年創立10周年を迎えていてその節目でこの高い舞台ということで、OGの方からの話を聞いたりしていても下級生にまだ言葉ではうまく伝えきれない部分というのが実際あって、それを下級生にどうやって自分たちの学年が残していくかとかでチームをまとめるというのを意識してやっています。

 

――去年までの主将、久保飛翔さん(環卒・済美高)であったり松本朋子さん(総卒・十文字高)であったり、そういった人たちから影響を受けたりはしましたか?

宮地:去年の飛翔くんもそうですし、純土くん(松下純土、総卒・國學院久我山高)とかいっぱいキャプテンがいたんですけど、その真似をしちゃだめだと思って。自分もああいうふうになろうとか今年のキャプテンのこういうところが良いなとかこういうところはだめだなとか思っていたんですけど、いざなってみると全然自分とは違うし自分が同じ行動をしてもその人と同じような成果は得られないと思うので、もちろんいろいろな形のキャプテンがいてそれぞれのキャプテンを尊敬はしているんですけど、キャプテン的なところで何かヒントが得られたかというと自分の引っ張り方とかキャプテンの在り方とは違うなとは思っています。

田中:結構似ているんですけど、今までの主将を見てきて、下級生であった自分と主将になってみての自分というのは捉え方とか見え方も全然違って。去年私は副将をやっていたんですけど朋子さんと私では結構タイプが違うので「朋子さんだったらこういうふうにしてたかな」というふうには思うんですけど、それじゃ自分はうまくいかないなと気づかされて、自分らしさでチームをまとめていった方が今までの自分を見てきてくれている後輩であったり周りの人たちをしっかりと納得させるというか自分は後悔無く主将として行動できるなと思っています。

 

――“慶應のキャプテンマークの重み”は感じていますか?

宮地:それはもちろん感じています。飛翔くん、増田くん(増田湧介、環卒・清水東高)、純土くんと僕が入ってきてからも3人すごく偉大なキャプテンがいらっしゃったので、そのキャプテンマークというのは今までの先輩がここまで慶應を強くしてくれたという背負うものもありますし、やっぱりそのマークをつけるということは同期からも信頼して選んでもらったわけだし、すごく責任があるとともに自分の誇りでもあるので。そのマークが自分を奮い立たせてくれるし、さらに熱くさせてくれるので、やっぱりそのマークへの想いというのは強いですね。

田中:キャプテンマークは朋子さんから引き継いで、歴史というのを感じるとともにピッチでは自分が誰よりもチームに発信し続けなければいけないし、誰よりも走ったりプレーで見せなければいけないなというふうに、まあそのマークがあるからこそというわけではないですけど、つけている以上はそういう行動というのは自然と気持ちとして出てくるなと思っています。

 

――お二人が理想としている主将像というのはどんなものですか?

宮地:理想を言ったらもうみんなの前でもズバズバ話せて頭の回転が良くてピッチ内でも的確な指示ができてとかピッチ上の監督みたいなキャプテンというのは自分の理想のキャプテンではあるんですけど、今の自分のやり方とはかけ離れているなという印象です。

田中:私はあまり人にズバズバいえるタイプとかではないので、理想はさっき元貴が言ってくれたんですけど嫌われるくらいもっと周りに求めるとか、どんなに嫌われても慶應が結果を出せて後輩たちにしっかりと今年と同じ舞台、それ以上を残せるような主将になりたいなと思っています。

 

――今お話しいただいた理想の主将像と自分とを照らし合わせてみていかがですか?

宮地:今主将と副将のバランスというところで、結構自分が選手を鼓舞したりだとかチームを鼓舞する側に回っていて、逆に副将の井上は思ったことを素直に言える選手なので他人に嫌われても自分がそう思ったらそういうことを言いますし、その度に自分はそういう面がチームを鼓舞する方だけに回ってしまっていて。もっとチームが勝つためにだとかチームが強くなるために言わなきゃいけないことをまだ言えていない気がするので。そこは自分らしさを失わずに、でもチームが勝つために強くなるために自分が言わないといけなかったり行動しないといけないことがあるんだったら怖がらずにしていきたいなと思っています。

田中:前期の結果を踏まえて後期からは本当にサッカーを追求しようというふうにチームとしてやっていて、前期はそこが反省としてサッカーのところで自分が求めきれなかった、チームに対してアクションを起こしきれなかったというのがそのまま結果につながってしまっているなと実感しているので、これからはしっかりとサッカーで誰よりも自分が戦術であったりとかチームの雰囲気であったりとかを、あとは人数が多い中で一人一人の力をどうやってチームの結果に結びつけるかというところまで考えてチームを強くしていきたいなと思っています。

 

DSC_0301――男子部女子部ともに今季すでに早大と対戦していますが、どんな印象を受けましたか?

宮地:僕が入学してから前期で早稲田に勝ったのは初めてで、個人としてもその時のチーム状況としてもすごく重要な一戦で、その試合に勝ち切ることができたというのはすごく大きなことだと思いますし、かといって早稲田が弱かったというわけではないですし、メンバーは多少変わりましたけど戦力的には去年とさほど変わらないと思っています。

田中:女子は去年は早稲田が4年生がたくさん出ていたんですけど、今年は2年生3年生が主力のチームで、今まではうまい人が多いというイメージだったんですけど、今年はさらに気持ちが入っているなと感じていて、技術と気持ちというところがある相手に対して自分たちは何で勝つのか。どういうふうに戦っていくのかというのはしっかりと考えていかなければいけないなと思っています。

 

――堅守であったり早大の強さの根底というのは男子も女子も変わらないものですか?

宮地:この前僕たちが早稲田に勝てたのは早稲田の強みである泥臭さとか献身性とかそういうところで上回れたのがまず一つだと思っていて、あとは自分たちが普段やろうとしているゴールに向かうポゼッションサッカーというのができたことだと思っているんですけど。でも慶應も負けてないぞって感じです。黄色い血が流れています。

 

――過去に出場した早慶定期戦を振り返って、今思うことは何かありますか?

宮地:1年生のときはスタンドから見る形で、2,3年生とありがたいことに出場させてもらったんですけど、今までの3回見てきたのは早稲田が喜ぶ姿で大好きな先輩たちが泣いている姿だったので、もうそんな景色は見たくないし、この早慶戦の結果というのは一生自分について回ってくるものだと思うので。絶対早稲田に勝つことが全てだと思っています。

田中:1年生のときは東伏見のグラウンドで2年生のときから男子と共同開催させていただいて、そういう舞台で女子部ができるようになったというのも本当にたくさんの方々のおかげだなと実感していて、その中でもピッチに立てる選手は限られているので、その中で自分自身が(ピッチに)立てた経験というのは出た人だけじゃなくて本当に色々な人の気持ちを背負って戦っているんだということを実感して、それを結果で出すということが一番の恩返しになると思っています。

 

――お二人にとって早慶戦とはどんなものですか?

宮地:自分の人生を左右する一戦ですね。

田中:慶應か早稲田に入らなければ早慶戦という経験はできないので、慶應として絶対に負けられない戦いだなと思っています。

 

――今年の定期戦で宮地選手が注目する女子部の選手と田中選手が注目する男子部の選手を教えてください!

宮地:堀井美月ですね。康子と同じく入学した時からすごく仲が良くて、1サッカー選手としても高め合ってきた仲間だと思っていて、この一戦が彼女にとっても現役最後の定期戦になるので、去年はゴールを決めたんですけどチームとしては勝てなかったんで、今年は彼女が点を決めてチームとしても勝つ景色をぜひ皆さんに見ていただきたいなと思います。

田中:結構難しい・・・(笑)。望月大知(環4・静岡学園高)ですね。大知は安定感があってずっと出続けていて同じポジションとしてやっぱり「すごいな」っていう。そこがチームの守備の軸となっているし本当に危ない場面でいつも救うのは大知だなって、男子部の応援とかに行って思うので、同じポジション同士まず無失点というところで勝ちにつなげるというところに、大知の体を張ったプレーとかに注目したいなと思います。

 

DSC_0785――宮地選手から女子部に、田中選手から男子部にエールを送ってください!

宮地:このソッカー部女子が創立して10周年の年に康子が主将を務めて、自分たちの同期が4年生で迎える早慶戦というのはもう運命だと思うんで、今年から慶應の勝利の歴史が始まっていくと思うので、頑張ってください!一緒に頑張ろうな。

田中:男子部がまだ一緒に開催してから早稲田に勝ったことがなくて、この前初めて私たちが応援に行って男子部が早稲田に勝った瞬間を見たときに本当に私を含め女子部員もすごく鼓舞されて、早稲田に勝つという特別さを身で感じました。私たち女子部もまず勝って男子部につなげるので、慶應が男子も女子も勝てるように一緒に頑張りましょう!

 

――最後に、お二人にとって最後の定期戦に向けて意気込みをお願いします!

宮地:このソッカー部に入って本当にソッカー部の関係者の皆様はもちろん家族もそうですし友人もそうですし同期もそうですし観客もコーチも後輩も先輩もマネージャーも。本当に多くの方々に支えられてきて、その感謝の気持ちというのを示せるのはこの早慶定期戦で勝利をすることだけだと思っているので、「早稲田に勝つ」、それだけを目指して全力で自分の人生を懸けてけがをしてでも足が折れても必ず早稲田に勝ちたいと思います。

田中:私は最後の定期戦ということでその試合を開催するにあたって本当に部員や運営陣だけでなくてOB・OGの皆様や多くの応援してくださる方々であったりだとか、応援してくださる皆様のおかげでそういう試合が開催されるうえで観客のそういう雰囲気とかもできていると思っていて、その人たちに今まで勝利ということで一緒に喜び合うということができなくて2年連続引き分けという結果なので、今年こそはどんな形であれ勝ちというところにこだわって、等々力でみんなで笑顔で若き血を歌いたいなと思います。

 

DSC_0628お二人ともどうもありがとうございました!早慶定期戦でのご活躍、期待しております!

 

(取材 小林将平)

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