今年の第88回早慶対抗水上競技大会は4年に1度のオリンピックイヤーに開催された。福島多佳子(環4)が400m自由形で優勝。主力の4年生だけでなく背泳ぎの夏目大志(経2)ら下級生も奮戦したが、最後は層の厚い早稲田に力負けした。
第88回早慶対抗水上競技大会 2015年7月3日(日)@東京辰巳国際水泳場
早くも都内が今年初の猛暑日となった7月3日。第88回となる今年の早慶対抗水上競技大会が“水泳の聖地”辰巳総合水泳場で行われた。早稲田は今夏のオリンピック出場選手も在籍。慶應はチーム一丸となって強豪に挑んだ。
最初の競技は400mメドレーリレー。男子の第1泳者・背泳ぎの夏目大志は「スタートに失敗した」と語るもレースを崩さずにバトンタッチした。第2泳者・平泳ぎの八子優介(商3)、第3泳者・バタフライの塩川拓(経3)と繋ぎアンカーは副将自由形の伊藤彰汰(経4)。4秒リードされ挽回したいところだったが、逆に早稲田に差を広げられるレース展開となり、女子のレースと合わせ開始から連敗を喫した。
重苦しい雰囲気を振り払ったのが、続く女子400m自由形に出場した福島多佳子。
開始から快調にレースを進め、リードを保ったまま自己ベストを1秒近く更新する圧巻の泳ぎを見せる。1着でフィニッシュし、慶應に初勝利をもたらした。
福島は午後の200m個人メドレーでも自己ベストを更新。最後の早慶戦で有終の美を飾った。
男子200m背泳ぎでは夏目が再びレースへ。「泳ぎ慣れてない」この競技で自己ベストを更新。午後の100m背泳ぎでも優勝はならなかったが自己ベストを更新し、背泳ぎのスペシャリストがさらなる成長を見せた。
主将の石川圭佑(経4)は200m平泳ぎに登場。「調子が良くなかった」と語るように、思うようなタイムが出ず苦戦。100m平泳ぎも自己ベスト更新とはならず、悔しさが残る結果となった。
副将を務める伊藤彰汰は100mと50mの自由形に出場。ともに自己ベスト更新とはならなかったが、どちらも慶應の選手ではトップでフィニッシュし、後輩たちに4年生としての貫録を見せた。
どの選手も強敵早稲田の前に厳しい戦いが続き、いよいよ最後の800mリレーに。
女子は第1泳者の福島が実力を発揮し、早稲田相手にリードを奪って200mを泳ぎきった。しかし普段自由形を専門としていない後続の3選手がリードを保てず逆転負けを喫した。
男子は第1泳者村川雄仁(経1)、第2泳者田中良磨(環1)、第3泳者小城力人(商2)第4泳者平田航太(経1)と若手のチームで勝負。中盤まではデッドヒートを繰り広げたが、最後に引き離され最終競技も勝利とはならなかった。
最終結果は女子が13対34、男子が18対54と完敗したが、計14の自己ベスト記録が生まれた。
1年に1度の早慶戦はどの大会に勝るとも劣らない大きな声援がある。あの声援が彼らの自信に、悔しさに火をつけているはずだ。今回のレースで見つけた反省をこの先のインカレへと活かし、さらなる結果に繋がれば今回の敗戦は決して無駄にはならないだろう。彼らの大舞台での活躍に期待したい。
(記事:尾崎崚登)
試合結果
◎400MR 女子
小松あ 高崎 小島 村上
(1:05.77/1:10.90/1:02.89/1:00.73)
4:20.29
◎400MR 男子
夏目 八子 塩川 伊藤彰
(58.22/1:05.27/53.42/52.15)
3:49.06
◎400Fr 女子
福島多佳子 4:19.34 Best!!
小松えり 4:27.41
◎400Fr 男子
小城力人 4:05.79
田中良磨 4:11.81
村川雄仁 4:00.34 Best!!
◎200Ba 男子
夏目大志 2:07.03 Best!!
◎200Fly 男子
井坂有佑 2:08.47
◎200Br 男子
石川圭佑 2:25.15
八子優介 2:35.50
長澤圭恭 2:23.64
◎100Fr 女子
村上理沙 1:01.45 Best!!
渡辺真希 1:02.55
◎100Fr 男子
伊藤彰汰 52.17
椋代玲央 52.87 Best!!
平田航太 52.78
◎200IM 女子
福島多佳子 2:23.54 Best!!
小松えり 2:23.93
◎200IM 男子
伊藤太郎 2:27.64
坂本碩人 2:18.97
平岡亮太 2:31.54 Best!!
◎200Fr 男子
小城力人 1:55.53 Best!!
椋代玲央 1:56.89 Best!!
田中良磨 1:55.42
村川雄仁 1:52.60 Best!!
◎100Ba 女子
小松あい 1:05.23 Best!!
林睦子 1:05.31
◎100Ba 男子
夏目大志 57.43 Best!!
◎100Fly 女子
小島日佳里 1:03.27
◎100Fly 男子
井坂有佑 56.57
塩川拓 54.89
◎100Br 女子
高崎有紀 1:11.32
◎100Br 男子
石川圭佑 1:05.25
八子優介 1:04.75
長澤圭恭 1:05.08
◎50Fr 女子
村上理沙 27.64 Best!!
渡辺真希 28.44
◎50Fr 男子
伊藤彰汰 23.31
岡安弘暉 24.94 Best!!
塩川拓 23.89
平田航太 24.37
◎800FR 女子
福島 小松え 小島 小松あ
(2:05.31/2:06.73/2:10.92/2:13.83)
8:36.79
◎800FR 男子
村川 田中 小城 平田
(1:52.73/1:55.73/1:55.44
/1:56.87)
7:40.39
選手インタビュー
石川圭佑主将(経4)
(午前中の200メートル平泳ぎのレースを振り返って)個人的に調子がよくなくて、納得のいく結果ではなかったです。早稲田に200メートル平泳ぎのオリンピアンがいるんですけど、今日は出ていなくて、勝てるレースではあったと思うんですけど、結果的に落としてしまったのは残念だなと思いますね。
(ご自身の泳ぎの強みは)僕はキックですね。平泳ぎだと上半身のかく動きの方が強いのかなと思われると思うんですけど、僕の場合はキックの推進力で進むのが強みかなと思います。
(4年生として最後の早慶戦ですが)東京辰巳国際水泳場は競泳でいうと聖地のような場所なんですけど、そこを慶應と早稲田の2校で貸し切って大々的に試合ができるというのは本当に光栄ですし、伝統の一戦で、4年生としてどうしても勝ちたいと思っているので、午後からまた挽回できるように頑張っていきたいですね。
(午後の100メートルはどんなレースをしたいか)一度、午前の200メートルのことは忘れて、昼休みに泳ぎを調整して、100メートルは前半から勝負していきたいと思います。
(今後の慶大の目標を教えてください)男子のターゲットースは9月にあるインカレで、女子は8月にある関東カレッジなんですけど、インカレに関しては会場が今日と同じ辰巳国際水泳場なので、ここで勢いをつけてインカレに臨んでいきたいです。女子はもうターゲットースが8月に迫っているので、なんとしてもこの大会で勢いをつけていきたいですし、チームとしてはここ一年間順調にきているので、このまま早慶戦の勝敗関係なく士気を落とさずに全員で向かっていければいいのかなと思います。
伊藤彰汰副将(経4)
(400mメドレーリレーを振り返って)早大は自分たちのチームよりは速いタイムを持っていることはわかっていたので、ちょっとでもその差を縮められるようにと意識して泳ぎましたがあまりいいタイムが出なくて悔しい思いです。
(100m自由形のレースを振り返って)ちょうど自分の持っている自己ベストが去年の早慶戦で、一年経ってしまったのでそこを更新しようと思って泳いだんですけど、あまり調子は良くなくてそこも悔しい結果に終わってしまったな、という感じです。
(チームの中心として心がけたことはあったか)このあと1ヶ月後に関東カレッジがあって2ヶ月後に最後の日本学生選手権があるんですけど、そこに向けてやっぱり4年生の僕がエースとしてしっかりタイムを出さなきゃいけないというプレッシャーがある中で、早慶戦はその一歩として夏の1ヶ月後、2ヶ月後が見据えられるレースができればなと思っていたんですけれども、もう午前の2レース終わってまだその役目はちょっとまだ果たせてないので、午後本命の50m(自由形)でしっかり後輩たちにいいところを見せられるようにしたいなと思っています。
(早大の印象は)早稲田はオリンピック選手もいっぱいいるような大学で、だいぶ慶應よりは全国でも上にいるので今の段階では少し後れをとっているような印象なんですけど、チーム力としては早稲田より慶應の方が勝っていると僕たちは思っているので、そこでしっかり団結して最後まであきらめずに戦っていけたらなと思っています。
(午後のレースに向けて意気込みを)50m自由形は一番得意種目なのでしっかりそこで早稲田の選手に勝って優勝できるように頑張りたいと思います。
(今後のインカレに向けて一言)10年間以上、水泳をずっと続けてきて今年がたぶんラストの1年、あと何ヶ月かになるので、そこでしっかり悔いのないレースをして最後インカレでもA決勝で結果を残して全国で上位に入れるように頑張っていきたいと思います。
福島多佳子(環4)
(序盤から終始1位でしたが、400m自由形を振り返って)元々スタートリストをみてダントツで優勝できると思っていたので、早稲田にどれだけ差をつけて波にのれるかを考えていました。
(最後の早慶戦でしたが)特別に意識はしていませんでした。いままで大差で負けていたから、一矢報いることができるように、そして4年間の集大成を見せれたらな、という思いはありました。
(この後、200m個人メドレー・800mフリーリレーと続きますが)個人メドレーは自分のスタイルじゃないので得点にくいこめたらいいな、という気持ちです。リレーでは私は一泳で、早稲田も速い選手が来ると思うので、次の小松選手にいい形でつなぎたいと思います。
(今後のインカレに向けての意気込みは)最近とても調子がいいので、B決勝には残れると思います。でも、A決勝にくいこむにはまだまだ足りない部分がたくさんある。あと2か月、足りない部分を埋めていくことが今夏の課題です。今回自己ベストがだせましたが、気を引き締めて頑張っていきます。
夏目大志選手(経2)
(400mメドレーリレーを振り返って)スタートに新しくブロックが付いて、スタートの練習が必要となった中、新しくスタート練習に取り組んではいたのですが、その新しい取り組みをここ一週間くらいで始めてしまって、本番いざやってみたら失敗してしまって、前半遅れてしまいました。遅れてしまってからは、後半どう泳ぐかを考えたのですが、直後の200m背泳ぎで良い泳ぎをしようと思って、100mでベストタイムを狙うというよりかは、200mのベストタイムにつなげるような泳ぎをしようと思って泳ぎました。
(今日初めての泳ぎで緊張はあったか)初めてのリレーの出場だったので、雰囲気を感じて、緊張は普段しないのですが、良い感じにみんなが観てくれているなと思って、頑張ろうと思って泳ぎました。
(200m背泳ぎで自己ベストを更新したが)まだまだ上を狙っていたので、400mメドレーリレーで200mを意識したレース、つながるレースをしたので、泳いでいる感覚ではすごく良かったのですが、タイムがまだ少し物足りなかったです。これから夏にもう少し上を狙っていきたいと思いました。
(改善点は)200m背泳ぎは泳ぎ慣れてないので、ここから夏に向けてレースが増えていくので、しっかりと経験を積んで、夏本番で力を出せるように頑張りたいです。
(早慶戦という普段と違う雰囲気の大会だが)高校時代から早慶戦には出ていて、雰囲気自体は感じているのですが、大学に入ってから2年目で、去年はあまりタイムが良くなかったので、今年はなんとしてでもタイムを出そうと思っていました。今年は調子を上げるように、練習の回数を減らして、疲れを取ってきているので、タイムは狙っていこうと思って頑張りました。
(100m背泳ぎに向けての意気込み)最初の50mから積極的なレースをして、しっかりベストタイムを超えて、この夏につなげられるレースをしたいと思います。