全国ベスト4が出そろった。慶大からはシングルスで西田奈生(環2・済美高)が準決勝に進出。今年はダブルスでは安形玲耶(環4・城南学園高)・向井マリア(環1・城南学園高)組のベスト8が最高となった。第1、2シード選手に挑んだ村瀬早香(環3・京都外大西高)と押野紗穂(環2・つくば国際大学東風高)は、共に上位シードの意地を見せつけられベスト8という結果に終わった。
全日本学生テニス選手権大会 シングルスQF、ダブルス3R、QF
2015/8/18 @岐阜メモリアルセンター
シングルスQF
村瀬早香 | 0{6(5)-7、3-6}2 | 加治(園田女子大) |
押野紗穂 | 1{6-3、4-6、3-6}2 | 林(早大) |
西田奈生 | 2{6-3、5-7、6-3}1 | 上(早大) |
村瀬がベスト4を懸けて戦う相手は第1シードの加治。滑り出しは上々だった。ファーストセットで2ブレークアップの4-0まで一気に試合を進める。序盤の村瀬はファーストサーブの成功率が高く、主導権を握り多彩なショットを使い分け攻勢に出た。しかし、途中から崩れ出した村瀬は6-6のタイブレークに持ち込まれてしまう。タイブレークでも、5-2まで優位に進めるが、そこから5ポイントを連取され、5-7でこのセットを落としてしまう。セカンドセットでもなかなか流れを引き戻すことができない。加治の強烈なショットに押し込まれ、3-6で奪われてしまい、敗れた。「細かいところが積み重なって相手にいけると思わせてしまった」。加治の底力に屈した村瀬は自らの試合運びを悔やんだ。
押野が挑むのは先の関東学生テニス選手権で敗れている早大のエース・林。出だしのゲームを早速ブレークに成功すると、ラリーを押野のペースに持ち込みそのまま4-0とする。続くゲームでブレークを許したが、6-3でファーストセットをものにした。セカンドセットも順調に1ブレークアップの4-1とする。しかし、「チャンスと思ったら固くなってしまいまった」と押野。ここから5ゲーム連続で許し、4-6でフルセットの戦いとなる。迎えたファイナルセットでは最初のゲームでブレークを許しと、見違えるように安定したプレーを見せるようになった林にかわされ3-6で敗戦となった。
西田は同じく2年の早大・上との試合となった。お互いに簡単にはキープができない展開となるが連戦の疲れが隠し切れない上を相手に西田が積極的なテニスを見せる。2ずつのブレークで4-3となり、第8ゲーム。デュースが長く続いた末、上の連続ダブルフォルトでブレークすると、続くサービスゲームを30-30から相手のミスとリターンオーバーでキープし、6-3でファーストセットをものにする。セカンドセットも好調の西田は2ブレークアップの3-0とする。しかし、ここから粘る上に巻き返される。3-4とされ、そこからお互いキープが続き5-6。第12ゲーム、西田がミスを重ね上が取り、試合はフルセットへ。「トイレットブレイクを取って『自分のプレーをやり抜こう』という新たな気持ちで臨めた」と西田。3-1の第5ゲームで10回以上のデュースからブレークをし、流れを完全につかむ。そして、6-3で歓喜の瞬間を迎えた。西田は明日の準決勝で林と対戦する。
ダブルス3R
首藤みさき・反田茉鈴 | 0{6(8)-7、5-7}2 | 齊藤・宮田(明大) |
ダブルス3R
安形玲耶・向井マリア | 0{2-6、3-6}2 | 齊藤・宮田(明大) |
シングルスでは西田の勝利をはじめ、村瀬、押野共に上位シード選手相手に十分に見せ場を作る試合であった。一方でやはり春同様、来週から始まるリーグ戦に向けてここ数年慶大が十八番としていたダブルスに不安が残る結果となってしまった。メンバー構成、細部の修正に期待したい。そして、インカレはまだ終わっていない。慶大女子最後の砦となった西田の活躍に注目だ。
(記事:太田悠貴)
【選手コメント】
安形玲耶(環4・城南学園高)
(今大会を振り返って)シングルスは今までは弱気になってしまって負けてしまうことが多かったんですが、そこを今回も越えられなかったことが悔しいです。ただ、プレーの面では今までやってきたことをしっかり出し切れたとは思っています。シングルスを負けてからはダブルスに懸けようと思っていたんですけど、今日の試合では自分が向井をリードしきれなかった、試合の入りが良くなかったことが敗因かなと思います。(来週から主将として臨むリーグ戦、現在のチームの状況は)全員で日本一になるという明確な目標に向かって、一人一人が熱い思いを持っていると思うので、私はそれを信じて、私自身も自分の持っている力を発揮して、日本一という目標を達成したいです。今回のインカレでもチーム全体としてはいい部分はたくさんあったのかなと思っています。というのも、今まで結果を出していなかった選手が結果を出していたり、そういうところに「自分たちがやってきたことが間違っていない」と勇気づけられています。リーグ戦では最後まで自分たちの力を出し切りたいと思います。
村瀬早香(環3・京都外大西高)
(今大会の単複を振り返って)やっぱり目標は単複優勝だったので、率直に悔しいです。負けた試合はどちらも勝てるチャンスがあった中で、そこで取りきれなかった部分はずっと自分が課題にしていたことが全部出てしまったなと思います。そこを変えられればもっと上に行くことができると思います。でも、リーグまで時間がないので、1日1日努力を続けることと切り替えることが大事だと思うので、インカレの悔しさがあったからリーグで勝てたと言えるように頑張っていきたいと思います。(今日の試合のファーストセットは絶対に取りたかったところだと思うが崩れてしまったポイントは)ここっていうのはまだ振り返れていないのでわからないですが、タイブレークは1ポイント1ポイントの積み重ねだったと思います。タイブレークも5-2でリードしていた状況から少しスイングが緩くなったところとか少し打点を落としてしまったところとかそのちょっとの差、細かいところが積み重なって相手にいけると思わせてしまったのかなと思います。(リーグでは村瀬選手の役割が大きいと思うが意気込みを)シングルスは出るとしたらS1で、ダブルスもペアリングがどうなるかわからないんですけど、やはり3年生ですし慶應の1として村瀬は大丈夫だからと思わせられるようなプレーを毎試合したいです。気持ちでは負けないように頑張ります。
押野紗穂(環2・つくば国際大学東風高)
(今日の試合、リードしたセカンドセットの途中から相手に支配される展開になったが)春関でも林選手に負けてしまったんですけど、そのときもファーストセットを取ってから2セット取られて負けていました。今日こそ勝とうと思って臨んだんですけど、セカンド4-1まで相手もミスが多くて「ここがチャンス」だと思ったら固くなってしまいました。そこで強気でいけなくて、負けてしまい、もちろん優勝を目指していたので悔しいです。(今大会での自身のプレーの出来は)やっぱりまだ自分から仕掛けてものにするポイントが少なくて、プロを目指しているので、もっと自分の武器であるフォアを磨いていきたいと思います。(リーグ戦に向けて)リーグ戦は絶対に1位突破して王座で優勝できるように一戦一戦頑張ります。
西田奈生(環2・済美高)
(ベスト4に残った感想は)正直、すごくうれしいです。自分はベスト8を目標に岐阜にやってきたんですけど、初戦からどんどん自分のやりたいプレーをできる場面が増えてきて、今は目の前の一戦一戦勝ち切ることを目標にやっています。(セカンドセットを接戦で落としてしまって迎えたファイナルセットに不安はなかったか)セカンドセットの最後のゲームは自分がミスを続けてしまって嫌な流れで落としてしまったんですけど、トイレットブレイクを取って「自分のプレーをやり抜こう」という新たな気持ちで臨めました。(ファイナルセットは特にリターンゲームで良いプレーができていたと感じたが)リターンゲームでも積極的に行こうと考えていたので、どんどん前に入っていけたからだと思います。(明日は早大・林選手との試合だが)明日も目の前のプレーに集中して勝つという気持ちで負けないように頑張っていきます。