【テニス(男子)】中村・福田組が躍動も明大相手に手痛い黒星/関東学生テニスリーグ 明大戦

DSC_0437「王座」出場権獲得に向けて、非常に重要な明大戦を迎えた。D3に中村進之介(商2・慶應湘南藤沢高)・福田真大(商2・慶應湘南藤沢高)の若い二人を、S3に野田哲平(政4・長崎西高)を起用。インカレで得た「チーム力の底上げ」という手応えをオーダーで示した。その中村・福田組が2セットともタイブレークに突入しながらも粘り強く戦い、ストレート勝ち。D2の逸﨑凱人(環2・大阪産業大付属高)・畠山成冴(環2・湘南工科大付属高)組もフルセットの末勝利し、ダブルスをリードして折り返す。だが、シングルスでは明大の反撃に苦しんだ。6本あるシングルスのうち、奪ったのは1本のみ。逆転を許し、3-6で敗戦した。

 

9/2 関東学生テニスリーグ 第3戦vs明大@亜細亜大学テニスコート

慶大3-6明大

 

 

慶大

 

明大

D1

上杉海斗・韓成民

0{4-6,4-6}2

諱・澁田

D2

逸﨑凱人・畠山成冴

2{3-6,6-1,6-4}1

西脇・切詰

D3

中村進之介・福田真大

2{7-6(6),7-6(3)}0

鈴木・吉見

S1

上杉海斗

0{4-6,4-6}2

S2

逸﨑凱人

1{4-6,6-4,4-6}2

澁田

S3

野田哲平

1{6-3,0-6,5-7}2

本城

S4

甲斐直登

0{1-6,3-6}2

切詰

S5

韓成民

{3-6,4-6}2

西脇

S6

畠山成冴

2{6-1,6-1}0

吉見

合計

 

   3

 

  6

 

慶應湘南藤沢高時代からダブルスを組む二人

慶應湘南藤沢高時代からダブルスを組む二人

D3に起用されたのは、中村・福田組という若いペア。ファーストセット、互いにキープし合う展開の中、第8ゲームで息の合ったプレーで先にブレークに成功する。そのまま第9ゲームをキープしてファーストセットを奪いたかったが、ここをブレークバックされてしまう。タイブレークに突入した後も一進一退の攻防が続く。それでも最終的には8-6で制し、1セットを先取した。この試合はセカンドセットもタイブレークにもつれ込んだ。それでも中村・福田組は集中を切らさなかった。慶應湘南藤沢高時代からペアを組んでいる二人は巧みな組み立てから次々とボレーを決めていく。7-3でこのタイブレークも制し、ストレート勝ちした。

 

 D2は逸﨑・畠山組は西脇・切詰組との対戦。ファーストセット第1ゲームでいきなりブレークを許すとリードされる展開のまま3-6で落としてしまう。それでもしっかりと切り替えて戦うことができるのがこの二人の強みだ。セカンドセット第3ゲームでブレークに成功すると、後衛のリターンで相手を崩して前衛がボレーで決める得意な形が増えてくる。3ブレークアップの6-1でフルセットに持ち込み、流れを引き寄せた。多彩な攻めで試合を優位に進めた逸﨑・畠山組。ファイナルセットを6-4で奪い、勝利した。

 ここ2戦。D1としてポイントを奪ってきた上杉海斗(環3・清風高)・韓成民(環3・つくば国際大東風高)組は諱・澁田組を前に苦しんだ。ファーストセット第5ゲームでブレークを許すとその後も諱の強烈なフォアに押し込まれる場面が目立った。4-5で迎えた第10ゲームをラブゲームでキープされ、ファーストセットを奪われる。セカンドセットも第3ゲームで先にブレークされてしまう。韓のサービスゲームでは2度ラブゲームでキープするなど力強さを見せたが、この試合を通して一度もブレークすることができずに4-6でセカンドセットも落としストレート負けを喫した。それでも、ダブルスを2-1でリードしてシングルスに臨む。

 

 

多彩な攻めで相手を圧倒した畠山

多彩な攻めで相手を圧倒した畠山

S6の畠山は圧巻のパフォーマンスだった。ファーストサービスがよく決まり、主導権を握り続けた。サービスエースのほかに打点の高いボレーや強烈なフォアで相手を翻ろうした畠山は6-1,6-1でストレート勝ちした。

S5の韓は流れをつかめなかった。西脇のコースを打ち分けた攻めに苦しみ、ファーストセット第2ゲームで早々にブレークされる。第5ゲームでブレークバックするが、第8ゲームで再びブレークを許すと続く第9ゲームをキープされ、1セット先取される。セカンドセットに入ってもなかなか調子が上がらなかった韓。セカンドセットも4-6で落としストレート負けした。

早く一勝が欲しい甲斐

早く一勝が欲しい甲斐

S4の甲斐直登(環1・日出高)はファーストセット第2、6ゲームでブレークを許し1-6で落としてしまう。セカンドセットに入り、ラリーで左右に振ったあとボレーを決めるなどいい形が見られるようになったが、流れを引き寄せるまでには至らず。第3、7、9ゲームでブレークされ、ストレート負け。いい流れで上位につなげることができない。

フルセットまで戦った野田

フルセットまで戦った野田

S3には野田が起用された。ファーストセット第1ゲームで3本連続のサービスエースを決めるなど強気のサーブで相手を押し込み、試合を優位に進める。第3ゲームで先にブレークされるがすぐさまブレークバックして流れを渡さない。第6ゲームで再びブレークに成功すると1ブレークアップの6-3でファーストセットを奪う。しかし、セカンドセットは1ゲームも奪えぬまま落としてしまう。ファイナルセット第4ゲーム、ここも先にブレークされ、追う展開に。第7ゲームでブレークバックしたが5-6で迎えた第12ゲーム、サーブ権を持っていた野田だったが、足を痛めてしまう。ここをブレークされ、ゲームセット。S1、S2を残し、明大に王手を掛けられる。

接戦だったが敗れてしまった

接戦だったが敗れてしまった

S2の逸﨑はファーストセットを4-6で奪われる。セカンドセットは逸﨑らしいダイナミックなプレーが見られるようになる。得意のバックハンドで攻め込んで第6ゲームをブレーク。第9ゲームでブレークバックされ5-4とされるも、第10ゲームで見事ブレークし、ファイナルセットに持ち込んだ。しかし、このセットは相手の澁田の好リターンに苦しみ、サービスゲームでなかなかキープできない。ブレークとブレークバックを繰り返すゲーム展開に課題を残した逸﨑。4-6でこのセットを落とし、1-2で敗れた。

 

 

相手の深いショットに苦しんだ上杉

相手の深いショットに苦しんだ上杉

S1の上杉は諱との対戦。ファーストセット第3ゲームで先にブレークされる。すぐさまブレークバックしたが、第5ゲームで再びブレークされてしまう。3-5で迎えた第9ゲームでは0-40とセットポイントとされたが、得意なフォアが諱を襲い、なんとかキープした。ファーストセットを奪うため、ブレークしたい第10ゲームだったが、諱の深いショットに苦しみキープされる。1セットを先取された上杉はセカンドセットに入り、第6ゲームでブレーク。そのまま優位に試合を進めたかったが、すぐにブレークバックされると第9ゲームでもブレークを許す厳しい展開に。最後はサーブで崩されてネットにかけてしまい、ゲームセット。上杉もまさかのストレート負けを喫し、合計3-6で敗れた。

 

ダブルスでリードを奪いながらシングルスでなかなかポイントを奪えなかった。「上位のシングルスにプレッシャーがかかってしまった」と坂井利彰監督が話すようにシングルス下位で本数を奪って、いい流れでつなげることが課題か。兎にも角にももう後がない状態。今こそ、チーム一丸となって勝利を目指すだけである。慶大庭球部の底力を示してほしい。

 

(記事・取材 森本凜太郎、写真・小沢光市)

 

◆試合後コメント

坂井利彰監督

(明大戦を終えて)ダブルス2-1にして、そのあとシングルス2-4で王手を掛けられて上位のシングルスにプレッシャーがかかってしまったのかなと思います。ただ、まだ可能性はあるので残り2試合チーム一丸となって全力で戦うということしか頭にはないです。(S3に野田選手、D3に中村選手と福田選手を起用したが)3人とも、団体戦での経験はあまりないですけど、個人戦で結果を残していたので勝負所でしたけど使いました。個人戦の結果を受けて起用してダブルスの二人はその期待に応えてくれたし、良かったのではないかなと思います。野田も惜しかったと思います。(S1S2のサービスゲームでなかなかキープできなかったことについては)相手がリターンが得意な選手ということもありました。そういうところがキープできるようになれば流れは変わると思うのでファーストサービスをしっかり入れるところで入れたいというところも含めて修正点だと思います。(次戦に向けて)今までと変わらずに全力で向かっていくことが大事。チームは負けはしたものの力はついてきているのでそれを信じてやれることをやりたいと思っています。

 

中村進之介(商2・慶應湘南藤沢高)

(リーグ戦では初出場だったが振り返って)初めてだったので色んな人から思い切りやれと言われていました。ペアの福田とは高校から組んでいてお互いのことは良く知っていたのでとにかくやれることをやって、楽しむことを考えてやったら勝負所も強気でいけました。タイブレークも取り切れて良かったです。(2セットともタイブレークになったことについては)お互いのリターンミスがあったので、それをねじ込めていたらもっと簡単に取れていたかなと思います。ただ、タイブレーク中はしっかり前に入ってリターンできたし、簡単に相手にあげたポイントが少なかったことが取り切れた要因だと思います。(最後は全部員の応援を背に戦ったが)そういう経験は初めてでした。僕は性格的に盛り上がってくると調子も上がってくるので、みんなが自分たちの試合に懸けてくれていたのでやるしかないという気持ちが大きかったです。(次戦への意気込みは)とにかく出る試合で思い切りの良さで先手を取って勝っていきたいです。

畠山成冴(環2・湘南工科大付属高)
(今日の試合を振り返って)ダブルスでリードするという形は出来ましたが、明大の強みでもあるシングルスで5本を取られるという結果になってしまいました。(ご自身のプレーを振り返って)ダブルスに関しては、納得のいくプレーが出来ませんでした。ファーストセットを落としてしまって、流れが重要な団体戦において周りのコートにも少し影響を与えてしまったと思います。もっとダブルスは改善していきたいです。シングルスでは緊張していたのですが、勝ちたいという気持ちやチームに貢献したいという気持ちをしっかりコート上で表現出来たと思うので、プレーの内容としてはとても良かったと思います。(今日の試合、技術の面で特に良かった点は)今日の試合では、ラリーに持ち込んで戦うことが出来ました。ラリー中もボールを冷静に捉えることが出来ていましたし、踏ん張る所ではとりあえず相手のコートに返すことを優先したりと、やるべきことが明確になっていたことが良かったと思います。(今後に向けて意気込みを)今日起こってしまったことは過去のことなので、一回忘れて中日の間に自分の中でしっかり整理をつけたいと思います。あと2戦あるので、それに向けて精一杯の努力をしていきたいです。
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