専大戦に7-0で勝利し、勢いを持って臨んだ関東学生テニスリーグ第3戦の筑波大戦。しかし、ダブルスをどちらも取ることができず、0-2で折り返す。巻き返しが必要なシングルス、慶大はS5の江代純菜(環3・九州文化学園高)、S4の西田奈生(環2・済美高)、S3の押野紗穂(環2・つくば国際大東風高)がストレート勝ちで流れを引き寄せた。しかし、S2の安形玲耶主将(環4・城南学園高)とS1の村瀬早香(環3・京都外大西高)がストレート負け。最大の山場に敗れ、「王座」出場に暗雲が立ち込めた。
9/3 関東学生テニスリーグ 第3戦vs筑波大@早稲田大学テニスコート
慶大3-4筑波大
|
| 慶大 |
| 筑波大 |
D1 | ● | 安形玲耶・押野紗穂 | 0{4-6,2-6}2 | 米原・森崎 |
D2 | ● | 村瀬早香・江代純菜 | 1{6-3,1-6,5-7}2 | 古川・牛島 |
S1 | ● | 村瀬早香 | 0{1-6,5-7}2 | 牛島 |
S2 | ● | 安形玲耶 | 0{1-6,2-6}2 | 森崎 |
S3 | ○ | 押野紗穂 | 2{6-0,6-1}0 | 米原 |
S4 | ○ | 西田奈生 | 2{6-2,6-2}0 | 岩井 |
S5 | ○ | 江代純菜 | 2{6-2,6-0}0 | 並木 |
合計 |
| 3 |
| 4 |
D1の安形・押野組の試合はファーストセット、互いに譲らぬ展開で進む。安形のボレーや押野のフォアで攻め込むもなかなかブレークとはいかない。そんな展開を打ち破り、第7ゲームで先にブレークするが、直後の第8ゲームでブレークバックを許す。第10ゲームで再びブレークされると、4-6で1セットダウンとなる。セカンドセットに入っても勝負所で決めきれずにいると第6、8ゲームでブレークを奪われ2ブレークダウンの2-6で落とし、ストレート負けした。
ダブルスのうち1本は取っておきたい慶大のD2は村瀬・江代組。ファーストセット第1ゲームで村瀬がリターンエースでポイントを稼ぎいきなりブレークした。第2ゲームは0-40とされてから村瀬のボレー3発でデュースに持ち込んだ。ここはブレークバックされるが、得意な攻めの形が多くみられ上々の滑り出しを見せる。ファーストセットは6-3で奪い、1セット先取する。しかし、セカンドセットになると一気に調子を落とす。第1ゲームでキープに成功したものの、第3、5,7ゲームで立て続けにブレークされ、1-6でセカンドセットを落とす。ファイナルセットに入っても互いにブレークし合う。3-5で迎えた筑波大のサービスゲーム、村瀬・江代組が土壇場でブレークに成功し、第11ゲームでも村瀬のリターンエースなどで15-40とし再びブレークチャンスを迎える。しかしここを耐えられると第12ゲームでブレークを許し、ゲームセット。ダブルスを0-2で折り返す。
D2でフルセットまで戦ったS5の江代だったが気持ちで圧倒し、ラリー勝負を制し続けた。ファーストセットは第6ゲームで先にブレークすると第8ゲームでもブレーク。6-2で1セットアップとする。セカンドセットになっても底なしの体力と気合を見せつけた江代。1ゲームも取らせず、6-0でセットを奪いストレート勝ちした。
S4の西田も先手を取り続けた。第3ゲームでブレークするとその後も得意のフォアで相手を揺さぶる。第7ゲームでもブレークに成功し、直後の第8ゲームもキープした西田が1セットアップとする。セカンドセットになっても西田がペースを握る。ファーストサーブの成功率が高く、サービスゲームでは理想的な攻めを披露し、リターンゲームでも好リターンから得意の形に持っていく。第1、3,5ゲームで見事ブレークに成功した西田がストレート勝ちで慶大にポイントをもたらした。
S3での確実な勝利が求められた押野。その期待に応え専大戦同様に圧倒的な展開に持ち込む。サービスゲーム、リターンゲーム問わず押野主導のラリーが展開され。第6ゲームでは、多少エンジンがかかってきた相手に高身長を生かしたネットプレーを許し、10回近いデュースとなるが、しっかりとキープし6-0でファーストセットをものにする。セカンドセットでは、第1ゲームで相手が出てきたところをロブで上、フォア、ドロップショット、前に出てきたところをボディに強打という多彩なプレーを見せつけブレーク。結局押野が6-0、6-1でのストレート勝ちで慶大に勢いをもたらした。
S2は安形主将。ファーストセット、第3ゲームで相手のダブルフォルトなどで0-40とブレークのチャンスを作るもここを生かせない。すると相手が持ち味のパワフルなフォアで安形主将を押し込む。第3ゲームからの5ゲーム連取でファーストセットを奪われる。セカンドセット、最初のゲームをデュースからブレークされた。「ラリー戦に持ち込もうと考えていた」安形はファーストセットよりロブを多用し長いラリーとなる場面が増える。しかし、やはり相手が一枚上手だった。セカンドセットでも安形のセカンドセットからの強気のリターンに苦戦。2-6で落とし決着は村瀬の手にゆだねられた。
3-3で迎えたエース対決。しかし、ファーストセットは精密機械のように返球してくる牛島のペースにのまれ村瀬がミスを連発。ラリーでは村瀬の展開が多かったが1-6で落としてしまう。あとがなくなったセカンドセットでも牛島に先にブレークを許す苦しい展開。だが、ここから村瀬が底力を見せる。ラリーで無理をせずミスが減少。バックのストレートでエースを決める場面が増え、2つブレーク。キープすればセカンドセットを奪える5-4からの村瀬のサービスゲーム。このゲームをバックのミスからブレークされてしまう。5-6となった第12ゲーム。30-30から相手のオンラインの深いボールに対応できずマッチポイントを迎えられると、最後は村瀬がショットをネットにかけ万事休す。春関で幻のSFとなった両者の一戦は筑波大・牛島に軍配が上がった。
◆試合後コメント
安形玲耶主将(環4・城南学園高)
(チームとしてはダブルス0-2となったが自身の試合を振り返って)自分の試合ではリードする場面があって、そこで安全にいってしまったり、離したいところで自分たちからポイントを落としてしまったり、してしまってあと2戦ではそういう部分を改善していきたいです。(シングルスを振り返って)シングルスは相手がパワープレーで来るのはわかっていて、引かずにラリー戦に持ち込もうと考えていたんですけど、パワーで劣る自分は高い弾道やスピンで少しでも長い試合にしたかったです。自分のやることを徹底できなかったのが敗因です。(今後に向けて)シンプルにあと2戦勝ち切ること、全員でエネルギーを出して強い気持ちで臨んでいきたいです。
江代純菜(環3・九州文化学園高)
(今日の試合を振り返って)チームとしても筑波大戦が一つの山だということは前々から話していて、それに向けて自分自身は上級生としてチームに勝ちを持ってくるためにやるしかないという気持ちでした。でも、ダブルスで少し後悔が残る試合をしてしまいました。シングルスでは切り替えて勢いは持ってこられたかなとは感じていますが、次の試合に向けて単複ともに覚悟を決め直してやります。いい意味で忘れて頑張りたいです。(ダブルスのセカンドセットで崩れた要因)自分のミスが早くなってしまったと思っています。ファーストセットは同じミスでも相手が嫌がるところまでは持っていけていました。セカンドセットはリターンミスや3球目でのミスが増えてきてしまって流れを持っていかれてしまったと思います。(シングルスでは相手もラリーに持ち込んできたが)彼女とは1,2年生のときにやっていて、お互い手の内がわかっていたと思います。でも、自分のプレースタイルは相手に根負けさせるまでラリーを続けることなので、疲れはありましたがそこで逃げてしまっては自分の武器じゃなくなってしまうと思っていました。(今後への意気込み)2年前のリーグと状況が似ていると思います。その時は早大戦のS5で出場して、負けて踏ん張れなかったんですけど、今は上級生ですしこのチームの柱になると決めてやってきたので、絶対に単複で2本取ってきたいと思っています。