昨日の駒澤大戦での敗戦により、入れ替え戦への進出が厳しくなった慶大。今日は7勝2敗と勝率で並ぶ法大との対戦。ここで負ければ昇格の目を完全に失ってしまう背水の陣。しかし、それは両校にとって言えること。熱い思いのぶつかり合いはフルセットにまでもつれ込んだが、最後は法大に押し負け、最終戦を前にして1部昇格の夢を絶たれてしまった。
10月9日(日)秋季関東大学男子2部バレーボール第10戦 慶大×法大@駒澤大学玉川キャンパス体育館
得点 |
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慶大 | セット | 法大 |
25 | 1 | 27 |
25 | 2 | 23 |
25 | 3 | 23 |
22 | 4 | 25 |
11 | 5 | 15 |
第1セット。佐藤康平(環3)のクイックで幕を開けたこのセット。それが功を奏し、両サイド陣が活躍して得点を重ねると、17-12で法大にタイムアウトを取らせる。しかしその後、強烈なサーブから連続得点を許すと、2度のタイムアウトを使うも黒田彪斗(環3)のフェイントミスなどで失点を重ね、7連続得点を許してしまう。マルキナシム(総1)に代えて岩本龍之介(商2)を投入し、なんとか流れを断ち切るが、リードを奪われてしまう。点の取り合いが続いたが差を詰め切ることができず、25-27でこのセットを落とした。
第2セット。3枚ブロックで止めたボールがスパイカーの肩に当たり、そのまま入ってしまう不運にも見舞われるとミスが続き、開始直後から4連続失点を許した慶大。すぐさまタイムアウトを要求し、立て直しを図った。持ち直しはしたものの逆転の糸口をつかめない状況が続く。それを打ち破ったのは黒田だった。法大のサーブミスで得点を得ると、黒田の技ありのフェイント、スパイクで4連続得点。追い越すと、そのまま試合を決め25-23でこのセットをものにした。
第3セット。今度は相手のミスに助けられ、2点先取した慶大。前セットの勢いそのままに得点を重ねていく。途中、4連続得点を許す場面もあったが、クイックでしっかりと断ち切り、主導権は渡さない。そのまま逃げ切り、このセットもものにし、勝利に王手をかけた。
第4セット。このセットで法大が奮起した。連続得点を許してもらえない慶大は、ミスも増え始め、5-11と大幅リードされてしまう。タイムアウトで少し持ち直し、その差を詰めようとするが、法大も粘りを見せ決定的なチャンスをつかむことができない。最後はサイドに押し切られこのセットを落とし、試合は最終セットにかけられることになった。
第5セット。前のセットの勢いを引きずってしまったか、序盤から連続で失点してしまう慶大。タイムアウトを使い切り、コートチェンジをするときには2-8と大きな差がついていた。ここで慶大は布川智規(商4)と増田拓人(環3)を投入。ベンチと観客席も大きく盛り上がり、最後の追い上げに期待する。ピンチブロッカーで入った五味渕竜也(環1)がブロックで見事にその役目を果たし、3連続得点を決めるなど、詰め寄った慶大だったが、前半についた差は大きすぎた。最後はここまで得点源となってきた富澤のスパイクがブロックされ、11-15でこのセットを落とし、敗北した。
今日の法大戦について、選手たちは「全然勝てる相手」(尾木・政3)や「あまり負ける気がしなかった」(佐藤)と、コメントしてくれた。しかし、だからこそ今回の敗戦は慶大らしい負け方といえるだろう。序盤に簡単にミスを重ねてしまうところ、切り替えに時間がかかりすぎてしまうところなど、随所に悪い意味での慶大のらしさが見られた。それをどのように改善していくか、そこに慶大のこれからがかかっているのかもしれない。しかし、ひとまずは次の青山学院大学戦。現在1敗で首位を走る強豪だ。ここで一矢報いてくれることに期待したい。
(記事:岩本弘之・写真:太田彩恵)
宗雲監督
(試合を振り返って)
黒田がルーズでしたね。彼が要なので、昨日も彼のサーブレシーブから崩れて、今日も同じようなことがあって、大事なところでフェイントミスをして、というので彼が大事なゲームの序盤と最後を壊してしまったので、彼が本当に頑張ってくれないといけないなという試合でした。
(敗因は)
5セットのうち2セットしか取れなかったんですけど、大きく崩れたのは2セット。特に最後のセットだけだと思うんですよね。向こうもキャリアのある子も多いですし、バレー自体は向こうの方がうまいと思うんですよね。それに対してうちがベストゲームを2セットしかできなかった。そういう部分だと思います。
(今の素直な気持ちは)
弱いからそうなっただけ。ほんの少しの2点差とか1セットという力の差を詰め切れなかった。または、学生たちがつかめなかった。敗者なので残念としか言いようがないです。
(選手たちに伝えたこと)
昨日も今日も負けて、でも負けて得るものの方が私はたくさんあると思うので、これで普段の記念館でのいい加減だった部分がしっかりやれるかどうかということを選手たちには伝えました。
(最終戦に向けて)
勝負事なので、最終戦を残して昇格の目はなくなってしまったんですけど、学生スポーツなのでいいバレーをしっかりやって、インカレにもつなげたいですし、その次にもつなげたいので、応援してくれているOBや保護者の方々に胸躍るような試合をしてくれればなと思います。
佐藤康平(環3)
(試合を振り返って)
上野さんをはじめとして、1敗してからいろいろな練習をしてきて気を引き締めてやろうってことだったんですけど、昨日の駒澤戦で出鼻をくじかれてからうまく回っていなかったかなと思います。
(大東文化大戦での敗戦はチームにとっては良かったか)
よくはないんですけど、あそこで一回負けたことで逆に一つにまとまれたとは思います。
(ブロックについて)
1年生が大きい子が多くて、上野さんも。僕と増田は小さいんですけど、大きい選手が多いので、サーブで崩して仕留めるということをテーマにやってきて、リーグの終盤にかけてはそれができてきた部分があるので、それはよかったかなと思います。
(5セット目に臨むときの気持ちは)
正直、みんなそうだと思うんですけど、今日はあまり負ける気がしなくて、どんなに点数が離れても、ベンチも盛り上がっていていけるぞという雰囲気だったんですけど、最後は力の差が出てしまったという形が多かったので4年生とかには申し訳ない気持ちでいっぱいです。悔しいですね。
(今の素直な気持ち)
本当に布川さんや上野さん、チームを引っ張ってくれた方や支えてくれた方、応援してくれる方には申し訳ない気持ちいっぱいなんですけど、いつまでも下を向いていてもいられないので、OBの方にいただいた激励の言葉も励みにして来週しっかり形を残したいと思います。
(最終戦に向けて)
昇格はできないんですけど、リーグは終わらないので、全カレや定期戦につながるような試合にしたいと思います。
尾木将(政3)
(今日の試合を振り返って)
昨日もそうだったんですけど、試合をやっていても全然勝てる相手だなという感じで、それを勝ち切れなかったというのが、やっぱり自分たちの弱さなのかなと痛感しました。
(具体的な敗因は)
要所でむこうよりこっちのほうがミスが多くて、自滅してしまったというのが一番大きな敗因かなと思います。
(今日の戦略は)
むこうのブロックシステムがリードブロックと言ってトスを見てから跳んでくるチームなので、クイックを最初ちょっと多めに使って、クイックにマークを集中させてから、サイドというふうに組み立てたかったんですけど、サーブカットもあまり思うように返って来ず、あまりそれができなかったかなというのがあります。
(2,3セット目は取ることができたが)
そうですね。1セット目も取ることができたゲームで今日全然3-0で勝てててもおかしくなかったんですけど、2セット目3セット目みたいな最後勝ち切るっていうゲームを増やしていかないとやっぱり2部だとしても上位相手には勝てないなと思いました。
(昨日の敗戦からチーム状態は)
やっぱり昨日負けて今日負けちゃうともう入れ替え戦もなくなってしまうということで、しっかり切り替えて全力で法政戦に使っていこうということだったんですけど、結果的に負けてしまってすみません。
(今日の最後のミーティングで監督からは)
やっぱり普段の練習からの甘さが試合で出てしまっているということで、しっかり普段の練習から変えていかないとこのチームはもう先はないということを言われて、しっかり練習から気持ちを入れて日々やっていかないといけないなという感じですね。
(最後の青学戦にむけて)
4年生は最後の秋のリーグ戦ですし、しっかりみんなで一丸となって最後勝ちで終われるように頑張りたいと思います。
岩本龍之介(商2)
(今日の試合を振り返って)
そうですね。相手のほうが強かったんですけど、個人個人がやるべきことをやりきれなかったのが敗因かなと思います。
(今日は出場が多かったが、流れを止める活躍ができたのでは)
サーブカットが最近自分の課題だったんですけど、練習で頑張ってなんとか今日は上げられたので、まあ流れを作ることはできたかなと思います。
(4セット目は特に活躍が目立ったが)
そうですね。まあ自分がやることはできたかなという感じです。
(今日一番意識したことは)
最近はやっぱり守備が慶應は甘いので、そのへんをしっかり固めてレシーブで上げて、雰囲気を作っていけたらなと思ってプレーをしました。
(法大の印象は)
もともと入っていた29番のセッターの方が結構ブロックがきていてちょっと嫌だなと思っていたところを21番のセッターに代わってくれたので、個人的にはやりやすかったんですけど、センター陣も結構高くて、ブロックは結構きていたかなという感じはします。
(昨日の敗戦からチームの状態は)
昨日はまったくもってサーブカットが入っていなくてセッターがトスを上げられないという状態だったんで、そのへんは改善できていたのかなとは思います。
(最後の青学戦にむけて)
やっぱりやることは今まで練習してきたことを出すだけなので、一人一人がやることをやって、そうしたら結果はついてくるんじゃないかなと思います。
サイド | マルキ ナシム(総1・川越東高) |
センター | 佐藤康平(環3・桐蔭学園高) |
セッター | 尾木 将(政3・修道高) |
サイド | 黒田 彪斗(環3・富山第一高) |
センター | 上野 素希(文4・甲陽学院高) |
オポジット | 富澤 太凱(経1・慶應高) |
リベロ | 松岡 海(文3・慶應高) |
| 長澤 翔吾(環3・盛岡第一高) |
途中出場 | 布川 智規(商4・桐朋高) |
| 池田 裕哉(環4・北嵯峨高) |
| 増田 拓人(環3・習志野高) |
| 岩本龍之介(商2・仙台第二高) |
| 五味渕竜也(環1・習志野高) |