10月30日、代々木第二体育館にて明大戦が行われた。本戦は、18試合にも及んだリーグ戦の最終戦。第14戦の早大戦以降、勝利に恵まれなかった慶大は、何としてでも本戦で白星を挙げたいところである。しかし、慶大は、明大の攻守ともに苦戦し、優位な展開とすることはできない。最終Qで多くの得点を重ねるも、63対74で悔しい敗戦を喫した。
2016/10/30(日)@国立代々木第二体育館 | |||||
第92回関東大学バスケットボールリーグ戦 明治大戦 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 12 | 15 | 15 | 21 | 63 |
明大 | 17 | 16 | 26 | 15 | 74 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
PG | #4 西戸良(総4・洛南高) | ||||
SG | #5 後藤宏太(環4・藤枝明誠高) | ||||
SF | #9 鳥羽陽介(環2・福大大濠高) | ||||
PF | #22 トカチョフサワ(環3・國學院久我山高) | ||||
C | #11 木村能生(環3・東山高) |
第1Q初得点は、サワのフリースロー。ゴール下からシュートを狙い、相手のファウルを誘って獲得したフリースローだった。本Qでは、その流れが三度訪れ、サワはフリースローを全て確実に沈めた。しかし、両校ともにシュートチャンスを活かせない状況で、攻撃の流れをつかみきることができない。中盤、明大は徐々に波に乗るが、慶大もサワ、後藤のシュートで明大の独走を許さない。一時は6点あったビハインドを0点とし、慶大に勢いが傾き始めたと思われたが、終了間際に明大が連続シュート。5点差で第1Qを終えた。
第2Qも接戦の展開が続く。序盤、こぼれ球を鳥羽が意地でゴールに押し込むと、明大も負けずに得点。開始3分過ぎに、西戸が余裕を持って3ポイントシュートを沈めると、サワのフリースローも成功し2点差とするが、明大は宮本滉希などの活躍で再び慶大を引き離す。少しでも点差を縮めたい慶大は、終盤、髙田淳(環1・城東高)や木村がシュートを成功させるものの、明大も負けじと得点を重ねた結果、6点ビハインドで後半へ向かうことになった。
第3Q、明大の齋藤拓実の3ポイントシュートなどで一気に11点差とされると、さらに離されるのは避けたい慶大は、サワのアシストで木村がゴール下からのシュートを沈める。その後も西戸のゴール下からのシュート、サワのミドルシュートなどが成功し得点を重ねるが、明大は慶大を上回る得点力でじりじりと慶大を引き離していく。明大はオフェンスだけでなく、ディフェンスでも好プレーを見せ、幾度となく慶大のシュートを阻止。その結果、大きく差を広げられ42対59とされた慶大は、最終Qでの巻き返しに望みをかける。
最終Q開始30秒、西戸のシュートが決まると、その後1分半はチャンスを活かせずに得点を奪うことができない。22点の差をつけられた慶大に反撃のきっかけを与えたのはサワだった。オフェンスリバウンドを奪い、そのまま自らシュート。そして、澤近智也(環2・高知学芸高)のレイアップシュート、西戸のシュートが続く。その後再び差を広げられるが、やはりサワ、澤近、木村などがゴールネットを揺らし、その結果、本Qで合計21点を奪う好オフェンスを見せる。点差を詰めることに成功したが、第3Qまでのビハインドは大きく、63対74で敗北した。
今季のリーグ戦では本戦のように、反撃もむなしく敗戦する試合が多く、悔しい結果が目立った。リーグ戦成績は2勝16敗で、最終順位は10位。下位2校が進まざるを得ない入れ替え戦への出場が決定した。慶大らしいバスケットを十分にすることができず、選手たちも悔しい思いをしているに違いない。11月7日から始まる入れ替え戦では、その悔しさをぶつけて勝利し、きっと一部に残留してくれることだろう。これから繰り広げられる熱い戦いでの勝利に期待したい。
(記事・清野日奈子)
阪口HC
(試合を振り返って)いろいろとチーム事情があっていろいろなことをやっているのですが、入れ替え戦に向けての準備ができたという印象です。(相手を見据えて入れ替え戦の準備をされているのか)入れ替え戦は死闘だから、世の中で一番面白いと言われる試合だからね。相手校のビデオもみんな必死で見ているので、これから頑張ります。きっと今の状態よりは良くなると思います。
西戸良(総4・洛南高)
(試合を振り返って)入れ替え戦に向けて、大東文化大に対する守備を意識して臨みましたが、そこはある程度上手くいったと思います。ただ速い展開のオフェンスに持ち込むことが出来なかったので、それがチームの課題だと感じました。今日みたいな試合をしていてはダメだと思うので、頭で意識していることをプレーに結び付けないといけないと思いました。(リーグ戦の成績は)(10位に)なってしまったものは仕方ないので、あまり気にせずに目の前の試合、入れ替え戦に勝つことだけを意識したいです。(今季の自身のプレーについて)去年は自分がどうプレーするか、ということだけを意識したいました。ですが、今年は周りをどう活かすか、ということを第一に考えていました。自分が納得できるプレーというのはまだ出来ていませんが、最後のインカレまではあと少ししかないので、自分に出来ることを精一杯やりたいと思います。そのことがチームに良い影響を与えられればいいな、と思っています。(入れ替え戦に向けて)後輩を1部に残してあげたい、という4年生の気持ちの強さが大事だと思います。個人的には周りを活かすのはもちろん、誰よりも気持ちを込めて、今年一番のプレーを見せたいです。
トカチョフ・サワ(環3・国学院久我山高)
(試合を振り返って)一応リーグ戦が終わって、2勝16敗という成績ですが、正直悔しいですし、僕たちは12月からシーズンインして、たぶんどのチームよりも早くから練習を始めていたのですが、それが結果にはあまり結びついていなくて、反省点だらけのリーグ戦だったと思います。(反省点を挙げるとすると)まず一つは、慶應は泥臭いチームのはずなのですが、リバウンドやルーズボールの部分が他のチームに負けてしまっていたことが多く、どの試合でも見受けられると思っていて、そこを徹底できていなかったのはとても大きな反省点です。12月からシーズンインしたものの、それができずにチームが一つにまとまりきれていなかったのは、上級生である僕の責任でもありますし、僕ら一人一人があまり上手い選手ではないので、そこでまとまりきれなければ勝ちにはつながらないと思います。大きな反省点は2つですね。まとまりきれなかったということと、泥臭い部分を頑張りきれなかったということです。(この試合ではゴール下からのシュートが目立ったが)高橋くんがいない中で、そのような泥臭い部分で頑張らないと、チームに流れをもたらすことはできないですし、誰かが今それをやらなければいけない状況で、自分の身を犠牲にしてもチームのためにと思って、頑張ろうと思ってやっていました。戦術の面でもそういうプレーができるオフェンスを今回取り入れてみまして、正直まだ完全にうまくはできていないのですが、一部ではありましたがそういうプレーができるようになってきました。(フリースローの成功率が高かったが)慶應はフリースローを100パーセント決めようという中で、リーグ戦を通してあまり確率が良くなくて、全員あまり入っていなくて、その中で朝練や自主練習の時間でフリースローを練習しようという気持ちがありました。あとは、今日はもう最終戦だったので、変なことを考えるよりかは、とにかく自分らしいプレー、本当に無になって、ただ単にシュートを決める、頑張るということしか考えてなかったので、フリースローも落ち着いて打てたのではないかと思います。(入れ替え戦に向けて)すごく厳しい戦いになると思います。チームがまとまりきることと、泥臭い部分を頑張れば、慶應は今まで絶対負けるだろうと思われた試合も幾度となく勝ってきたチームだと思うので、特に阪口先生もおっしゃっていたのですが、入れ替え戦の常連校で何度も入れ替え戦を経験してきたと思うので、そこでもう一度慶應らしさをこの代々木で見せつけて自分らしいプレーをすれば、必ず勝利につながると思います。あと一週間あるのでそこをまず練習で徹底してやって、一人一人が本気で気持ちをむき出しに頑張れば絶対に勝てると思うので、そこを頑張って入れ替え戦に勝ちたいと思います。