【ラクロス(男子)】2年ぶりリーグ優勝!王者の力見せつける/関東学生ラクロスリーグ VS東大

関東リーグ最終戦となった今試合。慶大は全国進出をかけ、東大戦に臨んだ。試合は序盤から慶大ペース。だが、2Qでは守りに徹する苦しい場面もあり、試合は5-5の振り出しに戻る。後半は、AT野上力(4)率いる自慢の攻撃陣が躍動。一気に東大を突き放し、12-6の大差で勝利した。この結果、慶大は2年ぶりに関東王者に輝き、全日本大学選手権という次のステージへ駒を進めることとなった。

 

 29回関東学生ラクロスリーグ戦 FINAL

2016/11/12 () 13:00 F.O.@駒沢第二球技場

 

慶大

経過

東大

3

1Q

0

2

2Q

5

3

3Q

0

4

4Q

1

12

合計

6

 

 東大とのリーグ戦FINALが、駒沢オリンピック公園で行われた。昨年はここで日体大に敗れ「苦い記憶もある」(野上)が、日本一に向けて乗り越えなければならない壁だ。東大は、先日のFINAL4で早大を大差で撃破した強敵。チーム一丸となり、関東王者を決める戦いに臨んだ。  

チーム全員でつかんだ優勝だった

チーム全員でつかんだ優勝だった

 1Q、いきなりのチャンスが慶大に訪れる。開始すぐに東大のファールで攻撃権を手に入れると、MD山田晃平(政4・慶應義塾)がすかさずシュート。先制点かと思われたが、惜しくもノーゴール。実力校同士のぶつかり合いということもあり、その後は瞬く間に攻守が入れ替わるハイペースな展開となる。ここで存在感を見せたのが、G杉本健(経2・慶應義塾)だ。何度もファインセーブを見せ、決定的かと思われた状況でもゴールを堅守。そこから慶大は攻撃のきっかけを作り出し、MD木全隼人(政4・慶應義塾)のリーグ戦初ゴールなどで3点を奪う。

  

守護神として定着した杉本

守護神として定着した杉本

 2Qは一転、我慢の時間となった。最初のフェイスオフでボールを奪われると、いきなり1失点。さらに開始2分、慶大のファールにより1人少ない状態となり、そのピンチから再び失点。慶大DF陣の隙間に容赦なくボールを入れてくる東大に翻弄され、2Q前半で一気に同点に追いつかれてしまう。ポジションリーダー・DF北川拓(政4・慶應義塾)も「ディフェンスが上手くいってなくて」、と悔し気に振り返る。10分にはMD杉山達也(経3・都立日比谷)のシュートで一度勝ち越すが、続けて2点を奪われ、ついに逆転を許す。しかし終了直前、LMF河村剛志(商4・慶應NY)から鋭いパスを受けたAT野上が突破からのランニングシュートを決める。もちろん観客席は大盛り上がり。エースの懸命な走りで再び流れを引き寄せた。

 

MDながら2得点の杉山

MDながら2得点の杉山

 「(ハーフタイムには)前半はDFがうまく機能していない部分があったので、その部分をしっかり修正しようという話をしました」、と語る荻野裕貴副将。その言葉通り、3Qからは落ち着いたプレーを取り戻していた。最初こそ相手がボールをキープしていたが、焦らずに粘り強く守り、慶大の攻撃に繋げる。10分にAT井上裕太(経3・慶應義塾)が体勢を崩しながらもボールをゴールに押し込むと、8分にはAT仁熊健太(商4・慶應NY)も東大の厳しいDFを突破してゴール。AT陣のパワフルなプレーで勢いづいた慶大は、攻撃のラインを上げて東大を攻め立てていく。17分にはAT野上の速攻でさらに1点を追加。東大を突き放した。

 

 3点リードで迎えた4Q。まだまだ安全な点差とは言えない。しかし、時間を追うごとに守備の安定感は増すばかり。特にMD大坪厚介(経4・慶應義塾)が好守備や上手いグラウンドボールの処理を見せ、攻撃陣にボールを回していく。6分のMD杉山のシュートからテンポよく得点を積み重ね、このクォーターで4得点。終了間際、守備が乱され空っぽになってしまったゴールにシュートを決められ1点を失うが、それ以外は東大に攻め入る隙を与えなかった。MVPには今試合4得点のAT野上が選出。インタビューでは、「最高です!」と喜びを爆発させた。 

インタビューを受ける野上

インタビューを受ける野上

 見事昨年の雪辱を晴らし、関東王者となった慶大。試合終了のホイッスルが鳴ると、チームにはリーグ戦で一番の笑顔が溢れていた。今試合について、山田主将は「流れを持っていかれそうだったんですけど、そこからしっかり巻き返せたのが良かったと思います」と振り返る。それができる冷静さと実力こそ、まさに王者たる所以だろう。「まずは全国に出場することができて良かった」(山田)。日本一に向け、彼らにとってここはまだ通過点。全国でも、その力強いラクロスを存分に見せてほしい。

 

(記事・下川薫)

 

 

【以下、試合後コメント】

 

山田晃平主将(4・慶應義塾)

 

(試合を振り返って)まず勝てたことが一安心という感じです。ただ2Qで一気に5点取られてしまって流れを持っていかれそうだったんですけど、そこからしっかり巻き返せたのが良かったと思います。(2年ぶりの全国進出となったが)毎年日本一を目標にしているので、そのためにまずは全国に出場することができて良かったなと思います。関東代表として自分たちが倒してきた相手の分までしっかりプレーで表現して、相手を圧倒していきたいと思います。(今シーズンここまで無敗だが、今年のチームの強みは)各ポジションそれぞれ一人のエースに頼るというわけではなくて、全員が戦力になってしっかりできているのが一番の強みだと思います。(関東大学リーグ戦でカギになった試合は)まずリーグ戦でいえば、初戦の東大戦をしっかり勝ちきれたことでリーグ1位を引き寄せられたと思います。その後は、遠征を経てFINAL4・FINALと点差をつけて勝つことができて良かったと思います。(全国へ向けて) FINAL4・FINALと勢いで勝てているので、そのままの勢いで最初は名古屋大学との対戦になりますが、圧倒してまずは大学日本一になりたいと思います。

 

荻野裕貴副将(4・慶應義塾)

 

(優勝おめでとうございます)ありがとうございます。とりあえず僕たちの目標である全国制覇に向け、関東制覇できてよかったです。(相手はリーグ戦で勝利した東大でしたが、試合前どんな話を)向こうのチームもリーグ戦やアメリカ遠征を通じて強くなってきていると感じたので、リーグ戦で勝っているからといって気を抜かないようにという話をしました。(今日の試合を振り返って)最初の入りの部分はよかったんですけど、2Qで追いつかれてしまって、その中でここは絶対負けないようにというところもあったんですけど、最後逆転できてよかったです。(ハーフタイムでどんな話を)前半はDFがうまく機能していない部分があったので、その部分をしっかり修正しようという話をしました。(去年敗れたFINALから一年どんな思いで練習を)あくまで日本一を目指していて、それなのに去年は関東のFINALで敗れてしまって、今回こそは絶対にという思いはありました。(副将という目線から主将の山田さんはどう映ったか)僕らの学年でなかなか突出した選手はいないんですけど、その中でも彼のことは信頼しています。(今後に向けて)今年こそ絶対にFALCONSを倒して日本一になるので、応援よろしくお願いします。

 

北川拓(4・慶應義塾)

 

(今日の試合を振り返って)1、2Qではディフェンスが上手くいってなくて苦しい時間帯もありました。その時はゴーリーに助けられていたんですけど、後半では調整できたので良かったと思います。やっぱり2Qの失点が痛かったです。(2年ぶりの関東王者となった)僕は2年前も試合に出させてもらっていて、その時は先輩の力が大きかったんですけど、今年は自分の力で関東優勝まで導けたというのが嬉しいです。(アメリカ遠征で強化された部分は)一球一球の大切さというのを感じました。外国の選手は1on1も強いんですけど、グラボとかパスにもこだわっていたので、その大切さを再認識できたと思います。(DFのポジションリーダーとして)僕らの悪いところでもあるんですけど、厳しい声はあまり無くて。そのぶん優しく次にどうすれば良いか、というのことを重点的に声かけしていました。(全国に向けて)やっぱり点を取って活躍したいので、期待していてください。

 

大坪厚介(4・慶應義塾)

 

(試合を振り返って)2Qではちょっと冷やっとした場面もありました。でも、しっかり相手を分析してやってきたので、そういう部分ではそんなに焦らずにできて、相手を見てやってこれたのかなと思います。(2年ぶりの全国進出となったが)2年の時もリーグ戦はベンチに入れさせてもらってたんですけど、FINALでベンチから外されてしまいました。それで悔しさがあったので、自分としてもこの舞台でもう一回自分の力を発揮することができたのが良かったのかなと思います。(中盤のリーダーとしてどのようにチームをまとめてきたか)去年に比べて層は厚くなったと思います。一番は判断力とかそういう部分を積極的に鍛えてきたというのと、一人一人がゴールに向かう力というのを練習から意識してやっているので、そういう部分が今日は少しでも出せたんじゃないかと思います。(全国へ向けて)2年の時も大学日本一にはなりましたけど、その先の社会人に負けてしまいました。なので、今年はしっかりとそのステップとして社会人に勝つための練習をこれからやっていこうと思います。

 

野上力(4・慶應湘南藤沢)

 

(今日の試合振り返って)ガンガン攻めていこうと思っていて、序盤はいい入りができて先制点もとれていい流れでした。2Qに入ってから雰囲気が悪くなって点を取られてしまいましたが、そこから慶應らしさを取り戻せて勝ててよかったです。(昨年はここ駒沢で負けてしまいましたが、今年は2年ぶりの全国進出を果たしました)そうですね。駒沢には苦い記憶もあり不安でしたが、今日はとにかく楽しんでやろうと思って全員で臨みました。それが結果に表れたのだと思います。(今季オフェンスがよかった要因は)全員がゴールに向かうという姿勢が良かったのだと思います。特にATからどんどんゴールに向かおうと話していました。ATがしっかり点を取って、それにつられて皆が得点するという形が出来上がったと思います。(個人としても最優秀選手に輝きましたが)今まで個人として表彰されたことがなかったので本当に嬉しいです。(試合終了後もしかして選ばれるんじゃないか、という予感は)ちょっと思ってましたね(笑)久々に大量得点できたので、選ばれるかなとは思ってました。(全国制覇への意気込みは)関東制覇した勢いのまま、全大も優勝して日本一になるので、これからも応援よろしくお願いします。

 

木全隼人(4・慶應義塾)

 

(試合を振り返って)厳しい時間もあったんですが、最後は4年生が中心となって力を振り絞り、中盤から得点を積み重ねていけたので勝てた試合だと思います。(自身の得点について)あれは運が良かったです。リーグ戦では無得点でチームの力になれていなかったので、力になれて嬉しかったです。(2年ぶりの関東王者となった)率直に嬉しいです。去年も試合に出ていたんですけど、FINALで負けてしまって悔しい思いがありました。なので、今年は絶対に勝とうという気持ちでした。勝てて嬉しいです。(アメリカ遠征で強化された部分は)一対一の勝負で自分がどれだけアドバンテージを取れるか、自分がボールを持っていなくてもどれたけ優位に立てるか、というのを意識するようになりました。(全国に向けて)僕たちが目指しているところは社会人も含めた日本一なので、学生日本一は当たり前という気持ちで、他の地区の学生を圧倒して夷きたいと思います。

 

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