【バレーボール】明大から貴重な勝ち星をあげ、3校同率優勝! 第69回全早慶明定期戦

得点を決め喜び合う選手たち

 得点を決め喜び合う選手たち

今年で69回を迎える伝統の全早慶明定期戦。各校のOBも出場し、普段の公式戦とは一味違う盛り上がりを見せた。早大、明大と1部リーグで戦う相手とあり、早大には力の差を見せられる結果となったものの、明大にはブロックなどが機能し、見事な逆転で去年の雪辱を晴らす勝利をあげた。その後の早大vs明大は0-2と明大が勝利し、全チーム1勝1敗で並んだため、3校同率優勝となった。

 

11月13日(日)第69回全早慶明バレーボール定期戦@早稲田大学上井草体育館

 

 

早大戦

 

得点

慶大

セット

早大

18

25

13

25

 

慶大はこの試合、負傷した尾木将(政3)に代わり、セッターに池田裕哉(環4)を起用して臨んだ。

第1セット。黒田のサービスエースなどで開始から3連続ポイントを奪うと、早大が早々とタイムアウトを要求。慶大サイドが一気に盛り上がりを見せる幕開けとなる。しかし、その後ミスも相次ぎ、連続失点を許すとあっという間に逆転され、流れは完全に早大に。セッターとしてスタメン起用の池田のダイレクトスパイクや、黒田彪斗(環3)のサーブで相手を崩し、最後は富澤太凱(経1)が決めるなど良いプレーも出るが、今季1部リーグで3位という成績を残した早大の強烈なスパイクを止めることができず、18-25とこのセットを落とす。

 

強烈なスパイクを見せつけたマルキナシム

強烈なスパイクを見せつけたマルキナシム

第2セット。このセットOBの岡田拓巳(H26卒)が出場し、より一層盛り上がりを見せる。第1セットに引き続いて勢いに乗った早大が岩本龍之介(商2)などを狙ったサーブでサービスエースを連発。そんな中、岡田が学生時代に引けを取らない鮮やかなストレートへのスパイクを決めると、選手たちも背中を押されたのか黒田の相手の隙をついたフェイントや、マルキナシム(総1)のスパイクなどで得点を重ねていく。しかし、相手の高さのあるブロックとスパイクに苦しめられ次々と得点を許し、最後はスパイクアウトとなり13-25とこのセットを落とし、力の差を見せつけられる結果となる。

 

 

明大戦

 

得点

慶大

セット

明大

25

20

25

22

 

早大との敗戦から気持ち切り替え臨んだ明大との第1セット。富澤のブロックポイントで幕を開ける。序盤、相手の高さのあるブロックにつかまりこのまま点差を広げられるかと思ったが、タイムアウト後は立て直し一進一退の攻防に持ち込む。流れが変わったのは黒田、佐藤康平(環3)がブロックポイントを決めてから。相手の2度のタイムアウトを挟むも、池田のサービスエース、相手のレシーブが乱れたところをダイレクトに狙った黒田のスパイクなど、一挙7得点。完全に流れを引き寄せ25-20とこのセットをものにする。

 

チームに刺激を与えたOBの吉田

チームに刺激を与えたOBの吉田

第2セット。相次ぐスパイクミスからリードを許し、慶大が追いかける展開となる。相手のブロックに阻まれ8-13まで離されるとタイムアウトを要求。すると第1セットと同じようにまたしてもタイムアウトからリズムを取り戻し、着実に点差を詰めていく。ここで、第1セットに引き続きピンチサーバーとして出場したのはOBの吉田純(H28卒)。その吉田が見事なレシーブを見せ得点につなげると、18-18と同点に追いつく。最後は黒田、佐藤、池田らの2連続ブロックポイントを含む5連続ポイントで25-22とし、明大相手に勝利をあげる。

 

 

1部リーグでプレーする明大に貴重な1勝をあげ、3校同率優勝という結果を残した慶大。しかし「彼らはインカレで対戦することが予想される中央にどれだけ良い試合をして勝てるかということにしか興味がない(宗雲監督)」。今日の結果が選手たちにとって大きな自信となったことは間違いない。その自信を胸に彼らが見据える先はインカレでの中大戦。それのみだ。

 

                       (記事・太田彩恵、写真・後藤理央)

 

 

 

 

宗雲監督

 

(今日の試合を振り返って)単発的なところではそんなに負けていない、打ったりブロックしたりっていうのはそんなに遜色(そんしょく)はないなと思いましたね。ただ守備力とかつなぎの力、そういうところでは早稲田さんとは相当力の差があるとは感じました。まあ明治さんとは結果のとおりでブロックが良かったので偶然勝てたんだと思います。

(今日は守備の面でも良いプレーが多くあったが)そうですね。ブロックが今日はセッターに池田が入っていたのでそこは良かったですね。ブロックが高くなったので守りやすかったんじゃないかなと思います。

(今日のセッターは尾木選手に代えて池田選手でしたが尾木選手の調子は)そうですね。この間ちょっと捻挫したので、今日もちょっと上げられないのでもう1週間前から準備していました。

(今日は伝統の全早慶明定期戦でしたが、どのような目標で臨んだか)オール早慶明なのでね、OBの力も借りて、そういう意味では2試合目に吉田純がいいところで、1セット目2セット目、点取ってくれたのでまあ岡田も往年のジャンプ力を見せてくれて、学生には非常に刺激になったと思いますが、学生にはオール早慶明も今度の慶関定期戦もすべては全カレの中央に当たるときの、中央にフォーカスを当ててやるんだ、そのためにいろいろ課題をもってやるんだということをアナリストの池野谷を含めてしっかりと確認してあるのでそういうつもりで戦っています。

(今日はいつもとチームの雰囲気も違ったと思うが)そうですね。今日はセッターが違ったのでそういう意味でやはり司令塔が変わると良くも悪くも雰囲気が変わるのでたまたま今日はうまくいったんじゃないかなと思います。

(次戦までに尾木選手のケガの状態は)まあ完全に動けるようになってそしてチームとまたしっくり合うようになったらまた当然上げさせますけど、今日池田が頑張っていたので、そういう意味では頼もしいのでどっちが出てもいいように準備はさせます。

(慶関定期戦、全日本インカレにむけて)全カレで中央に当たるので、もちろんその前によその大学さんとも当たるので油断しないようにしますけど、やはり彼らのモチベーションは中央にどれだけ良い試合をして勝てるかということにしか興味がないと思うので、そのために慶関戦もしっかり戦って自信を持って臨めればと思います。

 

上野素希主将(文4)

 

(早大との試合を振り返って)早大は攻撃が強くて、サーブレシーブが相手に返されてしまったら、どうしようもないのでとにかくまずはサーブを攻めよう、崩れたところからブロックで止めに行こうという作戦でした。実際は相手のレセプションが思ったより良かったのと、こちらが思ったように攻められなかったのでこちらの形にはまらなかったです。大差で敗れてしまい、作戦もうまくいかなかったので悔しいなと思っています。

(明大との試合を振り返って)明大はしっかりと高い2段トスを打ち抜いてくるチームなので高い2段トスに対してはしっかりブロックが3枚行けます。きれいな3枚ブロックを作って、そこからワンタッチを取って、攻撃につなげていこうという作戦でやりました。それが実際にうまくいって、何本も相手の2段トスも止めることができて、勝利につながったと思います。

(全早慶明での目標は何かチームで決めていたのでしょうか)もちろん勝つつもりではやっているのですが、一番は全カレに向けて自分たちが練習で強化しているブロックが出せるかどうかを意識しました。練習でやってきたものを出せれば勝っても負けてもいいかなと思っていました。練習でやっているブロックを上手く出せるかを目標にやっていました。

(チーム全体としてサーブレシーブが良かったですが)しっかりブロックで点をたくさん取れているので、サーブレシーブはうまく返らなくても、ずっとがまんしようという方針でやってきました。今日はしっかり3人のレシーブが我慢してできたので良い感じになったと思います。

(4年生の代で1部のチームから勝利できたというのは大きいのではないでしょうか)実際は3セットマッチなので5セットマッチの試合で当たればどうなるかはわからないと思います。リーグ終わってから4年生でもう一度、一から話し合って練習を詰めてやってきた勝利なので喜びは大きいです。

(全日本インカレに向けて)2回戦で中大と当たるので勝ち負けは別としてしっかり自分たちのバレーをして、今までやってきたバレーが出せるか出せないかにかかっているので残り2週間しっかりつめていって全カレでしっかり自分たちの力を出し切れるように頑張りたいと思います。

 

池田裕哉(環4)

 

(今日の試合を振り返って)そもそも1軍のレギュラーだったプレーヤーが捻挫してしまったということもあって代わりに自分が2軍セッターとして出場させて頂いて、最初は本当に緊張しかなくて、早稲田と慶應という伝統の一戦と言われているじゃないですか。なのでOBのいろんな目から絶対に勝たないといけないみたいな雰囲気に飲み込まれてしまって序盤は自分の思い切ったプレーといいますか、緊張して体が硬かった感じはあったんですけど、後半の明治戦ではまあ周りの支えもあって、決めてくれたから自分も盛り上がれましたし、振り返ってみると、すべて後輩たちが決めてくれて自分も良い状態でプレーできました。

(徐々にスパイカー陣との息も合ってきましたね)そうですね。最後はトスもあまりミスすることなく終えることができたので本当に良かったです。

(今日はセッターでの起用だったが時折スパイクも見せていましたね)そうですね。ボールがネットに近ければ上から打つという意気込みで臨んだので、もともとスパイカーなのでスパイクには自信があったので、やっぱり1部のブロックというのは高くてあまり決まらなかった部分もあったんですけど、まあ僕がスパイクなくても十分に戦えたので本当に良かったです。

(今日は伝統の定期戦ということだったが)全早慶明定期戦ということで僕らが1年生のときは優勝もさせてもらいましたし、その当時は慶應も1部で頑張っていたんですけど、2年くらい前から2部に降格してしまって、早稲田と明治は1部なのに僕らは2部ということでそこはまず悔しいなという思いがありまして、でも2部だからといって引くことはないと思うので、とりあえずやってやるぞという思いでできたのでそれが早稲田には勝てなかったんですけど明治には勝つという結果につながって良かったです。

(次の慶関定期戦、全日本インカレにむけて)僕はどういう形で出るかわからないですけど、もしかしたら1軍の捻挫しているプレーヤーが復帰して、僕がピンチサーバーなどうしろでいろいろと仕事をするなど、それはもう監督次第なので、どういった形で僕が出るかわからないですけど、とりあえずまずは1軍セッターとしての自覚を持って出場できればいいなと思います。それで中央大学と当たるので、勝ちます。

 

 

 

 

サイド

マルキ ナシム(総1・川越東高)

センター

佐藤 康平(環3・桐蔭学園高)

セッター

池田 裕哉(環4・北嵯峨高)

サイド

黒田 彪斗(環3・富山第一高)

センター

上野 素希(文4・甲陽学院高)

オポジット

富澤 太凱(経1・慶應高)

リベロ

松岡 海(文3・慶應高)

 

長澤 翔吾(環3・盛岡第一高)

途中出場

岡田 拓巳(H26卒・三井住友海上)

 

吉田 純(H28卒・日本ユニシス)

 

布川 智規(商4・桐朋高)

 

岩本龍之介(商2・仙台第二高)

 

五味渕 竜也(環1・習志野高)



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