早慶定期戦からはや3か月。遂に関東学生ラクロスリーグ戦が開幕した。日本一へ向け全勝を狙う慶大の初戦の相手は宿敵早大。是が非でも、定期戦での引き分けの借りを返したい慶大だったが、序盤から早大にペースを握られ6-13と大敗を喫してしまう。慶大ラクロス部にとって非常に苦い開幕戦となった
第30回関東学生ラクロスリーグ戦 第1戦
2017/8/14 (土) 10:00 F.O. @富士通スタジアム川崎
慶大 | 経過 | 早大 |
0 | 1Q | 4 |
2 | 2 Q | 2 |
1 | 3Q | 2 |
3 | 4Q | 5 |
6 | 合計 | 13 |
今日は待ちに待った関東学生ラクロスリーグの開幕戦。日本一を目指すためだけでなく、早慶定期戦の決着をつけるためにも負けは許されない大事な一戦だ。小雨が降る中、遂に宿敵早大との初戦が始まった――。
序盤の試合の入り方が課題の慶大。まずは先制して流れを掴みたかったが、試合開始早々、フェイスオフを制され簡単に先制点を許してしまう。追う慶大は、MD山本陽亮(商3)のインターセプトや、AT井上裕太(経4)の二人かわしての惜しいシュートなどがあったものの得点には結びつかず。その間にも、早大に着々とシュートを決められ1Qから4点差とされてしまう。
なんとか1点を返したい慶大は、2Q開始3分にAT井上からパスを貰ったMD松平悠希(経3)がゴール正面から強烈なロングシュートを決める。いい形で待望の先制点を挙げると、開始6分にMD川上拓純(経3)が激しいディフェンスをされながらも豪快に得点を奪う。ここで本来の慶大の力がようやく発揮されるかと思われたが、この日の慶大はなかなかエンジンがかからなかった。パスミスの隙を突かれ、早大に2点をあっさり返されてしまう。このQを五分に持ち込まれ、なおも4点差。しかし、早慶定期戦で見せた“追い上げ力”が発揮出来れば十分追いつくことが出来る点差だ。
3Qに入ると、雨足が途端に強くなる。降りしきる雨の中、必死に足を動かす慶大だったが、前半同様オフェンス、ディフェンス両面でのミスが減らずなかなか流れを掴むことが出来ない。途中出場のAT浅岡大地(文2)がゴールを決めたものの、このQも相手にペースを握られ3-8で最終Qを迎えてしまう。
4Qに入ると、慶大はG杉本健(経3)がゴールを離れ相手オフェンスへプレッシャーを掛ける大胆なディフェンスを展開。しかし、早大のオフェンスを止めることが出来ず、開始7分で遂に10点差をつけられてしまう。このままでは終われない慶大は、AT小笠原圭充(商3)のシュートや、AT立石真也(政1)の二連続ゴールでなんとか一矢報いることには成功したが、ここで無情にも試合終了。最終スコア6-13という大敗を喫した。
「慶大の悪い部分が全部出た試合」と主将の井上が語るように、今回の試合では慶大の良さをほとんど出すことが出来なかったように感じた。今回の大敗を意味のある敗戦に出来るかどうかは今後の練習次第だ。次の試合では進化した慶大ラクロス部の力を存分に発揮し、“あの敗戦で慶大は強くなった”と言えるような結果を見せて欲しい。
井上裕太主将(経4・慶應義塾)
(試合を振り返って)慶大の悪い部分が全部出た試合だと思っています。4年がチームを引っ張り切れなかったことが個人的には一番の敗因だと思います。後輩にメンタル面で余裕を持たせることが出来なくてその結果、相手にやりたいことをやられて、自分たちは自信を無くしてしまいました。早慶定期戦で出た悪い部分が、今回の開幕戦でも出てしまったなと思います。(雨の中での試合だった)雨の中でも練習しているので、苦手意識はありませんが、雨が降る前の試合展開が悪すぎました。(早大に研究されていたように見えた)そうですね。細かく研究されていました。やりづらさは凄く感じました。でも、相手のスカウティングを超えるようなプレーをすることが今年の慶大ラクロス部の信条なので、技術的にまだまだ足りないなと思い知らされました。自分自身も精神的に弱いなと感じたので、チームをゼロから作り直してファイナル4の決勝で早大にリベンジしたいです。(試合後のミーティングは)4年がどれだけ危機感を持っているかという話と、後輩だけでなく、OB・OG、応援してくれる皆さんに顔向けできるように意識改革していこうという話をしました。
片山瑛人(経3・慶應義塾)
(試合を振り返って)早稲田は、慶應の強みを潰そうと、対策をしっかりしてきていました。こちらのディフェンスが崩されてしまって、オフェンス面でも、キーマンとなる選手を対策してきて上手く点を取れなかったという印象でした。(慶大側も相手の対策はしっかりしていたと思うが)対策はしていたんですけど、上手く発揮することができませんでした。(1Qで4点を先制されてしまった場面について)チームの雰囲気はあまり良くなかったです。具体的にどうすれば良いか、という建て直しが上手くできていなかったと思います。(1対1ではしっかりと相手を止められていたという印象だが)そうですね。でも、全体的に負けてしまいました。自分の動きも悪くはなかったんですけど、良くも無かったです。(今後に向けて)決勝まで上がればまた早稲田と当たると思うので、そこで勝てるように軌道修正をして頑張ります。
(記事・内田貴啓/写真・岩見拓哉、伊藤史織)