単複ともに決勝に進出した慶大女子。しかし、優勝まであと一歩が届かなかった。シングルス江代純菜(総4・九州文化学園高)は、早大期待のルーキー清水と対戦。自身の不調もあり苦しい展開を強いられストレート負け。ダブルスの村瀬早香(環4・京都外大西高)・押野紗穂(環3・つくば国際大東風高)組は、複数の実績を持つ米原・森崎組(筑波大)を相手にファーストセット4-0までリードを作ったが、その後流れを奪われこちらもストレート負けを喫した。
全日本学生テニス選手権大会 シングルスF、ダブルスF
2017年8月14日@岐阜メモリアルセンター
◆シングルスF
●江代純菜 | 0{4-6、1-6}2 | 清水映里(早大) |
ファーストセット、江代のサーブで始まった試合。第1ゲームはデュースにもつれ込みながらもしっかりとキープした。しかし、その後第3、第5ゲームでブレークを許し2-5まで離されると、そのままセットを失ってしまう。セカンドセットに入るとさらに勢いづく相手。1ブレークで対抗した江代だったが、相手のナイスプレーに押され1-6で試合終了。
試合後、「自分の不調と相手の良さが噛み合わなかった」と振り返った江代。主将として、最後まで勝ち残りチームをけん引してきただけに、その悔しさは計り知れないものだろう。
◆ダブルスF
●村瀬・押野 | 0{4-6、3-6}2 | 米原・森崎 |
試合開始後、第1ゲームで早速ブレークを奪い勢いに乗った村瀬・押野組。相手のミスにつけこみ攻撃を仕掛け、4-0までリードを作る。しかしそこから始まった相手の反撃。序盤はミスが目立った相手だったが、徐々にミスがなくなると試合のペースを一気に持っていく。連続でゲームを取られ4-4に追いつかれ、なおも勢いは止まらずそのままセットを落としてしまう。有利な立場を完全に失った村瀬・押野は、セカンドセットの随所で粘りを見せたものの相手の勢いを止めることができずストレート負けを喫した。
相手のミスがなくなったときにこちらから攻撃を仕掛けられなかったことを反省点として挙げた2人。今回は悔しい結果に終わってしまったが、力の差はあまりなかったと手応えを感じた部分もあった。インカレの反省を生かし、この2人が今後もダブルスを引っ張っていく存在としてさらなる活躍をすることは間違いないだろう。
単複準優勝という結果になった今大会。優勝が目の前に見えていただけに、選手たちは悔しい気持ちが大きいだろう。しかし、チームとして見れば昨年のシングルスベスト4、ダブルスベスト8という結果から、今年は単複で決勝進出と成長を見せた。上位に勝ち残った選手も同じ選手ばかりではなく、選手層が厚くなっていることもうかがえる結果と言える。これまでに敗退していった選手たちもネガティブな感情ばかりではなく、むしろ大会で得た手応えの方が大きいという。今大会を通してさらなる成長の可能性が見えた慶大女子。これからリーグまで期間は短いが、各自が課題と向き合いステップアップした姿で勝ち星をもぎ取ることに期待したい。
記事 鈴木優子
◆選手コメント
江代純菜(総4・九州文化学園高)
(シングルス準優勝となりましたが振り返っていかがですか)優勝できなかったことがすごく悔しくて、決勝までは来たんですけど、本当に優勝を目指していたので、優勝しないと何も残らないんだなと感じました。今日は私のシングルスとダブルス2本の3本で日本一になれるチャンスがあったんですけど、そこをチームとして3本とも落としてしまって、それも最初の私が負けてしまって、悪い流れがそのままダブルスに移ってしまったかなと思っているので、個人としても悔しいんですけど、チームの主将としても申し訳ない負けだったなと思っています。(相手の戦い方を見て、どのように戦っていこうと考えていましたか)正直試合中に打開策はあまり見出せていませんでした。自分の今日の調子だったり、相手の良さだったり、自分の武器だったりがあまり噛み合っていなくて、明確に「これをやればいける」というのが見えていなかったので、とにかくラリーするしかないなと思っていて、いけるところでしっかり打って攻めていこうかなとは思っていました。(相手のどんなところに苦戦させられましたか)相手は左利きで、フォアが角度をつけるのが上手かったり、高さを使うのが上手かったり、そこから中に入ってくるのがすごく上手くて、そういうのがちょっときつかったです。(このインカレを通して)単複合わせて13試合やったんですけど、ここまで戦えるタフさというのは、自信にはなりました。森崎選手や、それまでの勝ち方もそうなんですが、今までは3時間4時間と長引いてしまう試合が多かったんですけど、しっかりおさえるところはストレートでおさえられたのは自信になりました。ダブルスに関しては、予選で良くない負け方をしたんですけど、そこからベスト4まで上がってこられて、気持ちひとつで自分たちの技術を出せるかどうかが決まるんだなというのを感じて、1日1日の反省を次の日に生かせばどんどん上にいけるんだなと思ったので、ベスト4というのは自信になりました。第1シードに負けたんですけどファーストセットを取れたので、結果で自信をつけることができたかなと思います。(これから先チームとしてどのように戦っていきたいですか)女子チームでいえば、これまで全く戦績のなかった城間が16に入ったり、押野もベスト4に入ったり、村瀬・押野が準優勝したり、私と山藤でベスト4に入ったりと新しい戦績は出てきているので、そこを踏まえて自信にして、リーグに向けてもう一回チームとしてかたまりたいなとは思っています。早くに負けてしまった子たちもいるんですけど、その負け方も悪い負け方ではなくて、シード選手に競って惜しいところまで行った選手も何人もいるので、チームとしての勢いというか、レベルアップを感じたので、残りの時間でそういうところをもっともっと磨いて、リーグに向けて全員で頑張りたいと思います。
村瀬早香(環4・京都外大西高)・押野紗穂(環3・つくば国際大東風高)
(準優勝という結果を振り返って)
村瀬:優勝を目指していたので、最初に出てくるのは悔しいの一言に尽きるんですけど、その中でも自分たちのやったプレーで通用したプレーだったり、相手より勝っていた部分も多々あったと思うので、そこは自信にして、このインカレで終わるんじゃなくて、次につなげていきたいなと今は思っています。
押野:今日の試合はファースト4-0で取り切るチャンスがあったんですけど、そこを取り切れなくて、セカンドを取られて流れが行ってしまった感じがあったので、試合をしていて本当にあまり差はなかったと思うんですけど、少しの勝負どころのポイントの差だと思うので、リーグ前にそこをもう一回締めていけたらいいなと思います。
(序盤は4-0までリードを広げましたが)
村瀬:自分たちも前に入ったりとか先に前衛が動いたりだとか、自分たちが仕掛けるということはできていました。相手も最初気持ちが入っていなかったので、相手のミスでポイントを重ねていたというのはあります。
押野:自分たちのやることは最初から気持ちを盛り上げてできて、相手も最初はミスが多かったので、そこを最後まで畳み掛けられればよかったなと思います。
(途中であちらの流れになってしまったのは)
村瀬:途中から相手のミスが減っただけだったんですけど、そこに対してもう一度最初と同じプレーをするというよりは、相手のミスを引き出すにはどうしようと結構細かく考えすぎてしまったのが原因かなと思います。
押野:相手のミスがなくなってきて、自分たちが4-0になったところではリードがあったので脚も相手のボールに合わせていたのですが、そこで相手が入ってきたので、私たちも自分たちから脚を動かして入っていけたら流れが変わることはなかったんじゃないかなと思います。
(インカレ踏まえて、リーグを戦っていく上で必要なものは)
押野:インカレを通して、ファイナルセットで勝ち上がった試合が2試合あって、どちらに転ぶかわからない状況で勝ち切ったことは自分たちの成長につながって、そこを取り切るということを今後に生かしたいです。リーグではファイナルセットが普通にあるので、体力を消耗しないためにもストレートで勝つということを目指して、どんな状況でも同じ気持ちでやるということをリーグではやっていきたいです。
村瀬:自分の武器を相手の嫌なところに打ち続けることを、リーグではやっていきたいです。団体戦なので、ただ勝つだけではなく、隣のコートも引っ張るようなダブルスというのを雰囲気から作っていきたいなと思います。