慶大ホッケー部女子の秋季リーグが幕を開けた。初戦の相手は、王者・山梨学院大。前半4分にPCから先制点を許すと、終始自陣でのプレーを強いられる苦しい展開で、9点を奪われて前半を折り返す。後半も相手のテクニックに翻弄され猛攻を止められず、7点を追加された。0-16というスコアとはなったものの、王者を相手に随所でDF陣の組織的なプレーも光り、次に繋がる一戦になった。
平成29年関東学生ホッケー秋季リーグ Aプール
9/10(日) 11:15試合開始 @山梨学院大学ホッケースタジアム
前半 | 後半 | 合計 | |
慶大 | 0 | 0 | 0 |
山梨学院大 | 9 | 7 | 16 |
スタメン
GK 大野結花(商4)
DF 花島夏紀(文4)、三宅美紅(経3)、茂木みな美(経4)、皆川真裕子(文4)
MF 荒川理佳子(経3)、石田怜子(文4)、今田あかり(法4)
FW 内藤梓(政2)、高橋夏苗(文4)、雑賀水紀(経3)
春季リーグを5位、王座決定戦ではベスト8という結果を残した慶大ホッケー部女子。さらなる飛躍を見せたい秋季リーグ初戦の相手は、王者・山梨学院大となった。
試合は前半開始早々から、山梨学院大のペース。4分、いきなりPCを与えると鋭いパスにスティックを合わせられて失点。さらにその5分後には、相手の巧みなプレーにDF陣がかわされ2点目を与える。その後も46季連続46度のリーグ優勝を誇る山梨学院大の卓越したプレーに圧倒され、自陣での時間が続く。早いパス回しとスティックさばきに翻弄され、14分、15分と立て続けに失点。しかし、攻め込まれる中でもGK大野結花(商4)の好セーブやDF茂木みな美(経4)などを中心とした守備で相手のシュートを防ぐ場面も見られた。それでも、相手の猛攻はとどまることを知らず。前半終了間際には、立て続けに3点を献上。計9点を奪われ、前半を折り返した。
これ以上点差を離されたくない慶大。後半も相手にボールを支配されるものの、いい形でのディフェンスを見せる。サークル内に何度も侵入を許すが、GK大野が前半から続けて体を張ったセーブを見せると、DF陣が活発に足を動かし相手のパスコースを塞ぐなどし、得点を許さない。9分から16分の間には、GKを大野から杉山留菜(経3)に交代。15分と16分に点を許したものの、杉山も好セーブを見せ、チームを鼓舞した。しかし、試合終盤は再び山梨学院大の攻撃が火を噴いた。19分に鋭いシュートからフィールドゴールを許すと、その後も相手のシュートが幾度となく慶大ゴールに突き刺さった。慶大もディフェンスからボールを奪う場面は見られたが、相手の高いレベルのプレーを前に、前線までボールを運べず。最後まで決定機を作ることはできなかった。王者との開幕戦は、0-16での敗戦となった。
圧倒的な強さを誇る山梨学院大を相手に大差での試合となってしまったものの、今後に向けて明るい光が見えたことも事実だ。後半に出場したGK杉山は、吉貴監督が「すごく伸びている」と語るように堂々たるセービングを見せた。また、今年入部してきた1年からも二人が試合に出場。新たな戦力の台頭で、チーム内の競争は激化している。さらにこの夏から、戦術面でもゾーンで守る守備に挑戦。よりレベルアップしたホッケーを展開することにはなるが、このスタイルが確立できればチームとしても大きく成長できるはずだ。
目標とする「関東1部リーグ上位」のためには、残りの防衛大戦と東京農業大戦での連勝は不可欠。次戦まで期間が空くだけに、この試合で得た収穫と課題を生かしたいところだ。春から一皮むけたTEAM2017の姿が見られる日は近い。
(記事、写真:重川航太朗)
次戦 10/7(土) VS防衛大
11:15 試合開始 @慶應義塾大学日吉ホッケー場
◎関東学生ホッケー秋季リーグ Aプール 星取表・日程表(9/10時点)
慶應義塾 | 山梨学院 | 東京農業 | 防衛 | 勝ち点 | 得失点差 | |
慶應義塾 | × | ●0-16 | 10/15 | 10/7 | 0 | -16 |
山梨学院 | ○16-0 | × | 10/7 | 9/16 | 3 | 16 |
東京農業 | 10/15 | 10/7 | × | 〇27-0 | 3 | 27 |
防衛 | 10/7 | 9/16 | ●0-27 | × | 0 | -27 |
以下、コメント
吉貴奈津子監督
(相手は強豪の山梨学院大だったが、今日の試合を振り返って)天理大の次の公式戦の相手が山梨学院大で、同レベルの相手だったんですけど、今日は夏に練習してきたことがどこまでできるかというのがテーマでした。練習してきたことができていた場面もたくさんあったことは良かったと思います。ただその一方で、意識しているけど守りきれていないところもたくさんあったので、そこは東京農大戦までの1ヶ月で詰めていかなければならないと思います。(この夏は何を重点的に強化してきたか)春リーグのようなベタマークは簡単ではあるけれど穴ができやすいというのがあったので、秋に向けてはフォワードがどういうふうに当たりに行くとか、ミッドフィールダーがそれに連動してどう動くかなどというところなど、連動して守るというのを練習してきました。新しくコーチも入ってきたので、ホッケーとしては少し高度ですがチャレンジをしています。(今日はその成果が見えたか)見えました。ちゃんと思う方向にボールを出させてそこでつぶせている場面もありました。ただ、相手も強いので思った方向に出させても抜かれてしまったり、体をうまく入れられてボールを運ばれたりしてしまったのは、経験の差かなと思います。けれど、全体としては意識は出来ていました。(キーパーを途中で一度変えましたが)主将がキーパーということで交代しづらいところもあるんですけど、控えの子もすごい伸びているので、ここで試合経験を積んでほしいということで変えました。実際に、しっかりと守ってくれましたし、十分通用することも分かったので良かったかなと思います。(1年生が2人出場していたが、1年生の台頭について)連動して動くことがテーマではあるので、身体能力にプラスして戦術の理解度があれば、遜色なく出そうと思っているので、もっと1年生には出てきてほしいし今日出た2人も出来ることをしっかりとやってくれました。(次戦に向けて)次はしっかりと勝たなければいけない試合なので、今日とは逆で自分たちで作っていかなければならない試合になると思います。守りのフォーメーションではなく、攻めのフォーメーションをしっかり練習して、臨みたいと思います。