【野球】髙橋亮が救った!1失点完投で星を戻す 東大②

9月18日(月)東京六大学秋季リーグ戦 東大2回戦

初先発で初完投を成し遂げた髙橋亮

「完投するつもりはなかったんですけど、結果的にできてよかったです」――悪夢の敗戦から1日空けて迎えた2回戦。リーグ戦初先発となった髙橋亮吾(総2)が見事に9回を投げ切って2けた奪三振の1失点完投。チームを救う快投で手にしたリーグ戦3勝目はチームの今季初勝利となった。

 

慶大

東大

慶大:○髙橋亮―郡司

東大:●濵﨑、宮本、小林、柴田―三鍋

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[9]

中村健人(総2・中京大中京)

 

天野康大(環4・智辯和歌山)

[5]

瀬尾翼(理4・早稲田佐賀)

[8]

柳町達(商2・慶應義塾)

[7]

岩見雅紀(総4・比叡山)

 

大串亮太(法1・慶應義塾)

[2]

郡司裕也(環2・仙台育英)

[3]

清水翔太(総4・桐蔭学園)

[4]

倉田直幸(法4・浜松西)

 

H

長谷川晴哉(政3・八代)

 

小原徳仁(文4・慶應義塾)

[6]

照屋塁(環4・沖縄尚学)

[1]

髙橋亮吾(総2・慶應湘南藤沢)

 

 

台風一過の青空が広がる神宮の杜。慶大も嵐を吹き飛ばし快勝といきたいところだ。

慶大の先発は髙橋亮。リーグ戦初先発だが、「緊張せずにいつも通り投げられました」と、初回から連続三振を奪うなど最速145キロを計測した速球を内外に投げ分けて東大打線を力でねじ伏せる。3回まで東大をノーヒットに抑える素晴らしい立ち上がりを見せた。

試合が動いたのは慶大が円陣を組んだ4回。「思いっきり振っていきました」と、5番郡司裕也(環2)にセンター返しの今季初ヒットが生まれる。続く清水翔太(総4)は初球を捉えてライト前ヒット。無死一・三塁のチャンスを作る。1アウトを取られたが、8番キャプテンの照屋塁(環4)がセンター前へタイムリーヒットを放ち、慶大が先手を取った。

2日連続マルチ安打の清水翔

しかしその裏、先頭の新堀にレフト線を破られて髙橋亮は東大打線に初ヒットを許す。続く楠田から三振を奪うも田口に四球を与え、代打磯野にヒットを打たれる。1死満塁のピンチを招くと6番山下朋にセンターへのタイムリーヒットを浴び、同点とされてしまう。

直後の5回。先頭の1番中村健人(環2)がレフト前へ運ぶと、犠打の後に連続四球をもらって1死満塁の好機を迎える。ここで郡司がきっちりライトへ犠牲フライを上げて勝ち越し。さらに続く清水翔も見事な流し打ちタイムリーヒットを見せ1―3とする。7回には先頭の柳町達(商2)が鮮やかに右中間への2塁打を放つと、郡司がレフトオーバーのタイムリーツーベース。4点目を奪って東大を突き放す。

先制のホームを踏み、打点もあげた郡司

今日の髙橋亮が不安定だったのは4回だけだった。速球を狙われた4回以降はスライダーやフォークを交えながら、自慢の直球を決め球に三振を奪っていく。最終回のマウンドにも上がった髙橋亮。長打を1本浴びたが最後は代打の森田をセンターフライに仕留めてゲームセット。三振は積み重ねること10個。見事な完投勝利を挙げた。

今日の勝因は髙橋亮の好投に尽きるだろう。1回戦は投手陣が試合を作れなかっただけに無事立ち上がり、大崩れせず、最後まで投げ切った髙橋亮のピッチングは1・2年中心の投手陣を助け、かつ刺激を与えたに違いない。この1勝の意味は想像以上に大きい。そんな髙橋亮の好投が光った一方で自慢の打線は8安打を放ち8四死球を貰いながら4得点と非常にさびしい。先頭打者が9イニングで6回出ているだけに最後の一本が出ていないことが惜しまれる。今季初勝利を掴んだが、まだ1勝1敗のタイに過ぎない。宮台だけではない好投手との戦いがこれからも続くだけにこの暗雲を早く切り裂いてほしい。

 

【This is YOUR day!!】 ポーカーフェイスの速球派 髙橋亮吾

投手陣の軸として期待がかかる

リーグ戦初先発とは思えない会心の1勝を挙げたその瞬間にも表情を変えなかった。昨季は中継ぎエースとして9試合に登板。5イニングにもなるロングリリーフもこなす奮闘ぶりで慶大の躍進を支えたが、優勝を懸けた早慶第2戦では悔しい黒星を喫した。昨季を超える大車輪の働きで今季こそ優勝を。その一瞬のため彼は黙々とバッターに投げ込んでいく。

記事:尾崎崚登

◆打撃成績

  

[9]

中村

左中2

空三振

  

左安

空三振

 

空三振

 

天野

         

[5]

瀬尾

投犠

 

捕邪飛

 

投犠

一邪飛

 

逃三振

 

[8]

柳町

死球

 

空三振

 

四球

 

右中2

 

二ゴロ

[7]

岩見

四球

 

中飛

 

四球

 

中飛

 

二飛

 

大串

         

[2]

郡司

一直

  

中安

右犠飛①

 

左2①

 

四球

[3]

清水翔

左飛

  

右安

左安①

 

四球

  

[4]

倉田

 

四球

 

捕邪飛

中飛

    

H

長谷川

      

空三振

  

小原徳

         

[6]

照屋

 

投犠

 

中安①

 

四球

二ゴロ

  

[1]

髙橋亮

 

中飛

 

遊併

 

捕犠

 

中飛

 

 

◆投手成績

 

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

○髙橋亮

34

118

10

 

◆監督・選手コメント

大久保監督

(今日の試合を振り返って)本当はもうちょっと圧倒したかったですね。試合前から言って心がけていたことではありました。初回からそういう気持ちは出てたけど、チャンスで1本が出なかったです。ずっともやもやしていて重い感じでした。そこでキャプテンが1本出してくれましたね。とても疲れました。(4回の円陣ではどんな話を)「もっと思い切り振れ。まっすぐに振りまけるな。」と言いました。(郡司選手は2安打と復調気味です)前がランナーとして出て、打ちやすい状況を作ってくれたことが大きいです。彼がもっと打ってくれたら優位に進められると思います。そのために中軸を任せているので、言われることはあるかもしれないけれど、軸としてやってほしいです。(髙橋亮投手は素晴らしい投球でした)持ってるものは出してくれたかなと思います。(完投という結果については)代える展開にならなかったこともあります。点数が離れていたら早めに代えても良かったかなと思いますけど、完投したというのは彼の今後の自信につなげていけばいいと思います。(明日の試合に向けて)宮台投手の対策は伝えています。明日勝たないと意味がないので、いい準備をしたいと思います。

 

清水翔太(総4)

(今日の試合を振り返って)勝てて良かったです。3戦目に持ち込めたので、明日なんとか宮台選手を攻略して勝ち点取りたいと思います。(宮台選手の対策などは)1戦目のビデオを見て何が悪かったのか確認して、最低限の対策はできていると思うので明日みんながそれをやるだけです。(2日連続のマルチ安打です)調子は良いです。やっぱり神宮は打ちやすいです。結果が出ていて良かったです。(1本目のヒットでチャンスを広げました)バントのサインが出るかなと思ったんですけど、出なかったので思いっきりやれと言うことなのかなと思って打席に入りました。(明日に向けてひと言)勝ちます!それ以外ないです!

 

郡司裕也(環2

(今日の試合を振り返って)一昨日大事な初戦を落として、チームとして嫌なムードが漂っている中で亮吾が粘ってくれたのが本当に大きかったと思います。(ここまでのバッティングの調子は)正直良くなかったです。1打席目満塁でファーストライナーで、悪い時の典型的な形かなと思いましたが、なんとかそれ以降は切り替えて思いっきり振っていきました。結果に繋がって良かったです。(逆方向を意識していたか)調子の悪い時は引っ張りの傾向が強いので、まず逆方向に強い打球を打つことを心掛けて右方向を狙ってました。3打席目はノースリーから振ってしまって、雑な部分もありました。(先発の髙橋亮の調子は)オープン戦からずっといい調子で投げていて、大崩れしないし、打たれてもブレない良さが今日も出ていたかなと思います。(今日は直球での三振が多かった)三振を取った直球も良かったですけど、打たれるのも直球でした。4回に3安打浴びて1点取られた場面は真っすぐを続けすぎてしまった部分があったので、守備が終わった後に亮吾と変化球の割合を増やそうと話しました。変化球が低めに集まってくれたので良かったです。(明日の試合に向けて)みんな夜遅くまで宮台投手を意識してバットを振っているので、明日は食ってかかるくらいの気持ちでやっていきます。

 

髙橋亮吾(総2・慶應湘南藤沢)

(完投勝利の感想は)完投するつもりはなかったんですけど、結果的にできてよかったです。(初先発はどのような気持ちで臨まれましたか)僕自身先発とリリーフで特に差はないですし、オープン戦で先発もしていたので、特に緊張せずにいつも通り投げられました。(今日は東大に1敗した状態で臨みましたが)絶対に負けられない試合ではあったんですけど、9回終わったときに自分たちが取った点よりも1点少なく抑えていればいいので、ある程度点を取ってくれるという自信もありました。1点や0点でなくてもそれより1点少なく抑えればいいという感じでした。(2桁三振を取りましたが、特に良かった球は)右のインコースのまっすぐは良かったかなと思います。楠田選手、田口選手はある程度警戒していて、スイングも強いので外と内に投げ分けなければいけないと思っていました。2ストライクに追い込んだら結構狙ってはいたので、それが結果に出て良かったです。(4回では失点もありましたが最小失点に抑えました)その前に味方が1点取ってくれていて、この後も取ってくれるだろうなという緩みの中で、安易に外のまっすぐを続けすぎたかなという反省はあります。その回が終わった後に郡司とやっぱり変化球を入れないとダメだなという話をして、その後は0に抑えられたので、勝てた試合でそれがわかってよかったかなと思います。(チームの中で存在感が大きくなっていると思いますが、今後どのようなピッチャーになりたいですか)先発完投ができるピッチャーとして、1戦目3戦目で投げられればベストですけど、1人で戦うわけではないですし、髙橋佑樹(環2)や津留﨑(大成・商2)などいいピッチャーもいるので、みんなで勝てればいいかなと思います。1人で、俺に任せろという感じではないですね。(明日の試合に向けて)結構今日投げましたけど、しっかり準備します。明日も負けられない戦いなのですが、1点相手より取っていればいいだけなので、しっかりとやることをやれば勝てるんじゃないかなと思います。

 

大串亮太(法1)

(今日の試合を振り返って)春のような僕たちがしやすいゲームはさせてくれないな、というのを東大から感じました。(今日はリーグ戦初出場でした)今まで練習の時から試合をイメージしてずっとやっていたのですが、それでもやっぱり緊張し、特別だなと感じました。(新人戦とは違いますか)もう全然違います。緊張感が全然違いました。(最終回の守備で出場しました)僕が出るパターンというのはやはり守備とか走塁からというのが多いと思います。試合が終盤に進むにつれて準備していることなので、そこに関しては自信があります。(今後リーグ戦での自身の目標は)一試合でも多く出場してチームに貢献できるように頑張りたいと思います。(次の試合に向けて)次必ず勝って、また試合に向けて頑張れるように準備したいと思います。

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