【テニス(女子)】早大に敗れ、王座出場逃す… 関東学生テニスリーグ 早大戦

ここまで2勝1敗の慶大の相手は、ここまで全勝の早大。王座出場のためには、絶対に負けられない戦いだった。しかし、ダブルスで苦戦し0−2で封じ込められると、S5向井マリア(環2・城南学園高)とS1押野紗穂(環3・つくば国際大学東風高)が勝利を挙げるも2−5で敗戦。王座出場への道は断たれてしまった。

関東学生テニスリーグ 早大戦

2017年9月14日@筑波大体芸テニスコート

 

慶大

 

早大

●D1村瀬・押野

0{0-6,5-7}2

上・大矢

●D2江代・山藤

0{1-6,4-6}2

細沼・清水

○S1押野紗穂

2{6-4,7-6(6)}0

清水

●S2村瀬早香

0{3-6,4-6}2

大矢

●S3西田奈生

0{4-6,5-7}2

●S4江代純菜

1{3-6,6-3,1-6}2

細沼

○S5向井マリア

2{6-2,6-1}20

 

 

D1の村瀬早香(環4・京都外大西高)・押野組は、ファーストセットを相手の勢いに押されて0−6で落とす。セカンドセットでは第1ゲームをしっかりとキープすると、ラリーの中で相手の隙を見つけて攻め、1ブレークで4−2までリードする。しかし、その後相手に緩急を上手く使い分けられブレークを許すと、スコアは5−5に。村瀬・押野は攻めの姿勢を崩さなかったものの、相手の力強いボレーとサーブで2ゲームを落とし敗戦を喫した。

D2の江代純菜(総4・九州文化学園高)・山藤真帆(環1・野田学園高)組の試合は、序盤互いにキープし1−2に。しかし、相手にラリーの主導権を握られ第4ゲームでブレークされると、そのまま流れを持って行かれ1−6でファーストセットを落とす。セカンドセットではラリーで粘りを見せた2人。ブレークされてもすぐにブレークバックし接戦を展開したものの、最後は相手のナイスプレーでゲームを奪われ敗戦した。

 

この日もダブルスを0−2で落としてしまった慶大。流れを変えるべくシングルス下位の試合に向かった。

 

S5を務めたのは、シングルス下位の柱として存在感を見せている向井マリア(環2・城南学園高)。ファーストセット、序盤はゲームの取り合いを展開したが、力強いショットでラリーを有利に進めると、そのままゲームを連取し6−2でセットを獲得。セカンドセット、第1ゲームからブレークを奪うと完全に試合の主導権を握った向井。積極的に前に出て攻めると、相手に反撃の余地を与えず6−1で勝利を決めた。

 

S4の江代は、ファーストセット前半、ブレークされてもすぐにブレークバックに相手に食らいついていく。しかし、ラリーを続けてチャンスを狙うもなかなか決まらず3−6でセットを落としてしまう。セカンドセットでは度重なるデュースに耐えゲームをものにすると、強気の姿勢で試合の流れをつかみ6−3でセットを取り返す。ファイナルセットに持ち込むと、ポイントの取り合いで粘ったものの、要所で相手に決められゲームを取ることができない。最後は力尽き1−6で敗戦した。

 

S3西田奈生(総3・済美高)は、惜しくも接戦を落とした。ファーストセット、セカンドセットともに互いに譲らず、ゲームの取り合いを展開。西田はラリーの中で相手を左右に動かし積極的に攻めたものの、相手の鋭いショットを前に決め切ることができずに4−6、5−7で敗戦を喫した。

 

S2を務めたのは村瀬。ファーストセット序盤、ミスも絡み相手に流れをつかまれると、1−5まで追い込まれる。しかしそこから力強いサーブで第7ゲームをキープすると第8ゲームをブレークし反撃。セットは落としたものの、流れを取り戻しながらセカンドセットへ。セカンドセットでは先にブレークを奪い、4−1までリードを作る。しかし、そこからデュースで相手に粘られゲームを落とすと、ラリーがうまく機能せずに逆転を許してしまう。そのまま相手に試合の流れを奪われ、4−6で落としてしまった。

 

S1押野の試合は、途中でチームの敗戦が決まってしまった中で行われた。相手はインカレで優勝した清水選手だ。試合序盤、デュースにもつれ込んだゲームを落とし相手にリードを許す。しかし、そこからラリーの主導権を握りポイントを決めていくと、次々とブレークを奪い逆転。6−4でセットを獲得する。セカンドセットは互いに一歩も譲らず、タイブレークに突入。0−3までリードされたものの、厳しいところをつくショットで流れを引き寄せここでも逆転に成功。相手を追い詰めミスをさそい、8−6で勝利。インカレチャンピオンを相手に大金星を挙げ、早大に一矢を報いた。

 

全国王者として君臨する早大に立ち向かっていったこの試合。結果として敗戦してしまったが、慶大選手たちはあらゆるところで粘りを見せた。加えて、試合に出ていない部員も含め全員が勝ちを信じて戦っていくのが慶大の強み。「チームがすごくいい状態」(坂井監督)というように、チームとしてネガティブな要素はない。王座出場はかなわなかったものの、最後の一戦となる明大戦は必ず勝利で締めくくってくれることだろう。

 

記事 鈴木優子

 

◆試合後コメント

 

坂井利彰監督

(今日の試合結果を受けて感じられたことは)今日は負けてしまったんですけど、チームが一戦一戦成長してきたことはすごく感じながら戦ってきました。特に今日はナンバー1の押野の試合でインカレチャンピオンの清水さんにストレート勝ちしたりと成長してきた部分はあるので、王座に行けないのはすごく悔しいんですけど、来年以降にもつながる本当にいいチームを4年生が作ってくれたので、それに尽きるというのが一つです。もう一つは、下入れ替えにかかる可能性もあるので、もう一回最後の一戦に気を引き締めて、また成長できるようにみんなで力を合わせて頑張っていきたいなと思っています。(勝ちを取るためにはダブルスが課題となりますが、どういうところを改善したいですか)ダブルスは今大会江代に負担がかかりすぎたかなというのが正直あって。ダブルスとシングルスとキャプテンというところでダブルスに集中させてあげられなかったというか、パフォーマンスを発揮させてあげられなかったというのは感じています。ダブルスが0−2で負けてしまうとどうしても苦しい戦い方が続いていくので、0−2スタートというのが今日も筑波大戦も響いているかなと思います。シングルス下位で盛り返してはいるんですけど、どうしても途中で相手に王手をかけられてしまって。先に王手をかけようということで今日は臨んだんですけど、ダブルスで先手を取れなかったですね。(チームとして自信を持っている部分は)シングルスの下位と、押野が牛島さんと清水さんに2連勝したので、そこを強みにして戦っていきたいなと思います。(次戦の明大戦に向けて)ダブルスで先手を取るというのが戦術としてはありますけど、チームとしてまた成長できるように、本当にみんながすごく一生懸命やっていてチームがすごくいい状態なので、いい形で締めくくって終えることができればいいなと思っています。今までやってきたことの集大成を出せるようにやっていきたいです。

 

江代純菜(総4・九州文化学園高)

(今日の試合を振り返って)悔しいというか、一番は、主将として、4年として、みんなを引っ張ることができなくて申し訳ないなという気持ちでしかないんですけど、押野が初めて清水選手に勝ってくれたり、向井もこのリーグを通して下位の柱になってくれたり、ボーラー、審判、ベンチのみんなも、たとえメンバーの子が試合に出られなくても、任された場所で本当に必死になって一緒に戦ってくれて、チームとしての強さというのはこのチームが一番だなというのは感じています。(今日の試合で良かったところは)0−2がついたところで向井が踏ん張ってくれたり、押野が、もう勝負は決まっていたんですけど、清水選手に勝ってくれたりというのはこのチームがまた成長した部分かなと思います。(ダブルスで2本取られてしまったのですがどんなところを改善したいですか)迫力を出すというのが一番足りていないと思います。技術的な部分はもう間に合わないのですが、メンタル的な部分で迫力を出すことや相手と勝負することに徹することができると思うので、そこの準備を残り2日でやっていきたいです。(次戦の明大戦に向けて)もうチームでできるのは最後になるので、みんな後悔のないようにしたいです。まだ0をつけられていないので、絶対全員で明大に7−0をつけられるように頑張りたいです。

 

押野紗穂(環3・つくば国際大学東風高)

(今日の試合を振り返って)出だしのダブルスで、セカンドでリードする場面があったんですけど、そこを取りきれなくて。チームとしてはダブルスでリードして下位で決めるというのを目指してやっているんですけど、筑波大戦と同じくそこができなくて、そうなると下位で入る選手が思いっきりできなくなるので、ダブルスで勝ち切れなかったのが悔しいです。シングルスはインカレで負けた選手との対戦で、途中でチームとしての負けはついてしまったんですけど、自分のプライドを懸けて戦うことができたので、それで勝てたのは良かったと思います。(ダブルスで改善できる点は)ファーストサーブの確率が悪いと前の選手が動きにくいので、ファーストサーブの確率を上げることと、ボールを低くおさえて、相手に出られても出にくいボールを打つという点を改善しなければいけないなと思いました。(シングルスでは早慶戦・インカレでは負けた相手にストレート勝ちをしましたが、ご自身で成長を感じましたか)ちょっとずつプレーは良くなってきていて、筑波大戦でも勝っていなかった相手に勝てましたし、団体戦でチームが応援してくれていて、それが力になって勝てたというのがあります。(明大戦に向けて)王座には行けないんですけど、最後まで戦い続けるということをこのチームでやっていきたいと思いま

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