【フィギュアスケート】9選手がインカレ出場権を獲得! 第11回東日本学生フィギュアスケート選手権大会
その他競技
2022.10.07 2017.10.26
スパイラルを見せる猪川
10月21日,22日に東大和スケートセンターで第11回東日本学生フィギュアスケート選手権が開催された。今大会は翌年1月に行われるインカレの予選。台風の影響により、男子の競技は開催が中止され、慶大からは11名が演技を披露した。それぞれが、春の関東学生フィギュアスケート選手権から成長を見せ、3級女子の中村優里(理2)、4級女子の棟尾観月(文4)など9名がインカレの出場権を掴んだ。
第11回東日本学生フィギュアスケート選手権@東大和スケートセンター
クラス
選手名
得点
順位
3級女子
中村優里
31.51点
2位
中村理沙
18.95点
19位
4級女子
棟尾観月
35.43点
11位
5級女子
土屋有葵
51.41点
優勝
佐々木花音
43.06点
5位
6級女子
花城桜子
55.69点
7位
猪川乃絵瑠
45.95点
30位
7,8級女子
鈴木美桜
86.24点
7位
鈴木星佳
80.41点
12位
庄司理紗
74.01点
18位
小堀瑛美
70.32点
22位
新プログラムで沸かせた花城
6級女子には慶大から2名が出場。まずは花城桜子(法1)が「モーニン」「伊勢佐木町ブルース」の2曲を使用した新プログラムを披露。冒頭のダブルアクセルは転倒してしまうが、その後のジャンプは細かいミスがあったものの全て着氷させる。日本語の歌詞も含まれた大人っぽく特徴的なプログラムを見事に演じ切り、出場選手47名中7位という好成績でインカレ出場を決めた。インカレへ向けて、ジャンプでの回転不足の解消と今回転倒してしまったダブルアクセルの習得を目指していく。
続いて登場したのは猪川乃絵瑠(経1)。夏に作ったばかりだという新プログラムを披露した。白い衣装を身にまとい華やかな曲調でスタートすると、冒頭のダブルルッツを決める。ダブルフリップで転倒が見られたが、その後は大きなミスなく演技を進めていく。後半には「自分が滑りたくて選んだ」というウェストサイドストーリー「アメリカ」のアップテンポな曲調に合わせたステップを見せた。30位に終わり、インカレ出場は逃したものの今後につながる大会となった。課題として挙げたスピンや回転不足などでの取りこぼしを無くしていきたいところだ。
レイバックスピンではレベル4を獲得した小堀
続いて7,8級女子。最初に登場したのは小堀瑛美(環1)。「The Great Gatsby」のクールな曲調に合わせて演技を始めると、次々とジャンプを着氷させる。曲調の変化に合わせ、東京ブロック後から重視してきたというスケーティング面でも観客を魅了した。最後には3連続ジャンプをしっかりと決めてフィニッシュ。以前は「家が遠くてあまり練習ができていなかった」と語っていたが、練習場所を千葉から学校に近い新横浜のリンクに移したことで毎日練習ができるようになったという。練習環境の向上のおかげもあり、東京ブロック大会よりも良い得点を残した。インカレ出場は果たせなかったが、次の大会に向けて再び練習を進めていく。
東大和での最後の演技となった鈴木美桜主将
続いて鈴木美桜主将(法4)が「オペラ座の怪人」を披露。ひときわ大きな歓声を受けてスタート位置に立つ。最初のダブルアクセルをきれいに決めると、トリプルトウループからの3連続ジャンプも成功。終盤には壮大な曲調に合わせて手をあげてのダブルジャンプと伸びのあるステップシークエンスで会場を沸かせた。東京ブロック大会時よりも気持ちの面で落ち着いて臨むことができたという今大会。ジャンプが2つ抜けてしまうというミスは見られたものの、スピンは全てレベル4を獲得。慶大勢トップの7位でインカレ出場を決めた。数日後に迫った東日本選手権という大一番へ向けてさらにプログラムの完成度を上げていって欲しい。
演技後のガッツポーズが印象的だった鈴木星
飛躍の2年目へ。東日本選手権進出を逃し、「一つ一つの練習を本番のように行ってきた」とこの東日本インカレへ意気込む鈴木星佳(総2)。チーム慶應の声援を受け、「カルメン」を披露。冒頭のダブルアクセルを完璧に決めると勢いに乗っていった。続く2本のコンビネーションジャンプも華麗に決め、スピンでも最高評価を受けた。課題となっている後半も勢いそのままにしっかりまとめていく。特に「カルメン」の真骨頂である終盤の激しいステップも「まだ改良の余地はある」と振り返ったが、会場を魅了。演技後にはガッツポーズも見え、会心の演技となった。初めて自分の手でつかんだインカレ出場。さらなる高みへ鈴木星の挑戦は続く。
映画のストーリーに合わせた振り付けで魅了した庄司
7,8級女子で慶大勢最後に登場したのは庄司理紗(総3)。「The Notebook」を披露した。東京ブロックの勢いそのままに演技を行いたかったが苦しい滑走となった。「全体的に氷から浮いていた。集中もあまりできていなかった」。冒頭のトリプルループで回転不足を取られるなど、ジャンプにおいて精彩を欠く。スピンも普段より慎重に演技していったが、点数は伸びていかなかった。ただ後半につれ観客を盛り上げていき手拍子を誘っていく。演技前から観客も大歓声で庄司を迎えるなど期待値は大会ごとに上がっている。惜しくもインカレ出場には届かなかったが、「今日は今日として受け止めたい」と振り返った。次なる舞台の東日本選手権で会心の演技を見せて欲しい。
(記事 伊藤史織、森田悠資 写真 西村夏菜)
◇以下、選手コメント
花城桜子(法 1)
(今大会に向けてはどのような調整を) まずは体力があまりなかったので、プログラム後半でもちゃんとジャンプを決められるように体力をつけるのと、スピンを少しでも安定させられるように練習しました。(新しいプログラムの見所は) 人によっては「難しいよ」とか「若い子なんだから」って言われることもあったんですが、声に合わせて手の動かし方とかも工夫したところがあるので、そういうところももっと細かくブラッシュアップできたらいいなと思っています。(演技を振り返って) 最初はすごいこけ方をして、自分でもびっくりしたんですが、その後は何とか立て直して頑張ってまとめられたかなと思います。(後半はジャンプが良く決まっていたが、ジャンプ面を振り返って) 演技中は一応降りられて良かったなと思ったんですが、点数表を見たときに、結構回転不足とかがありました。こけなかったから今回は良いですが、またインカレ本選では回転不足とかを解消してもっと伸ばしていきたいです。(インカレに向けて) まずは今課題であるダブルアクセルを習得して曲にも入れて、ノーミスでインカレでも入賞できるように頑張ります。
猪川乃絵瑠(経 1)
(前回の大会から期間が空いたが、重点的に練習してきたところは) とりあえず、3年間ブランクがあったのでその分ジャンプを取り戻すことに一番力を入れてきました。(今回のプログラムは) 新しいもので、夏に作ったばかりです。(曲はどのように決めたか) 曲は自分が好きなものということと、ステップの部分のウェストサイドストーリーの「アメリカ」という部分を滑りたくて選びました。(見どころはステップか) ステップを見てほしいなと思っていたのですが、やはりなかなか力が出し切れていないので今後改善していきたいなと思います。(演技全体を振り返って) 自分の得点源であるスピンで得点できなかったのでもっともっと真剣に練習しなければいけないなと思いました。(今後の目標は) 今回のスピンやジャンプの回転不足などの取りこぼしが多かったのでそういったところを改善していきたいです。
小堀瑛美(環 1)
(東京ブロック後のコンディションは) 練習の環境が変わって毎日練習できるようになったので、コンディションは良かったです。(練習環境が変わったというのは) 千葉のリンクから、学校に近い新横浜のリンクに移って、毎日練習できるようになりました。それで忙しかったりもしていたんですが、練習できるようになったのはすごく良かったです。(演技を振り返って) 前の試合から、スケーティングを頑張ろうと思ってスケーティングを練習してきました。点数的にはいつもより高かったのですごく良かったんですが、ジャンプはいつも課題にしている回転不足がやっぱりまだ全然取れていないので、これからも頑張ろうと思います。(表現面を振り返って) いつも練習の初めにクロスとかをもっと滑らせるようにしたりしているんですが、それを演技の中で取り入れられるようにしました。(今後出場予定の大会は) この次は都民大会に出場する予定です。(今後の大会に向けて) 今日あった回転不足を無くして、スピンのレベルも取れていなかったので、ちゃんと取れるように全部の要素をしっかり練習してまたスケーティングを頑張っていきたいと思います。
鈴木美桜(法 4)
(今大会に向けて、コンディションは) (東京)ブロックが終わってから自分の気持ち的にも練習に対して変わったかなと思える部分がたくさんありました。ここ最近は練習でも落ち着いて、ジャンプの精度も上がっていたので、あとは本番で自信を持って臨むだけだと思いました。(演技を振り返って) やっぱりジャンプが2本抜けてしまったのが自分の中で悔しいというか、もう少しできたなというのがありますが、結果的に無事にインカレまで進めることになったので今はほっとしています。(東京ブロックでは気持ちが一番大事と言っていたが、今大会でその部分は) この前の大会では最初から引いてしまったので一本目のジャンプから失敗してしまっていたのですが、今回はそれがなかったので、気持ちが引いてしまったという後悔はないです。(東日本選手権を控えているが、意気込みは) 木曜日から現地の方に行くのであまり間でどうこうするというよりは調整だけになると思います。準備はもうできていると思っているのであとはコンディションに気を付けて臨みたいと思います。
庄司理紗(総3)
(今日に向けてどんな準備を) ブロック大会から一ヶ月弱だったので、結構忙しかったんですが、ブロックの内容が良かったので一つ一つやり直すというよりは確認を一番頑張りました。(今日の演技を振り返って) 全体的に氷から浮いてしまって自分の滑りができなかったのと、集中できていなかったです。私の中ではしていたつもりがあまり集中できていなかったなというのが終わった時の感想です。(ジャンプ、スピン、ステップそれぞれを細かく振り返って) ジャンプは抜けてしまって、堪えるジャンプが多かったので、そこが自分の中で不完全燃焼です。スピンではジャンプでミスした分普段より慎重に回ったんですが、レベル MAXでできた感触はなくて、ステップはいつも通りだったと思います。(チーム慶應として挑んだが、歓声は力になったか) 歓声はいつもリンクサイドで応援してもらえるのが嬉しくて、今日は今までで一番応援してもらえたなと思ったんですが、それが演技でお返しできなかったのが申し訳ないです。(東日本選手権に向けて) 課題は見つかったんですが、それを反省としてマイナスに捉えず、ポジティブに東日本選手権で頑張れるようにと捉えたいです。今日は今日で受け止めて、あと一週間なので怪我もしないようにブロックのような演技ができるように気持ちを改めて頑張りたいです。
鈴木星佳(総2)
(今日に向けてどのような調整を) 東京ブロックが終わって、悔しい思いをしていたので、一個一個の練習を本番のような気持ちで大切にして、調整してきました。(今日の演技を振り返って) 練習してきたことがそのままできたので、自信を持って滑ることができました。(演技後のガッツポーズも印象的だったが、今日の演技に点数をつけると何点か) 80点です。技術的なことはやれることはやったのでよかったんですが、体力は最後の最後のステップまで滑り切るってところではまだ改良できるかなと思います。(チーム慶應として挑んだ中でチームメイトからの歓声は) すごく力になりました。始まる前に自分でも緊張しているのがわかったんですが、同期や先輩方に「今まで通りやってきたことを出せばいいよ」って言われて、落ち着いて集中することができました。(インカレへの想いは) 自分のショートプログラムがすごく好きで。東日本選手権に行けなかったので、このままだと滑らずに終わってしまうところだったので、ショートプログラムを滑れることが嬉しいですし、自分で順位をとって練習してきたことが結果として現れたので、インカレは楽しんで思い切って滑りたいです。(次の試合に向けて) このままいい練習ができているのでインカレまで三ヶ月ほどの時間を大事に使って、もっと上手になれるように練習を頑張りたいと思います。