平成29年度 関東大学アイスホッケーリーグ戦 DivisionⅠ 第10節
2017年11月3日(日)10:00F.O. @DyDoドリンコアイスアリーナ
慶應義塾大学2–3東洋大学
目標に掲げるリーグ戦4位を射程圏内に残し、ここで勝って上位チームとの差を詰めたい慶大。迎え撃つ東洋大は暫定3位。この試合1ゴール1アシストのFW長谷川真之介(政2)が「フィジカルのチーム」と語る東洋大との戦いの幕が切って落とされた。
Period | 1P | 2P | 3P | Score |
慶大 | 0(3) | 0(9) | 2(10) | 2(22) |
東洋大 | 1(17) | 1(11) | 1(9) | 3(37) |
※()内はシュート数
第1ピリオド、慶大は持ち前の速さやテクニックを生かして攻めを展開する東洋大を前にまずは守りを固めた。主将のFW安藤直哉(政4)も自らシュートブロックをするなどその先陣を切った。たびたび訪れるピンチにも、GK小池丈二(経2)が大きな体と正確なキャッチングを生かして慶大ゴール前に立ち塞がり、17本ものシュートを浴びながらも1失点に抑えた。
シュート数に大きく差をつけられながらも、失点を最小限に抑えて勝利への望みをつなぐ慶大。第2ピリオドも東洋大の攻撃の手が緩まる気配はなく、慶大は一瞬も気を抜けない状態が続いた。DF大久保健介(経4)が背中でシュートを受けながらも慶大ゴールを小池とともに守るが、9分に再び失点を許してしまう。しかし主将安藤の「守っているだけでは時間の問題なので(中略)しっかり前にもアグレッシブに行こう」との声かけもあって、徐々に慶大の攻撃が東洋大ゴールを襲い始めた。
ここまでに28本のシュートを浴びながらも小池やDF陣の奮闘により未だ2失点。第3ピリオド開始から4分にもう1点を追加されるも、攻撃の歯車が合い始めた慶大の士気が下がることはなかった。6分、長谷川が慶大サイドでパス回しをしていた東洋大DFからパックを奪うと、持ち前の力強い走りで一気にリンクを駆け上がり、それを見たFW滝智弥(政3)と FW田中陸(政2)がゴール前へ走りこんだ。慶應義塾高校でもともに汗を流した3人の息はぴったりで、田中がゴール正面でおとりとなることにより逆サイドでフリーになった滝に絶妙なパスが通った。そして滝はそのパスを最高のコースで東洋大ゴールに叩き込み、慶大は1点を返すことに成功した。このチーム初得点を演出した長谷川の攻撃は止まらない。10分に慶大の得たパワープレーが残り2秒となった12分、ハイスロットで待ち構える長谷川にFWリック・スー(総2)からパスが繫がった。長谷川は難しい体勢からワンタイムでそのパスを浮かせ、針の穴を通すようなシュートで慶大に2得点目をもたらした。ついにスコアは2-3となり、試合は完全に慶大ペースとなっていた。試合終了まで1分42秒の18分、GKをベンチに上げて捨て身の6人攻撃に打って出た慶大。35秒を残して長谷川が相手のペナルティを誘い、慶大は2人多い状態で猛攻撃を仕掛ける機会を得た。しかし東洋大に最悪の時間をもたらしたものの同点弾には至らず2-3で敗戦となった。
第3ピリオドで勝ちがすぐそこに見えただけに悔しい敗戦となった慶大。いかに守りから攻めに繋げるかを問われた1戦となった。第3ピリオドで獅子奮迅の活躍を見せた長谷川は実はケガからの復帰明けでこの動きだ。安藤やリック、滝などの強力なFWがそろった今季の慶大の攻撃が爆発するのを5日の早大戦に期待したい。
(記事: 鈴木 啓仁、写真:堀口綾乃、津田侑奈、尾崎崚登)
(以下コメント)
主将安藤直哉(政4・慶應義塾高)
(今日の試合を振り返って)3ピリオド目で追い上げたのですが1,2ピリオドでの2点のビハインドを最後まで返すことができませんでした。守りは良かったのですがその分悔しい試合となりました。(1ピリオド目では相手校とシュート数に大きな差がありました、入りが悪かったとも言えますがその差の要因は何かあげられますか)相手がアグレッシブにきていて、守りの面では対抗できた部分がありましたが一方で前への推進力が足りなかったのではないかなと感じます。(2ピリオド目以降、徐々に調子を持ち直してきたように見られましたが何かチームに声をかけたことはありましたか)守っているだけでは時間の問題なので前へしっかりエネルギーをかけて得点を狙わないと厳しい試合になる、しっかり前にもアグレッシブに行こう、と声をかけました。(2点返し、同点まであと1点という状況でどのような意気込みで試合に臨みましたか)時間帯としても6人攻撃でとらないといけないという場面でした。今年6人攻撃は何回か成功していて自信のある形であったので全員が得点できるという気持ちで挑んだのですが、相手のキーパーの良いセーブもありなかなか難しかったです。それでもやれることはやったと思います。(次戦までの短い期間で今日の反省点をどう改善していこうと考えていますか)やはり守備はよかったとしてもその分引いたホッケーをしていたら勝ちを目指すことは厳しいと思うので、とにかく攻めもしっかりエネルギーをかけていきたいです。早大に勝てないと勝ち点的に4位という目標は厳しくなってくるので良い準備をして明後日勝てるようにしたいと思います。(明後日の早大戦に向けて意気込みを聞かせください)早大は春に1回勝って、そして1巡目悔しい負け方をしたのでとにかく勝って4,5,6位争いに食い込めるように頑張っていきたいと思います。
長谷川真之介(政2・慶應義塾高)
(今日の試合を振り返って)4位という目標に入るためにここで勝ち点を取らないといけないので、どうしても勝ち点が欲しかったです。惜しかったですが、悔しさが残る試合でした。(第1ピリオドは攻められました)フィジカルのチームというのはわかっていたので、こちらもフィジカルで対抗して、足を動かして行こうと言っていました。しかし、ちょっと引いてしまう場面が多く、持ち味である”足を動かす”というのができなかったです。相手に自分たちのホッケーをさせてもらえなかったし、されてしまったというのが反省点です。(1点目をアシストしました)ロイヤルロードというパスが通ると得点につながるコースがあるのですが、そこを通そうと考えていました。空くのをずっと待っていたら一瞬空いて、そこに滝さんが構えていました。あとは出すだけだったので、出せて良かったです。(2点目は自ら決めました)ハイスロットから、肩口を狙うというのは僕の大好きな形です。出してくれれば決める自信はあったので、通してくれたリックさんにありがとうございますという感じですね。(次の試合に向けて)立ち上がりから攻め込まれると、自分たちのホッケーができなくなってしまうので、なるべく第1ピリオドから足を動かしてフィジカルで自分たちのホッケーをしたいです。とにかく勝ち点3をとるつもりでいくので、早稲田に勝って4位圏内に入りたいと思います。
次戦予定
関東大学アイスホッケーリーグ戦vs早稲田大学2017年11月5日(日)12:30 F.O. @DyDoドリンコアイスアリーナ