昨年は春秋ともにリーグ5位と上位に食い込むことはできなかった慶大ホッケー部女子。しかし、王座決定戦では7年ぶりのベスト8、早慶定期戦でも1点差での惜敗と試合を重ねるごとに成長を遂げた。昨年を上回る成績を収めるべく、ホッケー部女子は新たに動き始めた。今回は、新チームで主将を務めることとなった三宅美紅(新経4)にお話を伺った。
(取材日 3月7日)
「プレーで、背中で見せる」
――まずは主将になった経緯を教えてください
最高学年の一人ひとりと監督が話をして推薦などをして、最終的には監督が決めて、指名されると言う形です。
――指名された時の気持ちは
今まで主将の経験が無くて、みんなの前に立ってまとめるっていうキャラではないので、不安はありました。けれど、やるからにはやろうと思いました。
――主将になるにあたって、大野結花前主将などからアドバイスはありましたか
自信を持ってやりな、という風には言われました。最終的な判断をする場面が多くなると思うけど大丈夫だよ、といったような背中を押してもらいました。あとは、しっかりと周りを巻き込んでサポートをしてもらえるようにするように言われました。
――昨年の大野前主将の姿はどのように見ていましたか
結花さんは本当にすごい人でした。チーム一人ひとりのことをすごく見ているし、全員を必要としていることを伝えるのがとても上手かったです。言葉でもそうだし、行動やプレーでも、誰よりも努力をしていました。「覚悟の体現者」という個人スローガンを掲げていて、本当にそのものだなという感じがしていました。
――その姿を見てきたうえで、自分はどういった主将になりたいですか
私は言葉で伝えることに苦手意識があるので、それを克服して自分の思いをしっかりと伝えていかなければならないと思います。それに加えて、体現する。プレーで、背中で見せるという部分を今まで以上に意識したいなと思っています。
――現時点でその像に近づけている感覚はありますか
まだまだだなと感じます。ただ、練習で手を抜かないということだったり、誰よりも全力でやるということなどはしっかり意識しています。試合でも、どういう選手であるかというところが大事になってくるので、最後まで走り切れるような選手になりたいです。
――主将になって数か月ですが、難しさを感じることはありますか
やっぱり最終的な決断をすることに難しさというか、本当にこれでいいのかという葛藤はあります。特に、その判断で試合が大きく左右される場面だったり、素早くかつ正確な判断、チームのために一番良い判断をするのは、難しく感じます。
「手応えというものはあった」
――春のシーズンは王座で7年ぶりのベスト8でしたが、振り返っていかがですか
王座はドローによって運とかもあるんですけど、目標を達成できたことは自信にも繋がったかなと思います。去年の春は、今までと比べて多く得点して勝てた試合も多くて、それも自信にはなったかなと思います。今年も春から得点して自身に繋げられるようにしたいです。
――秋季リーグでは春季と同じく5位でした。同じ結果だったということをどう捉えていましたか
夏から新しいコーチが来てくださって、チームとして大きく変わった手応えもあったんですけど、最終的に東京農業大に0-2で負けてしまって、惜しい試合をできたからこそ一層悔しかったです。ただそれでも手応えというものはありました。
――早慶定期戦では1点差での惜敗でした
早慶戦が一番悔しい試合でした。あの時こういうふうにしていたら点を入れられなかっただろうなとか、小さな後悔がいくつもありました。個人的にもDFとしてプレーしていたので、失点に直接絡んでしまったのがとても悔しかったです。ただその一方で、最初にPCも取れたり、今までよりも攻撃の場面が増えたことで手応えも感じました。
――昨年1年を通してチームの成長はどう感じていましたか
初心者が多いこともあって、ホッケーに対する考え方を変えるだけですごく短時間でチームとして変われたというのは感じました。特に、夏から新しいコーチが来てくれたことでそこからの伸びは大きかったなと思います。
――昨年の試合の中で個人的に印象に残っている試合やシーンはありますか
やっぱり早慶戦ですね。その中でも早稲田より先にPCを取れたシーンが印象に残っています。加えて、そのPCで自分が打って点にならなかった時の悔しさもよく覚えています。
――今年のチームは昨年と比べてどういったチームですか
身体能力の高い下級生が多くて、活躍してくれるだろうなという期待があります。それと、スローガンで「革新・覚悟・挑戦」と掲げていて、部のルールだったりを変えていくことで目標を達成できるようにしています。去年と同じでは目標は達成できないと思っているので、チームとしてそのスローガンの下で取り組んでいます。
――4年がいなくなることでDF陣が多く抜けましたが
不安という気持ちはあります。試合経験で得るものもすごく多いので、その経験が少ない選手たちがこれからDFをやることになります。けど、本人たちもそれを分かっていて努力してくれていますし、とても頼もしいです。
――今年はチームとしてどういった戦い方をしていきたいですか
スキルだけだと格上相手には勝てないので、どのチームよりも走ることだったり、ボールやゴールへの執着心などを大事にして、泥臭さという部分を強みにしていきたいと思っています。
――現在はどういった取り組みをしていますか
現状では体力がまだまだなので、疲れている中でのホッケーの精度を重要視した練習を多くしています。それと、先日は東海大学のところにも遠征に行かせていただきました。そういう強いチームと練習試合をすることで自分たちに何が足りないのかを分析するようにしています。
――現状その取り組みの成果はいかがですか
共通認識といった点で全員が統一しきれていないので、そこを理解した上でプレーできるようにしていかなければならないなと感じています。
――昨年は守備でも攻撃でも存在感を見せていましたが、昨年の自分自身のプレーを振り返ってみていかがですか
PCなどで打たせてもらうことが多かったので、そこでは貢献できたのかなと思います。ただ、守備も攻撃も自分一人ではできないものなので、周りの人のおかげが大きいです。自分が活躍したという感じはあまりしてないですね(笑)。今年は、どんなFWも止められるようなDFになりたいですね。
――自分が自信を持っているプレーはありますか
割とポイントが取れるところですかね(笑)。相手の足にボールを当ててマイボールにできることとか。
――今年の個人的な目標はありますか
DFからどういったパスを出すかというような、チームにとって最適な判断がしっかりとできるような選手になりたいです。
「革新・覚悟・挑戦」
――先ほどお話でも出ましたが、改めてチームの今年の目標とスローガンは
スローガンは「革新・覚悟・挑戦」。目標は「打倒早稲田・関東リーグ上位・4強から得点」です。
――スローガンはどういった意図がありますか
まず、「革新」は今まで格上に勝ったことが無いので、成し遂げたことがないことをするという意味と、それを達成するためには手段として自分たちにも革新が必要といった意味です。「覚悟」は勝つための覚悟をみんなが持とうという覚悟です。それと、「挑戦」は自分に対しての挑戦と格上に対しての挑戦の意味です。
――目標を達成するために何が必要だと思いますか
まずは得点力だと思います。格上に対して得点というと、カウンターだったりPCなどのセットプレーが重要になると思うので、PCのバリエーションなどを増やしたりしていくことが必要だと思います。それと、先輩方が抜けたDF陣などを含めた守備面の強化も必要だと感じます。
――三宅主将から見て、期待する選手やキーになる選手はいますか
去年はあまり試合に出ていなかったんですけど、西本明日美(新政3)です。すごく努力家で、去年に比べてすごく伸びていて、一緒にディフェンスをしていても頼もしいです。前線の選手でいうと、花田ともみ(新政2)ですね。運動神経がすごくいいです。それとサッカーをやっていたので、ゲームメイクもしてくれて、とても期待しています。
――主将として今年1年をどういった1年にしたいですか
絶対に目標を達成して、悔いなくやりきったと言えるような1年にしたいです。
――今年にかける意気込みをお願いします
必ず早稲田を倒して、みんなで笑って終われるようにします。それと、指導してくださっているコーチとか監督に感謝の気持ちを結果で返せるようにしたいと思います。
お忙しい中、ありがとうございました!
(取材:重川航太朗/写真:津田侑奈)
春季リーグ戦日程
プール第1戦
VS山梨学院大 4/1(日) 13:00試合開始 @慶大日吉ホッケー場
プール第2戦
VS横浜市立大 4/14(土) 11:15試合開始 @慶大日吉ホッケー場
プール第3戦
VS早大 4/29(日) 13:00試合開始 @早大東伏見グラウンド