六大学戦優勝を懸けた最終戦。AT友岡(政4)の先制点から始まり流れは慶大が掴んだかと思われた。しかし、その後攻撃のチャンスを活かしきれず立て続けに2失点。3-3の同点で前半を折り返すが、後半はMF小久保(政4)、友岡とゴールを決めていき順調に法大を引き離していく。途中攻め込まれるピンチも見せたが最後は再びペースを取り戻し、8-5で勝利。オープン戦となる六大学戦、4勝1分けで慶大の優勝が決まった。
六大学戦 第5戦 vs法大
3/31(土) 9:45ドロー
@法政大学城山グラウンド
| 前半 | 後半 | 合計 |
慶大 | 3 | 5 | 8 |
法大 | 3 | 2 | 5 |
スタメン
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部・学年 | 出身高 | 得点 |
G | 28 | 大沢かおり | 経4 | 学芸大附属国際 | 0 |
DF | 62 | 櫨本美咲 | 経4 | 慶應女子 | 0 |
DF | 75 | 平井淑恵 | 商3 | 慶應女子 | 0 |
MF | 17 | 脇坂遥香 | 経3 | 慶應女子 | 1 |
MF | 20 | 溝口友梨奈 | 経2 | 慶應女子 | 0 |
MF | 58 | 清水珠理 | 商2 | 慶應女子 | 1 |
MF | 59 | 日野美咲 | 商2 | 慶應女子 | 1 |
MF | 66 | 石川のどか | 政4 | 品川女子学院 | 0 |
MF | 97 | 小久保磨里奈 | 政4 | 慶應NY | 1 |
AT | 32 | 友岡阿美 | 政4 | 慶應女子 | 2 |
AT | 33 | 西村沙和子 | 商4 | 慶應女子 | 1 |
AT | 72 | 吉岡美波 | 理4 | 大妻多摩 | 0 |
ベンチ入り選手
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部・学年 | 出身高 | 得点 |
G | 5 | 西村佳子 | 政3 | 東京女学館 | 0 |
MF | 26 | 井上ゆり子 | 経2 | 慶應湘南藤沢 | 0 |
MF | 36 | 藤澤陽子 | 薬4 | 慶應女子 | 0 |
MF | 51 | 石田百伽 | 経4 | 慶應女子 | 1 |
MF | 77 | 橋本ひかる | 政4 | 慶應女子 | 0 |
MF | 91 | 野々垣眞希 | 商2 | 慶應女子 | 0 |
AT | 18 | 荒井理沙 | 経3 | 慶應女子 | 0 |
AT | 43 | 髙木麻由 | 商2 | 慶應女子 | 0 |
前回の明大戦を快勝した慶大は、六大学戦優勝を懸けた最終戦に臨んだ。相手はここまで4連敗中の法大。勝利はもちろん、慶大の掲げる「大量得点」が狙われる試合となった。しかしそんな選手の思いとは裏腹に、試合は思わぬ苦戦を強いられた。
出だしはよかった。前半6分、MF日野美咲(商2)のカットからゴール前AT友岡阿美(政4)にパスが渡り、そのままシュート。テンポ良く1点目を手にした慶大だったが、その後はなかなか得点に繋げることができない。ふとした連係ミスからボールを奪われると9分、11分と続けざまに2失点を喫してしまう。13分、MF脇坂遥香(経3)が相手ディフェンスを寄せ付けない速攻でランニングシュートを決めるも、17分には相手のフリーシュートを許し、失点。スコアは2-3、このままビハインドで前半を終わらせるわけにはいかない。すると19分、「待っていた」とゴール前で構えていたMF清水珠理(商2)が冷静にコースを見極めシュート。この1点でなんとか3-3に追いつき、前半戦を終えた。
「自分たちのやりたいことをやろうとしすぎ」(友岡)たという前半の反省から、相手を意識して臨んだ後半。1分からMF小久保磨里奈(政4)の勢いあるジャンプシュートが決まると2分、友岡の放った速球が相手ゴールを突き、個の強さを活かした攻撃で2得点をもぎ取る。途中、「奪いにいくディフェンスができていなかった」(清水)という反省通り、法大にボールが渡るといつもの攻撃的な守備がかみ合わず2失点を喫する場面も見受けられたが、終盤はペースを取り戻し、日野、AT西村沙和子(商4)、MF石田百伽(経4)と怒涛の3連続得点を決め、試合終了。8-5で慶大が勝利し、六大学戦優勝を決めた。
無事最終戦も勝利した慶大であったが、試合後の選手らの表情は晴れやかなものではなかった。大量得点、超攻撃型ラクロス、これら慶大の掲げるラクロスが消化不良に終わった悔しさだろうか。主将の友岡も「何もできなかった試合」と今のチームに持つ危機感を滲ませた。しかし、関東の強豪校の交じるこの六大学戦を0敗で終えたことは彼女たちの強さを十分に証明するものだろう。友岡や西村など昨年からのスタメン選手に加え、新戦力となる選手の活躍も見受けられた今大会の収穫は大きい。六大学戦を制した今、「必死にやるしかない」と語る友岡の目は今回引き分けた早慶戦のリベンジに燃えている。伝統の一戦まで残り一か月余り。今年も慶大女子ラクロス部が、日吉陸上競技場に勝利の若き血を響かせてくれることだろう。
(記事:堀口綾乃 写真:伊藤史織)
◇六大学戦星取表◇(4月3日現在)
| 慶應義塾 | 明治 | 東京 | 早稲田 | 立教 | 法政 | 勝 | 敗 | 分 | 得失点差 |
慶應義塾 | × | 〇10-4 | 〇27-1 | △6-6 | 〇8-4 | 〇8-5 | 4 | 0 | 1 | 39 |
明治 | ●4-10 | × | 〇13-7 | 〇7-6 | 〇7-6 | 〇9-3 | 4 | 1 | 0 | 8 |
東京 | ●1-27 | ●7-13 | × | 4/4 | △5-5 | 〇8-7 | 1 | 2 | 1 | ―31 |
早稲田 | △6-6 | ●6-7 | 4/4 | × | 4/8 | 〇14-5 | 1 | 1 | 1 | 8 |
立教 | ●4-8 | ●6-7 | △5-5 | 4/8 | × | 〇10-4 | 1 | 2 | 1 | 1 |
法政 | ●5-8 | ●3-9 | ●7-8 | ●5-14 | ●4-10 | × | 0 | 5 | 0 | ―25 |
以下選手コメント
友岡阿美(政4・慶應女子)
――今日の試合を振り返って
今日の試合は、一言でいえば何もできなかった試合というか、今までやってきたことを全員が出せていなかった試合かなと思っています。最終戦で25点取るということを目標にしていた中で、2ケタにも届かない状態でこのチームの六大学戦を終えたということが今の課題だと感じました。
――前半を同点で終え、ハーフタイムではチームでどのようなことを話していましたか
やることは決まっていたので、逆に自分たちのやりたいことをやろうとしすぎて相手のことをあまり考えられておらず、相手がこうだから自分たちはこういう風に攻めようということをハーフタイム中に考えられました。
――いちばんの反省点は
試合中に修正があまり効いていなかったということです。一人一人の声出しなど、コミュニケーションもとれていなくて、自分たちが何をしたいのかあまり見えてこなかった試合だったので、そこはもう少し中から修正できるようにみんなで声を掛けて一人一人を繋げられるようにできればよかったというところが反省点です。
――相手法大の印象は
ディフェンスが低めで、そういうディフェンスに対して自分たちも小さくなってしまって、うまく攻め切れなかったというシーンが多かったのがすごくもったいなかったです。あと、ボールのポゼッションをあまり大事にできていなかったのが気になるポイントだったので、その点相手はボールを持ったときにきちんとポゼッション長くできていたところがよかったと思いました。
――六大学戦を振り返って
伸びたところはあったのかもしれないんですけど、チームが始まるのも遅かったし、それに対して一人一人が危機感を持つのが遅かったというのは感じていて、その危機感を今このままズルズル引きずって早慶戦に突入するのは厳しいかなと思うので、一人一人が課題を見つけて克服することが必要だと感じた六大学戦でした。
――早慶戦までまだ時間がありますが、今後に向けて一言
早慶戦はもう絶対に勝ちます。そこに向けて自分たちの何が足りていなくて、早大に対して何で勝っていくのかというところを詰めていける時期だと思うので、そこに関してはしっかりやっていきたいです。あとの時期は必死にやるしかないと思っているので頑張ります。
清水珠理(商2・慶應女子)
声を出してディフェンス陣でつながろうというのがディフェンスの目標だったんですが、反省として全てボールの後追いになってしまって、落ち着いて自分たち主体で奪いにいくディフェンスができていなかったなと思います。あとは、相手がボールを持った時のライドで、失点した後とかに下がりめになってしまったので、その点でも奪いにいくラクロスがこの試合ではできなかったなと思います。
――点差以上に攻め込まれる場面が多かったが、相手の印象は
この点差になってしまったのは、相手の強さというよりは自分たちのミスで、得点も増えなかったですし、失点につながってしまったというのもありました。自分たちのミスが多かったなと思います。
――ご自身の得点を振り返って
私の得点はたまたまみたいな感じでした。グラボの後に誰かが取ったら自分がもらおうと思ってずっと待っていたので、取って下さって良かったです。
――六大戦全体を振り返って
どの試合もドローが取れている試合は結構慶應のペースで攻めることができて、慶應が取れていないときは失点につながっていたりするし、取れた時はブレイクで得点できているシーンがいっぱいあるなと思っていました。ドローをもう少しチーム全体として取り切れるようになりたいなと思います。
――今シーズンの個人としての目標は
昨シーズンからディフェンス寄りで入っていたので、今シーズンはアタックサイドにも積極的に入って得点を重ねられたらなと思います。
――次の大きな試合は早慶定期戦となるが、今後に向けて
この前の早大戦では同点で、すごく悔しい思いをしたので、絶対に早慶戦では自分がチームを勝たせるんだというイメージでできるように、勝ちにいきたいです。