【バレーボール】〈コラム〉悔いのないように――小出捺暉、大学バレーへの挑戦

バレー企画

新戦力として活躍中の小出

先日の第82回早慶バレーボール定期戦で覇者ワセダを相手に死闘を繰り広げた慶大。惜しくも4年ぶりの勝利は逃したが、春季リーグ戦で早大と対戦したときよりも確実にその差は埋まってきており、自信を深める内容となった。今回は、今季から慶大に新戦力として加入し、その早慶戦でも堂々とした活躍を見せた小出捺暉(環1・駿台学園)を取材した。

 

安定したサーブレシーブでチームに貢献する

 

 1年ながらも春季リーグ戦では初戦からスタメンで出場し、同じく1年の永田将吾(総1・高松)とともに慶大の新たな主力として定着している小出。彼の持ち味はなんといっても優れた守備能力だ。大学バレーを「相手が全然違う」と評しつつも、高い返球率でチームの安定化に貢献している。宗雲監督は小出について「守備の要として安心して見ていられる」とも評している。

 

 

サーブを打つ小出

 

 小出の出身は駿台学園。言わずと知れたバレーの名門校だ。高校2年次、チームはインターハイ、国体、全日本高校選手権(通称:春高)と3冠を達成。小出はスタメンではなかったが戦力要員としてコートに立つこともあった。全国経験者が他大に比べて少ない慶大において、小出の存在は大きい。対角に入るマルキナシム(総3・川越東)は「僕よりもバレーを知っていて、サーブレシーブも良くできる選手で、頼りにしている」と話していた。高校時代にはツーセッターの一角として、スパイクを打ちつつトスも上げていたほか、コンビバレーで相手を翻弄することも多かった小出。今でも「(時間差で)入りたいときは祝太郎さん(吉田祝太郎=政2・慶應)に言ってやっている」という。

 

小出の大学1年目はどんな1年になるだろうか

 

 強豪校出身で在籍中に全国制覇経験…そんな輝かしい功績の一方、苦悩もあった。ディフェンディングチャンピオン――その重責が、新たに主将に任命された小出にのしかかった。数多くの主力選手が在籍した代が引退。スタメンもスタイルも大きく変わったチームに、去年以上のものを求められる状況は過酷だった。まさかの初戦敗退に終わった最後の春高について「3年生が引っ張っていかなきゃいけないところで引っ張れなかったことと、自分たちの力を出し切れなかったこと。それがすごく悔しい」と振り返る。

 

 「大学では悔いを残さないようにやり切りたい」――彼が高校バレーに残した悔しさは、大学バレーに懸ける思いに繋がっている。トップダウンではなく、ボトムアップ。そんな学生主体の慶大バレー部に、小出は新たな可能性を感じているという。座右の銘だという「継続は力なり」という言葉を信じ、さらなる高みを目指して邁進する。彼の大学バレーへの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

 

 

(記事:堀口綾乃・藤澤薫)

 

 

◇連載企画◇ リレーインタビュー

先月取材した、永田将吾選手からの質問です。

 

――最近「インスタ映え」を意識しているそうですが、次のターゲットは?

全然意識していないです(笑)。インスタ映えといってもストーリーを上げているだけです。毎週水曜日に、次の日が1限なので自分と勝呂(勝呂亘=政1・慶應)が谷(谷舜介=環1・徳島城東)の家に泊まりに行くんですけど、それで毎週何か作ろうみたいになって、それを載せています。この前作ったのはオムライスです。

 

 

◇プロフィール◇

小出捺暉(こいで・なつき)

1999年4月6日生まれ/環境情報学部1年/駿台学園高/184センチ/サイド

 

 

◇バックナンバー◇


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