6月23日、雨が降りしきる中、明治神宮弓道場にて第30回全国大学弓道選抜大会は行われた。先週の全関東弓道選手大会から少しメンバーを変えて挑んだ今大会。昨年度は決勝トーナメント1回戦敗退であったが、本年は7中で惜しくも予選敗退という結果に終わった。
第30回全国大学弓道選抜大会
6月23日(土)、24日(日)@全日本弓道連盟中央道場、明治神宮武道場至誠館弓道場
ポジション | 選手名 | 予選 |
大前(おおまえ) | 橘田英里香 (経3・慶應女子) | 3 |
中(なか) | 岡本茉莉子(経4・フェリス女学院) | 2 |
落(おち) | 湯浅汐里(環4・東洋英和女学院) | 2 |
合計 |
| 7 |
※1回の試合で4本矢を放つ。女子団体は3人で構成され、計12本のうち上位16チームが決勝トーナメント戦へ勝ち進む。
日本武道館で開催された全関東弓道選手大会とは打って変わり、厳かな雰囲気の中で今大会は行われた。矢の的中する音だけが静かな場内に響く。そして皆中時のみ許される観客の拍手、降り続ける雨音。1射毎に息を飲む、張り詰めた空気が道場を支配していた。
一昨年から3年連続での出場となる湯浅(環4・東洋英和学院)と岡本(経4・フェリス女学院)に加え、初選抜の橘田(経3・慶應女子)の3人で挑んだ予選。全国から集まった42校の内、上位16校のみが決勝トーナメントに進出できるという過酷な状況でいかに普段通りの射で勝ち抜くことができるかが重要であった。
課題としていた初矢を中てていい流れを作りたい所ではあったが、大前の橘田、落の湯浅が初矢を抜いてしまう。2本目、初矢の悪い流れを切り替えたいところだがここでも全的中とはならず。橘田が3射目を中て持ち直したかと思われたが、岡本、湯浅の矢はともに的から外れる。トメは意地で全員が的中するも、序盤の的中が響き結果は計7中。橘田は初選抜ながら臆することなく4射3中と健闘したが、4年の岡本、湯浅は2中と今ひとつ粘りきれず、予選通過は8中以上とハイレベルな争いにあと一歩手が届かなかった。
以前から課題としてきた初矢の弱さ。初矢が中たるか否かではチームの勢いも大きく変わってくる。たった12射。1人4射という競技だからこそ、その1射で試合が大きく動くのだ。これまでの試合を振り返っても分かるように、決して実力のない選手達ではない。それだけに悔しい結果に終わってしまったことは確かだ。しかし今大会で各選手、自身の課題もはっきり見えたであろう。次の戦いは8月に名古屋で行われるインカレだ。王座に向けて、ここまでの悔しさを胸に最後の戦いに挑む。女子弓術部の熱い夏が始まった。
(記事:左近美月)
監督・選手コメント
越後雅之監督
―――予選敗退という結果になりましたが、今大会を振り替えって
非常に悔しいです。全関の結果を受けてやり直すべきところはやり直して臨んだのですが、やはり自分の射を完全には出し切れなかったというのが正直な感想です。
―――全関の結果を受けて具体的にどのような課題を改善して今大会臨みましたか
前々から、初矢からきちんと中てていくこと、そして自分の射をきちんと頭の中に入れてそれを確実に実行していくということ、どちらかというと技術面よりはメンタル面をしっかりやり直していこうと取り組んできて、全関ではそれができたりできなかったりだったので、もう一回その精度を高めて今回の選抜に臨みました。
―――全関から選手の変更がありましたが
これに関しては全く悪いと思っていなくて、やはり力んでしまう選手がいたというのもあり今回はこの4人で戦おうと思い臨みました。
―――次の試合に向けての課題は
やるべきことは変わらないのかなと思います。試合に臨むという点では初矢からしっかり中てていくということ、そして正しくひくということ、もう一度基本に立ち直ってやり続けるということ、そして自分の射というのを試合の時にきちんと出し切れるような準備を個々の選手がしっかりできるような練習姿勢というのを大切にしていかなければいけないかなと思います。
―――インカレに向けて
選手がこれだけ色々な経験をして、成功例もあるし出来なかった悔しさもあるしまだまだ不完全ではあるけれども今回の経験をもう一度しっかり生かしなおして今度はミスのないように自分に厳しく、練習を経て自分の射をしっかり出し切ってほしいなと思います。
湯浅汐里主将 (環4・東洋英和女学院)
―――予選敗退という結果に終わりましたが、今日の試合を振り返って
各自試合に向けてやることは決まっていて、それが出来れば中てられる状況だったのでそれが出来なかったのがすごく悔しいですし、残念な結果になってしまいました。
―――先週の大会から今日まで、どこを課題に練習をされてきましたか
先週は初回があまり良くなかったということもあり、各自で何が悪かったのかを分析しました。全体としては違った何かをし始めた訳ではないのですが、反省を生かして、という形で練習をしていました。
―――今大会で新たに見えたチームの課題は
やっぱり初矢ですね。ずっと同じことを言われてきているのですがやっぱり克服できなくて。そろそろ経験が足りない訳ではなくなってきています。大前の橘田も初めての選抜ではあったのですが中てられる実力もあるのでそこをインカレに向けてどういう風に確実に中てられるチームにしていくのかを考えなければいけないです。今のところは初回が弱いという課題は変わらないと思います。
―――それを改善するための今後の具体的な練習方法は
今の時点ではペナルティを付けて何本詰めるまで続ける、という練習案が出ています。これから夏休みに入ると授業もなくなって時間を長く使った練習も出来るようになるので色んな練習を試してみたいなと思います。
―――次のインカレに向けて
私たちが王座に行けるのがもうインカレの大会だけになるので、そこは優勝を目指してしっかり頑張りたいです。自信を持って全員が臨めるように練習したいと思います。