第76回早慶バスケットボール定期戦まであと1週間となった。早慶戦企画第2弾は女子主将副将対談。日本でトップの実力を有する早大と、3部昇格を目指す慶大。それぞれのチームの現状と早慶戦への意気込みについて、早大の高田静主将(スポ4・山形市立商業)・大西胡桃副将(スポ4・水戸第二)、慶大の森川唯加主将(経4・慶應義塾女子)、磯部紗希副将(文4・國學院久我山)の4名に語ってもらった。
—昨シーズンを振り返っていかがでしたか?
高田:最初のトーナメントで優勝できたのですが、リーグでは2位に終わってインカレでも順位を落としてしまったので、大事なところで勝ち切れなかったのがチームの課題だなと思いました。
大西:春のトーナメントよりも終盤の方の印象が強いです。シーズン最後のインカレで勝てなかったのが残念でしたが、4年生のリーダーシップや声掛けがとても力になっていました。すごく良いチームだったと思います。
森川:前半は上手くいっていましたが、リーグ戦が始まる時に主将だった先輩が怪我をして、そこからチームの調子が崩れてしまって本来の力が発揮できなかったです。
磯部:リーグ戦では勝ち切れない試合がずっと続いて3部から落ちてしまったので、今年は1試合1試合を大切に戦って勝っていきたいなと思います。
—昨シーズンお互いのチームにどんな印象を感じましたか?
高田:早慶戦と六大学リーグの2回しか対戦する機会はなかったですが、とにかく相手に一生懸命向かってくるチームというイメージですね。
大西:六大学のときは試合開始からすごく勢いを感じるプレーをしてきたので、自分たちも同じような気持ちをもって戦わないといけないなと感じさせられました。
森川:あらゆるプレーが上手いので、毎年さすがだなと思っています。
磯部:ドリブルやシュートなど一つ一つのプレーが本当に上手で、早稲田との試合はそういうところを勉強して盗むチャンスだなと思っていました。
—新チーム発足から今まで振り返っていかがですか?
高田:早稲田は今年ヘッドコーチが不在で、毎日指導してくれる人がいない状況なので、今までよりも学生主体になって自分たちで考えてプレーすることが多くなりました。まだ始まったばかりなので、完全に手探り状態です(笑)。
大西:ヘッドコーチがいないからこそ、皆がお互いに指摘し合えるチーム作りを目指しています。上手くいっているかはまだわからないですけど、今年こそは結果を残せる年にしたいですね。
森川:慶應もコーチがなかなか練習に来られない中で、チームメイト同士の繋がりを強くして自分たちの力でやっていこうと意識しているのですが、なかなか難しくて試行錯誤しています。
—主将・副将に就任した感想はいかがですか?
高田:私はガードのポジションでプレーしていて、普段の試合でも指示を出してチームを引っ張っていこうという意識は昨年からあったので、主将になることは特に重荷とは感じなかったです。プレーの面ではしっかりと周りをリードしていける自信はあるので、今後はプレー以外の部分でもチームメイトに気を配るといったところも頑張っていきたいです。
大西:決める時も副将は正直誰がやってもいいかなって感じでした。なので、特に副将だから何かをやるという訳ではなく、4年生全員で主将を支えていければいいかなと思います。
森川:性格的にそんなに向いているほうではないと思うので・・・(笑)。大変ですけど、チームメイト、特に同級生には本当に助けられています。
磯部:私は昨年そんなに試合に出てはいなかったので、それでも副将になったということは、控えの立場を経験したことが買われたのかなと思います。それを活かして、主将がチームを引っ張っていくのをフォローしていくのが自分の役目かなと思っています。
—昨年とチームの雰囲気に変化はありますか?
高田:今まで通り選手同士で声を出し合ってやれていますね。変わったところはそんなに・・・(笑)。
大西:みんな明るく元気な雰囲気です(笑)。
高田:でも今年は昨年以上に基礎的なことを練習していて、プレーの姿勢やチームルールに対する意識は昨年以上に高まっているように感じます。
磯部:慶應も今年は基本的なことを特に意識して練習しています。他にも学年を交えたグループを作って後輩と話す機会を増やして、学年の壁を無くそうと頑張っているところです。
森川:細かいことや気になることを溜め込まずに言い合うようにしています。最近は互いに本音で話せることも多くなったかなと思いますね。
—オフの日はチームメイトと過ごしたりはしますか?
大西:オフの前日にみんなで遊ぶことが多いよね?日曜の練習の後に温泉行ったり焼肉行ったり。
高田:オフの日は部活以外の友達と遊ぶことが多いです。あとはチームメイトともたまにドライブとかディズニーとかに行ったりもしますね。
大西:でもたまに4年生主催で全学年集まる会もあって、川に行ってバーベキューしました。まあ年に1回だけですけど(笑)。
森川:オフはあんまり外に出ないので(笑)。遊ぶときは大体チームメイトとですね。
磯部:早稲田みたいに全員で遊びに行ったりしてみたいですけど、後輩たちが忙しいみたいで・・・。私は同期の4人が仲良しなので、みんなで練習後にパンケーキとか食べに行ったりします。
—昨年の早慶戦を振り返っていかがでしたか?
高田:早慶戦は普段とは違って毎年いろいろな人が見に来てくれる試合なので、その雰囲気を楽しみながらも、試合では自分たちのやるべきことをしっかりと出来たと思います。
大西:代々木で早慶が並んでお互いの校歌を聴いていると、自分は早稲田に入ったんだなと実感します。早稲田も慶應も両方が意地をぶつけ合う雰囲気がすごく好きで、昨年もお互いに全力が出せた早慶戦だった気がします。
森川:100点以下に抑えるという目標は達成できませんでしたが、OBの方などからは「今までで一番良かった」と言ってもらえたので、その意味ではよかったかなと思います。
磯部:代々木という特別な場所で、早稲田も慶應もたくさんの人が応援に来て、大観衆の前で伝統の試合ができるというのがとてもありがたいなと感じました。
—今年の早慶戦で改善したい点はありますか?
大西:昨年は4年生が何人か怪我で出られなかった覚えがあるので、みんながコートに立って楽しめる試合になればいいなと思っています。
磯部:一つでもいいので、何か「これだけは早稲田に通用した」というものが見つけられるといいなと思います。
—大観衆の前では緊張しますか?
大西:(高田の方を見て)しないでしょ?
高田:周りからは「緊張してないでしょ!」って言われますけど、自分ではしているつもりです(笑)。
大西:私も緊張はしますけど、それよりも楽しい気持ちの方が大きいです。気分が明るくなるタイプですね。
森川:普段あんなに大勢の観客の前で試合をすることがないので、毎回すごく緊張しています。
磯部:私もすごく緊張するタイプです。なので、自分より緊張している人を見つけて落ち着くようにしていますね。
高田:緊張するときは、「緊張する」って口に出して周りとしゃべっていると、気も紛れてリラックスできる気がします。
森川:私は試合が始まってしまえば案外大丈夫ですね。
—最後に早慶戦への意気込みをお願いします。
高田:今回は日程がサッカー早慶戦と被っていて、場所も代々木ではないので、観客の面はどうなるのかと思うこともありますが、お客さんに来てよかったと思ってもらえるように、良いプレーをしたいです。自分にとっては最後の早慶戦なので、あの独特の雰囲気、盛り上がりを楽しめたらいいなと思います。
大西:お互いの誇りをしっかりと持って、自分たちも楽しみながら観客も楽しませられる試合にしたいです。
森川:たとえ点差は離れても、最後まで諦めない姿勢を見せられたらいいなと思っています。
磯部:自分もやり切りたいし、出ている選手全員にやり切ってほしいです。最後までずっと応援してもらえるような試合にできたらいいなと思います。
※この対談は3月20日に行われました。
(取材・写真:徳吉勇斗)
第76回早慶バスケットボール定期戦は7月7日(土)に大田区総合体育館で開催されます。早慶両校の意地と意地がぶつかり合う白熱の一戦を、ぜひ会場でご覧ください!
女子戦12:30~ 男子戦14:30~