第2戦の相手は山学大。D1に初ペアとなる押野紗穂(環4・つくば国際大東風)・平田歩(総1・岡山学芸館)組を投入するも、まさかのダブルス2敗で折り返すピンチに。しかし、シングルス出場の5人中4人が勝利を挙げ、慶大は見事4-3の逆転勝利を収めた。
慶大 | 山学大 | |
D1 ●押野・平田 | 0{3-6,3-6}2 | 西里・安部 |
D2 ●黒須・末野 | 0{1-6,4-6}2 | 松本・鈴木 |
S1 ●押野 | 1{0-6,6-4,2-6}2 | 松本 |
S2 ○平田 | 2{3-6,6-4,7-5}1 | 西里 |
S3 ○末野 | 2{6-3,6-4}0 | 原口 |
S4 ○西田 | 2{7-5,7-5}0 | 横川 |
S5 ○向井 | 2{6-3,6-1}0 | 石野 |
合計4 | 3 |
関東学生テニスリーグ 山学大戦
2018年9月8日@早稲田大学東伏見テニスコート
D2●黒須/末野 | 0{1-6,4-6}2 | 松本/鈴木 |
勢いある1年コンビ、黒須万里奈(環1・山村学園)と末野聡子(総1・芦屋学園)の2人はこの日もD2での出場となった。スタートから圧倒していきたいところだが、先手必勝で早くからポーチを仕掛けてくる相手に圧倒され、ゲームの主導権を握られる。相手のネットプレーに翻弄された第1セットは1-6で落としてしまう。第2セットでは、相手の前衛を抜かすストロークなどでポイントを稼ぎ、食らいつく2人。しかし、甘い返球は容赦なく叩きつけられ、終盤の反撃も虚しく、ストレートでダブルス1本目を落とした。
D1●押野/平田 | 0{3-6,3-6}2 | 西里/安部 |
押野・平田の新たな組み合わせで挑んだD1。団体戦のダブルスは初出場だという平田だが、先輩である押野の頼もしいリードを受けて順調にサービスゲームをキープしていく。しかし、相手のボレーヤーに返球を仕留められ6ゲーム目をブレイクされると、3-6で第1セットを落とす。続くセットでも前衛を気にするあまりにストロークでのミスが増え、流れをつかめない。ボレーの力で圧倒的な差をつけられ、悔しい敗戦となった。
S5○向井マリア | 2{6-3,6-1}0 | 石野碧 |
向井マリア(環3・城南学園)は安定したストロークでラリーを続け、相手のミスを誘い出す。さらに相手の甘い返球には素早く反応し、強打でポイントを重ねていく。自らのペースで第1セットを手にすると、その後も体勢を崩さず。終始危なげない試合展開を見せ、余裕の快勝を決めた。
S4○西田奈生 | 2{7-5,7-5}0 | 横川仁美 |
S4西田奈生(総4・済美)は攻めるショットとスライスで緩急をつけながら打ち合い、着実にチャンスボールを決めていく。順調に進めた5-2から5-5まで返されるピンチのなか、西田は長いラリーを耐え抜き、第1セットの先取に成功する。相手の挽回に押された第2セットは反対に2-5まで追いつめられるも、攻めの姿勢を貫き逆転。いずれも接戦だったセットを勝ち取り、相手を打ち負かした。
S3○末野聡子 | 2{6-3,6-4}0 | 原口沙絵 |
鋭いストロークを武器として挑む末野は、ベースラインから果敢に打ち込んでいく。これには対する相手も強打で返し、両者テンポの速いラリー戦を展開させる。終盤にショットの精度を上げた末野が第1セットを奪うと、第2セットは互いにキープを重ねる白熱した戦いへ。相手のミスが続いた7ゲーム目をブレイクさせ勢いに乗る末野は、積極的にエースを狙い、一気に突き放す。最終的には6-4でこのセットも取りきり、勝利を手にした。
S2○平田歩 | 2{3-6,6-4,7-5}1 | 西里夏子 |
絶対に負けられないS2に臨んだ平田。「疲労を感じていて、なかなか思い通りのプレーができなかった」と振り返る第1セットは、自らのミスが響き3-6で落とす。しかし「自分が取らなくては終わる」、隣のコートで戦う押野のファーストセットダウンが平田を奮起させた。粘るラリーで第2セットを打ち勝ち、迎えたファイナルセット。「手も震えていた」という緊迫のラリーが続くなか、相手のミスが連なり平田がリードを奪う。最後まで安定したストロークでこのリードを守りきり、見事死闘を制した。
S1●押野紗穂 | 1{0-6,6-4,2-6}2 | 松本安莉 |
S1押野は自らのミスに沈み、第1セットをまさかのラブゲームで落とす。しかし、その後は押野から積極的に攻撃を仕掛けていき、流れをつかみ取ると、セット1-1に並んで見せる。ファイナルセット、1ゲーム目からブレイクに成功するが、勝負所でのチャンスボールを決めきれず。そのまま勢いに乗った相手にセットを奪われ、無念の敗戦となった。
初戦の亜大戦に引き続き、チームは今回もダブルスの2敗スタートとなった。シングルスでの大逆転はあっぱれであったが、やはり出だしの2勝は取って流れに繋げたいところだ。次戦の相手は強豪・筑波大。まさにこのD1、D2の勝負の行方が、勝敗を分ける鍵となるだろう。王座進出へ後がない慶大、ここからの快進撃に期待したい。
(記事・写真:堀口綾乃)
◆試合後コメント◆
平田歩(総1・岡山学芸館)
――まずはシングルスの試合を振り返って
序盤は苦しくて疲労を感じていて、なかなか思い通りのプレーができなかったんですけど、隣の試合がファースト(セット)を取られてから、「自分が取らなくては終わる」と思いました。後ろを振り向いたら先輩や同期がいて、頑張らなくてはと思いました。
――終盤は緊迫したラリーが続きましたが
手も震えていたんですけど、そのなかで自分やベンチにいる監督、チームを信じて「絶対に自分の方が強い」という思いでラリーをしたら、最終的に相手がミスしてくれたので、信じる力の大切さを感じました。
――ダブルスを振り返って
押野さんとは初めて組んで、しかも初めての団体戦でのダブルスだったので、自分的には初めてが多くて、あまりこうすればよかったということはないです。でも、自分のなかでは楽しくできたし、普段はボレーも出られないんですけど、色々なことに挑戦できたので、次に繋がる試合だったかなと思います。
――自身にとって初のリーグ戦となりますが
1年なので勢いで相手を圧倒するというか、チームを乗せられたらいいなという気持ちで臨んでいます。
――次戦へ向けて
どこまで行ってもチャレンジャーだと思うので、自信を持ちながらも、自分の方が格下だから何でもできるという強い思いでやっていきたいなと思います。