勝てば王座進出が決まるという大事な一戦。この日も好調なダブルスで3連勝を飾り、大きく勝利に近づいた慶大だったがシングルスでまさかの敗戦を重ねる。S2,3,5,6で敗れ勝負の行方はS1の羽澤慎治(環1・西宮甲英)に託された。ここで羽澤がエースの意地を見せストレートで勝利をしたものの、王座に向け課題の残る一戦となった。
慶大 | スコア | 亜大 |
D1 ○逸崎・羽澤 | 2{6-1,6-1}0 | 加藤・吉田 |
D2 ○福田・今村 | 2{6-2,6-1}0 | 堀内・清水 |
D3 ○畠山・山崎 | 2{6-3,6-1}0 | 呉岡・高見澤 |
S1 ○羽澤 | 2{6-3,6-1}0 | 加藤 |
S2 ●逸崎 | 0{2-6,4-6}2 | 堀内 |
S3 ●中村 | 0{3-6,4-6}2 | 高見澤 |
S4 ○今村 | 2{6-1,6-1}0 | 熊坂 |
S5 ●平山 | 1{6-0,4-6,3-6}2 | 工藤 |
S6 ●佐々木 | 1{2-6,4-6}2 | 呉岡 |
合計 5 | - | 4 |
関東学生テニスリーグ 亜大戦
2018年9月12日@法政大学テニスコート
D3○畠山/山崎 | 2{6-3,6-1}0 | 呉岡/高見澤 |
畠山成冴(環4・湘南工科大付属)・山崎瑛二(環4・慶應)組は、相手の甘い返球を逃さず1本で仕留める、隙のないプレーでゲームを奪っていく。リターンでは積極的にストレートコースに打ち込むなど先手を打ち、完全に主導権を握ると、6-1、6-0とロースコアに抑え、快勝を収めた。
D2○福田/今村 | 2{6-2,6-1}0 | 堀内/清水 |
D2の福田真大(商3・慶應湘南藤沢)・今村昌倫(環2・清風)組はこの日も安定した戦いぶりを見せた。第1セットを序盤は互角の戦いとなったが、中盤からギアを上げた2人が相手ペアを圧倒し先取に成功。続くセットも、今村が力強いストロークでゲームメイクし、福田がボレーを決めるというコンビネーションが決まり6-1とし、ストレート勝ちを収めた。
D1○逸崎/羽澤 | 2{6-1,6-1}0 | 加藤/吉田 |
慶大のダブルスを引っ張るD1逸崎凱人(環4・大阪産業大付属)・羽澤組。この日も羽澤の強力なサーブと逸崎のネットプレーで主導権を握り、第1セットを6-1で獲得する。第2セットは、一進一退の攻防が続く中、第7ゲームをブレイク。それ以降のサービスゲームを確実にキープし、6-4で第2セットも奪った。
S6●佐々木健吾 | 1{2-6,4-6}2 | 呉岡拓哉 |
この日のS6はリーグ戦初出場となる佐々木健吾(環1・高松北)に託された。身軽なフットワークでコートを駆け回る佐々木は、ラリーから生まれた決め球を着実に決めていき、第1セットを6-3で先取する。しかし、「硬くなった」と話す第2セットは粘る相手を前にミスが連なり勝ちきれない。勝負のファイナルセット、順調にラリーを繋げて4-0まで進めるが、終盤は自分のプレースタイルを貫けず。そのまま力尽きた佐々木は4-6でこのセットを落とし、リーグ戦初勝利とはならなかった。
S5●平山浩大 | 1{6-0,4-6,3-6}2 | 工藤颯人 |
S5にはリーグ2戦目の平山浩大(環3・京都外大西)が出場した。第1セットを強力なストロークを武器にストレートで取ることに成功した平山だが、第2セット以降はなかなか流れに乗ることができない。第2セットは10ゲーム目、第3セットは9ゲーム目と勝負所でのキープに失敗し、悔しい逆転負けを喫した。
S4○今村昌倫 | 2{6-1,6-1}0 | 熊坂拓哉 |
S4今村はリーグ戦で単複ともに無敗である。安定したフォーハンドで左右に打ち分け、相手を揺さぶった。また、確実にスマッシュを決め、威力のあるファーストサーブでポイントを重ねた。相手に付け入る隙を与えず、終始試合を完全に支配した。見事なストレート勝ちを収めた。
S3●中村進之介 | 0{3-6,4-6}2 | 高見澤岳飛 |
S3中村進之介は明大戦で勝利を上げるも、白星から遠ざかっている。序盤から軽快なフットワークを生かし、難しいボールを次々と拾う。ラリーを繋げるが、決定打に欠き、3-6で第1セットを落とす。第2セットは、中盤に盛り返し、1ゲーム差まで迫るも、第5ゲームをブレイクされたのが響いてしまい、4-6で落としてしまった。
S2●逸崎凱人 | 0{2-6,4-6}2 | 堀内竜輔 |
S2逸崎は本調子といえる状態ではなかった。ストロークと得意なネットプレーがネットする場面が目立ち、第1セットを落としてしまう。第2セットも、復調の兆しが見られず、依然苦しい状況が続く。しかし、徐々にストロークに威力が増すようになり、第6ゲームをブレイク。直後のゲームをキープし、1ゲーム差まで迫ったが、その後のゲームでブレイクを奪えず、4-6で第2セットを落とした。
S1○羽澤慎治 | 2{6-3,6-1}0 | 加藤彰馬 |
S1羽澤は、序盤から強気なテニスで試合を優位に進め、第1セットを6-3で獲得する。第2セットの途中で逸崎が敗れ、チームの勝敗の決定は羽澤に委ねられた。しかし、「プレッシャーもそこまでかからなかった」と言うように、羽澤は落ち着いていた。ネットプレーとフォアハンドを中心に積極的に攻め、ストレート勝ちを収めた。
法大戦、中大戦とはメンバーを変え挑んだ一戦ではあったが、シングルスで2―4と負け越し、あわや敗戦というところまで追い詰められた慶大。大きく不安の残る内容となったが、ダブルスではリーグ12連勝中と好材料も多い。次戦は同じく王座進出を決めた宿敵・早大との対決を迎える。王座の前哨戦、そして伝統の一戦に勝利して、王座に向け弾みをつけたいところだ。
(記事:内田貴啓、堀口綾乃、萬代理人)
◆試合後コメント◆
福田真大(商3・慶應湘南藤沢)
――今日のダブルス振り返って
正直結構いい感じに終われたかなと思っていて、ストレートでロースコアで抑えられて良かったです。最初イーブンの状態が続きましたが、こっちから動いて相手を突き放せたことで2つのコートにいい流れを引き込めたかなと思います。
――チームとしてもダブルス全勝
このチームのダブルスに、自分は春からずっと自信を持っていて、その中で少しプレッシャーはありますが、3-0で終われたらシングルスが楽に戦えるので、ダブルス出る人は各々自覚があると思いますが気を引き締めやっています。
――ご自身もリーグ戦無敗ですが、シングルスの戦いぶりはいかがですか
シングルスは、調子が良くない中でもしっかりストレートで勝ち切れているので、自分の”いやらしさ”が相手に上手く伝わっていることが良い点だと思います。
――今日の勝利で王座進出が決まりました
王座優勝が目標ですが、次の早大戦がどうでもいいわけでは無くて、僕らは早稲田に勝つことを目標にやっているので、次早稲田に勝って王座でも早稲田にも勝っていきたいです。
佐々木健吾(環1・高松北)
――今日の試合を振り返って
初めてのリーグ戦だったんですけど、入りは仲間の声援も受けて自分から良い形をつくれていて、自分らしさというものを出せていました。でも、セカンドセットで硬くなったところがあって、取りきれなかったというところが今日の一番の反省点かなと思います。ファイナルセットも4-0まで行って、足が攣るとかアクシデントがあって負けてしまったので、悔しいというひとことに尽きるんですけど、いい経験になったと思います。
――自分らしさとは
序盤の方からしっかりと走って足を動かして、一球でも多く相手のコートに返し、そこからチャンスを見つけて前に出るというプレースタイルが自分のものかなと思います。
――チームは今日の勝利で王座進出を決めました
このチームは王座を決めるというのを目標にしていたわけではないので、この5-4という結果を素直に受け止めたいと思います。次の早大戦を絶対に勝ってリーグ戦優勝というものをまずは勝ち取って、王座優勝に向けていい試合に出来たら良いなと思います。
――今後の課題は
今日の最初のような、まずはリラックスして楽しむことをやっていきたいのと、自分のプレーを出してアピールしていきたいということがあります
――次戦へ向けて
次戦に自分が出るかはまだ分からないですが、出たときには一本取るために自分の最大限できることをやろうと思います。リーグ優勝して、チームとして成長できる一日にしていきたいと思います。
羽澤慎治(環1・西宮甲英)
――ダブルスを振り返って
今まで全部勝ってて、とりあえずダブルス3本で3-0をつけるというのが目標でした。ストレートで勝てたので、いい流れを作れたと思います。
――シングルスを振り返って
試合に入るときに他の3面でシングルスをやっていて、もし全部落としたら、4-4で自分にかかるかもしれないと考えていました。4-4かかっても想定していたので、プレッシャーもそこまでかからずに自分のプレーがしっかりできた試合だと思います。
――4-4となったときに、意識したことは
特に今までと変わらず、自分のやるべきことを正しいタイミングでしっかりやり切ることと自分の武器であるサーブ、ネットプレー、フォア―ハンドで攻めることを意識しました。
――王座出場決まりましたが
王座で優勝するのが目標なので、王座を決められたのはポジティブなことだと思います。次の早慶戦が大一番なので、王座を想定して、どうなるかというのが決まってくるので、次の試合が大事な試合だと思います。
――次の試合に向けての抱負
単複で出ると思いますが、2勝してチームの勝利に貢献できるようにしたいです。