【バレーボール】覇者相手にストレート負け vs早大/秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

バレー戦評

跳躍力を生かした清水のクイック

 

秋季リーグ戦開幕以来、慶大はいまだ勝利にたどり着けない。この日対戦したのは、春季リーグ戦、東日本大学選手権で優勝している早大。盤石な守備を前に決定力に欠けた慶大は、ストレートで敗戦。開幕以来5連敗となった。

 

 

 

9月22日(土)

秋季関東男子1部バレーボールリーグ戦

第5戦 慶大×早大

@小田原アリーナ

 

 

得点

慶大

セット

早大

22

25

16

25

19

25

 

吉田祝太郎(政2・慶應)がけがで離脱している慶大。今日は、エース・マルキナシム(総3・川越東)がスタメンを外れ、代わって加藤真(商2・慶應)がリーグ戦初めてのスタメン出場となった。

 

スタメン出場の加藤真

第1セットはブレイクの取り合いが続いた。慶大は、早大の攻撃の中心であるセンターとオポジット、そのスパイクをブロックにかけてつなぎ、相手に簡単に得点を許さない。しかし、エースを欠く慶大も、盤石な早大を前に攻撃を一本で決めることが難しく、ラリー戦が頻発。不安定な展開のまま、セット終盤に突入した。ブロックで相手のスパイクミスを誘ったり、清水柊吾(総2・広島城北)がサービスエースを奪ったりと、好プレーで得点を重ねる慶大。しかし最後は自陣スパイクがブロックに捕まってしまい、この接戦を落とした。

 

 

小出のスパイク

第2セット序盤、慶大はピンチに立たされる。富澤太凱(経3・慶應)のスパイクが何度もブロックに苦しめられ、一気に5連続失点。マルキとともに「二枚看板」と称される富澤の攻撃が決まらなくなってしまい、慶大は「手がなくなってしまった」(監督)。点差を詰めたいところだったが、相手の多彩な攻撃をしのげず、ブレイクの機会をつくることができない。その後も得点を縮められず、9点の大差でこのセットも落とした。

 

 

後がない慶大だったが、第3セット序盤もサーブレシーブの乱れなどから6連続失点を喫してしまう。これ以上の失点を避けるためにもサイドアウトを1本で切りたい慶大。セッターの谷舜介(環1・徳島城東)が、清水・樫村大仁(環2・茨城高専)のクイックを中心に攻撃を組み立て、確実に点を積み重ねる。13-21からは、途中出場の宮川郁真(総1・松本県ヶ丘)がネット際のボールを押し込み得点を挙げるなどして4連続得点に成功、4点差まで詰める。しかし、序盤に負った点差を前に反撃及ばず。最後もスパイクを切り返され、21-25。ストレート負けとなった。

 

慶大の力が試される

フルメンバーから2人が外れる想定外の事態。エースのマルキが抜け、セッター谷の選択肢も大きく変わったはずだ。今日は、サーブレシーブやブロックフォローなど、連携が特に重要なプレーにおいて、惜しいシーンが散見された。「厳しい戦いになることはわかっている」(監督)状況において、短い期間で細かい部分をどこまで詰めていけるのか。慶大の力が試されている。

 

 

(記事:藤澤薫 写真:田中壱規)

 

 

以下、コメント

 

 

宗雲監督

 

――今日の試合を振り返って

持っているものは出してくれた…1セット目は競り合っていたので、あわよくばああいう競り合いを望むんですけど、やっぱり(早大は)学生チャンピオンなので、そうは簡単にやらせてくれませんでした

 

――エースのマルキ選手が不在の中での戦いだったが

正直に言うと、サイドが弱いですね。ちょっとサーブレシーブ崩れて、2セット目に富澤選手のスパイクが(相手ブロックに)捕まって、そのあともう手がなくなってしまった。そこからずっと3セット目もきつかったですね。

 

――第3セット、ブロックポイントも多かったが

多分修正というのも、途中からクイック止められるようになったんだけど、向こうもうちのブロックの跳び方を見て、攻撃のバリエーションを変えてくるので、その変化についていけなかったんですね。だから、ブロックが好調だったのも一瞬だった。ただちょっとそれも良し悪しで課題があります。

 

――今年、早大との対戦は4度目だったが

早稲田さんは強くて、早慶戦(第82回早慶定期戦)と東日本(東日本大学選手権)のときにちょっとだけ早稲田さんの尻尾くらいは見えたかなと思っていたんですけど、今日は、ちょっとそういう意味ではちょっと評価しづらいっていうのはありますね。でも、ネット際ではちょっとずつ対応できている子もいました。まあただ、早稲田の選手が本気出して打ったときには、ちょっと差があるなーっていうのが何本かありましたね。今日はそういう意味ではちょっと評価しづらいです。

 

――明日に向けて

学生には、こういう厳しい戦いになることはわかっているので、しっかりと、正々堂々とした態度を示して戦ってほしいということを言っています。応援に来た人が目をふさぐような選手ではなくて、堂々として、明るく元気に、応援してよかったと思えるようなチームになりましょう、と言っているので、それを明日、体現してくれるといいですね。これからは上るだけだから。

 

 

 

加藤真(商2・慶應)

 

――今日の試合を振り返って

今日は完全に相手に力負けしたかなという感じでした。

 

――今日はスタメンでの出場だったが

初めてリーグでスタメンっていうことだったので、結構周りの人にカバーしてもらいながら、自分なりのプレーはできたかなと思うんですけど、まあまだ明日もあるので、今日できなかったことを改善して、明日に臨みたいと思います。

 

――全体的にブロックが好調だったが

伊藤主将(伊藤祥樹主将=総4・清風)を中心にミーティングで詰めていた部分ではあったので、まあミドル(センター)が結構頑張っていたので、そのおこぼれをもらいながら、みんな頑張っていたのかなと思います。

 

――今日見えた課題は

サーブレシーブがあんまり数字が良くなかったと思うので、そこが結構直接的な敗因になっちゃったなと思います。

 

――先週、なかなか攻撃が決まらないのがチームの課題として挙がっていたが

今日はサーブレシーブとかパスが(セッター正位置に)返ったときに、結構クイックを中心にスパイクが決まっていたと思います。このチームは1年間を通してミドル中心のチームにしていこうという話なので、明日からもミドルを中心にスパイクが決まっていければいいかなと思います。

 

――明日に向けて

負けが続いていて、メンバーもフルメンバーで戦えていない中だと思うんですけど、明日こそ勝ち星を上げられるように頑張りたいと思います。

 

 

 

樫村大仁(環2・茨城高専)

 

――今日の試合を振り返って

今日はスタートのレギュラーのメンバーからだいぶ変わったメンバーで、結構入りも難しかったですが、序盤の組み立てはまあまあ良かったです。しかし、中盤にかけて崩れてしまい、そのまま修正できなかったのが今日の反省です。

 

――セッターの谷選手とのコンビネーションは

相性は良い感じだと思います。

 

――とくに3セット目などブロックがはまっていたが

相手ごとにブロックのシステムは変えますが、今日の早稲田はクイックとオポジットの選手が中心だったので、そこを中心に僕も考えてレフトを少し捨て気味にするなど、メリハリをつけてやりました。それがうまくはまったのかもしれないです。

 

――練習で意識されたことは

練習ではステップなどの基礎的な部分を詰めてやっていたので、つられなければ今日は感覚的に寄れたなという感じでした。明日もそういう感じでできたらいいかなと思います。

 

――早大とは今年度4度目の試合だったが、今までの試合と比べて

早稲田自体はそこまで戦術的にも変わりませんでしたが、慶大のメンバー自体が違うので、自チームの課題がうまく合いませんでした。少しそこの難しさだけありました。

 

――明大戦への抱負を

明日も今日のようなメンバーですが、元から自分はコートに立ってプレーしているので、中心になって、声を張り、走りまわり、頑張りたいと思います。

 

 

出場選手

サイド

小出捺暉(環1・駿台学園)

センター

樫村大仁(環2・茨城高専)

オポジット

富澤太凱(経3・慶應)

サイド

加藤真(商2・慶應)

センター

清水柊吾(総2・広島城北)

セッター

谷舜介(環1・徳島城東)

リベロ

岩本龍之介(商4・仙台第二)

 

永田将吾(総1・高松)

途中出場

加藤靖丈(商1・慶應)

 

宮川郁真(総1・松本県ヶ丘)

 

五味渕竜也(環3・習志野)

 

 

順位表(9月22日終了時点)

 

大学

勝利数

セット率

1位

早大

5.0000

2位

日体大

3.0000

3位

明大

2.8000

4位

筑波大

2.6000

5位

順大

2.3333

6位

中大

2.0000

7位

駒大

0.8182

8位

東海大

0.7500

9位

慶大

0.2667

10位

学芸大

0.2000

11位

国士館大

0.2000

12位

日大

0.1333

 

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。

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