第67回東日本学生相撲リーグ戦が行われ、慶大は初日の2部で登場。2部3位以上を目指した戦いに臨んだが、1回戦での大東文化大戦で敗れると、2回戦でも惜しくも敗北。巻き返しを図ったものの、その後の専修大、法大といった難敵をはね返すことはできず。3勝4敗の5位で今季のリーグ戦を終えた。
第67回東日本学生相撲リーグ戦2部
10月6日(土) @靖国神社境内相撲場
1回戦 VS大東文化大 | |
先鋒 | 石井良(経3・慶應)○(下手捻り)渡邊 |
二陣 | 大森慎之介(環2・東京学園)●(押し出し)平澤 |
三陣 | 胡華興(薬3・慶應)○(下手投げ)星野 |
中堅 | 北原英嗣(政2・慶應)○(寄り切り)古閑 |
五陣 | 長谷川貴規(環1・木造)●(寄り切り)幡谷 |
副将 | 中村一稀(経3・慶應)●(押し出し)小野里 |
大将 | 長谷川大起(総3・木造)●(下手投げ)有川 |
計 | 3勝4敗 |
初戦は大東文化大との対戦。中堅までの4試合で3試合を取り、勝利まであと1勝としたものの、以降の試合で相手の力強い立ち合いに押し負け2試合を落とす。スタートダッシュのためになんとか勝利を手にしたいところ。明暗は大将の長谷川大に任される。しかし、長谷川大は下手投げで土俵の外へ投げられ敗戦。3勝4敗とされ、初戦を惜しくも落とした。
2回戦 VS駒澤大 | |
先鋒 | 石井●(寄り倒し)松田 |
二陣 | 大森○(押し出し)西 |
三陣 | 胡●(押し出し)小林 |
中堅 | 北原●(寄り倒し)間地 |
五陣 | 長谷川貴○(押し出し)千葉 |
副将 | 中村●(寄り切り)三浦 |
大将 | 長谷川大○(腕捻り)高橋 |
計 | 3勝4敗 |
2回戦の駒澤大との対戦では、二陣の大森と五陣の長谷川貴が共に押し出しで勝利。しかし、副将の中村が体格差ある相手を前に倒れ、大将戦を前にチームの2連敗が決まった。大将の長谷川大は、やや押され気味の立ち合いとなるも、最後は土俵際で相手を巧みに投げ、意地の勝利を挙げた。
3回戦 VS東大 | |
先鋒 | 石井○(押し出し)益田 |
二陣 | 大森○(不戦勝)- |
三陣 | 胡●(押し出し)野口 |
中堅 | 北原○(押し出し)須山 |
五陣 | 長谷川貴○(寄り切り)田辺 |
副将 | 中村○(寄り倒し)湯浅 |
大将 | 長谷川大○(押し倒し)福士 |
計 | 6勝1敗 |
2敗となって迎えた3回戦は東大との対戦。3回戦で見せ場を作ったのは副将の中村だった。慶大の4勝1敗で迎え、すでに慶大の勝利は決まっていた。しかし、ここまで1、2回戦共に泥をつけられた中村にとっては負けられない。立会い、激しい押し合いで始まると、相手に土俵際まで一気に押し込まれる。しかし、ここで中村は意地を見せる。勝敗が決したかと思われたその瞬間、相手を持ち上げて、寄り倒した。大将戦では、長谷川大が盤石の相撲で相手を押し倒し、6勝1敗で慶大が勝利を収めた。
4回戦 VS立大 | |
先鋒 | 石井●(押し出し)青木 |
二陣 | 大森○(寄り切り)玉真 |
三陣 | 胡●(上手投げ)長谷川 |
中堅 | 北原○(押し出し)小佐野 |
五陣 | 長谷川貴○(寄り倒し)井坂 |
副将 | 中村●(上手投げ)横田裕 |
大将 | 長谷川大○(押し出し)横田奏 |
計 | 4勝3敗 |
試合は折り返しの4回戦、対する相手は立大。接戦が続き、3対3で迎えた大将戦、長谷川大はゆっくりと土俵に上がり、大きく息を吸い込んだ。ここまで1回戦を除いて2連勝している長谷川大はその勢いのままに落ち着いた立合いをみせ、押し出しで見事に慶大を勝利に導いた。
5回戦 VS専修大 | |
先鋒 | 石井○(押し出し)阿部 |
二陣 | 関野大輔(商3・慶應)●(押し出し)宇佐美 |
三陣 | 胡●(押し出し)牧園 |
中堅 | 北原○(掬い投げ)岩間 |
五陣 | 長谷川貴●(打掛)村山 |
副将 | 中村●(押し出し)森田 |
大将 | 長谷川大●(上手投げ)戸田 |
計 | 2勝5敗 |
5回戦は、専修大との対戦。先鋒の石井が激しい突っ張りを見せて押し出しで勝利する。流れをつかむきっかけとしたいところだったが、この日2部で優勝をした専修大の押しの強い相撲に圧倒されてしまった。中堅の北原が2勝目を挙げたが、以降の選手が追い上げることはできず、相手の技に粘り切ることができなかった。
6回戦 VS法大 | |
先鋒 | 石井●(押し出し)杉山 |
二陣 | 関野●(寄り切り)宇野 |
三陣 | 胡●(押し出し)望月 |
中堅 | 北原○(押し倒し)五十嵐 |
五陣 | 長谷川貴●(寄り切り)島村 |
副将 | 中村●(押し出し)小湊 |
大将 | 長谷川大○(叩き落とし)雑賀 |
計 | 2勝5敗 |
6回戦も格上の法大との対戦。先鋒から三陣までの3人が、相手の前に出てくる立合いに押されて3敗を喫してしまう。早くも追い込まれたが、中堅の北原がここでも勝負強さを見せ、押し倒しで勝利。ここから逆転と行きたいところだったが、続く2人が敗戦し、この試合での敗戦が決まった。大将の長谷川大は、突き落としで厳しい戦いを制し、次に繋がる1勝とした。
7回戦 VS東北大 | |
先鋒 | 石井●(外掛け)千葉 |
二陣 | 関野○(寄り倒し)斉藤 |
三陣 | 胡○(押し出し)春原 |
中堅 | 北原○(押し出し)大藤 |
五陣 | 長谷川貴○(押し出し)徳山 |
副将 | 中村○(不戦勝)- |
大将 | 長谷川大○(不戦勝)- |
計 | 6勝1敗 |
2勝4敗で迎えた最終7回戦。勝って終わりたい慶大だったが、先鋒の石井がまさかの黒星スタート。しかし、二陣の関野からは立て直し、東北大を圧倒した。中でも、圧巻だったのは長谷川貴だった。鋭い眼光で相手を圧倒し、相手を一気に押し出した。その相撲には余裕さえ見えた。終わってみれば6勝1敗。最終戦を見事勝利で飾った。
最終結果は3勝4敗、得点26で、全体の5位。格下の相手に対しては、しっかりと勝利を収めることができたものの、同格の大東文化大との初戦で敗戦したことが大きく響く結果となった。大将の長谷川大が、「去年より順位を一つ落としてしまったということは重く受け止めなければいけない」と語るように、チームとしても今回の結果にはもちろん満足していない。3年以下の若いチームなだけに、伸びしろは十分。個人が自らの課題と正面から向き合い、「心技体」それぞれを高めていけば、目標とする3位以上も見えてくるはずだ。今回の悔しさを胸に再び稽古に励み、次なる舞台で成長した姿を見せたい。
(記事・写真:重川航太朗、菊池輝、澤田夏美)
以下、コメント
長谷川大起(総3・木造)
--今日の結果をチームとして振り返って
悲観する内容ではなかったと思いますが、去年よりも順位を一つ落としてしまったということは重く受け止めなければいけないと思います。
--順位が一つ落ちてしまったのはどういった要因だと思われますか
初戦の大東文化大戦がかなりキーポイントだったと思っています。そこで浮足立っているところを負けてしまったことは一つの要因だと思います。勝ち星としては大東文化とあまり変わっていないですけど、上手く噛み合わなくて4点しっかり取れなかったのが原因だったと思います。
--チームの仕上がりとしては
悪くはなかったと思います。みんなが自分のやることを認識して、実行しようとしていたと思います。
--チームの雰囲気は
悪い雰囲気ではありませんでしたが、初戦の前に自分がもう少しチームを引き締められていれば良かったのかなと思います。
--全体として良かった点は
各々が取れる相手に勝ちを取れたというところは、評価できる点だと思います。みんなでしっかりと気持ちを一つに向かっていけたのも良かったと思います。
--個人として取組を振り返って
良くも悪くも自分の弱点が出たかなと思います。立合いの時に、少しずれると勝ちに繋がらないのですが、逆に立合いがあうと多少強い相手でも勝つことができるなと感じました。
--見つかった課題としては
立合いをずらしにくるような相手がいるので、そういった相手に対する対応というのを、インカレまでにしっかりと修正していかなければならないと思います。
--目標とする3位以上には届きませんでした
自分がチームの士気を上げられなかったのが、原因なのかなと思います。
--今後に向けて
来年度に向けてしっかりとチームの力を蓄えて、来年は100周年も迎えますので、それに向けて頑張っていきたいと思います。
北原英嗣(2・慶應)
――今日を振り返って
6勝1敗という成績は去年より多く勝てて良かったと思います。
――団体としてはどうでしたか
もっと上位にいける力があるにもかかわらず、重要なところで勝てるはずのメンバーが落としてしまったというのが、今回の5位という結果に繋がってしまったのかなと思います。
――個人的に一番良かった取組みは
専修大学戦の相撲です。相手が下に当たってきたんですけど、それを上手くかわし、対応できたと思います。落ち着いて相撲が取れてたっていうことが自分の中で分かるような相撲だったので、良い相撲だったと思います。
――これからに向けて一言お願いします
まず私が強くなり、そして、チーム全体が強くなって行けるように環境作りと雰囲気作りに長谷川先輩と取り組んでいきたいと思います。
長谷川貴規(環1・木造)
――今日1日を振り返っていかがでしたか
自分の今までやってきたことが全部出しきれていなかったと思うので、来月の試合でまた頑張りたいと思いました。
――今日一番良かった試合は
駒澤大との戦いでは自分の相撲ができたので良かったと思います。
――今日見つかった課題は
立合いの後の二の攻めが雑になってしまう所があったので、二の攻め三の攻めを意識した相撲を取らなければいけないと思いました。
――今後に向けて
重量級の選手として僕はポイントゲッターにならなければいけないので、点数を取っていけるように頑張ろうと思います。