【バレーボール】全勝優勝で六大学初代王者に輝く! 

 「強いものが勝つんじゃなくて勝ったものが強い」(渋谷・環4)。その言葉が本当ならば、慶大は真の意味で「強い」チームになった。22日に行われた東京六大学交流戦。東大に危なげなく2-0で快勝した慶大は同じく関東学連1部所属の法大との全勝対決に臨んだ。多くの人の期待を力に変え、それぞれがそれぞれの力を出し切った好ゲーム。セットカウント2-0でこの試合に見事勝利し、通算5勝無敗でみごと慶大が六大学の初代王者に輝いた。

5月22日(日) 第1回東京六大学交流戦 慶大―法大 @早稲田大学記念会堂

得点
慶大 セット 法大
25 18
25 17
 

攻守にチームを引っ張った間宮

 優勝のためには倒さなければならない相手。お互いがそれをわかっているだけにゲームは序盤からプライドがぶつかり合う展開に。法大が先制するも慶大がこれにくらいつき、お互い7-7までサイドアウトを奪い合う。この流れに風穴をあけたのは柳田(環1)のサーブ。コート左隅にノータッチエースを決め、始めてここで慶大が連続得点を奪う。ここから間宮(政3)のブロック、星谷(理2)のサービスエースなどで小刻みに連続得点を挙げ15-10とリード。中盤にサーブカットを乱され16-14と2点差にせまられるも、今大会通じて高い決定力を維持しているサイド陣がチームを救う。3枚ブロックにつかれるも2段トスを岡田(商2)、柳田が打ち切りこれを点につなげ、再びここから点差を広げる。20点台に入ってからもクイックとパイプ攻撃をおりまぜ、最後は山本(環3)のクイックで25-18。第1セットを先取する。

健闘をたたえ合う

 第2セットも慶大は序盤から良いスタート。相手エースにサーブを集め満足な攻撃をさせず、間宮、前田優(環3)の拾ったボールを岡田が豪快にコートにたたきこむ。6-2とスタートダッシュに成功し自分たちのペースに持ち込む。ここまで守備に力をさいていた間宮もこのセットに入って積極的な攻撃参加を見せ始め、法大ブロッカーに的をしぼらせず。危なげなく20-14とリードを保ったかたちで終盤を迎える。勝利を決定付けたのは星谷のブロック。相手クイックを1枚でシャットアウトすると遂にマッチポイントを迎える。この局面で野口(環1)が最後にトスを上げたのは柳田。バックからスパイクを叩き込み25-17。セットカウント2-0で勝利となった。

 「本当にナイスゲーム」。宗雲監督もそう振り返った。昨秋は一度も勝つことが出来なかった関東1部所属校を含む六大学全チームに勝利し、全勝で優勝を勝ち取ったことは大きな自信につながる。「このチームはまだまだ強くなりますよ」(山本)。力強い言葉がチームにさらなる勇気を与え、さらなる飛躍を期待させた3週間。六大学の初代王者として、陸の王者がその名を刻み込んだ。

   By Hideki Tsubonuma

 

・個人賞も慶大が独占!

左から岡田、柳田、星谷、間宮

試合後に発表された個人賞は慶大の選手が独占。スパイク賞に岡田、サーブ賞に柳田、ブロック賞に星谷、レシーブ賞に間宮がそれぞれ選ばれた。そして最も栄誉ある大会MVPには得点源としてチームベストスコアラーの活躍をみせた岡田が選ばれた。

コメント

宗雲監督

(優勝のお気持ちはどうですか)今日は本当にナイスゲーム。第1回目の六大学交流戦だったので学生が「1回目だから勝とう、優勝しよう」って彼らが話し合ってたのでその思い通りになってすごく良かったなあという風に思います。ベンチから見てても攻撃面では岡田がほんと大エースで、柳田もいて(間宮)秀太もいる。ただ秀太は今は自分でも守りの1番の要だと思ってくれていて、攻撃はもうあの子達(岡田、柳田)に任せて。今はもう攻撃もディフェンスもすごく良い循環だと思うしまだ伸びる要素はぜんぜんあるので楽しみです。すごく楽しみなチームです。(具体的にチームとして伸びる要素とは)裏を返せばうちの欠点なので(笑)あまりあかせないんだけど、まあたとえば1つは守備の面だとか。まだまだうまくなる人がいるので、本人もうまくならなきゃいけないことはわかってると思うし。攻撃に関してもセッターの野口がね、GW明けから良くなってきて星谷とのコンビもどんどん良くなってきて…。これはたぶんセンターにコンバートした山本が…、山本のクイックのタイミングってすごく良いんですよ。それを見ながら星谷もすごく伸びてきたのでもっともっと伸びると思うし。岡田ももっとうまさも出てくると思うので完成はまだまだだと思います。しかも今のチームは3年以下だしね。今年中に完成型のチームを目指して来年はそこから成熟期に持っていけば良いかなと。そういう手ごたえをつかんだような3週間だったですね。(1部との戦いに向けての手ごたえは)それはまだわからないです。今大会早稲田も一人エースが欠けてたしそれから強いのは順天堂とかね、筑波もすごく強いと思うので、パワーバレーになったときにうちがどれくらい対応できるか、それは正直まだわからないです。(今後定期戦、東日本インカレと続いていきますが)組織としてね、渋谷主将を始め学生スタッフが組織としてもっともっと成長してくれると思うので、そういうところに期待しています。チームが強くなるのは当たり前で、マネージャーもそうだしトレーナーもそうだし、その子たちがもっと成長していくと例えばそこにいる人たちがみんな居心地の良い組織になりたいと思うのでそういうみんなが能動的に動いて選手がそれを感じて戦うような、そういう組織になって欲しいということですね。

渋谷主将

(優勝の感想は)一安心かな。(試合前から自身はあったということか)「強いものが勝つんじゃなくて勝ったものが強い」っていうことをおれ自身は思っているしこいつらにも言ってきたから。いくら才能があっていくら期待されてても、勝って当然と思われてても前回のリーグ戦もそうだし早慶明定期戦も前回は最下位だったり。チャレンジャーっていう姿勢だったからまずは六大学勝って自分たちは強いんだというのを思えるようにしようっていうことをみんなに心掛けさせました。その結果が期待通り、OBの方々の期待にも応えられてひと安心という意味でそういう感想です。だから今日勝ったからまあ六大学に関しては自分たちは強いチームだとは思えるけどそれは今日だけこいつらは強いチームだったっていうだけで。来週の定期戦も去年負けている大会なのでチャレンジャーの気持ちで臨んでまたタイトルをひとつ手に入れられたらなあと思います。また明日からいちから積み上げていきたいなっていうのは僕の中で考えている次のステップアップかなと思います。(次の試合に向けて気を引き締めてということですか)そうですね。今日勝ったからといって次勝てる保障もなければ確信も無いので。今回のはもちろん自信として良い意味でそれを過信にしないで。この自信を持って来週定期戦に挑んでさらなる自信を持って東日本インカレ、もちろんあと1ヶ月あるのでチャンピオン狙うつもりでやっていこうかなと思います。

間宮

(今日の試合を振り返って)法大は去年までは勝てていない相手だったので勝てるか不安だったが勝ててよかった。(自身の調子は)膝を怪我していて万全の状態ではなかったがチームがいい方向にいくという点で自分の役割を果たせた。(交流戦全体を通して)リーグ戦がない中でチームを作る時間がなかったが大会を通してチーム力を高めることができた。(優勝という結果で終わることができたが)公式戦ではないので優勝ということ自体には意味はないと思うが慶應というチームがいいチームだと示すためには良かった。自分が引退するまでに他のタイトルもどんどん取りたい。(秋のリーグ戦に向けて)今回自分達が優位に試合を運ぶことが出来たので秋も十分戦えると思うが秋はもっと他のチームも強くなってくると思うので自分達も負けないように頑張っていく。

山本

(今の気持ちを)優勝できて、純粋にうれしいです。(今日の試合を振り返って)法政は独特の雰囲気を持つチームなので、その流れに飲み込まれたら負けてしまうと思ってました。なので、自分たちの流れで、雰囲気を良くする事を心掛けていました。(先週と比べてチームの雰囲気は)この大会前まではあまり息が合わず、強いメンバーなのにもったいないと正直思っていました。でも、この大会に入ってチームの雰囲気が毎週ごとに良くなっていくのを感じました。(プレッシャーは)優勝はあまり意識しませんでした。データ通りにしっかり自分たちのプレーをしようと思っていました。(監督からの指示は)あまりなかったです。いつもの様に、自分たちでしっかり相手を研究し、考えてプレーをしようと。(自身の調子は)僕もチームの成長と同じように、だんだんとコンビが合い始めるようになりました。(東日本インカレに向けての意気込みを)もちろん優勝を目指します。このチームはまだまだ強くなりますよ。

前田優

(六大学リーグ全勝優勝になりました。今の気持ちは)とりあえず、ホットしているというのが一番です。自分にとってこの大会は、リベロに転向してから初めての公式戦だったので、緊張もしたのですが上手くやれて良かったなと思います。(そういった意味で手ごたえを掴んだ大会になったか)1部のチームと出来たので、秋季リーグに向けて、良い経験の場になったかなと思います。(監督からはどういった役割を求められているか)自分達は4年生が入っていない若いチームなので、上級生として支えていくというか。広い視野で皆をみながらプレーしていくようにということは監督から言われています。(今後1部と戦っていく上での意気込みを)1部のリベロはみんな上手いのでそういった選手にも劣らないように頑張りたいです。

岡田

(今日の試合を振り返って)一部でやっていくには法大には勝たないといけないと思っていた。勝つことができて良かった。(自身の調子は)東大戦はいつも通りの力が出せたが法大戦は力んでミスが多かったので自分では少し納得ができない内容だった。(交流戦全体を通して)去年より当たり前のことが当たり前に出来るようになった。レシーブをつなげ、コンビにつなげていくことがしっかりできるようになったのでやっていて楽しかった。(優勝という結果で終わることができたが)実際は春大会があったのでここで一つのタイトルを取れたというのはいいはずみになる。またこのような大会があれば優勝したい。(秋のリーグ戦に向けて)全体的にいいプレーが多かったので期待できると思うがしっかり実力をつけて秋リーグもまた同じようなプレーができるように頑張りたい。

星谷

(今の気持ちを)素直にうれしいです。(今日の試合を振り返って)ミスが少なかったので、自分たちの流れでプレーすることができました。(優勝へのプレッシャーは)あまりなかったです。自分たちのプレーを目指しました。(監督からの指示は)特に変わったところはありませんでした。いつも通りを心がけました。(チームの雰囲気は)初戦の東大戦で気を抜くことなく、きっちりと戦えたことで、良い雰囲気を持って法政戦に臨めました。(決定率10割の大活躍でしたね)サーブカットがしっかりとセッターに入ったので、気持ちよくスパイクが打てました。皆のおかげです。お互いに自らの役割を果たすことができました。(東日本インカレに向けての意気込みを)ほかの1部のチームとはまだ対戦したことがないので、格下のつもりで挑戦していきたいです。

柳田

(法大に勝ち、全勝での優勝を決めましたが)この大会は先輩方に支えられてやってきたという印象があったのですが、最後の試合で課題が見つかりました。(具体的に課題を教えて下さい)自分の持ち味であるスパイクが通じなかった事が、自分の中で今悔しさとして残っています。(ご自身の調子はいかがでしたか)調子は良かったのですが、決めるべきところで、自分で得点を決める事が出来なかったです。そこをこれからは直していかなくてはいけないです。(相手には池田選手がいましたが意識はしましたか)少しだけ意識はしましたが、高校時代とは違うので入り込んだ意識はしなかったです。(試合後握手をする場面もありましたが、何か話をしましたか)いや、あんまり話さなかったです。(これから始まる1部での戦いに向けて意気込みを)次は自分のスパイクをしっかりと決められるように頑張ります。

 野口

(今日の試合を振り返って)今まで法大には負けていたと聞いていたので立ち向かう、チャレンジ精神で挑もうと思っていた。結果的に勝ててよかった。(トスの精度はどうだったか)毎週試合がある中で大分調子はあがってきていた。トスが安定し前より良くなってきたと思う。(交流戦全体の印象は)今まで高校でやってきたので大学のレベルの高さを知っていい刺激になった。色々なセッターを見ることができていい刺激になった。(優勝という結果について)勝ちにこだわってやってきたのでこれからに繋がるような大会になったと思う。これからまた練習して最終的に日本一になりたい。

レフト 柳田将洋(環1)
セッター 野口剛志郎(環1)
センター 星谷健太朗(理2)
レフト 岡田拓巳(商2)
ライト 間宮秀太(政3)
センター 山本悠登(環3)
リベロ 前田優介(環3)
途中出場 石川友規(理4)
中出祥平(環3)
金親大夢(政3)

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