ラグビーワールドカップが日本で開催され、例年にも増してラグビーが話題になるであろう今年、慶應義塾體育會蹴球部は創部120周年を迎える。
4月28日(日)には関東大学ラグビー春季大会が開幕し、慶大の属するAグループは2試合が行われた。そして来たる5月12日(日)、いよいよ我らが慶大が初戦に臨む。多くのスタープレイヤーを擁した昨年とは違い、今年はチーム全員が一体となって戦う。それに先立ち、慶應スポーツは開幕前取材“UNITY”と題してインタビューを実施した。
連載第1回は、第120代主将・CTB(センター)栗原由太(環4・桐蔭学園)と副将のFL(フランカー)川合秀和(総4・國學院久我山)だ。
――最初に、お互いを一言で表すとどんな人ですか?
栗原(→川合):真面目。良い部分としては、ずっとチームのことを考えているところ。悪い部分は、真面目すぎるところですね。考えすぎて自分のキャパを超えてしまうというか、自分でもどうしたらいいのか分からなくなっている時があるので、そういう時は少し引いて見てもいいのかな、と思いますね。
――その点について川合さんご自身のお考えは
川合:チームにどう貢献できるか、ということについては常に考えています。ただ、キャパを超えて考え込んでしまうこともありますね。去年は特にそうでした。できるだけこいつ(栗原)とか、近い存在に相談するように努力しはじめていますが、まだまだですね。
川合(→栗原):誰よりも熱い男。誰よりもチームが勝つことを考えているという面で、感情的に熱い男だと僕は思っています。キャプテンとして選手を心の底から燃え上がらせて、動かすことができる人ですね。
去年の試合(選手権準々決勝、対早大戦。慶應はラストワンプレーで早大に逆転トライを許し敗れた)でも、最後負けて一番悔しがっていたのがこいつ(栗原)でした。うわべだけの言葉を発することなく、芯から思っていることを選手に伝えることができる、そういう熱い男です。
――日頃からお互いでこういうお話は…
川合:毎日褒め合ってます(笑)
一同:(笑)
川合:まあ冗談なんですけどね(笑)
――おふたりが主将、副将になった経緯を教えてください
川合:キャプテンはチームのメンバー全員で話し合って決めました。僕が選ばれた経緯として特に大きかったのは、監督(栗原徹HC)の推薦ですね。栗原HC(ヘッドコーチ)が色々な方に話を聞きにまわってくださり、最終的に推薦していただきました。
栗原:僕は代のみんなに選んでもらって就任しました。理由としては、川合が(お互いの紹介の時に)言ってくれた面のほかに、「人を巻き込む力」が挙げられると思います。今年は例年以上に、色々な学年を混ぜて、一体となって試合に臨まないといけません。そういうことを考えた時に、僕は学年関係なく関わりを持てるので、人を巻き込む力だったり、熱い気持ちをもって引っ張っていけるところを買われて選ばれました。
それで、こいつ(川合)が選ばれた理由で「監督の推薦」って言いましたけど、そこに関しては僕たちの代、チームでも納得しています。
――役職についてからのご自身の変化は
栗原:ここ(寮)にいる時間が長くなりましたね。僕は実家が好きで、去年はオフの時、よく実家に帰っていました。今年も帰るには帰りますが、その頻度は落ちました。オフでもここ(寮)にいて、みんな(部員)の様子を見たり、自分のケアに使ったりしています。
今年から、より後輩との繋がりを意識するようになりましたね。もともと自分から(他学年と)関わるほうですが、今まで以上に色々な場面で絡んだりして、距離を縮めるようにしています。プライベートな時間でコミュニケーションを取るようにすると、グラウンドでも話しやすくなると思うので、オフグラウンドでの話しやすさというのを意識して接するようになりました。
川合:去年もリーダー陣の一員として、チーム全体をよくするために意見を言ったりしてきました。それでも、どこか自分フォーカスというか、自分自身が成長し、結果としてチームに良い影響を与えられるような選手になろう、と考えていました。その中で、春シーズン思ったようにいかず、全体を巻き込めなかった部分が3年生の時にはありましたね。
副将になってから自分の中で強く意識しているのは、自分自身はもちろん、チームとして成長しないといけない、というところです。4年生としてチームに実際に働きかけて、チームを変えることができる立場になったからこそ、1〜4年生を巻き込んでチーム全体をどうやって良くしようか、ということについて考える時間が増えましたね。
――そんなおふたりが率いる新チームの雰囲気はいかがですか
栗原:みんなが前向きに練習しています。ラグビーを楽しんでいる、という印象は強いですね。根底に「楽しい」という気持ちがあるのはとても重要だと思います。そのうえで、勝つ楽しみだったり、自分がプレーできるようになってくる楽しみだったり、そういう「楽しい」が増えてきます。ラグビーを楽しむという部分が、去年一昨年以上にありますし、個々が頑張って伸びようとする雰囲気もありますね。慶應はもともと上下関係の厳しいほうではないですけど、今年はその中でも特に接しやすい上級生なのかなと感じています。ミーティング中でも下級生から活発に意見も出てきますし、プライベートでも上級生と下級生が話している場面が多く見受けられます。そういう面で、良い具合にチームが回っているのかな、と感じています。
――その明るい雰囲気は新しいHCの影響もあるのでしょうか
川合:考え方はマッチしてますね。去年は辻さん(現サントリー)、丹治さん(現パナソニック)とか飛び抜けてすごい選手がいて、彼らに甘えていた部分もありました。今年は1〜4年生まで、そこまで飛び抜けた選手はいません。だからこそ、全学年が主体性や結束力をもち、全員が成長できる環境をつくることが大事だと思います。1〜4年生が自然に言い合える、コミュニケーションをとれるような雰囲気というか。チームで戦わないと勝てないというところは栗原さん(徹HC)も理解してくれていて、そのための時間を作ってくれています。そういう面で監督との考え方はマッチしているのかな、と感じますね。
――今年は蹴球部が創部120周年ですが、何か思うことは
栗原:120周年だからかどうかはわからないですけど、今年2月にイギリスに行きました。イングランド代表を見る、ということももちろんなんですけど、向こうの(ラグビー)文化も学びに行きました。ケンブリッジとオックスフォードに行ったときに、歴史ってすごいなあって。日本のラグビーのルーツが慶應で、恵まれている環境なんだなと感じました。
今まで歴史ってものを実感することなかったんですけど、(イギリス視察を経て)身が引き締まりましたね。120年はいい意味で重いな、と感じる機会でした。120周年ですけど、変わらずしっかり日本一を目指してやっていければな、と思っています。
――イギリスに行ったのはどのような経緯で
栗原:僕と川合と徹さん(栗原HC)と新しいコーチの方、GMの方の5人で行きました。意図としては、イギリスはラグビー発祥の地なので、ラグビーの文化を学びつつ、練習の雰囲気や環境を学ぶ、というものでした。創部120年ということもあって行ったんだと思います。とてもいい機会になりました。
――その視察で感じ取ったこととは
川合:日本と違って、勝ちにこだわっていない、どちらかというと歴史を大事にしている、という印象を受けましたね。歴代の人の写真が掲示されていたり、それ(写真掲示)専用の場所なんかもあって、日本にはそういうものないよな~、日本でもこういうことできればな~、なんて思いましたね。毎年かどうかはわからないんですけど、海外のラグビーチームに視察に行かせていただく、という機会があって、今年はGMの方と監督が話し合って、「せっかく行くなら学生も交ぜて」ということになったそうです。
日本とは違ったイングランド代表のラグビーをみて、どういうチームが強いのか、ということを実際に視察させてあげたほうがいいのではないか、ということで、僕と栗原を誘ってくださって、実際にイングランド代表を視察しにいきました。
ただ、ラグビーのプレーだけを見るのは学生にとってどうなのか、学生だからいろんなことを学ぶべき、学業の方面もしっかりすべきということになり、ケンブリッジでラグビーの文化や歴史を学んだり、オックスフォードの歴史を学んだりしました。
あとは、現地のラグビークラブの文化だったり、代表戦を見る前にイングランドの歴史を学んだり、日本がどうやってイングランドと関わって、どうやってラグビーの文化を教わったのか、ということを学びました。
(イギリスの)大学チームではトーナメント戦がなくて、向こうでは、文化として試合をする意味を大事にするんですよ。クラブチームというのが学校とは別にあって、そっちはそっちで、勝ち抜きたいって人が集まっていて。国全体がラグビー好きなので、大学はそういう文化が成り立つんですよね。日本はラグビー好き、という文化がないので、大学選手権はトーナメント形式だし、トップリーグもお金をなかなか集められない。そういう面で、環境が違いますね。
イングランド代表を視察して、練習量の違いも感じました。具体的には、個人が試合に対して準備する時間の違いですね。全体練習はそんなに長くないんですよ。ただ、個人個人が練習する時間が、人によって違うけど、とても長くて。自分に必要なスキルをコーチと一緒に練習していて、本当に納得いくまで練習していました。準備の時間が長いな、と。
この視察で得たものは大きかったですね。日本とは違う環境に行って、考え方も変わりました。
――ここからはまたチームのお話に戻ります。昨シーズンを振り返っていかがですか
栗原:春先は調子良かったんですけど、シーズンに入ってから調子が上がらなくて…。
その期間はチームに貢献できず、もどかしかったですね。
昔の自分を振り返ったり、映像を見たりして、その効果もあって選手権に入り始めてから感覚を取り戻して、マッチできてきて…ってところで負けてしまった。
その感覚は具体的には、アタックの時のラインコントロール、相手との間合いを考えた仕掛け方とか、ですね。ディフエンスに関しては1年間ぶれることなくやり続けることができました。自分の中でアタックがおろそかになっていたのですが、最後(アタック面が)上がってきたので、それを今季につなげて成長できればな、と思ってます。
川合:チームの話をしますと…正直負けた理由がわからなかった。
本当に日本一になれると思ってたし、その年はやれることはやったと僕は思ってて。
負けるときは負けるし、負ける理由があるし…。そこはキャプテン、リーダー陣と話し合って、戦術の理解だったり、コミュニケーションなどの追求なんかをやっていくことになるんですけど。
うーん…去年を振り返ると…
日本一になれると、思ってはいました。
(栗原のほうを見て)思ってたよね?
栗原:うん。
でもそれが甘かったっていう。
川合:負ける気はしなかったんだけどね。
栗原:やってることは間違ってなかったと思う。
(負けた理由は)わからないですけど、あの瞬間スクラムになって、何人が「勝った」と思ったか。そこが甘さだったのかもしれない。
だから今年は、圧倒しにいくという思いでやっています。
川合:その分、去年の悔しさは無くならないですよね。今までの慶應は「あと1点、あと2点、惜しかったね~」と褒められて、「よし、今年は頑張ろう」となってたと思うんですよ。
でも、特にあの時出ていたメンバーは、その悔しさが残ったまま今年に入っているので、去年は今年まで続くような悔しさが残るようなシーズンだったと思います。
――その敗戦で上級生が引退し、始まった新チームの特徴は
栗原:今年のテーマとして”UNITY”というのを大きく掲げています。
まとまりの部分で、ディフエンスもアタックもコミュニケーションをとったり、ほころびのないまとまったチームを目指しているので、春からはそこを見てほしいです。ディフエンスもアタックも一体感を大切にしたいと思っています。
――”UNITY”というスローガンは部内全体で決まったのですか
栗原:徹さん(栗原HC)が考案して、部員に「どう?」と提案してくれました。僕たちも考えていたことは一緒だったので、「それでお願いします」となり、決まりました。
――新HCはどんな方なんですか
栗原:偉大なお父さん…ですかね。チームのお父さん。
プレーヤーとして一流だけど、特別威張ったりするわけではなく、常に低姿勢。教え方も常にポジティブで、選手を立たせてくれる。オフグラウンドでも積極的に接してくれて、久しぶりに会った選手や、入院してしばらくいなかった選手に「おお!久しぶり」と声をかけてくれたり。選手全員を、チームの一員として迎え入れている感じがあります。
そういう雰囲気を見て、よく川合なんかと「パパみたいだね」という話をしてますね。
川合:可能性を広げてくれる人。
監督が絶対否定をしないんですよ。どんなミスでも、否定をせずに次につなげるアドバイスをすることが多いと感じますね。選手も意欲が上がるし、そういう面で選手とのコミュニケーションがうまいな、と思います。
やっぱり罵声を浴びせると選手は違う方向を向いてしまうんですけど、教える際に選手の意見を聞いて、上に持ち上げてくれる監督ですね。
――HCが代わったことでラグビー自体に変化は
栗原:変わらないですね。スペースを見つけて、そこにアタックするというスタイルです。去年以上に必要になるのは、まとまりという部分。みんなでコミュニケーションを取ってやらないと、形としても判断としてもよくはならないと思うので、まとまりを重要視して取り組んでいます。
川合:(戦術面の変化も)あるっちゃありますけど…
栗原:そこは言っちゃいけないよね(笑)
(しばらく間をおいて)
川合:ピンときました。
全員が判断して、全員が『リンク』するラグビー。
栗原:なんかなあ…(笑)
川合:FW(フォワード)がアタックしたら、BK(バックス)も連動して、全員が脅威になることで、相手のディフェンスも(全員を)見なきゃいけなくなる。全員でアタック、ディフェンス、というのは今年のチームの特徴、意識するようになったところですね。
でも全部つながってるよね、ラグビーのスタイルと、”UNITY”って目標。
栗原:まあそうだね(笑)
――おふたりが注目してほしい選手はいますか
川合:全員じゃないですか?
今年は、去年出てきてない選手が多いからこそ、組織で攻めることになるので全員がオプションになりますよね。誰か1人がどんどん抜けるチームではなくて、具体的には1人がボールを持って、2つのオプションがあったら、しっかり2人がどちらも突破役になれるようなチーム。組織のアタックをしているので、抜ける時はいろんな人が抜けるし、トライする時はいろんな人がトライすると思う。だからまずはチーム全体を見てほしいですね。
栗原:はーずるいねぇ(笑)
川合:あとは1年生がどれくらい出るかな、ってところかな~。意外と1年生もシニアチームに入ってきてるし…若手選手に注目です!
なんかすごい適当になっちゃった(笑)
一同:(笑)
川合:難しいなぁ…。
LO(ロック)の今野勇久(総1・桐蔭学園)、富沢友凱(経1・慶應)もいますし、BK(バックス)には中楠一期(総1・國學院久我山)達も…。
とりあえずその1年生達が出たら、応援してほしい(笑)
栗原:1人は、今年2番(HO=フッカー)の安田(裕貴=政4・慶應)に注目してほしい。今年はスクラムが大事になってくるし、彼は体が強いので、注目してほしいですね。
川合:金堂(眞弥=環3・城南)っていう選手がBKにいるんですけど、今年からシニアに上がってきて、セブンズでも活躍しましたし、彼にも注目してほしいですね。
栗原:(手をたたいて)あっわかりました!濱野(剛己=総3・桐蔭)、彼に注目です。
僕と同じ高校(桐蔭学園)出身なんですけど、めっちゃ熱いですよ。そいつもなんか狂ってるというか(笑) 。体を当てるのが好きで、いい意味で狂ってます。僕はそういうクレイジーなところ、好きです。いうなれば魂プレーヤー。ほんとに魂で魅せてくれる。今年は体も大きくして、試合にも多分出れますし。体張ってくれます! いい意味で、狂ってる(笑)
川合:彼は目の下にホクロ、チャームポイントです。にやける時に目の下にホクロがあったら「あっ濱野だ」と思ってくれれば(笑)
――お2人が他のリーダー陣に期待することは
川合:やっぱり1つは、そのポジションごとで、チーム力というか、スキルを上げていってほしいですね。そのポジションを引っ張っていってほしい。ポジションの中でもリーダーシップが取れたり、能力が高い選手を選んだので、ポジションリーダーがそのポジションのみんなを巻き込んで一緒に成長してくれたらな、っていうのはあります。
あとは、去年と同様、3年生をリーダー陣にいれています。UNITYというテーマ通り、1年生から4年生まで、全学年が意思疎通できて、頑張れるチームを目指しているので、下の(学年の)意見を引っ張り上げてくれるように、またチームを引っ張ってくれるように、3年生をいれています。
だから、3年生のリーダーは大事だよね?
栗原:うん。
川合:下級生とのつながりという面で、3年生のリーダー陣は本当に重要になってくると思います。
――「全学年で意思疎通」という言葉が出てきましたが、蹴球部は総勢100人を超えるような規模の集団です。1年生から4年生まで全員が関われるような取り組みとは
川合:いい質問ですねえ~(苦笑)
やっぱり、普通にしてたら関われないんですよね。だからこそ、そういう場を設けることを大切にしています。春は、週4回ミーティングをしましたが、それもただのミーティングではなくて、1~4年生まででグループになってディスカッションという形にして、みんなで考え発言する、意見を交わす、共通認識をもつことを目標にしたり。
食事の時間にも、全学年が混じれるような席配置にしたりだとか、オフフィールドで1年生から4年生が関われるような環境つくりを意識してやっています。
そうだよね?
栗原:うん。
川合:主将副将だからこそ、チーム全体に働きかけることができるので、そうした(全学年が)関わるための環境をつくっています。だから、関われます。
栗原:まさしくそうですね。
――その環境づくりはおふたりで話し合って決めたのか
川合:そうですね。チームが始まってから、1年生から4年生全員の力がないと勝てないチームだよね、って話はしていたので、あとはリーダー陣の意見だったり、監督コーチの話を色々聞いていきたいな、と思っています。
――春季大会は秋の対抗戦と違って全国大会へは繋がりませんが、選手目線でその位置づけとは
栗原:対抗戦に向けて競争が始まります。一試合一試合準備をして、いいパフォーマンスをすることが大事です。今までやってきたことを春にやってみて、課題とか、また他にもできる事が見つかってくると思うので、それを夏合宿で修正して、秋のシーズンに挑む、という流れです。
そういう意味では、ミスがまだ許されるチャレンジ期間という位置づけですかね。そこでいきなり本番ではなく、たしかに公式戦だけど、その中でもしっかり意欲的にチャレンジ精神をもってやっていける期間です。
春で修正してシーズン、ってイメージ…かな。それぞれのチームでやってきたことがやると思うので、それを一回試す、やってみる機会になります。
――今シーズン、警戒している大学はありますか
栗原:早・明の2校ですね。帝京さんももちろんですけど。伝統校が最近強くなってきて、明治は特に去年も(大学選手権で)優勝しているので。去年は伝統校がベスト8に3校、4に2校残っていましたし、そのほとんどは去年のスタメンが多く残るので、この2校は特に警戒しています。
川合:毎年明治はしっかり勝ってくるチームなので、毎年警戒しています。早稲田は去年負けているチームというのもありますし、しかもメンバーはほとんど僕たちの同期で、ほとんど残っています。それでいて去年あれだけの成績を残していますから、やはりあの2校は警戒しますね。あっちが警戒してるかは別ですけど。(自分たちは)伏兵みたいに(周りが)「えっ」ってなるチームになりたいよね。てか絶対あいつら俺らに興味ないよね~。
栗原:意外に警戒してるよ、めっちゃ警戒してる。
川合:騙されてるんじゃないの?「俺たちは、お前たちを警戒している」なんつって。
栗原:そんな言い方してないよ(笑)
――川合さんにとっての要注意人物は
川合:あんまりいないんだよなあ…
日向(HO武井日向 明大主将)くらいかな。日向はいい選手ですよね。
日向も小さいじゃないですか、僕も小さいじゃないですか。僕、自分より小さい選手には絶対負けないって決めてるので、そうなると日向が(候補に)出てくるんですよ。でも日向、強いんですよ。だからこそ負けたくないんですけどね。
――では最後に、今シーズン通しての目標をお願いします
川合:うーーん…
栗原:…先言っちゃうよ?(笑)
川合:どうぞどうぞ(笑)
栗原:僕はアタックに関しては、ずっとフィジカル、って感じでやってきたんですけど、今年はそこに加えて、いろいろスキルの面でチームに貢献出来たらと思っています。今まで2年間試合に出てきて、フィジカルの面で相手に嫌がられていたと思います。ちょっとは(相手に)見られると思うので、周りをうまく生かしながら、突破口になれればと考えています。
ディフェンスは変わらず、しっかり横と連携取りながら、個人としても、ドライブして、倒して、ターンオーバー、ということを意識して自分の形でタックルに入れるようにしていきたいです。
川合:決まりました!今年は「ディフェンス型」フランカーです。
――「攻撃型フランカー」を掲げていた昨年までとは大きく変わりましたね。その理由はなんですか
川合:もうアタックには自信があるので…
栗原:かっこいい!
川合:そうですね(笑)
一同:(笑)
川合:それ(アタック)で生き残ったり、勝ち抜いてきた選手なので、正直アタックには自信があります。そこは変えずに、もっと良くするところは良くしていければな、と。
今年はディフェンスでチームを支えていきたいですね。そこまでディフェンスが得意とか言ってこなかったんですけど、今年からはチームの流れをディフェンスから変えたり、みんなが辛い時に、自分がまず体を張って相手を倒したり、しっかり全体を見渡してフォワードマネジメントできるように、というところですね。
そういう面で、今年はディフェンスに力を入れようかなと思っています。
――チームとしての目標はいかがですか
栗原:日本一です!
川合:そうですね。「圧倒して」日本一です。
――お忙しい中ありがとうございました!
(企画)
――今回の連載ではみなさんに「印象に残っている春の思い出」をお聞きしています。今までで1番印象に残っている春はどんな春ですか?
栗原:大学1年の春ですね。入学してからずっとリハビリで、その時はもどかしいというか、早くチームに貢献したいという思いがありました。ちょくちょく川合も試合に出ていたので、それを見て「悔しいな」とずっと思ってましたね。
だから大学1年の春は、苦い思い出。早く試合に出たい、という欲がありました。
川合:僕は昨年度の春ですね。3年生として幹部に選出されたのですが、春シーズン思うようなプレーができず、チームに貢献できない、という大きな挫折がありました。その時は、監督やほかの選手に支えられましたし、自分自身もチームのリーダーとして、一人の選手として成長できた春だったのかな、と思っています。
(取材:野田快 写真:竹内大志)
関東大学春季大会Aグループ 慶大日程
5月12日(日)vs流通経済大@流経G 13:00 K.O.
5月19日(日)vs帝京大@帝大G 13:00 K.O.
5月26日(日)vs早稲田大@南長野運動公園 12:30 K.O.
6月9日(日)vs大東文化大@慶大G 13:00 K.O.
6月16日(日)vs東海大@東海大G 13:00 K.O.
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