大型連休も明け、ついに今大会もクライマックスを迎えた。慶大の選手が次々と準々決勝で姿を消す中、快進撃を続けるルーキーコンビの佐藤南帆(環1・日出)・永田杏里(総1・南山)組が決勝戦へ進出。佐藤はシングルスでも準決勝を突破し、単複いずれも慶大の選手が決勝戦に臨んだ。迎えた決戦の日、先に行われたシングルスで佐藤がストレート勝ちを収めると、その後のダブルスも圧倒的な強さを見せつけ快勝。今大会の二冠を慶大女子部が独占する快挙となった。
2019年度関東学生テニストーナメント大会
2019年5月7日
@早稲田大学東伏見テニスコート
2019年5月6日
@慶應義塾大学蝮谷テニスコート
◆女子シングルス
決勝
〇 佐藤南帆 | 2 {6-4、6-1} 0 | 清水映里(早大) |
準決勝
〇 平田歩 | 2 {6-3、2-6、6-3} 1 | 吉田明日香(明大) |
〇 佐藤南帆 | 2 {6-4、6-1} 0 | 日暮春香(駒大) |
◆女子ダブルス
決勝
〇 佐藤・永田 | 2 {6-0、6-2} 0 | 中島・南(亜大) |
準決勝
〇 佐藤・永田 | 2 {6-3、6-1} 0 | 朝倉・松田(亜大) |
準々決勝
○ 佐藤・永田 | 2 {6-3、6-4} 0 | 大村・望月 |
● 黒須・今田 | 1 {1-6、7-(4)6、2-10} 2 | 中島・南(亜大) |
5月7日
シングルス決勝
ついに訪れた春関決勝の日。関東学生の頂点を決めるべく、激戦を勝ち抜いてきたファイナリストたちが早大東伏見テニスコートに集結した。
初めに行われたシングルス決勝戦では佐藤南帆(環1・日出)が早大エース・清水映里と対戦。試合は序盤から激しい打ち合いを続けるハイレベルなテニスが展開された。果敢に前に攻める佐藤に対し、その頭上を抜くロブショットなどで清水も応戦。互いにセットを取り合う中、佐藤が強烈なサーブで相手を崩し、ここで流れをつかむ。ラリー戦に持ち込む相手にも動じず、6-3で第1セットを先取すると、第2セットでもペースを落とさない。相手に一切の隙を与えない完璧なプレーで試合を進め、結果は強敵相手にストレート勝利。本戦からの出場となった今大会、佐藤は全ての試合で1セットも取られることなく見事頂点まで上り詰めた。
ダブルス決勝
午後に行われたダブルス決勝戦には、佐藤と永田杏里(総1・南山)の1年コンビが登場。佐藤のサービスから試合が始まると、二人は相手の隙を突くストレートアタックや鋭いコースに落ちるボレーなど、多彩な攻撃でゲームの主導権を握る。第1セットを驚異のラブゲームに終わらせると、続くセットでも完璧なコートカバー力で相手の攻撃を拾い、試合は完全に佐藤・永田の独壇場となった。終盤、相手選手の攻撃が徐々に決まり出し2ゲームを奪われるも、反撃もここまで。決勝の舞台にも臆することなく終始圧倒し続けた佐藤・永田組がこの試合を制し、慶大女子部の二冠を成し遂げた。
5月6日
シングルス準決勝
シングルス準決勝に登場した佐藤南帆(環1・日出)。ここまで全てストレートで勝ち進む佐藤はこの日も序盤から相手を圧倒。相手の隙を突く強烈なショットを連発し、付け入る隙を与えない。その確かな実力を遺憾なく発揮した佐藤は6-0、6-1と準決勝とは思えないスコアでこの試合を締め、鮮やかに決勝進出を決めた。
平田歩(総2・岡山学芸館)は昨年のインカレ室内チャンピオン清水映里(早大)との対戦となった。タイブレークまでもつれた第1セット、必死に食らいつく平田だが5-5から勝負強さを見せた清水に2ポイント連取を許し、惜しくもこれを取り逃す。しかし、「エースを取りに行こう」と臨んだ第2セットは攻めたボールで見事相手を打ち負かし、セットカウントを1-1に並べた。迎えたファイナルセット、シーソーゲームが続く中、5-5からまたしても清水がギアを一つ上げる。緊迫した場面にも動じない貫録あるプレーに平田は押し負け、5-7で力尽きた。女王清水に屈した平田はベスト4に沈んだ。
ダブルス準決勝
準々決勝と同日に行われたダブルス準決勝、ベスト4入りを決めた1年コンビの勢いは止まらなかった。鋭いコースに打ち込まれる佐藤のストロークや、高い身長から繰り出される永田の強烈なサーブを前に、相手選手は返球もままならない。積極的にネットへ詰めてポイントを重ねると、6-3、6-1と2セットを連取し試合終了。佐藤・永田は1セットも取られることなくこの日のゲームを終え、堂々の決勝進出となった。
ダブルス準々決勝
大躍進を見せる慶大のダブルスから、まずは黒須万里奈(環2・山村学園)・今田穂(環1・啓明学院)組が登場した。立ち上がりに苦しむ2人はテンポ良い相手の攻撃にペースを乱され第1セットを大差で落とすも、続くセットを粘り強いラリーで渡り合う。タイブレークでは上級生の黒須が攻めたボールで引っ張り、1セットを返上。何とか繋いだスーパータイブレークだったが、相手選手のポーチボレーがトントンと決まり2人は失速。最後は6ポイントを連続で落とし、悔しい敗戦となった。
もう一方のダブルス準々決勝では佐藤南帆(環1・日出)・永田杏里(総1・南山)組と大村千乃(総3・九州文化学園)・望月菜々子(環3・白鵬女子)組が激突。力強いサーブと巧みなネットプレーで突き放そうとする佐藤・永田に対し、大村・望月は勢いあるプレーで対抗。どちらのセットも中盤まで拮抗した試合が展開されるも、最後は大村・望月がサーブレシーブで崩され失速。セット終盤にかけての強さが光った佐藤・永田が同士討ち対決を制し、準決勝進出を決めた。
(取材:堀口綾乃)