6月9日(木)
慶應義塾大(東京六大学連盟代表)ー愛知学院大学(愛知大学野球連盟代表)準々決勝
東京農業大学生物産業学部との2回戦に勝利し、迎えた準々決勝。相手は愛知大学野球リーグ一部で3季連続Vを成し遂げた愛知学院大。好投手を擁する粘り強い野球に苦しめられたが、9回に伊場(政4)のスクイズ、阿加多(法3)のタイムリー三塁打で一挙3点を奪い、勝ちこしに成功した。投げては先発・竹内大(環3)が9回を1安打1失点で抑える完投勝利。これで慶大は昨春に続き2大会連続のベスト4に進出した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ||
慶大 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 |
愛知学院大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
慶大出場選手
ポジション | 選手名(学部学年・出身高校) | |
1 | [8] | 辰巳(文3・郡山) |
2 | [4] | 金田(政4・土佐) |
[R] | 川島(政3・岐阜) | |
[4] | 千々和(商4・慶應) | |
3 | [5] | 山﨑錬(商3・慶應) |
4 | [9] | 伊藤(環4・中京大中京) |
5 | DH | 伊場(政4・慶應) |
6 | [2] | 阿加多(法3・慶應) |
7 | [7] | 宮本真(政4・慶應) |
8 | [3] | 渡邊暁(商2・慶應) |
[H3] | 鈴木裕(商3・慶應) | |
[H] | 影山(総3・鎌倉学園) | |
[3] | 神田(経4・慶應志木) | |
9 | [6] | 福富(商3・慶應) |
投球回数 | 安打 | 三振 | 四死球 | 失点 | 自責 | |
竹内大(環3・中京大中京) | 9 | 1 | 4 | 2 | 1 | 0 |
この日の先発マウンドに上がったのは竹内大(環3)。今季徐々に調子を上げてきたエースに期待がかかったが、2回に味方の失策から1死3塁のピンチを招く。ここで愛知学院大が仕掛けてきたスクイズを一度は空振りで防ぐが、続く狭殺プレーで捕手・阿加多(法3)がまさかの暴投。思わぬ形で先制点を許してしまい、慶大にとっては嫌な展開となる。
援護したい打線の反撃は失点直後の3回。金田(政4)と伊場(政4)の安打に相手の失策が絡んでつくったチャンスからワイルドピッチですぐさま同点に追いつく。慶大は相手のミスに乗じて試合の流れを手放さない。しかしその後は毎回のようにランナーを出し得点圏に進めながらもあと一本が出ない。
ようやく慶大の攻撃が得点に結びついたのは9回だった。先頭の金田が四球で出塁しワイルドピッチ、山﨑錬(商3)の進塁打で1死3塁とすると4番・伊藤(環4)は敬遠気味の四球で歩かされる。ここで打席にはDHで出場している伊場。勝ち越しへの絶好の場面で江藤監督が出したサインはスクイズだった。伊場のバントは投手前に転がるが俊足の代走・川島(政3)の好走塁もあって間一髪セーフ、慶大がこの試合初めて勝ち越しに成功する。さらに続く阿加多が左中間にダメ押しのタイムリー三塁打を放ち、試合を決めた。
先発・竹内大は直球と変化球をうまく織り交ぜる投球で相手打線に的を絞らせず、築いた内野ゴロは16個。打たせて取る投球スタイルで許した安打はわずか1本、投球数は86球という素晴らしい投球を見せ、今季初の完投勝利を挙げた。
4-1で逆転勝利を収めた慶大は2大会連続のベスト4進出を決めた。準決勝の相手は東京新大学野球連盟代表・東京国際大学。広島東洋カープを日本一に3度導いた名将・古葉監督に率いられ、主戦・伊藤を中心に守りの野球を展開する好チームだ。プロ出身の監督対決としても注目を集める一戦だが、昨春逃した日本一を達成するには勝利するしかない。頂点まであと2勝――。「陸の王者」慶大は止まることなく突き進む。
By Yasuhiro Namimatsu
選手コメント阿加多
(ダメ押しタイムリーの場面の心境は)自分のエラーで一点取られて、その後も2回ぐらい自分にチャンスで回ってきたが、自分で取り返してやろう、決めてやろうと思って打てなかった。一点勝ち越してくれたので、何も考えず思い切り打ったら結果的に抜けてくれてよかった。(失点の場面は)スクイズが万が一あってもいいという形で守っていて、空振ってくれたので(狙い通り)いい感じだったが、焦ってしまった。負けちゃいけないというのがあって、少し引きずったが勝てて良かった。(竹内大の調子は)そんなに良くて変化球もまとまっているという感じはなかった。相手が初球からポンポン打ってきてくれたので大助もそれで結構のっていけた。(リードするうえで心がけたことは)相手に合わせるのではなく、大助がいかに自分のピッチングができるかを考えてリードしている。(準決勝の意気込みは)勢いある相手だが、相手に合わせず自分たちの野球をするということを忘れずにどっしり構えてやりたい。
竹内大
(今日の投球を振り返って)最後まで投げようと思っていた。最近は投げ切ったことがなかったのでやっとという感じ。ほっとしている。(先制された場面は)びっくりした笑。同点になってからは野手の守りに助けられて、粘ることができた。(大学選手権での登板は)もともと先発として初戦から行くかもとはいわれていたので、昨日も準備はしていた。(次戦に向けて)特別な意識があるかもしれないが、自分たちの野球をするだけだと思っている。
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