左から立石、江原、中居、持田
来たる5月19日、今年も日吉陸上競技場で早慶ラクロス定期戦が開催される。今回慶應スポーツはそんな熱き戦いに臨む慶大選手たちの特別対談を4日連続でお送りする。四日目にお届けするのは挑戦者として今季のリーグ戦に臨む男子部から、江原健(経4・慶應義塾)、中居諒介(経4・慶應義塾)、持田靖也(経4・洛西)、立石真也(法3・慶應義塾)の4人のAT対談だ。早慶戦にかける思いから今後のチームに関する話まで、様々なことをお話いただいた。
(取材日:5月12日)
――まずは隣の人の紹介をお願いします
江原→立石:立石は、慶應随一のエースでオフェンスにおいては何をとっても一番上手い存在です。1年生のころは自分でガンガン行くようなタイプだったんですが、上級生になるにつれて人を生かすプレーもできるようになってきて、オールマイティーになりつつありますね。性格面は気さくで、プライベートでも仲良いですね。
立石→中居:中居さんは、ボール持った時の怖さがミディーの中でトップクラスだと思っていて。自分でシュートまで決め切れる能力が高い選手だなと思います。足もシュートも早くて、1on1が強いです。性格は自分からガツガツ話すタイプではないんですけど、心の中の熱さがたまに感じられます。
中居:いい回答だ(笑)
持田:満点だな(笑)
中居→持田:持田は器用な人だなって思えるプレーが多いです。ずば抜けて身体能力が高いわけではないんですけど、シュートも打てるし1on1も上手いしパスも出せる、器用さはチーム内でずば抜けてるなと思います。性格は、よく言えばムードメーカーという感じで、悪く言えばうるさいです(笑)。アメリカと関西のハイブリットです。
持田→江原:江原は、大学2年生から試合に出てたのかな?すごく試合経験が豊富が豊富で。プレースタイル的には堅実なプレーが多くて、去年まではうまく攻撃を回す、縁の下の力持ち的な存在でした。今年はそれに加えてシュート力も上がってきましたし。
江原:それそれ!(笑)
持田:点の匂いがプンプンする存在です。司令塔としてオフェンス自体をまとめてくれているので、江原が出ているときはすごくやりやすいなって感じます。人柄は、常に明るく、あんまり落ち込んで塞ぎ込むことがなくてオープンというか。そこに助けられている部分はすごく大きいです。
――ご自身の背番号の理由などはありますか?
江原:僕は1年から1番を着けていて。でも本来は留学に行っていた先輩の番号だったんですよ。でもやっぱり1番が良くて、ラインでお願いして頂きました。
――なぜ1番を
江原:一桁奇数がかっこいいじゃないですか!
中居:浅い浅い(笑)でも江原は中学時代キーパーでずっと1番を着けていたので、そこからずっと1番?
江原:高校時代は7番を着けていたんですけど、7と1似てるじゃないですか(笑)もちろんそのゴーリーの先輩は尊敬しています。
立石:僕の3番は、一昨年主将だった井上裕太さんが付けていた番号で。ラクロス面でもプライベート面でもすごく尊敬している先輩なので、くださいという風に連絡して頂きました。
中居:僕の8番は、僕が大学1年の時のミディーリーダーの大坪さんが付けていた番号なんですけど。慶應の8番はミディーの中で一番上手い人が付ける番号なので大坪さんにお願いしたんですけど。当時先輩だった磯部さんも大坪さんにお願いしていて。大坪さんが考えに考え抜いた結果、僕と磯部さんでじゃんけんをして勝った方がもらえるということになって。
江原:じゃんけんだったんだ(笑)
持田:見たわ、そのじゃんけん(笑)
中居:僕のパーが磯部さんのグーを撃ち抜いて、僕が8番になりました。
一同笑
持田:僕の51番は、僕が大学1年生の時の大学4年生で仁熊さんという方がいらっしゃったんですけど。僕は大学生からラクロスを始めたんですけど、初めて見た試合が早慶戦で、一人だけ奇妙な動きをしている方がいて。普通のプレートは違ってジャンプしたり飛び込んだり、顔も知らなかったんですけどめちゃくちゃファンになって。そこまで仁熊さんとは仲良くなかったんですけど、ずっと憧れだったんで。最初はATになりましたし。試合の後に書く日記リレーってものがあったんですけど、そこで仁熊さんへの思いを書いて。そういう思いで仁熊さんに連絡したら、お前しかいないと言われて、51番をもらいました。
江原:告白成功だね(笑)
立石:マッチングしてるわ(笑)
持田:僕にとって51番は本当に重い番号なので、誰にも渡したくないですね。
――昨シーズンを振り返って
江原:自分の色が出せなかったシーズンかなと思います。一昨年とかの方が試合に出ていたし。あんまり自分のやりたいプレーではなく、それを押し殺しながらプレーしているイメージがありましたね。
立石:チーム全体だと、結構有名選手というかタレント揃いだったとは思うんですけど、その歯車が噛み合わなかったなというのが終わってみての感想で。そこがもう少し噛み合えばもっといいラクロスができたんじゃないかなと思います。僕個人でいうと、2年前から自由にやらせてもらえてる中で結果があまり残せなかったので、そこは今年改善したいです。
中居:昨シーズンは個人的に悔いが残るシーズンで。点を決められて試合が少なくて選手としての価値が見出せなかったというのがあって。真也も言ってたんですけどチームとして歯車がうまく噛み合ってない部分があって。最後の試合も絶対に勝てたなというのがあったので悔いが残るシーズンでした。
持田:去年は4年生が強い代で、去年はこの2名以外全員4年生がミディーとして出場していたんですけど、僕的にはすごくいいチームだったなというのは思っていて。組織面もプレー面もみんなすごく考えながらプレーしていたなというのは思います。この代より真面目な感じで。
中居:みんなストイックでしたね。
江原:昭和っぽかった(笑)
持田:雰囲気もすごく好きで、主将だった浅岡大地とは仲が良かったというのもあるんですけど。主将なのに組織面のことはほぼせずにずっとラクロスばっかやってて(笑)ラクロスへの姿勢を背中で見せてくれた選手だったんですけど、結果が伴わなかった。でも、いいチームだったと思います。
――新チームとなって、ラクロス自体に変化は?
江原:人に合わせることができる選手が多いなという印象です。リーグ戦経験者が本当に少なくて、新1年生や新2年のアーセナル出身者がどんどんAに入っているという感じだったんですが、個々人の長所を出し合ってなんとかチームとして成り立っているなって感じです。ここからの伸び率は非常に大きいと思います。
立石:若い選手が多いチームなので、その勢いがいい方に転ぶか悪い方に転ぶか左右するのはリーグ戦経験者の僕たちだと思うので。そこは僕たちが引っ張っていけたらいいなと思います。
持田:みんなが言っているように枠がないというか、ポテンシャルを秘めている選手が多くいて。これからが楽しみなチームですね。
――Final4での敗退後、始まった新チームの目指しているチームは?
江原:目指しているオフェンス像でいうと、目を合わせただけで何を考えているかわかるというか。そのレベルになるまで練習内、外でコミュニケーションを取っていきたいですね。
立石:目指しているチーム像でいうと、僕は去年と一昨年とかに比べると同期とか後輩が多くなってきて。個人的にも同期が増えて嬉しいっていうのがあるんですけど。選手全員で高め合って、来年、再来年にもつながるいいチームを作りたいですね。
中居:ミディーのポジションリーダーとして、例年慶應はミディーが点を取れないという風に言われていて。でも今年はその中でも点を取れる選手が多くいるなという感じがするので、今年の慶應はミディーが強かったと言われるようなミディー陣にしたいですね。
持田:もう言うことないですね(笑)
江原:次から逆回りで行きましょう(笑)
――春の六大学戦を振り返って、手応えや課題などは?
持田:早稲田戦以外は点が取れずロースコアで終わってしまったと言うのが現状で。ただ早稲田のような強敵以外でも自分たちの本来の力を出せるように、試合経験のある僕たちでフォローしていかなきゃならないなと再認識しました。
中居:手応えとしては、下級生ばかりのチームで六大学戦どうなるんだろうという不安があったんですけど。でもチームとして守る、チームとして攻めるというのがうまくできていたので。3か月間やってきたことは無駄じゃなかったなと感じました。
江原:課題でいうと、ベストメンバーでない時が弱いなというのがあって。一つ歯車がなくなるだけで点が決まらなくなってしまうチームになっているので。そこに割込めるというか、補える選手が今出つつあるので、これからもバンバンそういう選手に出てきてほしいなと思います。
――早慶定期戦は選手目線でどういう風に捉えているのでしょうか?
持田:早慶戦は中期目標として、今年はリーグ戦と同じくらい重視しています。そのぐらい大事な試合だと認識しています。個人的には今年が初めての早慶戦というのもあって。
立石:緊張しますよ~(笑)
持田:早慶戦は日本のラクロスの試合の中でも一番観客が集まる試合で、仁熊さんに憧れた場もここだったので、人一倍思いが強いですね。
――個人的にプレー面で注目している選手は?
立石:出た!この質問(笑)
中居:さっき根岸に言われたんだよな(笑)
江原:僕から言わせて頂きますね。僕は普通部時代サッカー部で一緒だった永井裕貴(経3・慶應義塾)ですね。大学からラクロス初めて、今年早慶戦に出るということなので、あいつのオンボール能力には期待しています。
立石:僕は同じポジションの小川司(商1・慶應NY)ですね。左手でも右手でもシュート打てるし、ラクロスが好きで熱い想いも持っているので、期待しています。ただ彼はあんまり喋らないタイプなので、もっと喋ってくれるとよりやりやすくなるだろうしチームにも浸透すると思うので、まだまだ伸び代があって楽しみです。
中居:同じミディーの選手で、根岸克(経3・慶應義塾)ですね。
一同(笑)
中居:彼は身体能力が高くない選手で、足も速くないしシュートが早いわけでもない。それでも自身の努力で、ん?努力はしてないか(笑)
持田:してるだろ(笑)
江原:影で努力してるよ(笑)
中居:彼は磨き上げられたスキルで観客を魅せるような、そんなプレーをしていて。早稲田戦はその磨き上げられたスキルで活躍してくれると思います。
持田:僕は同じポジションの添田大生(法2・慶應義塾)ですね。一番すごいのがイケメンというところで。サーファーみたいな髪型しててめちゃめちゃチャラいんですけど(笑)プレーは常人の動きではないというか、ヌルヌルしていて。
立石:ゴキブリみたいな(笑)
中居:壊れた人形みたいな(笑)
持田:そんな感じなのに点数決めたりとか。基本的にやる気ないような感じなんですけど、時々やる気見せて点決めたりとか。
江原:熱い部分持ってるよね。
持田:これから新株としてどんどん上手くなっていくんじゃないかなと思います。
――慶應らしいプレートとは?
持田:江原みたいに、スマートというか。
立石:パスの美学みたいなのありますよね。
持田:まず見た目が美しいんですよ。颯爽と動くというか、スマートというか。
――自分のプレーでここを見てほしい、だったりとか、個人としての目標などがあれば教えてください
立石:去年とか一昨年はシュートを見てほしいって言ってたと思うんですけど。シュートを決めるだけではチームを勝てせるのに不十分だと思っていて自分が引きつけていいオフェンスを作るというか、ゲームコントロールの部分も成長してきたと思うので、シュートにプラスしてそこも見てほしいです。
持田:僕はランシューですかね。1年生とか2年生の時は同期の中で一番シュートが遅いと言われてきたんですけど、去年くらいからサマになってきたので、自分で抜いて、点まで決めちゃうみたいな、そんなプレーを見てほしいですね。
中居:僕はオフェンスでの一対一ですかね。相手DFを切り裂くような、そんなドリブルを見てほしいですね。
江原:僕は真也と逆の順番になるんですけど。オフェンスコントロールキャラで生きてきたので、それに加えて今年は自分のシュートもあるんだよというのを見せたいと思います。
――早慶戦に向けて意気込みをお願いします
江原:今年ATリーダーとして、オフェンスをいろいろ考えてきて、例年と違うような面白いオフェンスを考えたので、是非見にきて楽しんでほしいと思います。絶対勝つので。
立石:絶対勝つことはもちろんなんですけど。初めてラクロスを見た人たちに、ラクロス楽しいなって思われるようなプレーをします。
中居:去年2回負けているので先輩の雪辱を晴らすような、そんな試合にします。
持田:初めてなんで、緊張しないように(笑)僕が点決めて勝ちます。
――ご協力ありがとうございました。
(取材・写真:五十右瑛士)
◇今回の注目選手◇
江原健(経4・慶應義塾)
慶大の攻撃をコントロールする縁の下の力持ち。
立石真也(法4・慶應義塾)
1年から出場する、慶應の”エース”。
中居諒介(経4・慶應義塾)
圧倒的なスピードでグランドを駆け巡る韋駄天。
持田靖也(経4・洛西)
元来のスピードと、留学時代に鍛えたフィジカルで憧れの”51”と同じ舞台へ。
◇第27回早慶ラクロス定期戦◇
5月19日(日)@日吉陸上競技場
女子大学戦:12:00ドロー
男子大学戦:14:10FO