第83回早慶バレーボール定期戦まであと3日。本日は、早慶女子主将対談をお送りする。早大・富澤結花主将(スポ4・文教学院大女子)と慶大・吉田佳純主将(環4・八女学院)のおふたりに、主将としてのモットーや最後の早慶戦に向けた意気込みなど、たっぷりとお話を伺った。
(※この取材は、平成最後の日、平成31年4月30日(祝)に早稲田スポーツ新聞会と合同で行いました。)
――面識はありましたか
吉田 そんなにないですよ…(笑)。
――お互いに今どんな印象をお持ちですか
吉田 強い(笑)。レベルが全然かなわないので…
富澤 そんなことないですよ。だって、知ってますよ!練習試合やったことありますよね、高校のとき。
吉田 覚えてますか(笑)?
富澤 NECにいませんでした?いましたよね?
吉田 いましたいました(笑)。絶対覚えていないと思って言わないでおこうって思っていたんですよ!
富澤 私、覚えているタイプなので(笑)。覚えてます覚えてます。赤いチーム!
吉田 はい!嬉しい!
――それぞれ早大と慶大に進学された理由を教えてください
富澤 自分は大学でもバレーを続けたくて、色々な大学を考えていて。一番最初は青学に行きたかったんですけど、高校の監督とかと色々と話していて、「早稲田から声掛かってるよ」って言われて、「頭良いし、いっか!」みたいな感じで決めました(笑)。そんな感じで、特に早稲田入りたくてとかではなくて、申し訳ないんですけど…(笑)。高校の先輩もいて、つながりもあるし安心できるな、って感じで入りましたね。
――そこまで早大のバレー部を詳しく知らなかったんですね
富澤 はい。強いっていうイメージが早稲田にあって、「私全然入れないわ」って感じだったんですよ(笑)。本当に早稲田に入りたいって気持ちを持てないくらい、上のレベルのチームだと思っていたから、全然考えていませんでした。
――吉田さんはいかがですか
吉田 私も特別慶應に入りたいっていう感じじゃなくて。私は(大学で)バレーをしないって思っていたし、そもそも福岡から出る気がなかったんですけど(笑)。でも私が高3のときに、大学3年生の慶應の先輩が私の高校の監督の方と知り合いで。それで「誰かいい子いない?」みたいな感じでお話しをもらって、「お前行ってみないか」みたいな感じで言われて。「じゃあ、挑戦だけしてみます」って受けてみたんですよ。結構記念受験みたいな感じで受けたら、そのままトントンと受かっちゃって。じゃあAO入試なのでバレーもしますみたいな感じで。私もあまり慶應バレー部のこともよく分からないまま入った感じでした。
――実際に入られてみて、自分の部活でここがいいなって思ったところはどんなところですか
富澤 伝統っていうのがすごくしっかりとしているかな。
吉田 確かに。
富澤 早慶戦もそうだし、OGさん・OBさんとのつながりもそうだし、そういうのがすごくしっかりとしていて。高校とか中学とかの学生時代ってあんまり無いから、やっぱり大学生になって大人とのつながりがしっかりしているのが、「うわ、大学生だー(笑)」って感じを感じるところはあります。
吉田 私もそれは本当に思います。OB・OGさんとのつながりがしっかりいて、すごく支援してくださるんですけど、それを当たり前のようにしてくださる。縦のつながりがすごいなって感じますね。あと、高校生までは結構指導者がガッチガチでやるみたいな感じだし、言われたとおりに動くみたいな感じだったんですけど、大学は結構学生主体。学生がなんでもかんでもメニュー考えたり、試合のチームとかも考えたりするので、こうやって考えさせられるんだなって。大学で体育会に入ってすごく意味があるなって思って、学ばさせてもらっています。そういうところがいいなって思いました。
――早稲田さんも学生主体なんですか
富澤 そうですね。ポイってされている感じで(笑)。良い意味でも悪い意味でもポイってされています(笑)。
――それぞれのチームのバレーの特徴を教えてください
富澤 今は素晴らしい1年生が入ってきてくれて。
吉田 そこですよねー(笑)。
富澤 すいません!って感じなんですけど(笑)。素晴らしい1年生が入ってきてくれて、その子たちがすごく引っ張ってってくれているっていう感じがあって。プレー面もそうだし、気持ちとかの面でも若い力がすごくて。今、早稲田は多分そういう感じで若い力に頼っているなあ(笑)。
吉田 若いっていいですね!キラキラしてますよね(笑)。なんか懐かしくなりますよね、自分たちが1年生のとき(笑)。
富澤 そうだったはずだよねって(笑)。
吉田 もっとイケイケだったよね、みたいな(笑)。めっちゃ思う!うちのチームはあんまり1年生とかが、とくにAO入試では入ってこなくて、本当に4年生チームっていう感じで。同期ばっかりですかね。
富澤 めっちゃ多いですよね、4年生が。
吉田 8人います。4年生が主流で入っているんですけど、まあ、レフトが強い…かな。どうしてもレフトに頼っちゃうチームっていう感じですね。
――今、友成さん(友成真由美=商3・城南)は3年生ですよね
吉田 その子が1人入っているくらいかな。他はみんな4年生なので。
富澤 そうなんだ。
吉田 よくない、本当に。若くない!若々しさがない!
一同 (笑)
富澤 でも、私は同期がいないのでいいなって思います。
吉田 そうなんですかね…でも4年生ばっかりいると、若々しさがないなってすごく感じることが多くて。ちょっと後輩を入れたりすると活気づくっていうのはありますね。よくない…(笑)。
富澤 いいですよー!
――お二人が主将に就任した経緯を教えてください
富澤 自分は入ったときから主将と決まっていたので…
吉田 えーすごい。かっこいい!
富澤 早稲田って結構、スポ推(スポーツ推薦)が主将って決まってるんですよ。なので、自分は入ったときに1人だけなので、去年の佳央理さん(森佳央理=早大H31卒・高崎女)と同じ感じで。
吉田 1人だけだったんですか?
富澤 スポ推は1人だけなんですよ。だから、入った瞬間に、4年になったら主将になる!みたいな感じです。
吉田 覚悟とかがあったってことですよね?
富澤 入った瞬間、覚悟です(笑)。
吉田 すごい。かっこいい!私は自分がなると思っていなかったんですよね。私よりしっかりしている子もいて、その子がなるんだろうなって思っていたんですけど…(笑)。一人一人監督さんと面接みたいなのをして最終的に決まった、って感じだったので、納会で発表されたときに「あっ、私なんだ」みたいな感じでした。
富澤 そういう感じなんですか(笑)?
吉田 そうなんですよ(笑)。自分も全然性格的にキャプテン向きじゃないので、本当にびっくりしました。私、まったく逆ですね(笑)。
富澤 そうなんだ!選ばれる感じなんですか?
吉田 そうなんですよ。
富澤 自分たちで決めるんじゃないんですか?
吉田 違います。
富澤 そうなんだ。
吉田 いや、毎年そうだったんですよ。でも、今年だけ違かったんです(笑)。
――何が決め手だったんでしょうね
吉田 分かんないんですよ(笑)。
――言われていないんですか
吉田 いやーなんですかね…面接のときに私が緊張せずにペラペラペラって喋ったのがよかったのかなって(笑)。分からないけど…
――主将になってみて変わったことはありますか
富澤 変わったこと…責任?責任をより感じるように。
吉田 責任、使命感とかが。
富澤 自分のことよりもチームのことを第一優先に考えなきゃいけないという風に思うようになりました。
吉田 休みの日とかもバレーのことを気付いたら考えていて、「あー、主将なんだな自分」って思うことは多々あるし、一番上の立場に立ったからこそ自分がちゃんとしていないとみんなに認めてもらえないんだろうなっていうのを感じるようになって。1・2年生の頃は結構チャランポランだったけど、しっかりしようって思うようになりました。
――主将になって大変だと感じることはありますか
吉田 意見が割れたときとか…?まとめるのとか大変じゃない?
富澤 私は結構ガツンと全部言っちゃうから…
一同 (笑)
吉田 いや、かっこいい!
富澤 だから、意見割れる前に「いや、違う」って言っちゃう(笑)。
吉田 強い!いいなー、私もそうしたい!
富澤 逆に、そうなると意見を言ってくれなくなるから大変かも。
吉田 なるほど。
富澤 まあ、「言え」って言って言わせるんですけど(笑)。
吉田 強い(笑)。
富澤 同期よりもプレーしているのは後輩のほうが多いから、後輩たちの意見をどう聞くのかとか、そういうのが大変かな。
吉田 でも、後輩は結構言ってくれる?
富澤 うん。聞けば、もうガンガン来る。
吉田 私たちはもう個性が強くて。私がかっこよく引っ張っていけるようなタイプじゃないから、結構バアーって言われてまとめるのが大変だし、自分がこれで正しいのかってすごく悩みながらになっています。でも私が主将なのに迷っていたらだめだなって思うときに、「あ~、やっぱり大変だな」って感じる。
――チームの雰囲気が落ちてしまったとき、不調なときはどうされてますか
富澤 めちゃめちゃ声は出しますし、だめだなって思うときは怒ります。
吉田 そうですよね。たしかに。それはもう、ビシッと言わなきゃですよね。
富澤 言わなきゃいけないときは言うし、そういう感じじゃない雰囲気だなってときは全力で笑わせにかかるくらいみんなを笑わせるようにしています。難しいんですよ(笑)。
吉田 でも、大事ですよね。私は逆に、練習中にダラダラとかしちゃったら「長くなっちゃったからこの練習メニュー削ろうよ」みたいな雰囲気になるんですよ、みんな。けど、「いや、やるから」みたいな感じでそのまま押し通す。そのあとにもう一回、「今日のままじゃだめだよね」って。「明日も同じメニューにするからみんな考えてきて」みたいな感じで終わりに言って、とかかも。ゲーム中に雰囲気が悪くなったら、私も普通に自分が誰よりも声を掛けて、とりあえず雰囲気を盛り上げるみたいな感じですかね。そうするしかないですよね…
富澤 私、練習中も結構止めちゃいます。「ちょっと、集合!なにそれ、ちゃんとやって」って(笑)。
吉田 すごいなー(笑)。でも、一回集まることって大事ですよね。
富澤 うん。そういうのは大事。練習のメリハリもつくし。
吉田 やっぱり、ダレますよね。
富澤 ダレますよ。
吉田 多分レベルは全然違うけど…(笑)。
富澤 いやいやいや!同じなんですよ、みんな(笑)。
――やっぱり、はっきり言うことが大切なんですね
吉田 でも、やっぱりチームのためって思ったら言えますよね。
富澤 うんうん。
吉田 嫌われるかもしれないって思うよりも先に、チームのためだからって思うと何も怖くない!って最近は思うようになった(笑)。
――主将としてやりがいを感じることは
富澤 まだ感じてない。
一同 (笑)
吉田 ストイック!ストイックやー(笑)。それはなんで?
富澤 なんでだろ。えー…
――楽しいって思うことでも…
富澤 ないないない(笑)。
吉田 えー(笑)。楽しいというか、涙が出そうになるときは後輩の成長を…
富澤 あー、それは本当に分かる!
吉田 後輩が成長した姿とか、同期が今までよりもやる気出して練習に取り組む姿とかを見ると、「チームのために色々考えたり悩んだりしたことが無駄じゃなかったな」っていうのはすごく感じますね。でも、それが結果につながらなければあれなんですけど(笑)。
富澤 そう、結果が出たらきっと感じる(笑)。
吉田 まあ、ちょいちょいそういう姿を見て嬉しいな、やってよかったなっていうのは感じます。
富澤 いやー、どうだろ。まだまだだな。勝ったら(笑)。
吉田 勝ったらね!結局ね(笑)。結果が出たらね、すっごくうれしいと思う。
――主将として、「これはぶらさないぞ!」というモットーはありますか
吉田 単純に誰よりも声を出すとかですかね。あとは周りを見るとかかなー。自分が周りを見えなくなったら、多分チームもどうしていいか分からなくなって方向性がバラバラになっちゃう。自分が声を出さなかったらきっとチームはまとまらないし、私はもともと結構ムードメーカー的な役割もあったので、「ムードメーカー+主将」みたいな感じでチームでは振る舞おうかなって思ってます。
富澤 ぶらさないっていうと特にないし、いつも通りやることがぶらさないことだと思うけど…私は結構諦めやすいんです。やりたくないって思っちゃって。
吉田 えー、そういう風に見えない(笑)。
富澤 いやいやいや。本当にすぐ「あーもうめんどくせー」みたいに、試合中とか思っちゃてたんですけど、今までは。それを思わないようにする(笑)。自分が諦めたら多分終わりだから、どんな劣勢のときだって絶対に諦めないでやるっていうのはぶらさないようにしています。
吉田 へー、全然見えないけど…
富澤 いやいや。すぐ「やりたくねーな」って爪いじって(笑)。
吉田 主将やってたらやばいな(笑)。主将終わってるよー、大丈夫かなーみたいなね(笑)。
――最上級生かつ主将という立場になって実際にリーグを迎えてみて、ここまでのチーム、そして主将としてのご自身を振り返ってください
富澤 (新しい)チームができて、チームをどう作っていくかもすごく大変だったし、あとは3月になって新入生が入ってきて、その新入生をどう巻き込んでいくかも大変だったし、その中でチームを作っていく、バレーを作り上げていくっていうのも大変だったし…(笑)
吉田 うん。
富澤 やっぱりゲームが始まると、まあ色々問題が出てくるから(笑)。
吉田 そうね、出てくるね(笑)。大変ね。
富澤 後輩たちの意見、自分の意見、はたから見ている意見とかも全然違うから、そういうのも聞いて、これはこうしようって最終決断を下すのもつらいし。
吉田 そうね、たしかに。
富澤 だから色々と辛いことあるけど、とりあえずはまあ、うまくいっているんじゃないかな(笑)。OBさんとかOGさんとかに「良いチームだね」って言われることも多いです。
吉田 いいね。そう感じられるのはすごく良いね。私たちは3部だったんですけど、降格しちゃったんですよね。私たちの代から昇格に向けての取り組みをしていかなきゃいけなくて。やっぱり昨年までと同じことやっていたら絶対に上がれないよね、だから何か変えなきゃって。結構変革の代かなって思って。今までやっていなかったんですけど、トレーナーさん呼んでトレーニングをしたりとか。栄養指導とかも。
富澤 わーすごい!
吉田 他のチームどうしてるの?って聞きに行って、そういうのを入れたりして。練習時間も増やしました。最初はみんなやっぱり体力が追い付いていかなくて。うちはできる子とできない子の差が結構激しいから、それをどう埋めていくかっていうのもすごく悩んだんですけど、上が一生懸命すれば、下の後輩たちはついてきてくれる。試合が始まるにつれて、気持ちがみんな高まってきたし、身体的にも仕上がってきて。私たちもOB・OGさんとかが練習に来てくださるときに、「良いチームだね」って言ってもらえるようになって。「久々に見たけど上手になったね」って言ってもらえると、「私たち成長できたんだな」って。なので、充実しているのかなと思います。
――(取材当時)新シーズン1ヶ月が経過しましたが今後の修正点はどういったところでしょうか
富澤 直した方が良いところかぁ…プレー面だと、みんな思いっきりやりすぎてミスが多い。
吉田 良いことだけどね!
富澤 良いことなんだけど、ミスが多くて。この前負けたのも、色々な意味で、全部思い切っていこうとしすぎてミスが多かったから、そういうところを直せれば、もっと強くなるだろうって。あとは、普段だらけているわけじゃないんですけど、みんなすごく喋るんですよ。いいんだけど、そのメリハリをもっともてれば、緊張感だったり、空気がぴりっとしたりっていうのが出てくるのかな。
吉田 そうね、喋るよねー、わかる。
富澤 みんな喋る。
吉田 でも元気そうだなぁ。うちは逆に…バレーじゃないときはすっごく騒がしいし、結構うるさいなって思うことはあるのに、いざ試合になると縮こまるというか、自信のなさがプレーに出ることが多い。だからもうちょっと今までやってきたことを自信に変えてやれば、もっと試合で良いプレーとか結果が出るのかなって思います。
――お互いに質問してみたいことはありますか
富澤 (慶大には)4年生がいっぱいいるって言っていたじゃないですか。私は高校のとき、ほとんどチームが同期だったんですよ。だから後輩とやるっていうのが逆に初めてで。
吉田 えー(笑)!
富澤 そんなレベルで。自分が一番上の学年になったときっていつも同期がいたから、不安なことがあっても、自分が調子悪くても、同期がいるっていう心強さがあったんですね。今、(慶大が)同期とやっているのがすごくうらやましくて。
吉田 え、そうなん?へー!
富澤 そう。だから、いいなぁって思うんだけど…(笑)。質問じゃないかもしれないんだけど…同期のほうがよくない(笑)?
吉田 えーうそー(笑)!同期ね、良いときは良いけど、悪いときは一緒に沈んじゃう。うちのチームは、誰も喋らなくなる(笑)。なんかわからないけど、どんどん一緒に落ちていくけん、おいおい、みたいな感じになっちゃう。逆に後輩がいると、「後輩のために」みたいな、「後輩がいるから私たち頑張らなきゃ」みたいな感じになるんよね。やから、私は後輩がいた方がよくない?って思う(笑)。
富澤 そうなんだ(笑)。そっかぁ。
吉田 そう。たしかにでも、同期がそういう支えになったりっていうのはすごく良いね。そういうチームにしたい。
富澤 なんか1人だと思っているわけじゃないんだけど、後輩がいるし。だけどなんか、ふと、なんか言いたいことがあったりするときに、あんまり後輩に言えないときとかあるじゃん?
吉田 あーでも同期の方が一緒に過ごしているし、たしかにね。
富澤 そう、言いやすい。ってなると…いやー同期いるのいいなーって(笑)。
吉田 そうなのか(笑)。でも、後輩の方が言いやすくない?って思うけどね。
富澤 いやいやいやいや。
吉田 だって同期さ、同期同士に言われるのはなんか…
富澤 いや、同期に言われた方がいいじゃん!
吉田 いや、まあそうね、たしかに…(笑)。
富澤 (笑)
吉田 でも嫌だっていう人もおるやん?なんか癪だ、お前に言われるんか、みたいな。
富澤 あーそっか。でもお前に言われたくないから頑張る、みたいな。
吉田 あー(笑)。そういう強気な子がいたらいいんやけどね。
富澤 そっかそっか(笑)。
吉田 優しいよね、慶應の子ってみんな。そこが違うね、なんか。
富澤 そうね。
吉田 逆になんか、どうしたらそんな風にみんな強気でプレーをしてくれるのかなって思う。
富澤 (笑)どうだろう…でも早稲田の場合は結構みんな目標を持っている奴らばっかりかな。月1で今月の目標を言わせるんだけど、そのときに、リーグの時期だったら「ブロック賞獲る!」「サーブで決める!」「スパイクで決める!」みたいなのがちゃんとあって。チームでやっているけど、ちゃんと個々になったときにも個々の目標があってやっているから、それをぱーっとみて「あ、ちゃんと目標もってやっているな」「すごいな」って。自分は全然そんなのないから。みんなやっているから、すごいなって思う。やりたいって思ってやっているのかわからないけど…(笑)。でもそういうのはあるかな。
吉田 へー!後輩がそう感じさせてくれるっていうのすごく良いね。
富澤 すごいんだよね、みんな。本当にすごいですね。さっき練習のレベルの差があるって言ったじゃん?うちらもめっちゃあるんだけど…
吉田 あ、そうなん?
富澤 どうしてる?練習メニュー変えてる?
吉田 ちょっと分けたりするときとかもあるし、練習時間をちょっと短くして、アフターとかで教えたりとか、そういう時間をする週もあったり。でも、今はもう試合前やから結局その試合中心になっちゃう。
富澤 もう分かれちゃってるよね。
吉田 うーん。だってさ、あんまり(差が)ありすぎると一緒に入ってても嫌やん?きっとどっちも。自信なくしちゃうし。
富澤 そうそうそう。(差を)感じちゃうじゃん。そうなるとやっぱりストレスになっちゃうし、その子たち同士の。考えるよね、難しい。
吉田 それは大変だよね。でもやっぱり今の時期は無理かな。どうしてももう(試合)中心になっちゃうけど、多分春リーグとか終わって落ち着いたら、きっと底上げの時期みたいなのを作ってやるんだろうなとは思う。
富澤 難しい。
吉田 難しいね。
――自分自身をどんな選手か一言で表すと
富澤 なんでも勢いでやる。練習メニューを考えるときも、みんなの様子を見て、「今日はこれだ!」っていってばーって(笑)。
吉田 えーかっこいい(笑)。
富澤 自分自身がプレーしているときも、勢いで「行け!」みたいな感じだし。流れが大事ですね。
吉田 でも「っぽい」ね!わかる、かっこいいわ。私は、うるさいのかなと思う、自分が。ずっと喋っているんです。見ている人に言われるのが、「佳純ばっかり喋っているね」って。コート内でも、練習でも。「でも、良いことだよね!」って(笑)。私が元気出さないと。元気印なのかなと思う。
富澤 大事だよね!
――理想のキャプテン像、または「○○な主将」というキャッチコピーを教えてください
富澤 背中で語ったりできないので、まあ一番自分ができることを一生懸命やったり、自分らしさを出したチームにするためにも、これかなって。誰かを真似するとかもきっとできないから。なんか考えたんですけど、藤中さん(藤中優斗=早大H31卒・現JTEKT STINGS)…あー無理だな、みたいな(笑)。
吉田 (笑)
富澤 (森)佳央理さんみたいな…あー無理だな。じゃあ自分らしさ!って思って(笑)。こうやって勢いで何か決めるのもそうだし…っていう感じ。
吉田 私は、自分が全然決断力がないというか、最後までどうしようどうしようって悩んじゃって。色々な人の意見も聞くことは大事だと思うけど、結局パッとちゃんとやるよって決めてやったほうがチームもいいのかなって思うからこそ、もっと決断力のある主将にならなきゃなって。目標ですね。悩んじゃうから、すぐ。悩みに悩んで、なんでこんなに悩んじゃうんだろうっていうところまで行っちゃうから。
富澤 私は「何とかなるさー」って思っちゃうから、逆にもうちょっと真剣に考えたい。もっと考えられるようになりたい。
吉田 私は勢いがほしい。結花ちゃんのその勢いがうらやましいもん(笑)。
――学生バレー最後となる今年のテーマを漢字一文字で表すと
富澤 これはチームの目標でもあるんですけど、自分自身、早稲田としてのプライドを持ってやりたいっていうのもあるし、キャプテンとしての誇りをもって戦いたいっていうのもあるし、学生最後っていうのもあるし。全てにおいて、もう最後は心だと思うから、誇り、プライドをもって頑張るぞ、という感じですね。
吉田 私は、今まで小学校のころからずっとバレーをやってきて。ここまでバレーをやっているっていうことは、バレーのこと大好きなんだろうなって思って。これで本当に自分は最後だから、もう後悔なく、楽しくやれたら、それでいいかなって思います。なんか一文字になったら「ラクしよう」みたいになっているけど…(笑)
富澤 「楽しく」ね(笑)!
吉田 そう、楽しく、後悔ないように。みんなで最後は悔いなく終われたらなっていう思いを込めて、これにしました。
――ご自身にとって最後の早慶戦に向け、意気込みを
富澤 早稲田アリーナでやるんですよね、今年。私も(早稲田アリーナで)初めて試合するし。(過去3年間)ずっと慶應の方でやっていたし。
吉田 そうね、たしかに。
富澤 学生最後の早慶戦を早稲田でやれるっていう、すごく記念だと思うので、まあ勝ちで終われるように頑張ります!
吉田 1年生のころから出させてもらっていて、4回目なので…そうですね、やっぱり勝つことはちょっと難しいけど、自分たちのプレーをしっかりやりきって、負けても諦めないで元気よく頑張るっていうのと、やっぱり見ている方たちに感動を与えられるようなプレーができたらなと思います。
――ありがとうございました!
(取材:早稲田スポーツ新聞会 友野開登/慶應スポーツ新聞会 藤澤薫)
★ 第83回早慶バレーボール定期戦は、6月9日(日)に早稲田アリーナにて開催されます。
◇プロフィール◇
富澤結花 (とみざわ・ゆか)
1997年4月7日生まれ/早稲田大学スポーツ科学部4年/文京学院大女子高/身長168センチ/最高到達点290センチ/WS
吉田佳純 (よしだ・かすみ)
1998年2月24日生まれ/慶應義塾大学環境情報学部4年/八女学院高/身長162センチ/最高到達点280センチ/WS
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