【ラグビー】慶大2選手が攻守で躍動!/第7回関東大学オールスターゲーム

ラグビー

対抗戦選抜

第7回関東大学オールスターゲーム

対抗戦選抜38-0リーグ戦選抜

6月30日(日)14:00K.O.

@秩父宮ラグビー場

 

 

 

 

今年で7回目を迎える関東大学オールスターゲームが秩父宮ラグビー場で開催された。秋から始まる対抗戦とリーグ戦の選抜メンバーが相対し、慶大からはCTB栗原由太(環4・桐蔭学園)、FL川合秀和(総4・國學院久我山)が選出され、対抗戦選抜の一員として奮闘した。フル出場のFL川合は攻守で力強い動きを見せ、後半から途中出場したCTB栗原は1トライを挙げるなど存在感を示し、対抗戦選抜の3年連続勝利に貢献した。この結果により、対抗戦選抜がオールスターでの戦績を4勝3敗とした。

※試合前の記事では3選手が選出となっていましたが、掲載後に相部開哉(政3・慶應)は星谷俊輔(早大3年・國學院大學久我山)に変更となりました。

 

出場選手コメント

CTB栗原由太(環4・桐蔭学園)

――出場しての感想は

楽しかったです。

――自身のプレーを振り返って
プレーは、オプションをやってそれができました。最後のセーブの部分でパス一つにしてももう少し味方が取りやすいようにできればよかったなというのが個人の反省です。周りのプレーヤーの声掛けなどを聞いたりして、収穫もあったので良かったなと思います。

――他大の選手から学んだことは
(他大の選手の)声の質が違ったというのが大きいです。外の選手が状況などをよく喋ってくれてディフェンスもアタックもよくわかったので、外から声を出すことは重要だなと実感しました。(早大の)岸岡だったり、帝京の奥村翔と木村朋也の2人は下級生なんですがそういうことも関係なくよく話してくれて、コミュニケーションが取りやすかったです。

――今後への意気込み
ここが一番のターニングポイントだと思うので、しっかり春の修正をして、秋は勝ちます。

 

FL川合秀和(総4・国学院久我山)

--今日の試合を振り返った感想は
ディフェンスの場面が多かったですが、満足いくタックルができなかったというのが正直なところです。アタックにも満足はしていないです。しかしチームとしては、即席チームにしてはしっかりコミュニケーションがとれて、いいプレーができたかなと思います。

 

--試合前の練習などはどんなことをされましたか
最低限決めることは決めて、あとは個人個人のスキルも高いので、一番大事な意思疎通というところで、対抗戦選抜はチームワークを発揮できていて、まとまった試合ができたかなと思います。

--明大の選手達とのスクラムでした
明治といえばFWなので、その強みのFWを見られたなと。ラインアウトも敵ボールをどんどん獲得していましたし、そのスキルは高いのかなと感じました。

 

--他大の選手で話した方はいますか
たくさんいます。特に、(明大の)武井日向ですかね。高校時代から選抜チームで一緒にプレーはしていたので。久しぶりに一緒のチームでプレーしました。今日のゲームはとても楽しかったです。

 

T=山村知也(明大)3、細木康太郎(帝京大)、栗原由太、奥村翔
G=奥村翔4

川合は80分間フル出場を果たした

好ゲームを期待する観客の興奮と熱気に包まれた今試合は、リーグ戦選抜のキックオフで始まった。

 

前半10分までは両チームが堅い守備を見せ合い、両陣地での攻守の応酬が続いた。しかし、13分味方からパスを受けたFL川合がランで右サイドを駆け上がり相手ペナルティーを誘うと、16分に敵陣ゴールライン5m手前でのラインアウトから左にパスをつなぎ、最後はWTB山村知也(明大4年・報徳学園)が1人をかわして左隅にトライを決め、対抗戦選抜に先制点をもたらした。リーグ戦選抜は、20分、23分と敵陣でのラインアウトとスクラムで反撃を試みるも、パスが繋がらず好機を生かせない。その後も敵陣での攻撃を続けるが、対抗戦選抜が球際での勝負強さを見せ反撃を許さず、ロースコアで試合が進んでいく。

川合のタックル

 

試合が動いたのは38分だった。対抗戦選抜が自陣深くから蹴りだしたボールをリーグ戦選抜のFBヴィリアムスワワ(拓殖大1年・Suva Grammer School)がキャッチするも、そこに対抗戦選抜の選手が3人がかりでタックルしボールを奪うと、左サイドを駆け上がっていたWTB山村へパスが通り、そのままインゴールへ駆け込んで追加点をあげた。FB奥村翔(帝京大3年・伏見工業)のコンバージョンキックも決まり、12-0として前半を終える。

 

雨の中で始まった後半は、雨の影響をものともせず対抗戦選抜がトライを重ね、相手を圧倒した。

後半11分、SO岸岡智樹(早大4年・東海大仰星)がランで大きくゲインしチャンスを作ると、インゴール内に転がったこぼれ球をPR細木康太郎(帝京大2年・桐蔭学園)がそのまま押さえトライを決めた。

 

 

 

後半からは栗原も登場

16分にも敵陣ゴールライン5m手前でのラインアウトモールから、SH杉山優平(筑波大4・大阪桐蔭)がパスを出し、WTB山村がこの日3個目となるトライ。

攻撃の手を緩めない対抗戦選抜は27分、SO岸岡のパントキックから味方が競ってこぼれたボールを、CTB栗原がインゴールで押さえ、得点を重ねていく。

試合終了間際の36分には、敵陣22mラインでの相手ラインアウトボールを奪うと、パスやアタックでゲインを繰り返し、最後はFB奥村が中央左にトライを奪い突き放した。終始、勝負所の攻撃と守備で力を発揮した対抗戦選抜が38-0と完封勝利。しかし、リーグ戦選抜も随所に力強いゲイン、粘り強い守備など高い技術を見せ、点差以上に拮抗した内容の試合となった。試合終了後には観客を魅了した両チーム選手の活躍を称え、スタンドから温かい拍手が送られた。

得点の際に喜び合う栗原(左から2番目)ら対抗戦選抜

 

やはり、各大学から選抜された選手で構成されたオールスターゲームは普段とは一味違う質の高いラグビーを展開した。急造チームということもあり、連携面ではパスミスをしてしまう場面も見られたが、WTB山村など各選手の能力の高さが随所で見られる試合だった。対抗戦選抜のFW8人中6人が明大の選手という中でFLとして出場した川合は試合後「(明大FW陣の)スキルは高いのかなと感じました」と口にした。途中出場のCTB栗原も「声の質(外の選手の状況説明)が違ったことが大きい」と、目に見えるプレー以外の面での他大学の質の高さを語ってくれた。しかし、慶大の2選手も他の選手に引けを取らないプレーを見せてくれた。

 

最後は両チーム一緒に記念撮影。このメンバーを中心に、秋から日本一をかけた熾烈な戦いが始まる

春季大会Aグループにおいて1勝4敗と苦戦を強いられた慶大蹴球部だが、これから迎える“鍛錬の夏”の前に、両選手が他大学のレベルの高さを身をもって感じることができたことは良い発奮材料となるに違いない。“鍛錬の夏”を超え、慶大の伝統と今試合の経験がどのような融合を見せるのか興味は尽きない。秋の日本一へ向けた戦いはすでに始まっている。

 

 

 

 

 

(記事:堀内大生 写真:菊池輝、刀禰仁生、栗栖翔竜、竹内大志)

出場選手(対抗戦選抜のみ)

1.PR(プロップ) 安 昌豪 (明大4年・大阪朝鮮高級学校)

2.HO(フッカー) 武井日向(明大4年・國學院大學栃木)

3.PR(プロップ) 笹川大五(明大4年・明大中野)

4.LO(ロック) 片倉康瑛(明大3年・明大中野)

5.LO(ロック) 箸本龍雅(明大3年・東福岡)

6.FL(フランカー) 川合秀和(慶大4年・國學院久我山)

7.FL(フランカー) 繁松哲大(明大3年・札幌山の手)

8.No.8(ナンバーエイト) 安田 司(帝京大3年・常翔学園)

9.SH(スクラムハーフ) 杉山優平(筑波大4年・大阪桐蔭)

10.SO(スタンドオフ) 岸岡智樹(早大4年・東海大仰星)

11.WTB(ウィング) 山村知也(明大4年・報徳学園)

12.CTB(センター) 中野将伍(早大4年・東筑)

13.CTB(センター) 本郷泰司(帝京大4年・京都成章)

14.WTB(ウィング) 木村朋也(帝京大3年・伏見工業)

15.FB(フルバック) 奥村 翔(帝京大3年・伏見工業)

 

16. 李 承爀(帝京大3年・大阪朝鮮高級学校)

17. 北 隼人(帝京大4年・筑紫)

18. 細木康太郎(帝京大2年・桐蔭学園)

19. 星谷俊輔(早大3年・國學院久我山)

20. ミキロニ・リサラ(日体大2年・日体大荏原)

21. 末 拓実(帝京大4年・長崎北陽台)

22. 栗原由太(慶大4年・桐蔭学園)

23. 山﨑洋之(明大4年・筑紫)

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