リーグ戦で2勝を上げている慶大は、同じく2勝を上げている法大と対戦。ダブルスを1勝2敗と負け越すも、S5福田真大(商4・慶應湘南藤沢)、S4甲斐直登(環4・日出)がシングルで勝ち星を上げ、流れを作ると、最後はS2羽澤慎治(環2・西宮甲英)とS1今村昌倫(環3・清風)が勝利を上げ、慶大の勝利を決めた。
慶大 | スコア | 法大 |
D1 ●福田・今村 | 0{4-6,5-7}2 | 楠原・岡垣 |
D2 ○川島・羽澤 | 2{6-4,3-6,7-6(4)}1 | 鈴木・柚木 |
D3 ●小清水・佐々木 | 0{3-6,2-6}2 | 藤井・賀川 |
S1 ○今村 | 2 {6-3,7-5}0 | 岡垣 |
S2 ○羽澤 | 2{6-2,6-3}0 | 鈴木 |
S3 ●成 | 0{2-6,2-6}2 | 賀川 |
S4 ○甲斐 | 2{6-2,6-3}0 | 藪 |
S5 ○福田 | 2{2-6,7-5,6-4}1 | 中川 |
S6 ●伊藤 | 0{6(8)-7,1-6}2 | 楠原 |
合計5 | - | 4 |
関東大学テニスリーグ 法大戦
2019年9月8日・9日@中央大学テニスコート
※試合が終わった順に戦評を掲載しています
ダブルス
慶大1-2法大
毎試合メンバーが変わるD3。この日は小清水拓生(総3・清風)・佐々木健吾(環2・高松北)組が登場。試合開始から積極的なネットプレーを見せるものの、相手の安定したストロークとネットプレーに苦しみ、第1セットを取られる。直後のセットも流れを掴めず、ストレート負けを喫した。
D1に出場したのは、今日も福田今村組だ。第1セット、相手の攻撃に押される場面もあったが、福田のサーブが炸裂するなど積極的なプレーでポイントを重ねていく。そして、4-5で迎えた第10ゲーム。何としてでもこのゲームをキープしたいところだったが、キープに失敗。このセットを4-6で落としてしまう。第2セットでも、お互いの気持ちのぶつかり合う試合となった。第8ゲームの時点でゲームカウント4-4。どちらがこのセットを取ってもおかしくない状況だ。第9ゲームでブレイクに成功し、このまま流れに乗りたいところだったが、第10ゲームでキープに失敗。そのまま相手に2ゲーム連取され、まさかの敗戦となった。
フルセットまでもつれ込む大接戦となったD2川島颯(総3・名古屋)・羽澤慎治(環2・西宮甲英)組の試合。一進一退の攻防が続く中、第9ゲームでブレイクに成功すると、第1セットを6-4で先取する。しかし、第2セットでミスが増え、主導権が相手に。3-6でこのセットで落とし、勝負は最終セットへ。最終セットはタイブレークまでもつれ込むが、最後は川島・羽澤組がネットプレーで相手のミスを誘発し、7-4でタイブレークを制した。ダブルスで貴重な1勝をもぎ取った。
シングルス
慶大3-2法大
リーグ戦で貴重な白星を上げているS4甲斐直登(環4・日出)。第1ゲームから一進一退の攻防が続くが、第5ゲームで長いラリー戦を制し、ブレイクに成功。ここから流れが完全に甲斐に渡った。フォアハンドで次々とエースを決め、第1セット6-2で奪うと、直後の第2セットもフォアハンドが冴えわたり、6-3でこのセットを獲得。ストレート勝ちを収め、慶大のシングルス1勝目をもぎ取った。
リーグ戦で好調が続くS6伊藤竹秋(法2・慶應)の試合は終盤で明暗が分かれる展開となった。第1セットから一進一退の攻防が続いた今試合は、タイブレークに突入した第13ゲームにて、相手の強烈なサーブに崩され8ー10で惜しくも落とし、第1セットを奪われる。続くセットでは、中盤から腰を痛めた影響により思うようなプレーができず1ー6で落とし、ストレート負けを喫した。
苦境の中、S5で出場した主将・福田は激闘を演じた。「緊張で全然ダメだった」と振り返る第1セットはサーブでのミスが響き流れに乗り切れないまま2-6で落としてしまうが、冷静になり臨んだ次セットでは福田の粘り強さが光り始める。スライスを織り交ぜた緩急あるボールでラリー戦に持ち込み、福田らしいプレーで調子を上げていく。仲間の声援を受けながら大接戦を繰り広げ、第2セットを7-5でもぎ取った。迎えた最終セット、ここで調子を戻してきた相手に序盤は苦しむも、強打に食らいつく貪欲なプレーで1-3から4ゲーム連取に成功。最後は追いすがる相手を安定したラリーで振り払い、見事な逆転勝利を収めた。
開幕戦の明大戦以来の登場となった成耀韓(総2・埼玉栄)。慶大に流れを手繰り寄せるプレーをしたかったが、序盤からストロークが安定せず、2-6で第1セットを先取される。直後の第2セットで切り替えたい成は、序盤からストロークでエースを連発し、最初の2ゲームを連取する。このまま成ペースで進むと思われたが、相手の力強いフォアハンドに押され、思うようなプレーができず。6ゲームを連取され、ゲームセット。この敗戦により、慶大は、背水の陣を敷いてS1,S2に臨むことになった。
S2羽澤慎治(環2・西宮甲英)は、勝ちきらないといけない相手に対し終始圧倒した試合を見せた。第1セット1ゲームからブレークに成功すると、得意のネットプレーを武器に第5ゲーム、第7ゲームのブレークにも成功し、第1セットを6ー2で取る。流れに乗る羽澤は、第2セット5ゲーム目に、相手の背後をつく技ありのロブショットを見せるなど終始完成度の高いテニスを見せストレート勝ちを収めた。劣勢に立つ慶大の流れを変え、S1今村に繋ぐ試合を展開した。
勝敗を分ける最後の1本では今村が法大エース・岡垣と激突した。両者は序盤から力強いストロークで打ち合い、一進一退のゲームを展開する。そんな中、長いラリー戦を制した今村が8ゲーム目をブレークに成功すると、次ゲームもそのまま強烈なサーブで相手を圧倒し6-3で第1セットを先取する。勢いそのままに臨んだ第2セットだったが、法大エースも簡単に流れを渡さない。白帯すれすれを通る今村のボールにミスなく食らいつき、両者の打ち合いはさらにヒートアップしていく。緊張の中5-5で迎えた相手のサービスゲーム、ここで今村が15-40から巻き返してブレークする勝負強さを発揮。両校の応援が白熱する中、今村は最後まで集中力を切らすことなく攻めたボールを打ち続け、第2セット7-5で試合終了。運命のエース対決を制し、慶大の勝利を決めた。
(記事・写真:萬代理人、堀口綾乃、堀内大生、高井真衣)
◆選手コメント
福田真大(商4・慶應湘南藤沢)
――0-2で今日を迎えましたが、昨日からどのように切り換えて臨みましたか
0-2ついてしまったことはしょうがないので、残り7本で7-0をつけにいくという思いでした。チームとしてそこに不安はなかったのかなと思います。
――ご自身の試合を振り返って
ファーストは緊張で全然ダメだったんですけど、セカンド、ファイナルに入って自分で冷静に考えて、自分が何を得意としているのか、何をすればいいのかをしっかりと考えてプレーできたので、それが勝利につながったのかなと思います。
――仲間からの声援は力になりましたか
そうですね。僕の試合に1番声援が来ていて、自分がキャプテンで頑張らなくては、と。逆に緊張したんですけど、応援が僕に力をくれて勝てたことはよかったと思います。
――4年目のリーグ戦ですがどのような思いで臨まれていますか
もちろん日本一をとるための通過点と考えているので、しっかりと4年の僕と甲斐(直登)と平山で引っ張っていきたいと思っています。
――リーグ3戦を終えて、現在のチームの状況は
しんどい試合内容が続いてはいますが、しっかりと踏ん張って勝てていることは良い点だと思うので、毎回出た課題はその都度潰せているので、また今日出た課題を次で潰して頑張りたいなと思います。
――ダブルスについては
ダブルスは去年から負けていなかったので、今回負けたことはショックだったのですが、そこは切り換えてシングルスに向けられたのでよかったのかなと思います。
――最後に、亜大戦に向けて
亜細亜も強いチームだと思っているので、ダブルスで3-0、シングルで6-0、9-0つけて早稲田に臨みたいなと思います。
今村昌倫(環3・清風)
――シングルスとダブルスを振り返って
ダブルスは、結構相手が強かったです。僕がしっかり作って福田さんが打つという形ですが、僕が作るのを意識しすぎて、自分からあまり攻めませんでした。そこは次戦に向けて修正したいです。シングルスは、しっかりまとめれたなという感じです。最初ダブルスが勝ってくれてシングルスにつなげてくれました。直登さんと福田さんがしっかり勝って、僕と羽澤につなげてくれたので、技術より最後まとめれたのが良かったです。
――ダブルス終わってからどのようにシングルスを臨んだか
ダブルスは仕方がなくてシングルスで取り返すという気持ちに切り替えました。それがうまくできて良かったです。
――S1として起用されましたが
自分の中ではプレッシャーを感じてなくてやることは一緒なので僕がしっかり取ると期待されていると思うので自分の役割を全うできたと思います。
――亜大戦向けての意気込み
亜大も強いと思うので、ここで気抜けずにいいプレーができるように準備したいです。
羽澤慎治(環2・西宮甲英)
ーーダブルスの試合を振り返って
昨日の雨天順延により、第3セット3ー3(40ー30)から始まったところを一本で取り、タイブレークでも劣勢に立っていたのですが、諦めずに最後勝負所で取り切ることができチームの流れを変えることができたので良かったです。
ーーシングルスの試合を振り返って
しっかり勝ちきらないといけない相手との戦いにおいて、ロースコアで勝ちきることができ、S1に回すことができたのはすごい良かったことだと思います。
ーーダブルスでは、(雨天延期により)難しい試合の入りとなりましたが、どういった意識で今日の試合を迎えましたか?
試合の入りでは足が動きづらかったり、緊張から上手くラケットを振り切れないことが多いと思うのですが、ウォーミングアップをしっかりして、昨日と同じくらいの状況で入れるように心掛けました。
ーーシングルスではネットプレーなど、前後に動くプレーが多く見られた印象を受けましたが、試合のプランとしてはいかがでしたか
ネットプレーで決めるというプレーが(自分の中で)好きで、得意なので、そこをどんどん出せるように心掛けました。一戦目の明大戦ではそこがあんまり上手くいかなかったので、しっかり反省して、二戦目・三戦目しっかり出せるよう意識していました。
ーー次戦に向けて
僕もしっかり単複に出て、勝ち、チームで9ー0をつけて勝てるように頑張ります。