リーグ戦折り返しの試合を勝利で飾りたい慶大は、昨春7位の立正大と対戦となった。この日、第2戦からけがで戦列を離れていたMB樫村大仁(環3・茨城高専)が復帰。高さを生かし、ブロックの要としてチームを支えた。慶大は、序盤から清水柊吾(総3・広島城北)のサービスエースなどで流れをつかみ、第1、2セットを連取する。最後は25-23となった接戦をものにし、ストレートでの勝利となった。
2019年9月22日(日)
秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦
第6戦 慶大×立正大
@大東文化大学東松山キャンパス総合体育館
得点 | ||
慶大 | セット | 立正大 |
25 | 1 | 16 |
25 | 2 | 19 |
25 | 3 | 23 |
出場選手(サーブ順) | ||
ポジション | 背番号 | 名前(学部学年・出身校) |
MB | 12 | 清水柊吾(総3・広島城北) |
S | 26 | 谷舜介(環2・徳島城東) |
WS | 23 | 小出捺暉(環2・駿台学園) |
MB | 19 | 樫村大仁(環3・茨城高専) |
OP | 2 | マルキナシム(総4・川越東) |
WS | 1 | 吉田祝太郎(政3・慶應) |
Li | 17 | 加藤真(商3・慶應) |
〃 | 7 | 永田将吾(総2・高松) |
途中出場 | 5 | 宮川郁真(総2・松本県ヶ丘) |
〃 | 29 | 高倉真古都(商1・慶應) |
〃 | 14 | 赤川拓(理3・横手) |
第1セット、前の試合でも課題としていたツーで最初のポイントを相手に取られ、悪い流れになるかと思われた。しかし、慶大もマルキナシム主将(総4・川越東)と吉田祝太郎(政3・慶應)を中心に、着実に点を重ねていく。途中、Li永田将吾(商2・高松)がフェイントを上げると、そのボールを吉田がバックアタック。流れに乗った慶大は、清水の連続サービスエースなどで5連続得点を上げた。その後、清水のクイックで20点台に乗せると、そこから吉田のサービスエースが決まり、再び5連続得点を上げた。最後はマルキのスパイクが決まり、25-16でこのセットを勝ち取った。
続く第2セット。序盤から互いに譲らない状態が続く。慶大は相手ブロックに阻まれ、9-11とリードを許してしまうが、ネットにかかったボールをカバーして樫村のスパイクにつなげた小出捺暉(環2・駿台学園)の好プレーなどにより、3連続得点を上げる。S谷舜介(環2・徳島城東)のツーも決まり、次第に慶大がペースをつかむ。中盤からはブロックも決まり始め、相手に連続得点を許すことなく着実に点を重ねた。安定した試合運びを見せた慶大が、25-19でこのセットもものにした。
このままの流れで取り切りたい第3セット。序盤は両者とも譲らず、相手のコートの幅を使ったブロード攻撃などに対し、慶大も負けじと小出がサイドから内側に切り込む、S谷との息のあった攻撃をみせる。17-15と一歩リードした展開のなか、ピンチサーバーとして赤川拓(理3・横手)がコートに送られる。すると、赤川が見事に2本連続のサービスエースを決め、チームの盛り上がりは最高潮に。これで勢いに乗った慶大は、吉田がバックアタックを含む3本のスパイクを決め、追いすがる相手を突き放した。慶大は、セットカウント3-0とストレートでの勝利を収めた。
けが人が相次ぎ、選手のコンバートを強いられるなど、開幕から思わぬ困難に見舞われたものの、開幕から6連勝という形で前半6戦を終えた慶大。コートにも樫村という頼もしい存在が帰ってきた。後半戦では、今春リーグ戦の上位チームとの戦いが控えている。宗雲健司監督は、「本当の力を出してほしい」と今後への期待を寄せる。「自分たちが納得できるバレーを」(永田)――リーグ戦全勝、そして目指す1部復帰に向けて意地を見せてほしいところだ。
(記事:八幡藍・持丸嘉昭 写真:堀口綾乃・藤澤薫)
以下、コメント
宗雲健司監督
――今日の試合を振り返って
いつも勝つと言いますけど、しっかり勝てたのでよかったですね。あとはけがをした樫村が戻ってきてブロックの仕事をしてくれたり、諸事情でやっと戻ってきた赤川が当たり損ねでしたけど大事な貴重な2本を決めてくれて。ちょっと油断した内容でもあったけど、まぁ(吉田)祝太郎が締めて、スパイクはマルキが決めて、良かったと思います。
――昨日の試合から改善した部分は
改善というか、今日のチーム結構良いチームで、真ん中(相手MB)の子を中心に、彼らをどういう風に防ぐかという所で、たまたま樫村が出れて、だいぶ塞いでくれたので、昨日云々というよりも、まぁそれぞれがしっかり仕事をしたということですかね。昨日は負けられない試合でガチガチだったけど。昨日よりは良かったですよ。
――後半戦に向けて
これまでは負けられないということで受けて立ってましたけど、しっかり本当の力を出してほしいと思います。もっとできるので。
マルキナシム主将(総4・川越東)
――試合を振り返って
今日はストレートで勝つことができて良かったです。個人的な振り返りをすると、少し調子が悪かったので、来週に向けて調整していきたいです。
――中盤まで競る展開が多かったようですが、取りきれた要因としては
今日は吉田がムードを作るという意味でも点を取るという意味でも頑張ってくれました。最後は僕と吉田に(トスが)集まったんですけど、今日は僕が切れなかったので競ってしまいました。
――ご自身のプレーについて
これまではスパイクが難なく決まっていたのですが、今日はブロックに引っかかってしまったり、レシーバーに簡単に拾われてしまったり。味方にも簡単に決まると思わせてしまった部分があったので、そこで僕が急に決められなくなったりすると流れも持っていけないと思うので、僕はしっかり点を決めきるということをもう一回意識してやっていきたいと思います。
――コート上の最上級生として、何か意識された点は
コーチの池野谷さんからも言われているのですが、一人一人とコミュニケーションを取ってチームの雰囲気を良くしようと思っています。今日は自分の調子があまり良くなくて、そこにフォーカスしてしまい、周りのことがあまりできなかったので、そこは改善したいと思います。
――リーグ戦ここまでの試合を振り返って
夏に練習してきたチームとは違った形でこの前半戦に臨んできましたが、取りこぼすことがなかったことはまずは良かったと思います。今は全勝しているチームと全敗しているチームにきれいに分かれていて、これからが大切な戦いになってくると思うので、気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
――チームの現状としては
けが人もいてベストなメンバーで臨めていなかったと思うので、万全な状態で臨めたらなと思います。
――最後に意気込みを
後半戦も全勝で、全勝優勝目指して頑張っていきたいと思います。
吉田祝太郎(政3・慶應)
――今日の試合を振り返って
昨日、緩いボール、フェイントが落ちて、相手にペース持ってかれてしまったので、それはなくそうと話していたので、克服できたのかなと。1セット目とか2セット目とか落ちずに終盤、差をつけてこっちのバレーできたのでよかったかなと思います。
――「対応力」については
ミーティングの段階である程度対策を立ててるんですけど、対策を立てていたことをやっていたら向こうがキツくなって勝つという感じだったので、対応する必要がなかったのかなと思います。
――谷選手のトスはどうでしたか
いつも良いトス上げてますけどね。ちょっと崩れたときでも、そんなに大崩れしないので。ある程度、僕が修正が効く範囲のズレなのでいつも。向こうがきつい体勢のときでも良いトス上がってきているので。今日はナイストスでした。
――後半戦に向けて
多分今までの力的に、身長とかこっちが高くて、勝てるでしょって言われているような戦いより、来週とかのもっとこっちから勝ちにいこうっていう試合の方が、多分みんなやりやすいと思うので、そこはあんまり心配はしていないです。逆に戦いやすいかなと思ってますね。
清水柊吾(総3・広島城北)
――今日の試合を振り返って
3セット目にちょっとがたつく場面があったんですけど、それでも1・2セット目とかは、割と自分たちの形がしっかりとできていたので、昨日に比べてそこは良かったんじゃないかなって思います。
――昨日、ブロックについて言及されていました
あんまり、昨日より良くなったわけでもなく。でも、やることははっきりしたので、まあその通りにはできたというか、形はできたんじゃないかなって思います。
――今日もたくさん活躍されていました
今日はいつものローテーションと違って自分のサーブからでした。そこでの役割っていうのは、ミスを出さずに、しっかり崩してBパスとかにしてクイック使わせないっていうことだったので、サーブの役割っていうのは果たせたんじゃないかなって思います。まあクイックはそんなに(トスが)上がってないですし、ブロックもそんなに別に止めたわけでもないので、そんなにめちゃくちゃ良かったわけではないです。普通です。
――対応力が課題として挙がっていました
本当は序盤とか中盤とかで点差を付けたかったんですけど、なかなかそれができない場面でもしっかり連続失点されることなく付いていった結果、終盤何点かブレイク取れたりしたので、そこはしっかり我慢できたんじゃないかなって思います。
――リーグ戦が折り返しを迎えました
まあ、あんまり良かった試合ではなかったので、この6戦とも。どの試合にもだめなところとか、もったいないところとかあって。もともと最初の目標は「失セット0で全勝」だったので、そこが崩れてしまったのは、本当に反省する点が多いと思います。それでもしっかり勝ち切れたので、残り5戦も、色々あると思うんですけど、とりあえず勝つっていうことだけは絶対に果たしたいなっていうふうに思います。
――次戦に向けて
後半戦は、けが人がしっかり戻ってきて層もだいぶ厚くなると思うので、チーム1つになって頑張るっていうのと、自分はどういう使われ方をしても自分の役割っていうのを果たせるように、頑張っていきたいですね。
赤川拓(理3・横手)
――久しぶりの出場となりました
緊張したんですけど、「思い切り打て」という指示だったので思い切り打って、今まで練習してきた通りにはいかなかったのですが、良い結果になって良かったと思っています。来週出られるかはわからないですが、出られたらまぐれだと言われないように、良い形で点数を取っていきたいなと思います。
――サーブで試合の流れを変えました
1本目はたまたま相手が見過ごしてくれたので、偉いことは言えないですが。あの2点がなかったら実際どうなっていたかわからないので、結果的にチームのためになって良かったなと思います。
――サーブを決めたときのお気持ちは
サーブを打つことに夢中だったので、喜び以外は覚えていないですけど。そのときは単に嬉しかったというだけですかね。
――今後の目標は
来週以降試合に出られたら、次は良い形でというか。相手が触って取りきれなくてサーブポイントになるとか、そういう形を目指していきたいです。
樫村大仁(環3・茨城高専)
――ご自身のプレーを振り返って
ブロックはチームで話し合った通りに上手くいったのですが、怪我をしていて谷とあまりコンビとか合わせてなかったので、攻撃面ではあまり貢献できなかったと思います。
――けがで出られなかった間、コートの外からチームを見ていてどう感じていましたか
僕のポジションに入っていた靖丈(加藤靖丈(商2・慶應)とかを見た感じだと、思ったより頑張ってくれていて、ありがとうという感じでした。他は簡単なボールを落としたり、雰囲気的にあまり良くなかったと思うので、今日入ったときはなるべく盛り上げられるようにしようと意識をして頑張りました。
――秋リーグの前半戦も終わり、折り返しとなりましたが、これまでを振り返って
他のチームを見たときに、上位・下位で綺麗に6勝と0勝に分かれていたので、OBの方にも言われたんですけど、前半戦はアップみたいな感じで、後半戦では今まで決まっていたボールを相手がちゃんと上げてきたりするので、そういうときに攻められるように高い意識を持って頑張りたいと思います。
永田将吾(総2・高松)
――今日の試合を振り返って
今日もあんまり、僕たちが納得できるバレーっていうのはできていないのかなっていうふうに思います。
――どういった点で「納得できないバレー」なのでしょうか
向こうの方が身長がないので、本当だったらブロックの得点だったりとか、それを逃げてきたところを拾ってブレイクをどんどんして、っていう試合展開にしないといけないのに、それができずに最後まで競ってしまったところかなと思います。
――ご自身のプレーについては
昨日、今日に関しては、僕は本当に何もしていないので、全然だめだと思います。
――リーグ戦は折り返しを迎えました。ここまでを振り返って
6試合の中で、試合を通して僕たちのバレーができている試合っていうのが今のところないので、まあ勝てているっていうのは非常に大事なことなんだとは思うんですけど、ここからあと5試合は、僕たちが納得できるバレーをしないと勝てないと思いますし、そこをもっと強く意識していきたいと思います。
――後半戦に向けて
来週が終わるとまた2週空くので、来週で1つ区切りがつくと思うので、とりあえず2連勝っていうところを意識してやれたらなっていうふうに思います。
順位表(9月22日終了時点) | |||
順位 | 大学 | 勝利数 | セット率 |
1位 | 大東文化大 | 6 | Max |
2位 | 法大 | 6 | 6.0000 |
3位 | 慶大 | 6 | 6.0000 |
4位 | 亜大 | 6 | 3.0000 |
5位 | 国士舘大 | 6 | 3.0000 |
6位 | 国際武道大 | 6 | 3.0000 |
7位 | 立大 | 0 | 0.3889 |
8位 | 中央学院大 | 0 | 0.2778 |
9位 | 桜美林大 | 0 | 0.2222 |
10位 | 立正大 | 0 | 0.1667 |
11位 | 平成国際大 | 0 | 0.1667 |
12位 | 山梨大 | 0 | 0.1111 |
◇順位の決め方◇
勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。
セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。
なお、上位2チームは1・2部入替戦に進出できる。