Team Malki最後の大会・全日本インカレの開幕まで、残り1週間を切った。慶スポでは、注目選手の座談会やコラムをお届けする。第1弾は、山田大智主務(政4・慶應)。高校から始めたというバレーボールの魅力、そして主務としての強い覚悟を語った。
山田がバレーボールを始めたのは、高校入学時だった。慶應義塾普通部時代からの友人、富澤太凱副将(経4・慶應)に連れられ、慶應義塾高バレー部に入部。以来、ひたむきに練習に励む日々を送った。高3になって主務に就任すると、HPやTwitter、You Tubeといった広報活動に取り組んだり、データ分析を取り入れたりと、積極的に部に貢献。そんな山田に声を掛けたのが、体育の担当教員だった宗雲健司監督だった。「大学で主務をやってくれないか」。この言葉を受け、山田は大学でもバレーを続ける道を選んだ。
中学までは他の競技をしていた山田。そんな彼が、バレーの魅力を2つ語ってくれた。1つ目は、1つのチームにならないと勝てないところ。「味方同士でボールを複数回触ることができるのってバレーだけ」。バレーの醍醐味である『つなぎ』のプレーには、チームとしての結束力が必要不可欠だ。そして2つ目は、喜ぶ回数が多いところ。試合に勝ったチームは、単純計算で75回喜ぶことができる。チームが1つとなって戦い、75回の喜びを共有する。これこそ、山田が考える『バレーの楽しさ』の正体なのだろう。
マルキナシム主将(総4・川越東)は、1年間共にチームを作ってきた山田主務を「法の番人みたい」と表現した。戦術面だけでなく、人間の集団としての部を取り仕切る立場でもある主務。山田は、「チームの規律や文化っていう面で、自分が崩れたらもう終わりというか。それくらい責任がある立場」だという自覚を強めている。一方、試合のときに気を付けていることは、『常にいつも通りでいること』。苦しい場面では選手に動揺を与えないように、良い流れのときでも次の対策を怠らないように。同期の谷口聡アナリスト(環4・韮山)とともに、ベンチからチームを支えている。
「バレーは1つのチームにならないと勝てない」。そう断言する山田は、チームとしてのあるべき姿について、次のように語った。「『勝つために何をするか』っていうのを全員が考えているチームが、自分が求めているチーム」。これを体現しているのが、今の慶大ではないだろうか。春に2部降格を経験して以来、下級生も含めた部員全員が自分がやるべきことを考え、行動してきた。そして山田自身、4年、そして主務としての役割を全うしてきた。Team Malkiは、一枚岩になりつつある。ついに7日後に開幕する全日本インカレ。慶大の勝利のために。コートで躍動する慶大の選手たちを支え続ける山田主務にも注目だ。
(記事:藤澤薫)
◇プロフィール◇
山田大智(やまだ・だいち)
1998年3月24日生まれ/法学部政治学科4年/慶應義塾高出身/身長178センチ/最高到達点318センチ/主務/背番号8