2月15日、東大和スケートセンターにて第11回バレンタインカップが開催された。慶大からは14名が出場、そのうち3級女子クラスの中村聖菜(商4・相模原中等教育)と中村優里(理4・慶應女子)が今大会で引退。大歓声に包まれて最後の演技を披露した。
2月15日 第11回バレンタインカップ
@東大和スケートセンター
☆試合結果
クラス | 選手名 | 学部学年・出身校 | 点数 | 順位 |
初級女子 | 小泉梓 | 文1・慶應NY | 6.68点 | 4位 |
1級女子 | 齊藤ちひろ | 文3・聖徳大学附属取手聖徳女子 | 10.41点 | 8位 |
2級女子 | 岡安萌 | 理4・森村学園 | 19.02点 | 3位 |
壷井茉貴 | 薬3・桐朋女子 | 16.99点 | 8位 | |
3級女子 | 大谷真由 | 法法3・洗足学園 | 32.83点 | 8位 |
白川めぐみ | 法法2・慶應女子 | 31.67点 | 12位 | |
中村聖菜 | 商4・県立相模原中等教育 | 31.29点 | 13位 | |
中村優里 | 理4・慶應女子 | 27.32点 | 18位 | |
5級女子 | 土屋有葵 | 経3・慶應女子 | 50.53点 | 3位 |
水野明保 | 環2・国府台女子 | 45.40点 | 4位 | |
新田陽菜子 | 文3・東京女学館 | 39.22点 | 11位 | |
5・6級男子 | 田村周彦 | 法法1・桐朋 | 67.53点 | 1位 |
2級女子クラスには岡安萌(理4・森村学園)が出場。4年生の岡安はリンクサイドから大きな歓声を受け演技に臨んだ。ジャンプを目立ったミスなく成功させると、終始笑顔で伸び伸びした演技を披露。演技後には多くのお菓子や花束などが投げ込まれた。「2分間幸せな気持ちで滑り切ることができた」とスケートを楽しむ気持ちを存分に表現した岡安。引退まであと1戦を残すのみとなった。
3級女子クラスには、今大会で引退試合となる中村聖菜(商4・県立相模原中等教育)と中村優里(理4・慶應女子)が登場。まず登場したのは中村聖。大声援を背にスタート位置へ。中盤ジャンプで転倒があったが、その他に大きなミスはなく最後まで笑顔で滑りきった。「できることを確実に」、半年以上練習してきた中村。引退試合を終え「みんなに応援される中で引退できてすごく幸せ」と満足した様子で話してくれた。
続いて中村優。先生に「今出来ることを全部やっておいで」と声を掛けられ、固い握手を交わし、笑顔でリンクインした。コンビネーションジャンプを決め、曲に合わせて優雅に舞う。怪我に苦しめられたラストシーズン。スピンなどで少しミスがみられたものの、今までで培った「諦めない」精神で丁寧に滑り切った。最後の演技を終えた彼女は、暖かな仲間たちの声に包まれながら晴れやかな表情を見せていた。
5級女子クラスでは、土屋有葵(経3・慶應女子)がジャンプのミスなどで点数を伸ばせず3位となり、連勝が途絶えてしまった。5・6級男子クラスでは田村周彦(法法1・桐朋)が1位につける活躍を見せた。
試合後に行われたエキシビションには、1月末に行われた国体で引退した鈴木星佳(総4・慶應湘南藤沢)が登場。今夜限りのプログラム「Amazing Grace」を披露。続いて、今月末に引退試合を控える佐々木花音(文4・県立相模原中等教育)が演技を披露。新調したラベンダー色の衣装を着て、今シーズンの楽曲「Phantom of the Opera」のアレンジ版を披露した。
(記事・写真:相川環、高井真衣、松岡実優)
※掲載が遅くなり申し訳ございません。
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以下、選手インタビュー
岡安萌(理4・森村学園)
――今日の演技をふりかえって
ノーミスを目標にしていて、完全にノーミスというわけにはいかなかったけど、リンクサイドからたくさんの方々が応援してくださって、それがすごく嬉しくて2分間幸せな気持ちで滑り切ることができたのですごく大満足してます。
――どういう思いで演技に臨みましたか
エレメンツ的に内容をまとめることはもちろんですけどそれ以上に今まで関わってくれた方々への感謝の気持ちを自分のスケートで表現したいのと、心からスケートを楽しんで2分間滑ることを目標にしていました。
――試合を終えての気持ち
自分ひとりではここまでこれなかったので今まで支えてくれた方々、慶應の人たち、他大の人たち、監督OGOBの方々への感謝の気持ちが大きいです。
――同期の存在は
それぞれ自分の目標を立てて頑張ってる姿に常に刺激をもらっていて、自分が辛くなった時は支えてくれて同期には感謝しかないです。同期が私いれて5人なんですけど同期で良かったなと思います。
――慶應のスケート部に入ったきっかけは
高校の時に趣味程度でスケートをやっていて一般滑走の時に慶應のジャージを来た人が滑っていてすごくかっこいいと思って慶應のスケート部に入りたいと思って大学を選びました。
――4年間振り返って
上手くいかなかったりモチベーションが上がらなかったり目標が見つけられない時もあったんですけど、ラスト1年が自分にとってかけがえのなくて充実したものだったなと思います。
――後輩に向けて一言
フィギュアスケートって点数はもちろん付けられて評価されるけれども、一人一人の個性がすごく生かされるスポーツだなと思うので後輩も自分の個性を最大限出した演技をして欲しいです。一人一人いいところを持っているので自分の強みを最大限生かしてスケート生活をやり切って欲しいと思います。あと慶應のスケート部でスケートができる喜びを噛み締めて、結果を出すことも大事だけどスケート自体を楽しむということを引退まで忘れないで残りを駆け抜けて欲しいなと思います。
中村聖菜(商4・県立相模原中等教育)
――今日の演技を振り返って
自分の中でベストっていう訳ではないですが、総じて納得できる演技でよかったです。
――今日の試合に向けてどのような練習をしてきましたか
ここ半年くらいはできることを確実にしていくということで、確率を上げていくことをメインに、曲かけも細かいところまで意識したりとか、試合のつもりで曲かけをしていました。
――引退試合を終えて今の率直な気持ちは
みんなに応援される中で引退できてすごく幸せだなって思います。
――慶大スケート部に入ったきっかけ
きっかけはたまたま中高同じだった佐々木花音が入ることになってて、サークル選びとか悩んでいたんですが、最初は自分の中で体育会やるなんて思ってもなかったんですが、見学行った時に、目標に向かって頑張っている先輩たちを見て、かっこいいなと思って、体育会入ろうと思いました。自分が小さい頃、ちょっとスケートかじったことがあったので、入ろうと思いました。
――スケートの経験はどれくらい
週1滑るのを2−3年やっていたという感じです。
――同期の存在は
本当に大きくて。私たちは1年生の4月から仲良くて、それぞれがすごく練習するし、スケート大好きだし、部活の面でもお互いを思いやる気持ちが強くて良い同期を持ったなというのと、そういう尊敬できる同期と一緒にいたからこそ、自分もスケート頑張ろうと思えたりして、辛い時も支えてくれたり、自分のことのようにバッチ(テスト)受かった時は喜んでくれたり、最高の同期を持ちました。
――4年間で印象に残っていることは
自分は結構モチベーションや調子の波がすごかったりして、最初のうちは自分が思うようにできてたりもしてたのですが、思うように続かなかったり、練習できなかったりする時もありました。1番印象に残っているのは、インカレに出たくて4年間頑張ってきたんですが、東インカレの部内選考で、自分が思うように演技できなかったのもあるし、東インカレに出れるメンバーから漏れた時です。頑張ってきたのにと思って、自分に対して悔しいし、ぽっかり穴が空いちゃったりして。自分の中では結構大きかったです。
――4年間で嬉しかったことは
同期が大きい試合でノーミスしたりとか、良い演技した時はすごく嬉しくて、泣きそうになったりして。そういうのを皆で共有できるのが、体育会にしかできない経験だなと思って、よかったなって思います。
――感謝の気持ちを伝えるなら
1番は同期で、めちゃくちゃ感謝してて、あとはコーチ、先輩後輩、慶應の人皆すごく支えてくれて、感謝したいです。
――後輩に向けて一言
一個下の代は人数が多くてまとまりとか大変だったりとか、スケートに対する思いとかばらばらだったりするんですが、そこをお互いがお互いを尊重していけたらもっとよくなると思うので頑張ってほしいです。部活の体制とかも変わってきたりとかするけど、皆それぞれがスケートに真摯に向き合ってくれたら嬉しいなと思います。
中村優里(理4・慶應女子)
――今日の演技を振り返って
今日は、高校からやってきたスケートの最後の試合だったので、全てを出し切ろうという気持ちと、楽しんでやろうという気持ちと両方ありました。怪我を年末にしてしまって、100パーセントを出せなかったことと、スケートとはこれでお別れということがちょっと悲しかったですが、リンクインする前に先生に「今出来ることを全部やっておいで」という風に言ってもらって、その言ってもらったことは全部出来たかなと思うので、今凄く晴れやかな気持ちです。
――今日の試合に向けてどのような練習をしてきたか
怪我をしてしまったのであまり充分な練習は出来なかったんですけど、ずっと武器にしてきたバレーの表現を絶対忘れないように、どんなに痛くても最後まで笑顔で滑るということを意識して、少なかったんですが、練習に励んできました。
――慶大スケート部に入ったきっかけ
私は、小さいときからクラシックバレエをずっとやってきて、慶應女子高校に入って、それを活かせる部活に入りたいなと思ったときにスケート部に出会いました。大学との合同の、確か慶應スケート部の90周年の創立パーティーがあったんですけど、そのときに、大学スケート部の前監督の方に、「高校から選手を育てたい」という風に言って頂いて、その言葉をずっと励みにして大学まで続けてきました。
――同期の存在は
本当にかけがえがなくて、家族であり、ライバルであり、というような感じでした。
――今そんな同期になんと声をかけたいか
それは感謝の一言に尽きると思います。本当に大変なことを一緒に乗り越えてきて、やっぱり時にぶつかったり、迷惑をかけてしまったりすることもあったと思うんですけど、ずっと支え合って4年間過ごしてこられたのは、本当に同期があってこそだし、そんな同期とお互い切磋琢磨し合えたっていうのは本当に、一緒にやってきてくれてありがとうっていう感謝の気持ちですね。
――スケート人生を振り返って
スケートを本格的に先生についてやってみて、テレビで観ているのとは全然違う世界を沢山経験させて頂いて、バレエとは全然違う体の使い方だったり悩んだことも沢山ありましたし、怪我とか本当につらいことも沢山あったんですけど、全ての試合を今終えて思うのは、本当に7年間、続けてやってきて良かったなっていう気持ちです。
――これからスケートは?
忙しくはなると思うんですけど、出来る限り氷には乗りたいと思っています。後は、アイスダンスとかにもとても興味があるので、そういうのもちょっと見てみたりとかはしていきたいなと思います。
――後輩に向けて一言
最後まで諦めずにやってほしいなということを言いたいと思います。本当に、つらいことがあると逃げそうになるんですけど、それでもやっぱり頑張ってたら絶対チャンスはやってくるっていうことを、私はこの7年間の間で学んだので、それを是非、後輩たちも忘れずに頑張ってほしいなって思います。