受難の年。新入生にとっては、そんな表現がぴったりかもしれない。授業開始は4月末に変更され、既に授業4回分のオンライン化が決定。新生活にむけ、不安を抱える1年生も多いことだろう。
それは在学生とて同じかもしれない。対面式の新入生歓迎活動が禁止となり、従来の勧誘活動を行うことは困難になっている。宣伝方法に苦心している団体も多いのではないだろうか。
そうした中、ハッシュタグを活用したある活動が盛り上がりを見せている。それが「#KeioOneTeam」だ。この活動はSNSを舞台に広がりを見せ、参加団体は55を数える。特筆すべきは、この55団体の中には体育会、サークルが混合しているという点だ。體育會とサークルの垣根を越えて広がるOneTeamの輪。今回は企画の発起人である體育會少林寺拳法部のお二人に、企画の概要や狙い、そして将来像などを語ってもらった。
「#KeioOneTeam」とは?
この企画を一言で表すとすれば、「複数団体によるSNS上での新歓活動」といえるだろう。今やどんな宣伝媒体でも用いられる「ハッシュタグ」。「#KeioOneTeam」も同様に、 SNS上でハッシュタグを活用して発信を行なっている。
新入生への宣伝効果
この企画には二つの狙いがあった。まずは「新入生の目に触れてもらうこと」。
他の団体と協力することで、より多くの新入生が目にする可能性が高まる。参加団体にとっては、より多くの認知度を獲得するチャンスを得ることができる。
また、新入生にとってもメリットがある。一つのハッシュタグでまとめて宣伝を行なうことで、メジャー団体以外の情報を入手することが可能になるのだ。在学生にも新入生にもまさに「Win-Win」の取り組みだといえる。
実際の発信はこのように行われている。お互いがお互いの活動内容をSNS上で紹介し、宣伝していることがお分かりいただけるだろう。実際に「#KeioOneTeam」に参加した団体からは「僕たちの活動に興味がない人にも知ってもらいたい」との声があったという。複数の団体による協力体制を整えることで、思いもよらぬ宣伝・告知効果を得られる可能性も大いにある。
體育會・サークルを問わない「ヨコのつながり」
この企画の二つ目の狙い。それが「體育會・サークルを問わないヨコのつながり」を作ることだ。
「#KeioOneTeam」は体育会限定の団体ではなく、どんなサークルに対しても門戸を開いている。発起人の一人である諸江優(政3・慶應)は、「早い段階からサークルも交えようという構想があった」と話す。體育會とサークルとが垣根を越えて良い関係を作ることで、「慶應の仲間」として今後も支え合っていこう、という想いが隠されている。
こうした想いは徐々に実を結び始めている。メジャー・マイナー問わず、幅広い団体がこの企画に参加を表明しているのだ。たとえば塾内最大規模の「律法会」や55年もの歴史をもつ「十八人会」といった法律サークルも「#KeioOneTeam」に参加している。従来であれば交わることのないであろう體育會と法律サークル。ウイルスの惨禍から今、新たなつながりが生まれようとしている。
「クリーンさ」を大切に
一方、「#KeioOneTeam」は「クリーンさ」を大切にしている。體育會・サークルによる垣根を設けない代わりに、参加にはある条件を課している。それは「大学側の意向に沿った新歓活動ができるかかどうか」というものだ。
大学側の意向とは、3月27日付で発表された「対面式の新歓活動」の一切禁止を指す。「#KeioOneTeam」はこの通達の厳守を約束した団体にのみ参加を許可している。こうしたクリーンな新歓活動は、現塾生代表・後藤圭祐氏からの支持にも繋がっているという。
「#KeioOneTeam」の今後
「#KeioOneTeam」の次なる施策は「zoomライブ」だ。4月24日(金)から4月26日(日)の3日間にわたり、「#KeioOneTeam」参加団体によるオンライン説明会を開催する。本企画の生み出した「ヨコのつながり」が新入生への発信の場を生みだした格好だ。昨年、日本を席巻した「OneTeam」が今年はKEIOを盛り上げる。
(記事:野田 快)
・zoomライブの詳細
【日付】4月24日(金)、4月25日(土)、4月26日(日)
【時間】13:00~14:00(予定)
【参加方法】LINEオープンチャットに参加(参加はこちらから)
※参加団体の詳細は確定次第、KeioOneTeam公式Twitterにて告知予定。