10月4日に関東大学対抗戦がいよいよ開幕します。それに先立ち慶應スポーツでは開幕前インタビューを実施しました。
初回は主将・相部開哉選手(政4・慶應)、副将・三木亮弥選手(総4・京都成章)のお二人のインタビューの様子をお届けします。
――はじめに、お互いに他己紹介をお願いします
相部:CTB(センター)の三木亮弥くんです。ラグビー的な話をすると低く刺さるタックルが彼の持ち味です。プライベートでは、人懐っこいところがあってよくいろいろな人の部屋に行っていろいろな人と絡んでいるイメージがあります。
三木:LO(ロック)で主将の相部くんです。慶應のラグビーを一番に体現しています。プライベートでは、彼はずっと自分の部屋にこもっています。他の人の部屋にいるのは見たことがなくて、自分の部屋でずっとYouTubeを見るかゲームをしています(笑)
――お互いを一言で表すとしたら
相部:三木を一言で表すとすれば「笑顔」です。京都成章高校時代の彼のスローガンが「笑顔」で、今もとってもいい笑顔をしているので(笑)
――(笑)
――そのスローガンは今も継続中ですか?
三木:笑顔というよりか「楽しむ」といった意味では今も継続中ですかね(笑)
――ありがとうございます。では相部さんを一言で表すといかがでしょうか。
三木:「漢」ですね。部員全員から尊敬されていて、ね、かっこいいです。
相部:(照)
――主将と副将として、お互い助けられている部分はありますか
相部:自分は色んな人と沢山コミュニケーションをとるタイプではなくて、極端に言えば黙々と自分の仕事をこなす、というタイプなので、そういった面では三木が後輩をはじめとした沢山の部員を気にかけてくれていて助かっています。
三木:(相部は)チームのお手本として常にいてくれているので、何かあれば「相部を見習え」という風に言えるので、ありがたいなと思っています。
〈チームのこれまでを振り返って〉
――昨シーズンを振り返って
相部:前半、勝つべく試合を落としてしまい自分たちの詰めの甘さが出たかなと思います。そこから立て直せずずるずると後半までいってしまい、結果シーズン途中で大学選手権に出られないことが決定してしまいました。チームの雰囲気もあまり良くなかったです。そこで昨年の4年生を中心にマインドを変えようと動いて、一皮むけることができ、チームが一つになったことで最終戦は帝京に勝って終わることができました。
――昨年の反省を踏まえて今年意識している点はありますか
相部:「厳しさ」のレベルを一つあげて、詰めの甘さをなくそうとしてきました。この部分が今年のチームの土台となっていて継続してやっていっていることだと思います。
――12月のチーム始動から4月の活動自粛まで、どんな方針で練習していましたか
三木:簡単に言えば、とにかく厳しくやってきました。どこよりも早く新チームを始動させて、4月の自粛までハードに練習し続けていました。中でも体づくりなどの基礎的なものを重点的に取り組むなど、土台作りをしてきました。
(活動自粛期間)
――春季大会中止や活動自粛をうけて、当時のお気持ちは
相部:春季大会を一つの目標として4か月間タフに練習してきて、やってきたことを試せるチャンスだとは思っていたので悔しい気持ちはありました。モチベーション的には落ちてしまいましたね。
――活動自粛期間中の取り組みの工夫を教えてください
三木:いろいろな人とコミュニケーションをとることが大事だと考えました。なかなか直接会うことが難しい時期ではあったので、オンラインでビデオ通話をつないで、全体だったり各ユニット、学年などいろいろなくくりでミーティングをすることは意識していました。
相部:顔を合わせて、「ポジティブにこの状況を捉えて今できることをやっていこう」といったことを僕たちから発信し続けるようにしていました。
(活動再開~現在)
――活動自粛期間の取り組みが活きた瞬間はありましたか
相部:ミーティングを重ねてきて、ラグビーの知識や戦術といった部分を落とし込むことができていて、頭の整理はされていたかなと思います。
――練習はどのような形態で行ってきましたか
相部:寮と日吉周辺に住んでいる人は一緒に練習をして、実家から自転車や親御さんに送ってもらうなどして来られる人は時間をずらして練習を行っています。公共交通機関を使わなければ日吉まで来られない人はオンラインでトレーニングを行ってもらっている、というように3つのカテゴリーに分かれて練習をしています。
――公共交通機関を使ってはいけないという決まりなのですか
相部:そうですね。4月からそういう決まりです。
――徹底して感染症予防に努めてきているということですね
――こうして活動に制約がある中で、苦労している点はありますか
相部:一番難しいのが新入生との関わりですね。公共交通機関を使わなければ来られない選手はやはり1年生が最も多いので、まだ一度も会ったことがない選手もいます。ビデオ通話を用いてなるべくコミュニケーションとったりするようにはしていますが、彼らに対するアプローチというのが今一番苦労している点です。
――今年は4年生が一丸となれている、というお話をお聞きしました
三木:12月の新チーム始動の時に「全力でやり切る」「お互い厳しく指摘し合う」という2つを行動指針に決めました。1年間これを4年生が一丸となって率先して行うことを常に意識してきました。それが4年生のまとまりにつながっているのかなと思っています。
――先日の明大との実戦形式の練習、手応えはいかがでしたか
相部:久々の試合だったのですが、手応えは感じました。自分たちの立ち位置が確認できて、また自分たちのやってきたことは間違っていなかったのだなと思えました。もちろん課題も見つかりましたが、チームにとってポジティブなものだったと思います。
三木:相部と同じで、やはり手応えもありましたし、その反面課題も見つけることができたので良かったなと思います。
〈対抗戦に向けて〉
――いよいよ無事対抗戦が開幕します。率直な感想を
相部:嬉しい…といいますか、安心しています。ずっと(大会が)あるのかないのかわからない状態で練習をしてきたので、開催されると決定したことはモチベーションになりますね。
三木:一緒です、その通りです。
――初戦は筑波大です。意識している部分はありますか
相部:これは毎年そうなのですが、筑波は力のある相手なので対抗戦の中の「一つの山」として意識しています。特に今年は初戦で、さらに昨年負けてしまった相手なので、いつも以上に油断できないなと感じています。自分たちは今年「チャレンジャー」という立場なので、いつも以上に全力で、食ってやるという気持ちを持って挑んでいきたいと思っています。
――その他に意識している対戦校はありますか
三木:個人的には特別意識している大学というのはなくて、目の前の敵に一戦一戦勝っていきたいです。そうして勝ちを積み重ねることが結果的に日本一につながると思っているので。
――現在のチームの雰囲気はいかがですか
相部:いい感じだと思います。先日の明治との実戦練習でチームとして手応えを感じられて、上のチームだけじゃなく下のチームも自分たちのこれまでの練習が間違っていなかったと確認できたので、前向きになれています。
三木:今、4年生のまとまりがすごくあり下級生もそれについてきてくれていて、チームとして一体感があります。まだまだギアをあげられる部分もあると思いますが、このまま対抗戦に向けてやっていきたいなと思います。
――チームの特徴を教えてください
相部:今年というよりかは毎年そうなのですが、慶應はディフェンスがチームの特徴です。自分たちがプライドを持っている部分で、要でもあり、力を入れている部分なので注目してほしいです。
――注目の選手をお二人それぞれ教えていただけますか
三木:そうですね…もちろん、相部くんは注目ですね!
一同:(笑)
三木:2人います。1人は僕と相部屋の佐々木隼(総2・桐蔭学園)くんです。いつも一緒にいるからというのもありますが、去年もルーキーとして何試合か出場して活躍していたところから、今年は一回りスケールが大きくなったプレーに注目してほしいです。2人目は鎌形正汰(商4・慶應)くんです。昨年は最終戦の帝京戦だけスタメンで出場していたのですが、今年は常にチームの中心に立って一緒にBKでやってくれているので、頼りになりますし4年目としてBK(バックス)を2人でしっかりと引っ張っていきたいなという思いを込めて、注目の選手です。
相部:関本圭佑(商4・慶應志木)ですかね。小柄ながら、パワフルなプレーが特徴です。なかなか1~3年生までは上のチームに絡んでこられなかったのですが、今年の夏ぐらいから評価され始めてAチームに食い込んできています。なので自分はすごく楽しみにしていて、おもしろい選手だと思います。
――今季のチーム目標は
相部:日本一をとることです。
――個人としての目標もあれば教えてください
相部:昨年は怪我で試合に出られないことも多かったので、今年は怪我をせずにグラウンドに立ち続けることですかね。
三木:個人としても日本一になることが目標です。3歳からラグビーをしてきて、いまだに日本一になったことがありません。本気でラグビーをやるのは今シーズンが最後だと思っているので、日本一をとって終わりたいというのが目標です。
――最後にファンの皆さんに一言
相部:昨年は自分たちにとっても、皆さまにとっても悔しい結果となってしまいましたが、今年はしっかりといい準備ができているので楽しみにしていてほしいなと思います。
三木:昨年は僕たちもそうですがファンの皆さまもとても悔しい思いをしたと思います。今年ももちろん日本一を目標として掲げていて、そうなるためにも目の前の一戦一戦をしっかりと戦っていきたいと思っています。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。
――お忙しい中ありがとうございました!
(この取材は9月18日にオンラインで実施しました。)
(取材:松嶋菜々美)