開幕2連勝を狙う慶大は、駒澤大学と対戦。前節で勝利を収めた両者の戦いは、序盤から慶大の得点を重ねる一方的な展開となった。第1Qだけで21点を奪いオフェンスから流れを掴むと、その後も7シリーズ連続でT Dを挙げるなど噛み合った攻撃を続ける。合計9本のT Dを挙げた慶大が63―21で快勝した。
関東学生アメリカンフットボールリーグ戦 第2節 vs駒大
11月8日(日) @アミノバイタルフィールド 15:20K O
慶大 | 駒大 | |
21 | 1Q | 3 |
14 | 2Q | 10 |
14 | 3Q | 0 |
14 | 4Q | 8 |
63 | TOTAL | 21 |
3点をリードされて迎えた慶大最初の攻撃、ファーストプレーからR B大河原陸(経3・慶應義塾)の61ヤードランT Dが飛び出しすぐに逆転すると、直後の守りでLB富田陸斗(経2・慶応義塾)がQ Bサックを決め、相手に流れを渡さない。
慶大の第2シリーズでも大河原のランでレッドゾーンまで攻め込み、最後はQ B久保田大雅(経3・慶應義塾)からW R近藤条(総1・慶應義塾)へのパスが決まりエンドゾーンへ。Q B久保田はプレッシャーを受けながらも正確なパスを通し追加点となるT Dを決める。第3シリーズからはエースR B大河原だけでなく、R B村上博隆(経2・慶應志木)やR B石黒真人(総1・慶應義塾)などバックスを使い分けたランプレーで相手ディフェンスラインを翻弄し、得点を重ねた。
ランが決まればパスも通る。第2QのオフェンスではT E鈴木雷蔵(環4・桐蔭学園)が輝きを見せた。メインターゲットとして20ヤード超えのゲインを奪い好機を演出したかと思えば、敵陣では相手にインターフェアを受けながらも落ち着いてレシーブT Dを挙げるなど活躍。前半終了間際に自陣に攻め込まれ失点するも、35―13で前半を折り返す。
第3Qに入ってもオフェンスの勢いは止まらない。R B大河原がキックオフのボールをレシーブすると、ディフェンスをかわしながら左サイドを攻め上がりリターンT D。西日傾くフィールドをわずか17秒で駆け抜けた。点差が開いてからは、先発選手に代わってベンチメンバーを次々に投入。経験不足によるディフェンスの連携ミスなども目立ったが、キャプテンL B寺岡衆(文4・都立西)が「最後まで集中するように意識していた」と語ったように派手さはなくとも要所を締めるプレーで第3Qを無失点に抑えた。
第4Qに入り相手オフェンスに短いパスを通されるようになってからも、落ち着いたプレーで時間を確実に消費。Q Bが又平憲人(商1・慶應義塾)や相馬大輝(商1・麻布)にスイッチしたオフェンス陣も2つのランT Dを決め、最後まで得点にこだわり続けた。63―21と駒大を圧倒した慶大が開幕2連勝を飾り、ブロックの単独首位に立った。
前節は第3ダウンの成功率が10%を下回り、その正確性に課題を残していた慶大オフェンス陣。「そもそも第3ダウンの状況を作らない」と意気込んだ大河原の活躍もあり、効率の良い攻撃を重ねた。ディフェンスが奮起した開幕戦とは対照的な展開で、まさにオフェンス力の差で勝利したと言えるだろう。キッカー山本小次郎(4・青山)の安定の安定したキックも好印象だ。練習通りの戦い方でまさに理想的な勝利を収めたが、それでもキャプテンは「後半緩みが出ていたので、チーム全体で修正していかなければならない」とさらなる高みを目指している。
常に進化を続ける慶大は、11月22日に神奈川大と戦う。次節が最終戦となるが、バランスの取れた戦術と高い集中力で確実に勝利を掴み、リーグ戦を締め括りたい。
(記事:栗栖翔竜 写真:野田快)
以下選手インタビュー
主将・寺岡衆(文4・東京都立西)
――開幕2連勝ですが、今のお気持ちは
嬉しさ半分と悔しさ半分ですね。相手を圧倒することを目標に掲げている中で、前回の試合からオフェンスはどれだけ課題を修正できるか、ディフェンスは流れを維持していけるかということを話していたんですけど、オフェンスが課題を克服してくれた中でディフェンスとしては不甲斐なさが残る形になったかなと思います。
――試合を振り返って
やはり相手の駒澤大学さんは体も大きく、強いということで難しい相手だなと思っていました。オフェンスが前回をバネにして爆発してくれた中で、ディフェンスはやろうとしていたことを全てやりきることができなかったということで悔いが残りますね。
――多くの選手が出場する展開になりました
僕自身、メンツの変化、変更はあまり関係ないと思っていて。点差がついた中で緩みが出てしまって失点であったりファンブルしたりというミスが出たと思うので、チーム全体の反省点として修正していかないといけないなと思っています。
――3戦目に向けて
あくまで相手を圧倒することが僕たちのテーマですが、当たり前のことを当たり前にやればそれは達成できると信じているので、まずは画面の向こうで応援してくださっている方々やコーチに何も言わせない、非の打ちどころのない戦いをしていければなと思っています。応援よろしくお願いします。
R B 大河原陸(経3・慶應義塾)
――勝利を収めました、現在の心境は
開幕戦で全然うまくいかなかった(試合の)入りの部分を意識していたので、そのあたりがうまくいったということで、まずは良かったかなと思います。
――前節は第3ダウンの成功率が低かった印象ですが、対策などはされてきましたか
そもそも第3ダウンを作らないということを意識していました。第1ダウンで前に出る、第2ダウンで前に出るというところで第3ダウンにヤードを残さないというところを意識して、スタートファースト、まず最初からどれだけ前に出られるかを考えていたので、結果としてもそのあたりは体現できたんじゃないかなと思います。
――ご自身のベストプレーは
最初のプレー(61ヤードランT D)ですかね。スタートに対してかける思いはオフェンダー全員非常に強いものがありましたし、前回の課題だったレシーバーの外のランブロックも綺麗に決まっていて、自分は走るだけというか、いい攻撃になりました。
――点差が開いた中でフィールド上ではどのような声かけを
まず自分自身のパフォーマンスが後半にかけて低下してしまっていたのは反省点なのですが、前半と違って第1ダウンでサイドラインにいる(プレーに参加していない)ことも多かった中で、それまでサイドラインで声を出してくれていた選手の代わりというか、そこで何ができるか、どう貢献できるかということを考えながら声を出していました。
――次回がリーグ最終戦になります
個人的にはパフォーマンスが落ちてしまった後半をしっかり反省して、「継続」という部分を意識していきたいと思います。チームとしても、やはりメンツが変わってもパフォーマンスを維持することを大切に戦っていきたいと思います。