【バレーボール】自分たちの戦い方が見えたものの、悔しい敗戦/春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 第8戦vs日体大

バレー戦評

慶大にとって、今季初の有観客試合

慶大はこの日、昨季王者の日体大との一戦に臨んだ。第1セットこそ、小さなミスが重なり、それに引きずられ本来の力が発揮できなかったものの、第2セット・第3セットでは自分たちの戦い方で善戦。しかし、最後は勝負強さが光った日体大に勝利を献上してしまい、あと一歩のところで落としてしまった。自分たちの最大限のパフォーマンスを出すことが出来れば、強豪相手にもしっかり戦えることが証明できた試合であろう。次戦こそ連敗を止められるか。

 

 

 

2022年5月28日(土)

春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第8戦 慶大×日体大

@日本体育大学健志台キャンパス米本記念体育館

 

得点

慶大

セット

日体大

15

25

23

25

22

25

 

 

出場選手(サーブ順)

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

   
   

OH

島田航希(経3・慶應)

MB

芳賀祐介(環2・札幌北)

OP

松本喜輝(環3・九州産業)

OH

渡邊大昭(商2・慶應)

MB

降小雨(商4・慶應)

S

高倉真古都(商4・慶應)

L

山元康生(法1・慶應)

途中出場

 

 

OH

12

内田克弥(環2・松江工業)

OH

18

安達龍一(環4・洲本)

MB

27

下田悠生(経4・慶應湘南藤沢)

 

 

 

 

 

選手に明るく声を掛ける高倉主将

第1セットは、島田航希(経3・慶應)のクロスへのスパイクで幕が開けた。渡邊大昭(商2・慶應)がレシーブしたボールを自身で打ち切りブロックアウトをとると、今度は松本喜輝(環3・九州産業)が2連続で得点し、エースの貫禄を見せつけ4-3。相手ブロックも追いつけない速さで降小雨(商4・慶應)がクイック攻撃を決めラリーを制すと、7-7と序盤は両者譲らない展開が続く。またも降が今度はブロード攻撃を決め、11-12とすると拮抗した状態でセットは後半戦に。消毒タイムアウト明け、渡邊が力強いスパイクでブロックアウトを取り12-13とするも、サーブのミスや相手の攻撃をあと一歩取り切れず、12-17と点差をつけられてしまう。反撃を試みたい慶大は、芳賀祐介(環2・札幌北)のクイック攻撃などでひとつずつ得点にしていくも、以降なかなか流れをつかめず、最後は相手のエンドラインぎりぎりのサービスエースが決まり、15-25でこのセットを落とす。

 

 

 

日体大の攻撃に食らいつく

第2セットは相手に3連続得点を奪われたところからのスタート。0-3の場面で安達龍一(環4・洲本)が投入されると、相手ブロックの上から力のこもったスパイクを打ち下ろし1-3とし、息を吹き返す1点を決めた。そして、長いラリーになったところで安達は相手ブロックの隙を見逃さず、高さを活かしたスパイクで得点。今度はまたも安達が相手レシーバーを弾くBクイックを決め、4-5と存在感を遺憾なく発揮する。追いつき追い越したい慶大は、芳賀のクイック攻撃や松本のスパイクで得点を重ねるも11-13と常に日体大の背中を追いかける展開が続く。そんな中、降のサーブで崩し、島田が空いているストレートを狙ったスパイクを決め、14-14とついに相手の背中を捉えることに成功する。松本が中に走りながらフルスイングで強烈なアタックを、続いて島田がサービスエースを決め17-17。セット終盤に差し掛かり、21-21とお互い一歩も引かない緊張した場面、松本がライト側からバックアタックを決め22-21と逆転。しかし、ブロード攻撃など相手の多彩な攻撃に対応しきれず、ブレイクを許し22-24。ここで慶大はタイムアウトを取り、もう一度勝負をかけたいところであったが、直後松本のアタックで1点を取るも、最後はブロックがつききれず相手に打ち込まれ23-25で惜しくも第2セットも落としてしまう。

 

 

 

松本の強烈なアタック

第2セットで戦い方が見えた慶大は、第3セット切り替えて臨みたいところであった。序盤、5-8と3点差をつけられるも、芳賀と松本の二人でブロックポイントを、難しいトスを安達が決め切りブロックアウトを、続いて降と松本のブロックで相手スパイカーを仕留めるなど全員で着実に得点を重ね、10-10とする。今度は、島田がアンダーであげた二段トスを安達が見事に合わせクロスに打ち込み、11-10と逆転。相手にタイムアウトを取らせる。14-14と一進一退の好ゲームが続く中、高倉真古都(商4・慶應)と降の息の合ったクイック攻撃が決まると、今度は相手セッターがツーアタックで応戦。島田が気合の入ったスパイクをコートの隅に打ち込み、長いラリーを制すと、相手も負けじと空いているスペースを狙ったスパイクを決め、こちらは手が出せない。サーブレシーブが崩れ、ブロックに捕まると相手に先に20点台に乗せられてしまった。19―22と踏ん張りたい場面、松本がブロックアウトを取り20-22とするも、お互い攻めのサーブでミスが出て、最後はこちらのサーブがアウトとなり22-25で試合終了のホイッスルが鳴った。

 

 

 

(記事・写真:田中瑠莉佳)

 

 

 

以下、コメント

 

 

星谷健太朗監督

――今日の試合を振り返って

初めて有観客でできて嬉しいなと思いましたし、日本体育大学さんに対してしっかり自分たちの今出せるパフォーマンスを発揮できたのはよかったと思います。勝利した日本体育大学さんにはおめでとうと言いたいです。

 

――あと一歩取り切れないところを改善していくには

あと一歩というのは前に積み重ねた点数の中で、ワンタッチしたボールをレシーブするとか、変にブロック出さないとか、もうちょっといいプレーできたなというような失点だったらいいんですけど、そうではない失点があるので、やるべきことを引き続きやれるようにしたいというところ。あと、それをやったとしてもうまくいかなかったプレーは向こうの力が上回ってできないプレーというのもあるので、そこに関してはディフェンスの部分で自分のところにきたボールに関しては少なくとも上にあげられるようにというところであったり、サーブであればしっかりと自分のサーブを打ちきれる準備をしていく必要があるんじゃないかなと思います。

 

――先週マインドセットも課題とおっしゃっていましたが、そこはいかがでしたか?

それについては先週よりだいぶ改善されていたんじゃないかなと思います。だからこそ3セット目、いつもだったら大崩れしてしまいそうなところでなんとか堪え切れたというのは成長だったと思います。あとは競っている場面でも、結果こそついてこなかったけれども、勝負所での1点に臨む姿勢というのは間違っていなかったと思います。ただ、まだ経験値というところで、恐らくネガティブなイメージを持ってしまう状況がちょっとあるかなと思うので、そこは試合を重ねる中で平常心でできるようになっていってもらえれば、より良いんじゃないかなと思います。

 

――明日に向けて

明日も明日で、チーム全員で最大限やるべきことを1プレー1プレーしてもらえたらなと思うし、相手関係なしに自分たちが1部の舞台で、なおかつ強いと言われている相手と戦わせていただけることに感謝して、バレーボールができることの意義を感じて頑張っていきたいと思います。

 

 

 

高倉真古都主将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

結果は(セットカウント)3-0なんですけど、僕らの戦い方が良い方向に出ていた試合かなと思います。

 

――自分たちの戦い方が出来ている中で、あと一歩詰めるとしたらどういうところだと思いますか?

そうですね。監督もおっしゃっていたことなんですけど、細かいプレーができていない、そこの差だと思います。そのプレーだけを切り取ってみたらなんてことないボールが、試合の中で取れないということが多くて。そういうのが2、3点あると思うので、そこを詰めていきたいです。

 

――第2セットや第3セットでは勝つチャンスも見えたように思いました

毎試合2、3点リードはできるっていうその展開があるんですけど、もちろん相手も取りにきているわけで、その反撃に耐えきれないところがあると思います。

 

――明日へ向けて

今日見えた戦い方を詰めていくのと、細かい2、3点を落とさないこと、あと慶應の流れにしたいというところですかね。自分たちの戦い方を展開して流れをつかむ、というところを意識して勝負に勝ちたいと思います。

 

 

 

降小雨副将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

惜しかったと思います。細かいボールが落ちてしまっているのと、要所での点数の取り方が至らなかったというか。その要所要所で取りたいボールが取れなかったり、してはいけないミスが出てしまうと、日本体育大学さんのようなミスをしないチームに勝つのはむずかしいのかなと思います。

 

――良いプレーも多く見られて、勝つチャンスも見えたように思いました

そうですね。先行する場面や拮抗する場面もあったんですけど、やっぱり細かいところの点が取れていない、自分たちのミスで相手にブレイクされてしまうのがまだまだ我慢しきれていないというか。逆にそこを自分たちで連続得点を取りにいかないと勝てないと思うので、明日は修正していきたいと思います。気持ちなのか技術なのか分からないですけど、頑張ります。

 

――明日へ向けて

いつも勝ちます勝ちます、って言っているんですけど…勝ちます!頑張ります。

 

 

 

安達龍一(環4・洲本)

――今日の試合を振り返って

途中出場だったんですけど、いつでも出れるように普段から準備していたので、練習してきたことが発揮できてよかったです。勝敗で言ったら負けてしまったんですけど、自分のやってきたことが出せたという面では、前の試合よりも成長できたのかなと思います。

 

――安達選手の1本でチームが勢いづくなと感じました

流れが相手に傾いている場面での出場だったので、雰囲気でも盛り上げないといけないなと思いました。プレーでも声でも引っ張っていこうと思って、それができたのでよかったです。

 

――自分が決めるぞ、という意識があったんでしょうか?

そうですね。自分の長所は高さだと思っていて、レシーブで崩れても全部上から打って決めるという意識で入ったので、上がったトスは全部点数にしたいと思っていました。

 

――明日へ向けて

明日もまだ誰が出場するか未定なんですけど、自分ができることを精一杯やりたいと思います。

 

 

 

松本喜輝(環3・九州産業)

――今日の試合を振り返って

向こうがレシーブとブロックでつなげてくるチームだったのに対して、こっちが攻め急いで取りたいボールが取れなかったっていう展開だったと思います。

 

――ご自身の手応えは

今日は自分にトスを集めるってなってて、その中では打てた方かな、と自分の中では評価しています。

 

――有観客ということでモチベーションはいかがでしたか

やっぱり応援してくださる方の声が直接聞こえるので、モチベーションは高くできたと思います。

 

――明日へ向けて

今日取れなかったボールをみんなで一丸となって取りにいきたいなと思います。

 

 

 

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