【連載】突撃!慶應体育会2022 vol.3 レスリング部(後編)

連載

連載企画第3回は初心者からアジア王者まで幅広い選手が所属するレスリング部。後編では主将を務める松井滉季(4年・慶應)選手と今年のアジア選手権で優勝を果たした尾﨑野々香(環2・帝京)選手のインタビュー完全版をお届けします。

以下、松井主将のインタビュー

——経験者と初心者の人数は?

6割が初心者で大学から始めた人たちで、経験者が4割くらいです。

 

——練習―メニューは誰が決めているのですか?

僕が考えて練習をするときが多いんですけど、経験者に僕が考えてとお願いするときもあります。

 

——練習メニューの内容を教えてください

レスリングは怪我が多いスポーツなので最初は入念にウォーミングアップをします。例えば、体を温めるためにダッシュをしたり、腕立てをしたり筋肉に負荷をかけて怪我をしないようにしています。そのあとに柔軟などをして、タックルの練習を打ち込みというかたちで行ってから実践形式のスパーリングというメニューを行いました。そのあとは今日の練習の振り返りも含めて今日はタックルの技術練を行いました。普段は2人組でお互い教え合ったりするフリートレーニングの時間を主に設けています。ウォーミングアップ、打ち込み、スパーリング、フリートレーニングというのがいつもの流れです。

 

——練習を考える上で工夫していることはありますか?

僕が意識しているのは経験者が大学から始めた選手のことを教える時間をつくって練習に組み入れたりしているんですけど、お互いに会話しながらわからないことをどんどん出していって、そのわからないことを一つずつ潰していく時間をつくようにしています。選手が受け身ではなくする時間をつくるようにしています。

 

——レスリング部の特徴を教えてください

多様性が豊かなところだと思います。今は慶應の高校生も練習に混ざっていて、経験者の中には全国大会で優勝したメンバーもいて、大学から始めた人もいて、戦力的にはすごくかけ離れているんですけど、下の人が上の人を目指してついていく組織でもありますし、上のレベルの人も下のレベルに合わせるのではなく教えることで自分の技術を言語化して自分に足りない部分を再確認して切磋琢磨できる環境になっていると思います。そういった多様性を活かしたチームということが特徴だと思います。

 

——今年のスローガンを教えてください

昨年も主将を務めていたんですけど、その時から変わらず「覚悟」というスローガンを掲げています。他の大学と比べたらチームとしてビハインドを抱えている状態なので、そのビハインドを覆すためには覚悟を持って練習に取り組んだり、部活動に情熱を捧げたりしていかないと差を埋められないということでこのスローガンを掲げています。

 

——今年の目標を教えてください

今年のリーグ戦で1部から降格してしまって、その1部と2部の入れ替え戦で負けた立教大学と今年の9月に六大学戦でまたリベンジマッチがあるので、そこで勝ちきることがチームとしての目標です。

 

——ありがとうございました!

スパーリングで対戦する松井主将と尾﨑選手

以下、尾﨑選手のインタビュー

——練習中他の部員に教える姿がよく見られました

慶大は大学から始めた人も多いので、みんなで強くなるというのもありますし、レスリングを楽しくやってほしいとむかしから競技をやっている側としては思うので、私も目標は高いところにありますけど、それとは違う目標の選手に基本を教えるのは自分の再確認にもなりますし、自分がアドバイスしたことによって少しでも強くなったら自分も嬉しいという思いがあるので、教えたりしています。

 

——強豪校ではなく慶大を選んだ理由を教えてください

レスリングは引退してからのセカンドキャリアの方が長いですし、レスリングだけやっていても生きていく上で必要なことを学べていないなと思ったので、慶大で将来のことも考えながら自分のやりたいことを4年間で見つけて両立していけたらいいなと思ったので選びました。

 

——実際に入って練習環境はどうですか?

実際、強豪校でもないですし、大学から始めた選手も多かったりするので、練習的には慶大にきながらも他の大学にもお世話になっている部分もあります。

 

——代表活動と部活、勉強の両立で工夫していることを教えてください

授業で課題も結構ありますし、ここの練習が終わる時間が遅いというのもあるし、他の大学の練習をしてから帰ると22時になったりするので、そうなると疲労困ぱいでそのあと課題やってとなると24時過ぎてしまったりします。なので何もない時はすぐになるとか、少し疲れ切っているなと思ったらきっぱり勉強しないと決めたりとか、うまく自分が体調崩さない程度にやろうと思っています。

 

——今年1年間の目標を教えてください

一つ目標としていたアジア選手権では優勝することができたので、次は世界選手権に出場するための試合があって、これからオリンピックを目指すメンバーと試合をするのでそこでしっかりと勝って、世界選手権につなげたいです。オリンピックまでにいい流れを今から作っていきたいので、今年も負けなしで突っ走りたいです。

 

——ありがとうございました!

(取材:船田萌恵)

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