【バレーボール】春季リーグ戦のリベンジ果たせず、ベスト16で大会を終える/第41回東日本バレーボール大学選手権大会3回戦vs東海大

バレー戦評

東日本インカレ2日目。この日慶大は、春季リーグ戦で優勝を果たした東海大との一戦に臨んだ。前日、選手たちが「リーグ戦で負けた相手ということで、チャレンジ精神で戦いたい」と言ったように、リベンジを果たすべく序盤から気合十分であった。第1セットは、途中6連続ブレイクを奪うなど流れをものにする場面もあったが、相手の速い攻撃に対応できず惜しくも落としてしまう。第2セットも第3セットも、中盤まで一進一退の好ゲームが続いたが、東海大の攻めのサーブと徹底されたブロック・トータルディフェンスの前にセットをものにすることができなかった。結果、セットカウント0-3でストレート負け。慶大はベスト16で今大会を終えた。

 

2022年6月23日(木)

第41回東日本バレーボール大学選手権大会

3回戦 慶大×東海大

 

得点

慶大

セット

東海大

21

25

20

25

18

25

 

 

出場選手(サーブ順)

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

   

OH

島田航希(経3・慶應)

MB

芳賀祐介(環2・札幌北)

OP

松本喜輝(環3・九州産業)

OH

18

安達龍一(環4・洲本)

MB

降小雨(商4・慶應)

S

高倉真古都(商4・慶應)

L

山元康生(法1・慶應)

途中出場

 

 

MB

27

下田悠生(経4・慶應湘南藤沢)

OH

渡邊大昭(商2・慶應)

OH

12

内田克弥(環2・松江工業)

25

樋口太樹(経4・慶應)

 

 

 

松本のスパイクでブロックアウトを取る

注目の第1セット。東海大の安定した守備を前に一時4-8と離されてしまう苦しい立ち上がりに。相手の背中を追う展開が続き、10-13でセットを折り返す。後半、追いついていきたい慶大であったが、惜しくもこちらのスパイクがアウトになるなど10-15と差を広げられたところで1回目のタイムアウトを要求。相手のノータッチエースが決まり12-19と大きくリードを奪われ、このまま東海大の流れになるかと思われたところを断ち切ったのは、松本喜輝(環3・九州産業)が奪ったブロックアウトだった。直後、松本の強烈なサーブで崩し、島田航希(経3・慶應)がブロックで仕留めるなど3連続でブレイクし16-19で東海大にタイムアウトを取らせる。タイムアウト明けも集中を切らさなかった松本がノータッチエースを決め、その後相手のスパイクがアウトになったことで18-19と1点差まで詰め寄る。しかし、相手のクイック攻撃が決まるなど20-23で慶大が2回目のタイムアウト。踏ん張りたい場面であったが、最後は相手のサーブがエースとなり21-25でこのセットを落とした。

 

 

安達の強烈なバックアタック

切り替えたい第2セット。先制点こそ奪われたものの、高倉真古都(商4・慶應)のサーブで崩し、安達龍一(環4・洲本)がダイレクトで押し込み得点するなど順調な滑り出しを見せる。島田が綺麗なAパスを返すと、安達が高さのあるスパイクでブロックアウトを取り5-3、またも安達が今度はバックアタックで相手レシーバーの腕を弾き、そのボールは2階席まで飛ぶほどの強烈さを見せつけ6-4とした。お互い譲らない一進一退の攻防が続き、12-13で中間の消毒タイムアウト。ここで慶大は安達に代わり、内田克弥(環2・松江工業)を投入し守備力強化を図るも、相手の強気のサーブに押され13-16と差をつけられたところでタイムアウト。島田のサーブで相手の陣形を崩し、甘く返ってきたボールを降小雨(商4・慶應)がダイレクトで押し込み16-17と着実に差を詰めるも、そこから相手にサービスエースを決められるなど連続ブレイクを許し、16-20で慶大はタイムアウトを使い切ってしまう。巻き返していきたいところであったが、先に20点台に乗せた東海大の勢いに押され、20-25で第2セットも落としてしまった。

 

 

渡邊の技ありスパイク

あとがない第3セット。途中出場の渡邊大昭(商2・慶應)がブロックとアンテナの間の狭いスペースを通す技ありのスパイクを決め2―2、芳賀祐介(環2・札幌北)がAクイックを決め4-3、渡邊がサービスエースを決め12-11と序盤から激しいサイドアウトの応酬に。そして、高倉のワンハンドトスに芳賀がしっかり合わせクイック攻撃を決め、13-12と一歩リードした状態でセットは後半戦に。降のクイック攻撃で14-14、渡邊が相手ブロッカーを冷静にフェイントで躱し15-16。この拮抗した状態から先に抜け出したのは東海大で、強烈なサーブと粘り強いブロックの前に4連続ブレイクを許してしまう。相手のサーブがエースとなり、15-20と差を広げられたところで慶大はたまらずタイムアウトを要求。立て直したい場面、松本のスパイクで得点するも相手のサーブが2連続でエースとなるなど、追い上げるまでには至らず、最後はブロックで吸い込み18-25でこのセットも取ることはできなかった。セットカウント0-3で無念の敗北を喫した。

 

 

 

慶大は東日本インカレをベスト16で終えた。春季リーグ戦で東海大と試合をしたときよりも自分たちの強みを活かし戦えていたことは、明らかな成長である。試合後の選手のインタビューから、終盤の弱さや気持ちの浮き沈みをなくすことが課題としてあげられた。次の慶大の試合は国際武道大との入替戦である。今大会で出た課題をしっかりと見つめ直し、自分たちがもつすべての力を出し切り1部残留をつかみ取って欲しい。秋も関東1部の舞台で戦い、進化を続ける慶大バレー部の姿が見られることを願って。

 

 

(記事・写真:田中瑠莉佳)

 

 

以下、コメント

 

 

高倉真古都主将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

そうですね、東海大学さん強かったです。

 

――春季リーグ戦で東海大と試合したときと比べていかがでしたか

多分、春より戦えている部分は多かったと思うんですけど、自分たち自身としてはあまり良い試合だったと思えてなくて。こうしたいという思いが実際に行動に移せていない、取りたい場面で取れないというのが顕著に現れていると思います。

 

――反省点は

慶應は攻撃型のチームなんですけど、その攻撃がうまくはまらないことによって、どんどんパフォーマンスが落ちていって、サーブで攻められなくなってAパスを返されて攻撃される、逆に、相手のサーブが良くてこっちはAパスが返らなくて止められてしまうというパターンが多いと思っています。しかも、うちの選手は攻撃型にも関わらず、劣勢のときほど気持ちで落ちてしまう選手が多いので、そこは何とかしないといけないと思います。

 

――入替戦に向けて

まず相手の対策はしっかりやった上で、リーグ最終戦のチームのかたちを完成形とするのではなくて、その最終戦から更に強くなった慶應で臨みたいと思います。1部残留を懸けて守る立場にはなると思うんですけど、国際武道大学さんは(東日本インカレ2回戦で)早稲田大学さん相手に良い試合をしていたので、そこは相手に不足なしというか、こちらは攻めの姿勢でぶつかっていくだけかなと思います。

 

 

 

降小雨副将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

どのセットも中盤まではついていけたんですけど、東海大学の佐藤くんのサーブが良くてそこで走られてしまって、慶應のサーブレシーブが我慢できなかったところが敗因かなと思います。

 

――春季リーグ戦で東海大と試合したときより戦えているなと感じました

そうですね、それは間違ってないと思います。少なくとも中盤まではこっちのやりたいバレーができていたと思うので、そこを最後までどう戦い抜くのかというところだと思います。しっかり上にあげて2段トスで勝負していく形をどこまで突き詰められるのかというのが課題かなと思います。

 

――入替戦に向けて

やっぱり細かいプレーを突き詰めていくことを意識していきたいと思います。

 

 

 

松本喜輝選手(環3・九州産業)

――今日の試合を振り返って

やっぱりリーグ戦で1回戦って負けた相手ということで、前よりは良い試合ができていたけれど、まだ自分たちの課題があると思いました。

 

――その課題というのは

ちょっとしたミスが失点につながっているので、1部で戦っていくにはそういうミスをなくしていかないといけないと思います。

 

――松本選手のサーブのローテーションで連続ブレイクをしていましたが、そこの手応えはいかがでしたか

そうですね、あの時は自分自身も乗っていてプレーができていたので、その流れをみんなで引っ張っていけたらなと思っていました。

 

――入替戦に向けて

自分たちのやるべきことをもう一度しっかり見つめ直して、残り2週間練習に取り組んでいきたいと思います。

 

 

 

島田航希選手(経3・慶應)

――今日の試合を振り返って

中盤までは良いゲームで一進一退のゲームができていたと思うんですけど、終盤一気に離されるというのがすべてのセットでそうだったので、終盤の弱さが出た試合だったのかなと思います。

 

――春季リーグ戦で東海大と試合したときより戦えているなと感じました

春リーグを通して1部での戦い方というのをだんだん分かってきて、そういう経験が活かせた部分があったのかなと思います。ブロックとかレシーブとかこの東海大戦に向けて対策してやってきていたので、春戦ったときよりも準備はできていたと思います。

 

――サーブやブロックで良いプレーがたくさん見られましたがご自身の手応えは

そんなに手応えはないんですけど、自分は強い相手の方が燃えるというか、やる気が出るので、そういう持ち味がでたかなと思います。

 

――入替戦に向けて

関東1部という大学の中だったら1番高いレベルでバレーボールができる環境は単純に楽しくて、負けても全然2部とは違って楽しいので、まずは絶対1部に残留したいです。これから1部で上位を目指していかないといけないので、入替戦は通過点として良いゲームができるように頑張ります。

 

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