8月11日から予選が行われ本戦6日目を迎えた全日本学生テニス選手権大会。この日は強い日差しの照りつける中、長時間にわたる熱戦が数多く繰り広げられた。勝負どころでの強さを見せた慶大の選手たち。シングルスでは、永田杏里(総4・南山)、今田穂(環4・啓明学院)、藤原智也(環3・東山)が、ダブルスでは藤原・下村亮太朗(法2・慶應)ペア準決勝進出を決めた。
2022年度全日本学生テニス選手権大会
8月19日(金) @四日市テニスセンター
●男子シングルス
白藤成 | 0{2-6、3-6}2 | ○丹下将太 |
準々決勝の白藤成の相手は早大主将の丹下将太。インカレの舞台で早慶主将対決が繰り広げられた。
石井涼太(中大) | 1{6-2、4-6、2-6}2 | ○藤原智也 |
相手のミスなきストロークに苦しみ第一セットを落とし、迎えた第ニセット。逆転を許し2-3となりつづく6ゲーム目、藤原選手がこのゲームのブレークに成功する。7ゲーム目は藤原のサービスエースで始まり勢いそのままにゲームを制し、さらに第ニセットを奪取する。第三セット、5-2で迎えた8ゲーム目、両者ともに粘り強いプレーを見せる中で第二セットから勢いに乗った藤原が競り勝ち、見事勝利を手にした。試合終了時には両者やり切ったような笑顔を見せ、会場は拍手に包まれた。
●女子シングルス
○永田杏里 | 2{6-7(3)、6-4、7-6(5)}1 | 照井妃奈(筑波大) |
連日の猛暑の中ここまでシングルス、ダブルスと多くの試合を戦ってきた永田。その疲れからか、サーブやストロークで精彩を欠くシーンも目立つ。第1セットをタイブレークの末落とし、先行を許す苦しい展開となった。第2セットは6―4で制し持ち直したが、第3セットもタイブレークまでもつれ込む。準決勝進出をかけた勝負は、7ポイント先取の戦いにゆだねられた。粘り強くストロークを返してくる相手に対しスライスを織り込み丁寧な返球を見せる永田。我慢比べのラリーが続きミスを誘うなど、一時4―2と2点差をつけ戦いを優位に進める。しかしここから相手に逆転を許し、一転4―5に。後がなくなった永田はここから驚異の巻き返しを見せる。力強いラリーで3ポイントを連取。7―5と見事な逆転劇でタイブレークを制した。最後は第1シードの底力を見せた永田。準決勝へと駒を進めた。
大橋麗美華 | 0{6-7(7)、1-6}2 | ○今田穂 |
今田が粘り強いプレーを見せ、勝利をつかんだ。第一セット、お互いにサービスゲームをひとつも譲らず 6-6 に、タイブレイクへともつれこむ。タイブレイクでも相手のミスを待つような粘り強いプレーを両者が見せ、最後はタイブレイク中にサービスエースもみせた今田がラリーを制して約 2 時間にも及ぶ第一セットを取った。つづく第二セット、第一セットから前に出るプレーを見せていた大橋と同様に今田もラリー中に前に出る場面が見られるようになる。今田から 4-1 で迎えた 6 ゲーム目、サービスエースが決まり 5-1 へ。最後はネットプレーでゲームエンド、今田が大橋よりも一歩粘り切り勝利をつかんだ。
●男子ダブルス
○藤原智也・下村亮太朗 | 2{6-4、6-3}0 | 吉田響介・小高拓海(駒大) |
相手の吉田・小高ペアは2人とも前衛に上がる攻勢を見せ、序盤は藤原・下村組が前衛を避けようと後ろにストロークを打ちアウトとなってしまう。しかし藤原・下村ペアはそれをすぐ修正し、前衛に強打を見舞うなどして得点につなげていった。さらに、相手のファーストサーブにも動じず、連携のとれたプレーでゲームを掴んでいく。5-4で迎えた10ゲーム目、下村の強烈なサーブが光り第一セットを勝ち取ると、つづく第ニセットでも息の合ったプレーを見せた藤原・下村ペアは準決勝へと勝ち進んだ。
●女子ダブルス
○伊藤さつき・吉川ひかる(亜大) | 2{6-4、6-4}0 | 永田杏里・今田穂 |
惜しくも第一セットを取り逃がし迎えた第ニセット、4ゲーム目までお互いにサービスゲームを譲らない展開となった。つづく5ゲーム目は相手にブレークを許したものの、すぐさま6ゲーム目を永田・今田ペアがブレークする。8ゲーム目こそ相手のサーブに苦しんだが9ゲーム目は永田・今田ともに積極的なネットプレーを見せ、コントロールの良いショットで相手のフォーメーションを崩しながらスマッシュも決め、このゲームを制す。最後はあと一歩粘れず悔しい敗戦となった永田・今田ペアだが、観客の心に残る試合を見せてくれた。
(記事・写真:船田萌恵、松田英人、五関優太)