春の早慶戦では2ー7と宿敵・早大に完敗した慶大。あれから約4か月が経った。王座優勝のために越えなければならない高い壁。強敵相手に成長した姿を見せたいところだ。
試合はすべて紙一重の大接戦に。ダブルスでは1ー2と負け越したが、敗れた試合もすべて最終セットまでもつれる惜敗。シングルスでは3人が勝利し、3ー3のタイ。合計4ー5と惜しくも敗れたが、王座での再戦そしてリベンジに向けて実りある一戦となった。
<ダブルス>
D1
藤原智也(環3・東山)・ 下村亮太朗(法2・慶應) | 2{6ー2、6-1}0 | 白石光・山口柚希 |
早大主将・丹下将太の不在により急遽組まれた早大ペアに対し、インカレベスト4の藤原・下村ペアが快勝した。第1セットを6ー2で奪い主導権を握った慶大ペア。途中雨天による中断もあったが集中力を切らさずに第2セットも圧倒し、2ー0で快勝した。
D2
白藤成(環4・西宮甲英)・ 高木翼(総2・関西) | 1{6ー4、3-6、6(1)-7}2 | 増田健吾・池田朋弥 |
3セットにわたり両者拮抗する試合内容となった。勝負の分かれ目となった第3セット。第9ゲーム、両者4ゲームを取った状態で慶大は早大にブレイクを許すも、続く第10、11ゲームをものにし、勝利への機運が高まった。しかし続くゲームを落としてしまい突入したタイブレーク。早稲田のサーブに押され思うようなプレーができず、このセットを落とし惜しくも敗戦となった。
D3
有本響(総1・慶應)・ 菅谷優作(法1・慶應) | 1{6(1)-7、6-2、4-6}2 | 渡部将伍・田中瑛大 |
大接戦の末、惜しくも敗れた有本・菅谷ペア。
試合は第1セットからもつれる展開となった。1ブレークダウンで迎えた第7ゲーム、息のあった連携によってポイントを重ね、ブレークバックに成功する。その後は互いがキープを続け、タイブレークに突入する。しかし、ここぞという場面で勝負強さを見せる田中・渡部ペアの前にタイブレークを落とし、セットを先取されてしまう。
第2セット序盤も拮抗した展開となったが、中盤以降は慶大ペアがパワーとコントロールを兼ね備えたストロークと積極的な前衛を武器に相手を崩すことに成功。相手のサービスゲームである第6ゲームをブレークし、先に優位に立つと、第8ゲームのブレークにも成功。2ブレークアップで第2セットをものにした。
勝負の第3セット、先にブレークを許したものの、第8ゲームでブレークバックに成功し、スコアを振り出しに戻す。直後の第9ゲーム、キープをして流れを持っていきたい場面であったが、粘り強いテニスを見せる早大ペアに再びブレークを許す。続くゲームも落としてしまい、1年生ペアは惜敗を喫した。
<シングルス>
S1
藤原智也 | {5-7、6-3、0-0ret} | 白石光 |
日はすっかり落ち、ナイターの中行われたS1。すでに早大の勝利は決まっていたが実力者同士の注目の対戦だ。第1セットは両者ともに譲らない展開だったが僅差で落とした藤原。しかし第2セット途中、早大の白石が違和感を訴えメディカルタイムアウトを要求。そのまま藤原が第2セットを取った後白石が棄権した。
S2
白藤成 | {6-0、6-2} | 池田朋弥 |
あっという間の完勝だった。力強いサーブにコート隅に決まる鮮やかなショット、多彩な攻撃で相手を寄せ付けなかった。精度が高く安定したストロークでポイントを重ね、自ら勢いに乗っていった。第1セット、1ゲームも与えずに奪うと第2セットも6ー2で勝利。慶大を勢いづかせる主将の執念の勝利だった。
S3
菅谷優作 | 0{6(3)-7、4-6}2 | 小久保蓮 |
0ー2で敗れたが、どちらに転ぶかわからない接戦だった。第1セットをタイブレークの末惜しくも落とすと流れは早大・小久保へ。第2セットも粘ったが落とし敗戦した。
S4
今鷹洸太(商3・慶應) | 0{4-6、3-6}2 | 山口柚希 |
相手に主導権を握られ、苦しい試合となった。積極的なプレーを見せる山口の前に0ー2で敗れた。
S5
下村亮太朗 | 2{7-5、7-5}0 | 渡部将伍 |
2セットとも接戦となった。勝利の瞬間、雄たけびを上げた下村。粘る相手を振り切り勝利をおさめた。
S6
林航平(理3・名古屋) | 1{6-1、3-6、4-6}2 | 高畑里玖 |
第1セットを6ー1で奪い、主導権を握ったかのように見えた林。しかし第2セットは3ー6で落としてしまう。長いラリーが続き消耗戦となったこの試合。途中右足に違和感を感じた林がメディカルタイムアウトを要求するなどコンディション面での不安もあった。右足を痛めながらも懸命のラリーで驚異の粘りを見せた林。しかし最後は力尽き、早大の勝利が決まった。
関東リーグ戦はこれが最終戦となった。関東第2代表として臨む王座の舞台。目下16連覇中の早大の壁を今度こそ乗り越え、男女アベック優勝という歴史的快挙への期待が高まる。
(取材:鈴木宗太郎、堀川洸、松田英人)