【バレーボール】実力伯仲の好勝負も悔しさ募るフルセット負け/秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 第8戦vs国士館大

バレー戦評

前日の法大戦に勝利し勢いに乗る慶大は、この日国士館大との一戦に臨んだ。第1セットは終始相手に押されるかたちで、こちらのミスも響き大差で落としてしまう。しかし、そこから切り替えて徐々に慶大らしい攻撃を展開し、第2・第3セットを連取。そのまま勝ち切るかと思われたが、国士館大も負けじと反撃。第4セットは控え選手も活躍し、総力戦で挑むも取り切れない。最終セットは20点台までもつれ込んだが、このセットも惜しくも取ることはできなかった。慶大はセットカウント2-3で秋季リーグ戦初黒星を喫した。

 

2022年10月2日(日)

秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦

第8戦 慶大×国士館大

 

得点

慶大

セット

国士館大

13

25

30

28

25

22

20

25

20

22

 

 

出場選手(サーブ順)

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

   
   

MB

降小雨(商4・慶應)

S

高倉真古都(商4・慶應)

OH

18

安達龍一(環4・洲本)

MB

芳賀祐介(環2・札幌北)

OP

松本喜輝(環3・九州産業)

OH

島田航希(経3・慶應)

L

12

内田克弥(環2・松江高専)

途中出場

 

 

OH

11

入来晃徳(環1・佐世保南)

MB

27

下田悠生(経4・慶應湘南藤沢)

S

10

大槻晟己(総3・清風)

OH

渡邊大昭(商2・慶應)

 

松本のスパイク

大事な第1セット。相手のキレのあるスパイクで先制されるも、その後は安達龍一(環4・洲本)、松本喜輝(環3・九州産業)らを中心に強烈なスパイクを決め、慶大も簡単には流れを渡さない。しかし、中盤に入ると相手の鋭いスパイクが次々と決まる一方で、慶大のサーブミス、スパイクミスが続き、8-16とどんどん点差が広がっていく。ここで安達に代わり入来晃徳(環1・佐世保南)をコートに投入し立て直しを図りたい慶大は、芳賀祐介(環2・札幌北)のクイック攻撃、松本・芳賀のブロックポイントで連続得点。また、島田航希(経3・慶應)のスパイクで点差を縮めるも、12ー17から相手のスパイクとプッシュが3連続で決まり、再び8点差に。その後、降小雨(商4・慶應)が力強いスパイクを決めるも、相手のブロード攻撃やブロックが機能し、13-25と大差でこのセットを落としてしまう。

 

松本(左)と芳賀の二枚ブロック

第2セットは相手のミスから慶大が連続得点するも、こちらにもミスが出て2-2と競った展開で始まった。しかしその後、相手にブレイクを許し4-7とリードされると、点差が開き余裕が出た国士舘大はクイック攻撃で慶大を翻弄してくる。慶大はエースの松本にボールを集め得点を重ねるが、追いつくことができず苦しい時間が続き、10-13でこのセットを折り返す。しかし、お互いスパイクを打っては拾う激しいラリー戦を慶大が制すると流れが変わり、ピンチサーバー・下田悠生(経4・慶應湘南藤沢)のサービスエースで15-15とついに同点に追いつく。慶大は松本や安達の力強いスパイク、降の体を張ったプレーで点を重ねるが、相手も確実に点を積み重ね24-24となる。ここで松本のスパイクが止められ24-25とピンチを迎えるも、クイック攻撃が決まり再び同点に。デュースになってからはサイドアウトを取り合う緊張感のある攻防が続く。28-28の場面、松本と芳賀の二枚で相手スパイカーを止めたのは大きい1点だった。そして、最後は内田克弥(環2・松江高専)からの二段トスを松本が決めて30-28で第2セットを奪った。

 

ブロックポイントをあげ、喜びあう島田(右)と内田

この勢いのままセットを連取したい慶大は、安達のスパイクで第3セットも先制すると、連続で得点を奪うなどリードを広げていく。慶大らしい攻撃が戻ってきたが、国士舘大もそれに対応してくる。松本のスパイクが止められ、相手にサービスエースを決められるなど12-13と1点ビハインドでセットは後半戦へ。14-16の場面、ラリーを制したのは島田と高倉のブロック。その後、相手のミスで16-16と同点に追いつくと国士館大はタイムアウトを取る。また、ブロックでプレッシャーを与え、相手のスパイクミスを誘うとブレイクに成功し、18-17と1点ずつ着実に積み重ねていく。慶大は第2セットから徐々に調子を取り戻した安達や松本を中心に得点し、24-22とリードを保ちながらセットポイントを握る。そして、高倉真古都(商4・慶應)がスパイクを拾うと最後は降が決めて25点目。主将副将コンビで第3セットも奪取しセットカウントを2-1とした。

 

安達のスパイク

勝負をかけたい第4セット。流れを左右する大事な序盤、慶大は思い通りにスパイクが決まらないことに加え、相手の攻撃を拾えずに3-8とリードを許す。タイムアウトを挟んだその後も連続失点し、3-10と大きく点差をつけられてしまう。ここで流れをセットするべく高倉に代わり、大槻晟己(総3・清風)がコートに投入される。司令塔として大槻が積極的にセンター線を使うも相手ブロックはしっかりつき、なかなか決めさせてはくれない。相手のブロード攻撃や強烈なスパイクに対応できず、14-20と国士館大が先に20点台に到達したタイミングで高倉がコートに戻る。長いラリーを安達のバックアタックでものにするなど18-22と慶大が三連続得点をあげたところで、国士館大はタイムアウトを要求。流れをつかみかけたかに思えたが、最後まで開いた点差を縮められずに20-25でこのセットを落としてしまう。

 

安達(左)と芳賀のブロックで相手を止める

運命の最終セット。安達のクロスへのスパイクで先制点を奪うと、続くプレーは相手のスパイクがアウトになり2-0と連続得点。しかし、相手も力強いスパイクでブロックアウトを取り、また松本のスパイクをシャットアウトして2-2とお互いの意地が火花を散らす。相手ライトの選手の攻撃を連続で止められずブレイクを許し4-6。以降慶大が相手を追いかけるかたちでサイドアウトを取り合い、6-8でコートチェンジ。安達・芳賀の二枚ブロックで相手を仕留め8-8とついに並ぶと、コート内もベンチも一体となって盛り上がる。これにはたまらず国士館大はタイムアウトを要求する。両者一歩も譲らず、気が付くとカウントは14-14に。松本の強打でマッチポイントを握るも、ここで終われない国士館大も攻めのバレーで着実にブロックアウトを取ってくる。両チームともに1点を取る度、全身で大きく喜びを表し、これに味方も相手も士気が鼓舞される。マッチポイントを握り握られ、白熱した勝負はついに20点台にまで到達。先に20点台に乗せたのは慶大だったが、最後は惜しくも決め切ることができず20-22で試合終了。セットカウント2-3で無念の敗北を喫した。

 

(記事・写真:長沢美伸、佐伯真由、田中瑠莉佳)

 

以下、コメント

 

星谷健太朗監督

――今日の試合を振り返って

国士舘大学さんと素晴らしいゲームができて、それが何より幸せだったなと思いますし、皆さんに感謝したいと思っています。国士舘大学さん、おめでとうございますと言いたいです。

――フルセットに及ぶ大接戦でした。思い通りにいった部分といかなかった部分を教えてください。

そうですね。思い通りにいった部分はあまりないんですけど、要所でブロックで押さえられたり、安達・松本のスパイクの安定的な決定というところはうまくいっていたと思います。一方で、サーブが機能しなかったことと触ったり抜けたりしたボールのディフェンスですね。それはあまりサーブが機能しなかったからやりづらかった部分も大きいかなと思うのですが、そういった組織的なところで意識はしていたんですけど、結果には結びつかなかったなと思います。

――他に課題や反省点は

サイドアウトを安定的にやれていないローテーションというのがいくつかあって、それが相手のビッグサーバーの時であればまだいいんですけど、そうではない場面で出てしまっているのが大きな課題かなと。ビッグサーバーではないサーブを安定的に返して、それをスパイカー陣がしっかりとインパクトする。その結果、拾われてしまうことは当然あるんですけど、その前段階のところでもたついてしまっていることが多いので、そこを改善しないと上にはいけないかなと思います。

――次戦への意気込み

本当にやるべきことは変わらないです。今日についても特に最終セットは国士舘大学さんとても良いバレーをしていて、まあジャッジうんぬんはありますけど、そこを含めて我々の実力だと思うので、どんな相手でも関係なく次に向けてしっかり身体・気持ち・戦略的な対策というところをぶらさずにやって良いパフォーマンスをして、良い結果を出せるようにやっていきたいと思っています。

 

高倉真古都主将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

悔しいです。

――均衡した試合展開だったと思うのですが、あと一歩だった部分を教えてください。

お互いのチームの気持ちがぶつかる中で、ジャッジの運もあると思いますが、向こうの方が勝っていた、若干上回っていました。僕らが悪いパフォーマンスをしていたわけではなくて良いプレーもたくさんあったので勝負の世界ではしょうがないかなと思います。

――この試合でよかった部分を教えてください。

取れたセット、2・3セット目に関しては相手に2点3点いかれる場面でもちゃんとセットをとれているので、そこは良かったかなと思います。取られたセットはそれができていませんでした。

――次戦に向けて

一敗してしまったので、あとの試合全部勝って首位で入替戦にいけるようにこれからチームをまとめていきたいと思います。

 

安達龍一選手(環4・洲本)

――今日の試合を振り返って

個人としては、1セット目に自分のリズムを作れずに崩れて、申し訳なかったです。前までは(そのまま)崩れていたのですが、そこを直せたのは良かったと思います。チームとして、最後取り切れるチャンスは何回もあったのに取り切れなかったことが、国士舘大に負けていたところだと思いました。

――第2セットからは調子を上げ得点を重ねました

パスを返そうという意識でやってしまっていたところを、いつもやっているようにパスが悪くてもいいから高さを作って自分でスパイクを決めていこうと、普段通りということを意識して持ち直しました。

――今日の課題は

取られているセットはブレイクしたいところでサーブミスが多く、流れに乗り切れてないということがあったので、そこをもっと入れていければより自分たちのプレーを発揮できたなと思います。

――次戦に向けて

次から負けられない状況なのですが、勝ち負けにこだわらず自分たちのいつも通りのプレーを発揮することが勝利につながっていくと思うので、いつも通りのプレーを出し切りたいと思います。

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