【ハンドボール(男子)】引退の4年生、諦めず泥臭いプレーで有終の美を飾る/第70回早慶定期戦

ハンドボール

  1部リーグに在籍する早大との早慶ハンドボール定期戦。強敵・早大に対して、慶大送球部はチームスローガンである「新生」をひっさげ、慶應義塾大学日吉記念館で試合に挑んだ。前半に大きく点差を広げられるも、後半には慶大のゴールが多く決め諦めないプレーを見せるが力の差は大きく敗戦。

 

11/27(日) 15:30試合開始 @慶應義塾大学日吉キャンパス 日吉記念館

 

 

 

慶大得点者:松野9、加藤5、杉本3、秋野2、川瀬1、尾嵜1、永島1、常久1

 

早大の攻撃でスローオフ。この試合初めてシュートを放ったのは、加藤優佑(経4・浅野)だったが相手のディフェンスに阻まれ得点にはならない。両チーム最初の得点となったのは前半2分フリーになっていた早大左ウイングの小笹紘大(法4・拓殖大一)がシュートし決める。そこからもう一点を奪われ、なんとか初得点がほしいところで主将の秋野啓一郎(医4・慶應)が自らカットインしゴール。日吉記念館で行われただけに、ホーム慶大が得点を決めると、詰めかけ人たちが盛り上がりを見せる。

多くのファンが詰めかける

早大、田井健志(スポ3・香川中央)のシュートを鈴木悠斗(環1・桐光学園)がセーブしすかさずカウンターでこぼれ球を一気にパスで繋ぎ杉本紀心(商3・大和)がこの試合2得点目となるシュートを決める。

上級生にも積極的な声がけをする1年鈴木

この日慶大は、1部常連の早大相手というのもあり、相手をリスペクトした上での7人攻撃を行う。前半18分には7人攻撃をする上で避けることはできないセーブしたGKが直後にロングシュートを放ち得点を決める場面も起きる。慶大は早大に対して4点目を決めて以降、15分以上一方的に点を取られ続ける展開が続き、後半に向けて点差を縮めて折り返したいところで、松野佑太郎(法4・慶應)が連続シュートを放ち慶大に流れが傾き始める。そんな中、今秋リーグ戦中頃前十字靭帯断裂で戦線離脱をしていたが復活を見せた加藤の強烈なシュートが早大GK渡辺航平(人科2・桐光学園)の顔に直撃し、得点チャンス時に投げたボールがGKの首から上に当たると2分間退となる新たなルールにより、慶大にとって痛い数的状況となる。この状況下で早大の硬いディフェンス陣が慶大のパスカットをし、すぐさまGKのいないゴールへボールが吸い込まれる。慶大は終始7人攻撃を行うも噛み合わず、前半を8−20の二桁ビハインドで折り返した。

怪我から復活した加藤

点差こそ開いたものの、7人攻撃の形をモノにし始めていた慶大は後半での巻き返しに期待がかかる。

 

後半に入ると慶大のゴールラッシュが続く。秋リーグ最終戦では驚異の16得点を放った松野は後半に入り4分にはシンプルな高いところのシュート、15分には体を回転させディフェンスを交わし鮮やかなシュートさらに、21分にはGKの見えないディフェンスの影からシュートをきめバリエーション豊かなシュートで慶大エースが会場を魅了する。

多くのシュート決めるエース松野

松野だけではない。試合残り30秒では大学からハンドボールを始めたという常久俊(経4・慶應NY学院)のシュートも決まる。

試合終盤にシュートを決める常久

慶大のディフェンス陣も後半13分慶大GK仲山聡(法2・桐蔭学園中等)の足元のシュートを上手くセーブしパスでつなぎシュートをもぎ取り、ディフェンス陣からの攻撃に流れを持っていく。更に、後半早大にウィングまでボールが回るシーンが目立ったがよく動いて粘り強く凌ぐ。しかし、早大は前半からの流れのままにコンスタントに点数を重ねていく。

慶大はゴールラッシュを見せ、一矢報いるも前半での点差が仇となり、試合終了のブザーが鳴り響き23―39という結果に終わった。

 

 

1部常連の早大に対し、慶大は後半には15−19で食らいつくも前半での二桁ビハインドが重く伸し掛かり点差の開いた試合結果となった。この日で引退となる4年生の諦めない姿勢が後半のシュートラッシュに繋がったのだろう。チームスローガン「新生」で迎えた今年、学年問わず意見をできる環境を作ると誓った中で下級生が上級生に的確な支持を出す場面も多く見受けられた。1部昇格を成し遂げられなかったものの4年生が作り上げた良いチームの雰囲気を継承し、来年1部昇格を期待したい。

 

     (記事:吉岡洲 写真:吉岡洲)

 

月村太郎監督

インタビューを受ける慶大、月村監督

──今日の選手たちの頑張りはいかがでしたか?

何とか早稲田の速攻を食い止めようと一ヶ月間頑張ってきたのですけれどもなかなか前半で走られ前半で点差が離れてしまったのが難しい展開になってしまいました。

──後半はかなり拮抗した場面もありましたがいかがでしょうか?

なんとかセットディフェンスまで持ち込めるようになったので、ゲームになって来たなと感じたなのですがやはり前半の点差が大きかったなと思っています。

──今日の選手たちどういう風に見えますでしょうか?

最後の4年生中心にメンバーを組んだのですけれども、やはり最後の試合ということであの4年生がなんとか身体を投げ出して点を決めてきてくれてよかったかなと思っています。

 

 

秋野啓一郎(医4・慶應)

主将としてチームを引っ張る秋野

──今どんな気分ですか?

格上と分かっていた中で、一発勝負にすべてかけてやってきて結果的に力の差は出てしまいましたけど、最後の最後までしっかり自分たちのハンドボールができたと思います。

──この4年間振り返ってええどういった大学生活だったでしょうか?

レベル高い大学のハンドボール界の中で自分自身は本当にしがみついてあの泥臭くやってきたつもりですね。慶應ハンドボールとしても代々受け継がれている基本を大事に最後まで諦めないっていうハンドボールは今日もできたと思います。

──4年間一緒に頑張ってきた仲間たちに一言お願いしてもいいですか?

本当に感謝しかないです。やっぱり自分一人では何もできなかったので本当にあの同期もそうですし後輩とか監督とかにも本当にありがとうと伝えたいです。

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